11 / 192
第三章 異能と才能
母との時間
しおりを挟む
割と頻繁にあの壮大な夢なのか何なのかわからない空間にいるようになったので、
気が進まなかったが、母に話してみようと思い始めていた。
娘も、どうやらあの空間は経験済な様なので、
自分の幼少期の様子も含め、知らないといけない事もある気がしたからだった。
―――――週末、娘を連れて実家へと出向いた。
「ばばちゃま!」
玄関で、娘が呼びかけた。
嬉しそうな顔で、母が出てきた。
「りょうひ~」
何とも締まらない声で呼んだ。
「レンも元気そうね」
つれない感じでひとまず声をかけられた。
「さ、上がって。」
懐かしい、母の煮物の香りが鼻をくすぐり、誘いざなわれるように実家の敷居をまたいだ。
―――――ひとしきり、母の料理を堪能し歓談をした後、
娘のリョウは友達とのSNSタイムの為、リビングを離れ、寝室へと向かった。
「こんなものよね(笑)」
と、母はケラケラと笑った。
「こんなもんよ。」
と、返した。
「アンタはもっと思春期だったし、もっと酷かったもんね。」
「.....その節は、失礼しました。」
顔を見合わせて、笑った。
私が、リョウの年齢だった頃は、もっと大人で、もっと何かに抗っていた。
「なんだろうね、なんであんなに抗っていたのか(笑)解明できない人間の謎だよね~
しかし、母ちゃまの料理は相変わらずにおいしい。」
「ふふっ(笑)あの思春期の日々は”地味な料理ばっか出すなよ!!”とかキレていたのに(笑)」
「......あの、あまり過去は振り返らないようにお願いします。」
「そうね(笑)みんな避けて通れない道だもんね。」
顔を見合わせて笑った。
「ところで、今日のご用向きは?」
母が核心をついてきた。
「・・・感づいているんでしょ?」
「...ま、ね。予知夢があったから。でも、ほら、必ず当たる訳でもないし。
まさか、ばあちゃん孝行しに来たわけでもないでしょうに。」
「全部込み込み、よ。顔見たかったのはホントだし。」
「ふふっ、ありがと。で、何か・・・・あったのね。」
私は、ここんとこ増えてきた、【あの空間】についてと、ばあちゃんからの言葉達について、話した。
しばらく考え込んで、口を開いた。
「アンタのばあちゃんはね、一族のなかでどうやらその時は一番能力が強いらしく予知ができたの。
持っている「異能」の数も、他の誰よりも圧倒的に多くてね、何百年かに一人出るか出ないか、なんですって。
私は、ばあちゃま(母の母)に聞いたんだけどね。」
....うちの血族は一体どんなことになってるんだ。掘れば掘るほど、人間から離れていく。
「しかも、しょっちゅう修行をしていたから・・・・強いし、コントロールも出来るのね。
一番しんどいとされている修行もクリア出来ているって話。」
「しょっちゅう.....てことはいない日が多かったのよね?母ちゃまはその時、どうしていたの?」
「そう、しょっちゅういなかったわよ(笑)父様が異能をものすごく理解して母様と結婚したから、母様がいなかった時は家事と育児、仕事をしながら私たちの世話をしてくれていたの。
父様はいつも言っていた、
”母様はね、私たちの住んでいるこの碧い惑星の為にお仕事をする人なんだよ”って。
子どもの頃の私には理解できなかったから、私は、ものすごく反抗したんだけどね(笑)」
「知ってる。ばあちゃんが母ちゃまがものすごく荒れた時期があって大変だったって言ってたから(笑)」
「余計な事を(笑)まあ、間違ってはいないのだけど。小さい時は寂しくてねぇ・・
意味も分からず頻繁に、突然いなくなるから子供心にうちの母親(-.-)って思ってたのよね。」
「だから、母ちゃまは修行を拒んで、精進していくことはしなかった。わけね。」
「その通りです。」
「でも、穏やかではいられなくなってしまった、私とリョウの存在によって。」
「そういうこと。そもそも、レンは小さい頃から、カンが強い子だったので、母親として複雑だった。
もしかして、と思っていた。そしたら、母様が「蓮伽は能力が強い」と言い出してしまって。
しかも、リョウが生まれてリョウの強さを私も認識できてしまったから・・・」
「なんで、能力が強めな人間が立て続けに産まれて来てしまったの?」
「そう、そこなの。」
―――――異能を持つ一族あるあるなのだが、隔世遺伝や何世かに一度、
能力が強い者が産まれるということがスタンダードらしい。
色々な説があるのであまりわからないのだが、能力が強すぎても種族として宜しくない理由があるとのこと。
結局、我が家の家系も「種のバランス」を取りながら、異能を受けいれて生存してきたということになる。
「母様は、それだけ地球の正しい姿での存続が難しくなってきている。と言っていた。
人間のあるべき姿も乱れ、数が溢れてしまって、命のバランスが崩れている、と。
だから、レンの力を覚醒させたい。って、頻繁に私のところへ頼み込みにきてたのよ。」
「母ちゃまはなんで?なんでそんなに頑なに拒むの??人の助けになるのならいいじゃない?」
「・・・・普通の子でいて欲しかったから。ただ、それだけ。」
一瞬だが、寂しそうな顔をした気がした。
「修行をし鍛練を積むということをする必要なく、大きなお役目を背負うことなく普通の女の子として生きて欲しかった。
でも、そんなのんきな状況ではない、大きな事が迫っている。私もそれは感じているの。
だから、ずっとどうするべきか考えていた。」
「そしたら、私たちが遊びに来たわけだ。」
「そう、母様がきっと、そう仕向けたのね。ホント、困っちゃう。」
そう言って、力なく笑った。
「で、母様なんだって?私のとこへは来ないのよね、きっと怒るから(笑)」
私は、あの時間の事をくまなく、寸分も漏らす事無く伝えた。
リョウも経験済、ということも。
神妙な面持ちで聞いていた母だったが、目を閉じて聞いている。
「そんなに、色々考えないとダメな事なの?地球の為なら、やるしかないじゃない?
私程度の力で、何かを救えることができるならそれに越したことはないんじゃないの?」
少し苛立ちを見せた私に、静かに言った。
「リョウが大変な思いをしなければならないとなったら、簡単にそんな事、言えるの?」
・・・・黙るしかなかった。私だって、母だから。
そして、父と母に守られ育てられて今を生きている。
「父ちゃまは?異能の事、知ってたんでしょ?直接話したことはなかったけど....」
父はすでに他界してしまっている。
父も、異能を持つ家系だと、知っていて母と結婚した。
ちなみに、旦那も異能持ちなのは知っているが全く興味がないということで、母は結婚の際、逆に喜んだ。
「彼は、私の思いを知って、私の好きにさせてくれた。
能力を持つということが必ずしも幸せでないことを理解してくれたから。でも。」
「でも?」
「選ばれた人しか出来ないんだよ、とよく口にしていたの。僕には、出来ないことだから、と。」
「・・・・そっか。父ちゃまにも思ってたことがあったんだね。もっと、話したかったな。」
「ごめんね、私が能力を意識せずにあなたを育てたかったから、そこにたどりつく事がないようにしてた。」
確かにそうだったかもしれない、小さい頃は異能の存在をあまり感じたことはなかった。
少なくとも、両親からは。祖母からおとぎ話のように聞かされていただけで。
母は、祖母が私に異能の話をしていたことは、だいぶ後に知ったらしい。
母はそっと目を開け、言った。
「あの空間に母様が、二人を導いたということは思ったより、淘汰が始まり修正が始まっているのかもね、高次元の存在により。」
「高次元の存在・・・あの空間って言うことは母ちゃまも行った?ことがある訳??」
わからないことだらけだ。
「(笑)あるけど、私は拒絶が大きかったので、シンクロの精度が悪くて(笑)
見えないものから受け取る事が出来なかったのよ。後悔はしてない。」
「母ちゃまは自分で繋がりを切った。」
「切りたかったんだろうけど、切れなかった。所持しているものだし、ね。
ただ、強くしないように努めていた、って感じかな。」
「そうだったのね、母ちゃまはどうしても嫌だったのね(笑)」
「そうなの(笑) でも皮肉なことに、私の循環しなかったパワーが子宮に溜まり能力の極めて高い子が産まれた。」
「(爆笑)それが、ワタシって訳ね。」
「そう、そしてアナタの能力に蓋をしようとしたせいで、」
「リョウの能力も高そうな気配(笑)」
「そういうこと。」
その後、深夜にまで及び、やらなければならないことについてなど話した。
祖母がやっていたほどまではやらずとも、で済みそうだったが、集中して鍛練を積んだ方が、自分だけでなく娘を守れるまでの強さを得られるという事だったので、母に娘の身の周りをお願いし準備に入った。
離婚どころではなくなってしまった。
気が進まなかったが、母に話してみようと思い始めていた。
娘も、どうやらあの空間は経験済な様なので、
自分の幼少期の様子も含め、知らないといけない事もある気がしたからだった。
―――――週末、娘を連れて実家へと出向いた。
「ばばちゃま!」
玄関で、娘が呼びかけた。
嬉しそうな顔で、母が出てきた。
「りょうひ~」
何とも締まらない声で呼んだ。
「レンも元気そうね」
つれない感じでひとまず声をかけられた。
「さ、上がって。」
懐かしい、母の煮物の香りが鼻をくすぐり、誘いざなわれるように実家の敷居をまたいだ。
―――――ひとしきり、母の料理を堪能し歓談をした後、
娘のリョウは友達とのSNSタイムの為、リビングを離れ、寝室へと向かった。
「こんなものよね(笑)」
と、母はケラケラと笑った。
「こんなもんよ。」
と、返した。
「アンタはもっと思春期だったし、もっと酷かったもんね。」
「.....その節は、失礼しました。」
顔を見合わせて、笑った。
私が、リョウの年齢だった頃は、もっと大人で、もっと何かに抗っていた。
「なんだろうね、なんであんなに抗っていたのか(笑)解明できない人間の謎だよね~
しかし、母ちゃまの料理は相変わらずにおいしい。」
「ふふっ(笑)あの思春期の日々は”地味な料理ばっか出すなよ!!”とかキレていたのに(笑)」
「......あの、あまり過去は振り返らないようにお願いします。」
「そうね(笑)みんな避けて通れない道だもんね。」
顔を見合わせて笑った。
「ところで、今日のご用向きは?」
母が核心をついてきた。
「・・・感づいているんでしょ?」
「...ま、ね。予知夢があったから。でも、ほら、必ず当たる訳でもないし。
まさか、ばあちゃん孝行しに来たわけでもないでしょうに。」
「全部込み込み、よ。顔見たかったのはホントだし。」
「ふふっ、ありがと。で、何か・・・・あったのね。」
私は、ここんとこ増えてきた、【あの空間】についてと、ばあちゃんからの言葉達について、話した。
しばらく考え込んで、口を開いた。
「アンタのばあちゃんはね、一族のなかでどうやらその時は一番能力が強いらしく予知ができたの。
持っている「異能」の数も、他の誰よりも圧倒的に多くてね、何百年かに一人出るか出ないか、なんですって。
私は、ばあちゃま(母の母)に聞いたんだけどね。」
....うちの血族は一体どんなことになってるんだ。掘れば掘るほど、人間から離れていく。
「しかも、しょっちゅう修行をしていたから・・・・強いし、コントロールも出来るのね。
一番しんどいとされている修行もクリア出来ているって話。」
「しょっちゅう.....てことはいない日が多かったのよね?母ちゃまはその時、どうしていたの?」
「そう、しょっちゅういなかったわよ(笑)父様が異能をものすごく理解して母様と結婚したから、母様がいなかった時は家事と育児、仕事をしながら私たちの世話をしてくれていたの。
父様はいつも言っていた、
”母様はね、私たちの住んでいるこの碧い惑星の為にお仕事をする人なんだよ”って。
子どもの頃の私には理解できなかったから、私は、ものすごく反抗したんだけどね(笑)」
「知ってる。ばあちゃんが母ちゃまがものすごく荒れた時期があって大変だったって言ってたから(笑)」
「余計な事を(笑)まあ、間違ってはいないのだけど。小さい時は寂しくてねぇ・・
意味も分からず頻繁に、突然いなくなるから子供心にうちの母親(-.-)って思ってたのよね。」
「だから、母ちゃまは修行を拒んで、精進していくことはしなかった。わけね。」
「その通りです。」
「でも、穏やかではいられなくなってしまった、私とリョウの存在によって。」
「そういうこと。そもそも、レンは小さい頃から、カンが強い子だったので、母親として複雑だった。
もしかして、と思っていた。そしたら、母様が「蓮伽は能力が強い」と言い出してしまって。
しかも、リョウが生まれてリョウの強さを私も認識できてしまったから・・・」
「なんで、能力が強めな人間が立て続けに産まれて来てしまったの?」
「そう、そこなの。」
―――――異能を持つ一族あるあるなのだが、隔世遺伝や何世かに一度、
能力が強い者が産まれるということがスタンダードらしい。
色々な説があるのであまりわからないのだが、能力が強すぎても種族として宜しくない理由があるとのこと。
結局、我が家の家系も「種のバランス」を取りながら、異能を受けいれて生存してきたということになる。
「母様は、それだけ地球の正しい姿での存続が難しくなってきている。と言っていた。
人間のあるべき姿も乱れ、数が溢れてしまって、命のバランスが崩れている、と。
だから、レンの力を覚醒させたい。って、頻繁に私のところへ頼み込みにきてたのよ。」
「母ちゃまはなんで?なんでそんなに頑なに拒むの??人の助けになるのならいいじゃない?」
「・・・・普通の子でいて欲しかったから。ただ、それだけ。」
一瞬だが、寂しそうな顔をした気がした。
「修行をし鍛練を積むということをする必要なく、大きなお役目を背負うことなく普通の女の子として生きて欲しかった。
でも、そんなのんきな状況ではない、大きな事が迫っている。私もそれは感じているの。
だから、ずっとどうするべきか考えていた。」
「そしたら、私たちが遊びに来たわけだ。」
「そう、母様がきっと、そう仕向けたのね。ホント、困っちゃう。」
そう言って、力なく笑った。
「で、母様なんだって?私のとこへは来ないのよね、きっと怒るから(笑)」
私は、あの時間の事をくまなく、寸分も漏らす事無く伝えた。
リョウも経験済、ということも。
神妙な面持ちで聞いていた母だったが、目を閉じて聞いている。
「そんなに、色々考えないとダメな事なの?地球の為なら、やるしかないじゃない?
私程度の力で、何かを救えることができるならそれに越したことはないんじゃないの?」
少し苛立ちを見せた私に、静かに言った。
「リョウが大変な思いをしなければならないとなったら、簡単にそんな事、言えるの?」
・・・・黙るしかなかった。私だって、母だから。
そして、父と母に守られ育てられて今を生きている。
「父ちゃまは?異能の事、知ってたんでしょ?直接話したことはなかったけど....」
父はすでに他界してしまっている。
父も、異能を持つ家系だと、知っていて母と結婚した。
ちなみに、旦那も異能持ちなのは知っているが全く興味がないということで、母は結婚の際、逆に喜んだ。
「彼は、私の思いを知って、私の好きにさせてくれた。
能力を持つということが必ずしも幸せでないことを理解してくれたから。でも。」
「でも?」
「選ばれた人しか出来ないんだよ、とよく口にしていたの。僕には、出来ないことだから、と。」
「・・・・そっか。父ちゃまにも思ってたことがあったんだね。もっと、話したかったな。」
「ごめんね、私が能力を意識せずにあなたを育てたかったから、そこにたどりつく事がないようにしてた。」
確かにそうだったかもしれない、小さい頃は異能の存在をあまり感じたことはなかった。
少なくとも、両親からは。祖母からおとぎ話のように聞かされていただけで。
母は、祖母が私に異能の話をしていたことは、だいぶ後に知ったらしい。
母はそっと目を開け、言った。
「あの空間に母様が、二人を導いたということは思ったより、淘汰が始まり修正が始まっているのかもね、高次元の存在により。」
「高次元の存在・・・あの空間って言うことは母ちゃまも行った?ことがある訳??」
わからないことだらけだ。
「(笑)あるけど、私は拒絶が大きかったので、シンクロの精度が悪くて(笑)
見えないものから受け取る事が出来なかったのよ。後悔はしてない。」
「母ちゃまは自分で繋がりを切った。」
「切りたかったんだろうけど、切れなかった。所持しているものだし、ね。
ただ、強くしないように努めていた、って感じかな。」
「そうだったのね、母ちゃまはどうしても嫌だったのね(笑)」
「そうなの(笑) でも皮肉なことに、私の循環しなかったパワーが子宮に溜まり能力の極めて高い子が産まれた。」
「(爆笑)それが、ワタシって訳ね。」
「そう、そしてアナタの能力に蓋をしようとしたせいで、」
「リョウの能力も高そうな気配(笑)」
「そういうこと。」
その後、深夜にまで及び、やらなければならないことについてなど話した。
祖母がやっていたほどまではやらずとも、で済みそうだったが、集中して鍛練を積んだ方が、自分だけでなく娘を守れるまでの強さを得られるという事だったので、母に娘の身の周りをお願いし準備に入った。
離婚どころではなくなってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
トキメキの押し売りは困ります!~イケメン外商とアラフォーOLの年末年始~
松丹子
恋愛
榎木梢(38)の癒しは、友人みっちーの子どもたちと、彼女の弟、勝弘(32)。
愛想のいい好青年は、知らない間に立派な男になっていてーー
期間限定ルームシェアをすることになった二人のゆるくて甘い年末年始。
拙作『マルヤマ百貨店へようこそ。』『素直になれない眠り姫』と舞台を同じくしていますが、それぞれ独立してお読みいただけます。
時系列的には、こちらの話の方が後です。
(本編完結済。後日談をぼちぼち公開中)
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
隠れ御曹司の手加減なしの独占溺愛
冬野まゆ
恋愛
老舗ホテルのブライダル部門で、チーフとして働く二十七歳の香奈恵。ある日、仕事でピンチに陥った彼女は、一日だけ恋人のフリをするという条件で、有能な年上の部下・雅之に助けてもらう。ところが約束の日、香奈恵の前に現れたのは普段の冴えない彼とは似ても似つかない、甘く色気のある極上イケメン! 突如本性を露わにした彼は、なんと自分の両親の前で香奈恵にプロポーズした挙句、あれよあれよと結婚前提の恋人になってしまい――!? 「誰よりも大事にするから、俺と結婚してくれ」恋に不慣れな不器用OLと身分を隠したハイスペック御曹司の、問答無用な下克上ラブ!
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる