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最終章【覚醒編】~愛は地球を救う。的ではなく、長期出張と思っていたい
深澤蓮翔の準備
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蓮伽さんの離婚が成立した。
人の不幸を喜んではいけないのだが、素直に嬉しい。
それでも、やっとスタートラインに立てるから。
どれだけ、体を重ねても
どれだけ、腕に抱いても
あの紙切れ一枚にはかなわない、『婚姻届』。
あんなペラペラな紙一枚の強制力たるや強烈だ。
離婚届をいつ出しに行くのかはわからないが、提出したら晴れて手を繋いで外を歩ける。
――――――――父と祖父母に今日の夜、話すことにした。
僕の家族構成は先に話した通り、父と祖父母と暮らしている。
母は、何度も男を作り、何度も僕を捨てた”毒親”だ。
今はどこにいるかわからない。
父からは、好きな人がいるなら連れて来い。と言われているが、おいそれと、蓮伽さんを連れて行くわけに行かない。
話さなければいけない事がたくさんあるからだ。
・年齢の事
・子持ちであること
・子供は望めない
・異能持ちであること....etc
前世からの縁とか、そういうのは話すのをやめておこうと思う。
蓮伽さんの用事は、なんと離婚届を出しに行くから、車を出して欲しいという事だった。
窓口まで二人で行くのは何なので、入り口から見送った。
中居さんの地元に行ってしまえば、今回はしばらく帰ってこれない。
ずっと一緒にいられるので、一旦、お互いのやる事を、という事で出発までの間はそれぞれで必要な事を片づける事になった。
と、なると、僕の場合は出張にいく報告と、蓮伽さんとのことだ。
役所から帰ってきて、家族が揃っているリビングへ顔を出した。
「親父、じいちゃんばあちゃん。話があるんだけど。色々長くなる、時間もらっていいかな。」
・・・・・・
・・・・・・
一通り、話をした。
じいちゃんは「年の事と、子どもを産むことが出来ないことについて」言ってきた。
父も同じだった。
ばあちゃんだけ、違っていた。
「蓮翔、全部わかっていて好きなのよね?でも、お相手の方は順番であれば先、死ぬのよ。自分の血の繋がった子どもも、あなたにはいないことになる。そういう色々な事を覚悟しているの?」
そんなの最初蓮伽さんと出会った時から覚悟できている。
それでも、蓮伽さんじゃなければ僕はだめなんだ。
「もう、いい歳だから自分で考えての報告なのよね?ばあちゃんは、もう蓮翔は結婚しないと思ってたから嬉しい。自分の母親に何度も裏切られ、苦しい思いをしてきて....今まで、恋人もいるんだか、居ないんだかで。そんな中、一緒にいたいと思える人が出来たのなら良かった。とりあえず、近いうちに連れてきたら?ね?まず、会って決めないと。」
父は祖父はとりあえずな空気で、頷いた。
人の不幸を喜んではいけないのだが、素直に嬉しい。
それでも、やっとスタートラインに立てるから。
どれだけ、体を重ねても
どれだけ、腕に抱いても
あの紙切れ一枚にはかなわない、『婚姻届』。
あんなペラペラな紙一枚の強制力たるや強烈だ。
離婚届をいつ出しに行くのかはわからないが、提出したら晴れて手を繋いで外を歩ける。
――――――――父と祖父母に今日の夜、話すことにした。
僕の家族構成は先に話した通り、父と祖父母と暮らしている。
母は、何度も男を作り、何度も僕を捨てた”毒親”だ。
今はどこにいるかわからない。
父からは、好きな人がいるなら連れて来い。と言われているが、おいそれと、蓮伽さんを連れて行くわけに行かない。
話さなければいけない事がたくさんあるからだ。
・年齢の事
・子持ちであること
・子供は望めない
・異能持ちであること....etc
前世からの縁とか、そういうのは話すのをやめておこうと思う。
蓮伽さんの用事は、なんと離婚届を出しに行くから、車を出して欲しいという事だった。
窓口まで二人で行くのは何なので、入り口から見送った。
中居さんの地元に行ってしまえば、今回はしばらく帰ってこれない。
ずっと一緒にいられるので、一旦、お互いのやる事を、という事で出発までの間はそれぞれで必要な事を片づける事になった。
と、なると、僕の場合は出張にいく報告と、蓮伽さんとのことだ。
役所から帰ってきて、家族が揃っているリビングへ顔を出した。
「親父、じいちゃんばあちゃん。話があるんだけど。色々長くなる、時間もらっていいかな。」
・・・・・・
・・・・・・
一通り、話をした。
じいちゃんは「年の事と、子どもを産むことが出来ないことについて」言ってきた。
父も同じだった。
ばあちゃんだけ、違っていた。
「蓮翔、全部わかっていて好きなのよね?でも、お相手の方は順番であれば先、死ぬのよ。自分の血の繋がった子どもも、あなたにはいないことになる。そういう色々な事を覚悟しているの?」
そんなの最初蓮伽さんと出会った時から覚悟できている。
それでも、蓮伽さんじゃなければ僕はだめなんだ。
「もう、いい歳だから自分で考えての報告なのよね?ばあちゃんは、もう蓮翔は結婚しないと思ってたから嬉しい。自分の母親に何度も裏切られ、苦しい思いをしてきて....今まで、恋人もいるんだか、居ないんだかで。そんな中、一緒にいたいと思える人が出来たのなら良かった。とりあえず、近いうちに連れてきたら?ね?まず、会って決めないと。」
父は祖父はとりあえずな空気で、頷いた。
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