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《 第四章 》こんがらがって、溶けた答え
( 六 )
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時也と居る時はいつだっていつも通り。すっきりとした笑顔を浮かべた拍子に、「よしよし」と言って頭を撫でてくれる。それから頰にキスをくれる。
「双葉は双葉とかさ、双葉らしいってみんなが言うのってさ」
「うん」
「要するにそういうことだったんだよー」
と、時也がいつものように明るい調子で何気なく言った。なんだか恥ずかしくてくすぐったくて、まだ多少感じていた不安が吹っ飛んだ。
わたしは自分や物事を一直線で捉えなきゃいけないと必死だった。けれども、一直線なものもあれば、歪んだ湾曲やねじれた線、長さの違うもの、たくさんのそういうものが絡み合いわたしの形を作る。その形は絶対に歪になるにちがいない。綺麗な四角や丸になったなら、それは仙人のようになってしまうだろう。到底無理だ。
ひとつずつ、わたしは色んな自分を見つけて行こうと思う。
まずは進路だ。進路を決めるために必要な自分を探さないといけない。
なんだろう、楽しいけれども不思議な気分だ。
みんなが言う「双葉らしい」という言葉の意味、わたしはまるで飲め込めていなかった。一直線に走りつづけるだけが全てじゃないのだ。そう言いたかったんだと思うことにした。
大丈夫。大丈夫だ。
わたしはこれからいろんなわたしを見つけていく。
それはきっと終わりなどない。
ごにゃごにゃすることはきっとある。けれども、最適な答えを見出していけるような気がする。
身近な誰もが背中を押しつづけてくれて、やっとわたしは自分探しのスタート地点までたどり着けた。
これからはきっと、そのスタート地点から今までのように必死に走りつづけることはないだろう。だって、わたしらしさなんてすぐに全部を見つけられるわけないがないから。
どうやら、まっすぐが好きだったわたしは、かなり鈍感なのだろう。鈍感なりに、ゆっくりだとしても、自分を探すことはできるはずだ。
歪んだ形の中にある全てをばらばらに分解してひとつずつ確かめていったら、まず外側にあった歪な形、わたしという人間が一度なくなってしまう。元に戻せるかもわからない。
その形の中になにがあるかを探していくこと、それが一番自分探しに最適だと思う。
双葉は双葉、わたしはわたし。
時也がよく口にするその言葉が、今のわたしの励みだ。
「双葉は双葉とかさ、双葉らしいってみんなが言うのってさ」
「うん」
「要するにそういうことだったんだよー」
と、時也がいつものように明るい調子で何気なく言った。なんだか恥ずかしくてくすぐったくて、まだ多少感じていた不安が吹っ飛んだ。
わたしは自分や物事を一直線で捉えなきゃいけないと必死だった。けれども、一直線なものもあれば、歪んだ湾曲やねじれた線、長さの違うもの、たくさんのそういうものが絡み合いわたしの形を作る。その形は絶対に歪になるにちがいない。綺麗な四角や丸になったなら、それは仙人のようになってしまうだろう。到底無理だ。
ひとつずつ、わたしは色んな自分を見つけて行こうと思う。
まずは進路だ。進路を決めるために必要な自分を探さないといけない。
なんだろう、楽しいけれども不思議な気分だ。
みんなが言う「双葉らしい」という言葉の意味、わたしはまるで飲め込めていなかった。一直線に走りつづけるだけが全てじゃないのだ。そう言いたかったんだと思うことにした。
大丈夫。大丈夫だ。
わたしはこれからいろんなわたしを見つけていく。
それはきっと終わりなどない。
ごにゃごにゃすることはきっとある。けれども、最適な答えを見出していけるような気がする。
身近な誰もが背中を押しつづけてくれて、やっとわたしは自分探しのスタート地点までたどり着けた。
これからはきっと、そのスタート地点から今までのように必死に走りつづけることはないだろう。だって、わたしらしさなんてすぐに全部を見つけられるわけないがないから。
どうやら、まっすぐが好きだったわたしは、かなり鈍感なのだろう。鈍感なりに、ゆっくりだとしても、自分を探すことはできるはずだ。
歪んだ形の中にある全てをばらばらに分解してひとつずつ確かめていったら、まず外側にあった歪な形、わたしという人間が一度なくなってしまう。元に戻せるかもわからない。
その形の中になにがあるかを探していくこと、それが一番自分探しに最適だと思う。
双葉は双葉、わたしはわたし。
時也がよく口にするその言葉が、今のわたしの励みだ。
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