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「これがボクたちの話?」
広い広い森に囲まれた、大きな山の中、あまり広くもない、丸太でできた小屋の様な家で、現在、王都などの街で流行っているという子ども向けの絵本を読みながら、リザが言った。
「そうみたいよ」
そう答えるのは絶世の美少女ともいえるほど整った顔立ちをした少女。サラサラの腰まで届くまっすぐな銀の髪に、深い湖のような透き通った紺碧の瞳。鼻筋はスッとしていて、唇は桃色でふんわりと柔らかそうだ。ほっそりとした印象とは裏腹に程よく胸は出ていて異性の心を刺激する。
その美しい大きな瞳には、感情らしい感情が浮かんでいない。
「なんだかすごいことになってるね。竜がボクで、お姫様がフィアだよね?」
「そうよ」
フィアーーーと呼ばれた少女が頷く。
「所属としてはあってるけど…」
「けど?」
「事実と違いすぎて、胸がムズムズするよ。だって、ボクは落ちこぼれだから、ボクに力なんてないし、フィアの国を救ったのは、フィア自身じゃないか」
なんだかなーと続けるリザを横目に見つつ、フィアも呟く。
「そうね。私は別に救うつもりなんてなかったけど」
そうなのだ。彼らは絵本に描かれているようなヒーローヒロインではなかった。
竜は決して強くて偉大でもなかったし、姫君は決して儚くも心優しくもなかったのである。
「なんでこうなったかなー…」
リザの呟きを聞きとったフィアはクスリと笑った。
「どうしてかしらね。でも、最後のところはあながち間違っていないと思うわ…」
フフフと続けたフィアの小さな呟きは、リザには聞こえていなかった。
広い広い森に囲まれた、大きな山の中、あまり広くもない、丸太でできた小屋の様な家で、現在、王都などの街で流行っているという子ども向けの絵本を読みながら、リザが言った。
「そうみたいよ」
そう答えるのは絶世の美少女ともいえるほど整った顔立ちをした少女。サラサラの腰まで届くまっすぐな銀の髪に、深い湖のような透き通った紺碧の瞳。鼻筋はスッとしていて、唇は桃色でふんわりと柔らかそうだ。ほっそりとした印象とは裏腹に程よく胸は出ていて異性の心を刺激する。
その美しい大きな瞳には、感情らしい感情が浮かんでいない。
「なんだかすごいことになってるね。竜がボクで、お姫様がフィアだよね?」
「そうよ」
フィアーーーと呼ばれた少女が頷く。
「所属としてはあってるけど…」
「けど?」
「事実と違いすぎて、胸がムズムズするよ。だって、ボクは落ちこぼれだから、ボクに力なんてないし、フィアの国を救ったのは、フィア自身じゃないか」
なんだかなーと続けるリザを横目に見つつ、フィアも呟く。
「そうね。私は別に救うつもりなんてなかったけど」
そうなのだ。彼らは絵本に描かれているようなヒーローヒロインではなかった。
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「なんでこうなったかなー…」
リザの呟きを聞きとったフィアはクスリと笑った。
「どうしてかしらね。でも、最後のところはあながち間違っていないと思うわ…」
フフフと続けたフィアの小さな呟きは、リザには聞こえていなかった。
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