結いの約束~記憶に残る蜜の香り【異能覚醒編】

蓮華(れんげ)

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第十六章 帰宅

リョウの能力

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AM11時ごろ自宅へ到着した。









車から出ると、自宅の前にリョウと母が立っていた。







「ママー!!」



「リョウ!!」







母の顔へと戻る。






「おかえりなさい。」



「母ちゃま、ただいま。ありがとう、留守を預かってくれて。」



「........あなた、蓮の花咲いたの?!」



「........ん、そうなの」



「あら、超えちゃったのね、ばさま(笑)」



「.....ばぁちゃんにも言われた。」



「よく出てくる(笑)」



「でも、ばぁちゃんのおかげで深澤くんと二人ケンカしないですんだから。」



「後で色々と詳しく教えて。」



「ん。」







リョウは、深澤くんのところへ、いの一番に向かった。








「深澤さん、おかえりなさい!」



「ただいま、です。お母さん、お返しにあがりました。」



「........ふふっ。」



「????」



「大人って......ニヤニヤ。ママの事、大好きなんですね!」



「リョウ!!」



「(笑)はははっ!何か見えるかな?正解!大好きですよ!」



「蓮の花、ママとってもキレイだから。私には蓮の花咲くかな??」







(リョウにも蓮の花、見えてるんだ。どうやら、咲く理由もわかっている...)








「......そうね、咲かせてくれる人と出会えるといいね。リョウもきっと、蓮の花だと思うから。」



「.........深澤さん、ママ、何日か会ってないだけなのにすごくキレイになった。」



「ママは元からキレイだよ。」



「えっ、嘘?!」



「ちょっと、リョウ何言いだすの!」



「ダラダラしてる時、アザラシみたいだよ?」



「笑笑笑笑笑笑ーーーーーーーーーー笑」



「深澤くん、笑いすぎッ!!」



「ア、アザラシ・・・・ね!絶妙(笑)」



「ぜ、絶妙って・・・」





「思い当たる節があるってことよ」





母の一刺しに、





「ま、そういう事です。」




と、大真面目な顔で答えていた。






「蓮の花がキレイってことは、アザラシなママをいっぱい見たってことだよ、ね!」



「リョ、リョウちゃん......(汗)」



「いい加減にしなよ!」



「ス、スイマセン.....思春期な娘なのでそういう系の話しが楽しくて....ニヤニヤ」



「親のそういうのをイジるんじゃないの!!」



「ごめんなさい....」





「深澤さん、ごめんなさい。」



「大丈夫だよ、逆に洞察力が凄くて素晴らしい!」



「ちょっと、深澤くん。洞察力....」



「蓮伽さんが、アザラシでも、トドでも、シャチでも、クジラでも大好きですから。」



「トドからのくだりはなかったですけどね。」





笑いの絶えない空間になった。





「深澤さんと出会えて、ママ、幸せそうで良かった。」



「僕も、蓮伽さんと出会えてとても幸せです。」



「......」



「急に黙って、どうしたの、リョウ。」



「深澤さん、心配しないで大丈夫。ちゃんと納まるところに納まるから。」



「ん、深澤さんが寂しそうだから。」



「.....リョウちゃんはママより強そうだね、能力。見抜かれちゃった(笑)」



「....深澤くん」



「大丈夫。僕、行くね。」



「ん、そうだね。離れがたくなるもんね。」



「リョウちゃん、またね。」



「はぁい!.....深澤さん、次会う時はきっと家族だよ。だってその為に出会ってる....」





「リョウ、余計なこと言わないの。」





「はぁい、ばばちゃま。」



「リョウ....?」





「レン、リョウの異能力はヒーリングではなく、霊視とか透視とか【視る】に特化してる可能性がある。」



「また、風変わりなことで・・」



「ちなみに、パパとママは三本の糸で繋がっていて、一本が二本を繋いでる。」



「あの......」






深澤くんが何かを聞きたそうにしている。




「深澤さん、ママとの事聞きたいんでしょ??ママ、いい?言っても。」





正直、勇気がいった。

聞いていいのかどうなのか。








「深澤くん、知る勇気ある?」



「.....あるよ。だって、信じてる。」



「深澤さん、素敵!教えます!ママの糸の相手が深澤さんで良かった。二人の糸ってウケる。」



「え?カタチ?」



「三本の糸で繋がっている片方の先から深澤さんに繋がっている(笑)ここで、どこも繋がってないから終わりなんだと思う。」






【視える】の能力は結構強力なのかも知れない。

まだ子どもだからかもしれないが、パワーが大きい。





「.....ありがとう、リョウちゃん。蓮伽さん、行くね。」



「.....またね、また連絡する。」



「もちろん。僕も毎日するから。」



「毎日....?それは無...」







母がリョウの口を慌てて塞いだ。





「じゃあね....」






車に乗りこみ、深澤くんは去った。

後ろを振り返らず。








「リョウ、ダメでしょ?本当の事を言っちゃ。」



「ゴメン、言ってないの?電波届かないとこに行くこと。」



「言えなかった。しかも、突然行かなければならないことも。」



「なんで?」



「これ以上、深澤くんのキャパにはきついから。彼は、いっても普通の人なのよ。今まで母親の呪縛があって心に闇があった。そこをママが解いたけどまだ、完全に回復出来てないから。」



「.....ふーん。私だったら、いきなり知る方が嫌だけどね。」



「.....そうだけど、今知る必要はないのよ。行く前には、ちゃんと連絡してメッセージ残すから。」



「そ、なら良かった。だって、深澤さんはママを相当幸せにしてくれる人だから。パパの事もちゃんとした方がいいよ。」



「わかってるって、何日か一緒にいないだけで大人になったね。何か、開花しちゃった?」



「それは、ばあちゃんに聞いて。」



「........。マジ?」
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