もしも。

わたし。

　わたしは
恋焦がれる未来を夢見ては
妄想したり
恋愛小説が好きだったりする
ただの女子高生だった。


少し変わったところと言えば、


――――　sexが好きなこと。　―――


　､､､バタン。

　わたしの朝は、ままが部屋のドアを
あける音でやってくる。
目覚まし時計？
そんなもの物心ついた時から
私の部屋には存在しない。
だってままがわたしの目覚まし時計だから。

　もちろん、平日はたまに寝坊して遅刻するけどしっかり登校してるよ。
土日祝日はアルバイトで埋めるというなんとも学生らしいスケジュール。
ただ、今でもわたしが後悔しているのは
ここからの話。

　後悔してる。
最初にわたしが言った
｢sexが好き｣
少しこれにも関係していることなの。
わたしは別に依存症でもなんでもないし
ただ｢学生｣という自分が今立たされてる身分で稼いでしまいたい。そう思っただけで起こしてしまった行為。

　｢援助交際｣通称｢援交（円光）｣
きっと耳にしたことがある人が多数だと思う。
最近だと、｢パパ活｣なんて言葉が学生の間に飛び交ってる。
　わたしは高校1年生でこの行為に及んでお金を稼いでいた。
そこに快楽なんてなくて、ただただ絵に書いたような気持ち悪いおっさんに身体を舐められ、生ぬるい吐き気のするおっさんの体温を感じてわたしはただ耐えるだけ。
それだけでお金が貰える。
｢それだけ｣か｢そんなに｣かは
価値観によるものだけど、昔から裕福という訳ではなくお金に恵まれていなかった私には｢それだけ｣耐えれば済む話だった。
ただこれだけ、それだけの理由で、わたしは高校1年生から始めたの。

　これが『わたし。』