男装宰相と護衛騎士

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男装宰相は騎士と未来の約束をする

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 完全無欠の人形宰相ことラーズ・ベリィは、いつになく豪奢な衣装を身につけて仏頂面で立っていた。

「宰相閣下、そのような顔をなさらないで。とてもお似合いですよ」

 苦笑しつつ告げたのは宰相の背を守る護衛騎士のトウだ。
 そのような顔もなにもいつも通りの人形めいた無表情では……? 部屋のすみで待機している従僕は胸の内で思いながらも、口に出さない。
 当然、その従僕にはラーズのまとう雰囲気が和らいだことなどわからない。

「似合ってる?」

 傍目には表情を変えないまま、ラーズが両腕を広げてみせた。
 光り輝くように真っ白い生地で作られた衣装は、シンプルながらたっぷりと布が使われている。美しいドレープがラーズの清廉さを際立たせつつ、その中性的な美貌を余すところなく引き出していた。

「ええ、とても。今のようにやさしいお顔をされると、衣装と相まってまるで六花の化身のようです」

 静かな美しさを持つラーズをトウは雪の精にたとえて讃える。

(あの騎士どの、人形宰相相手に女たらしのような口をきくとは……人は見かけに寄らないなあ)

 従僕が感心するやら呆れるやらしているところへコンコン、と軽快な音が響いた。

「やあ、僕の宰相どの。今日は一段と美しさに磨きがかかっているね」

 開かれたままの扉に肩をついて、片目を閉じてみせるのは少年王。
 こちらもいつになく着飾っているため、きざな仕草も様になっている。

 だというのに、人形宰相はむっすり眉間にしわを寄せた。

「そういうのは自分の伴侶に言うべき。私をおだてても今日からはじまる式典はどれも省略できないし、不参加も不可」
「わあ、ラーズってばつれないねえ。独身最後のひとときを友人と楽しく過ごそうと思ったのに」

 軽口を叩きながら部屋へと入ってきた王は、壁際に控える従僕を「ちょっとだけ、内密な打ち合わせをするから席を外してもらえるかな」と退室させる。

 王とラーズとトウ。人形宰相が男装の少女であると知る三人だけが部屋に残された。

「さて、ラーズ」

 改めて名を呼ぶ王は、けれど友人を見つめる少年の顔をしている。
 きょとりと瞬きをする宰相にして友人であるラーズを見下ろせてしまうことに、王は苦笑した。

「君と僕の身長も、ずいぶん差がついてしまったね。僕も伴侶なんてもらうわけだ」

 しんみりとした雰囲気を出す少年王に、ラーズはひとこと。

「物言いがじじくさい」

 端的で直接的な言葉に、しんみりなど消し飛んだ。

「君の口は昔のとおり、素直なままだね。僕はうれしいよ」
 
 くすくす笑った少年王ソイルは、その表情のまま「うん」とひとつ頷く。

「やっぱり僕の伴侶には、ラーズが女の子だってこと、伝えるよ」
「正気?」

 眉を寄せ、不敬も何のそのなラーズの発言にもソイルは笑う。

「だって僕は、少年王ソイルはそろそろ青年王と呼ばれはじめているんだよ。同じ年頃の人形宰相だけが小さく華奢なままでいるなんて、もういつまでも隠してはおけないよ。賢い君ならわかるだろう」

 笑いながら告げられたのは、未来を憂える言葉。
 
「でもそれなら、誰が宰相に? あなたを支える役割は誰が……」

 問いかけて、ラーズはぴたりと口をつぐむ。
 友人が思い至った答えを知るソイルは笑った。

「そう、これからの僕を支えてくれるのは伴侶となるひと。王妃だよ」
 
 そう言って笑った王の目に、寂しさと期待とが入り混じっているのを護衛騎士は見た。

(少年の目では、無いなあ)

 時の流れを認めて、トウはラーズの心中を思った。

 ※※※※※

 お日柄も良く、街中で喜びにわく民衆のただなかを馬車でぐるりと走ってきた王と王妃はぐったりと疲れていた。
 集まった民に振り返し続けた腕がだるい。つけ慣れない王冠が重い。ここぞとばかりに飾り付けられた衣服が暑くてたまらない。

 着飾ったラーズもまた暑いだろうと、トウは隙を見ては懐に隠した扇を取り出して彼女を仰ぎ、城外の行事を乗り切った。

 やがて、不満すら出す余裕がないほど疲れた国王夫妻をつれて人形宰相ラーズが向かったのは、城の庭園だ。
 すこしずつ手入れが進められた庭園には東屋が建てられ、程よい日陰を作っている。

 その東屋に国王夫妻はよろよろと向かい、並んで腰を下ろす。続いて日陰に入ったラーズは、時間を確認して口を開いた。

「次は国内外の身分ある方々をお招きしたパーティです」

 可憐な唇から無情にも告げられたのは次の予定。
 その予定を管理する宰相も休まねば、とトウが促しラーズは国王夫妻と向かい側にちょこんと座った。

 朝から続く式典の数々に「うぅ、まだあるの……」と情けない声を出す王を見て、王妃が顔をあげた。

「あの~、宰相さま。ほんのすこし、ほんのすこーしの間だけ、休息をとることは叶いませんか?」

 ほわわんとした笑顔が印象的な彼女の申し出に、ラーズは頷く。

「元よりそのつもりです。が、休憩場所を庭園に指定したのは王。何か御用が?」
「うん。ここならひとも来ないし、ちょうど良いと思ってね。王妃に、ラーズが女の子だって伝えておきたくて」

 さらりと告げられて、目を丸くしたのは王妃だ。
 トウは息を飲み、ラーズは「あ、いま言うんだ」と他人事のよう。

「女の子、ですか」

 ぱちりぱちりと瞬きを繰り返しながらラーズを見つめていた王妃は、しばらくしてこっくりうなずいた。

「いえ、そうですね。こんなにかわいいんですもの、女の子なら納得です」

 うんうん、と頷く王妃に、思わず声をあげたのは護衛騎士のトウだった。

「え、いや、王妃さま? 納得なさって良いんですか。なぜ男装してたのか、王と宰相閣下の関係は、といった疑問は!」

 当人たち以上に慌てる護衛騎士に、王妃はきょとんと首をかしげる。

「こんなにかわいい宰相が女性だなんて、公言しては身の危険があります。男装してもかわいらしさにお変わりはありませんけれど、少年だと思われているほうがすこしは安全ですわ!」
「はあ……」

 重大な秘密を明かされて憤るどころか、隠していた正解だと拳を握る王妃にトウはあっけに取られる。
 さすがはお茶会でラーズと対面しても国内外に流れる噂を口にしなかった女性だと言えばいいのか。

 落ち着いた様子で彼女は続ける。

「それに王と宰相さまの関係でしたら、ご友人だと聞いておりますから」
「そこは、その、実は恋仲で王妃とは白い結婚になるといったお考えは……?」

 恐る恐るたずねるトウに、王妃は明るく笑った。
 
「あり得ませんわ! むしろあなたが宰相さまと恋仲なのではなくって?」
「なっ」

 トウが、あり得ませんと咄嗟に否定しなかったのは、あり得ないと認めたくないから。
 けれど否定を口にしないのも不敬になるだろう、なによりラーズを不快にさせているのでは、と少女の顔を盗み見て、トウは目を見開いた。

 ラーズの頬が赤く染まっている。
 人形宰相と揶揄されるほど冷ややかに整った彼女の顔が、食べ頃の桃の実のように熟れていた。

(なんだその反応は! それじゃまるで俺と恋仲だと言われて喜んでるみたいだろうっ)

 己の愚かな願望が恥ずかしくなり、トウもまた顔を赤くする。
 並んで頬を染めるふたりを見て、王が立ち上がりラーズに歩み寄った。

「僕の宰相、大切な人。今ここで聞かせてほしい。君の一番の望みはなに?」

 ラーズの絹糸のような髪をさらりと指ですくって、王が追いかける。
 
(そういうことしてるから男色って疑われるんだろ! ラーズさまも、王の好きにさせるからぁ!)
 
 ハラハラヤキモキしながら姿勢を崩さない護衛騎士の目の前で、ラーズは大きな目に長年の友を映す。

「私の望み。一番の望みは、今のまま宰相であり続けること」

 目を丸くした王は年相応の感情豊かな顔でラーズに詰め寄る。

「え? いやいやいや、それってこれからも男装を続けるってことだよ? 情けないことに、まだ君が女の子だって国内外に公表して安泰でいられるほど僕の力はないもの」
「だから、今のままがいい」

 こっくりしっかりはっきり頷いて返したラーズに、王は「えええ」と困惑気味だ。

「今のまま? 男装して、毎日仕事に追われる今のままで良いって言うの?」
「そう。今のまま」

 繰り返して、ラーズはちらりと背後の護衛騎士に視線を送る。
 その意味に気づいた王妃が「まあ!」とはしゃいだ声をあげて両手を合わせた。

「護衛騎士さま」

 不意にほわわんとした王妃に呼ばれて、トウは驚きながらも顔を向ける。

「護衛騎士さまはいかがですか?」
「は。恐れながら、ご質問の意味が」

 言いかけて、彼が思い出したのは王の婚約者を決めるために連日お茶会が開催されていたころ、甘えているような態度を見せたラーズの言葉。
 疲れて眠ってしまった彼女に、伝えられなかった思いを届けるのに今を逃してはいけない、と思い直した。

「俺は、宰相閣下が許してくださる限りおそばにありたいと願っています」

 目をまっすぐに見つめて返した護衛騎士に、王妃は満足そうにうなずくいて王を振り向く。

「だそうですわ」
「え、うん?」

 話についていけていない王をよそに、王妃は「うーん」と思案顔。

「とは言え、永遠に今のままというわけにもいきませんわよね。いつまでも性別を隠しておけるものではありませんし、宰相さま以上に優秀でかつ王の意向を汲める方もいらっしゃらないようですし。けれどおふたりのことを考えると、取るべき最善の策は……」
 
 ぱちん、両手を合わせた王妃は王に微笑む。

「三年ですわね。三年後までに女性の地位を向上させましょう。宰相さまの優秀さは他国にも轟くほどですから、可能ですわよね、王さま」

 にっこり。音がしそうなほどの笑みを浮かべた王妃はいつもどおりほんわかとしているけれど、なにやら逆らえない凄みを感じさせていた。

(さすがはラーズさまと王が選び抜いたお方。ただほわほわしてらっしゃるだけではなかった……)

 トウが冷や汗を浮かべている一方、「はい」以外の返答を許されない問いを向けられた王は引きつった笑顔で応戦する。

「あー……そうしたいのは山々なのだけれど、さすがに三年ではちょっと……」
「まあ! 二年で成し遂げてしまわれるとおっしゃるのですか? さすがは我が伴侶さまですわ!」
「いえ! 三年で! 三年でなんとかします。してみせますっ」

 さらりと期限を縮められそうになった王は、慌てて宣言せざるを得なくなった。「あら、そうですか?」と残念そうにしてみせる王妃に王が青くなり、トウはふたりのこれからが見えた気がした。

「では、三年後におふたりの結婚式をいたしましょう」

 うふふ、と王妃が笑う。
 
「え、性別公表といっしょに!?」
「そうです。こんなに魅力的な方なのですもの。伴侶の座に収まりたいと思う殿方はいくらでも湧いてきますわ」

 愛らしいラーズに群がる求婚者たちの群れ。
 容易に想像がついたトウは、腹をくくった。

「宰相閣下。いえ、ラーズさま」

 大股で彼女の前に周り、その足元に膝をつく。
 不埒な心を持って触れてはならないと戒めてきた彼女の手をトウはこのとき初めて、ただ己の意志だけで取った。

「あなたが許してくださるなら、宰相であろうと無かろうとあなたのおそばにおります。どうか、俺の生涯をあなたと共に過ごさせてください」
「それは……」

 ラーズの視線がふるりと震えたのは、不安のせいか。
 けれど華奢な手はトウに預けたまま、ささやくように問いかける。

「私の隣で?」
「叶うことなら」
「宰相でなくなったとしても?」
「こう見えて貯えはそこそこありますし、前王の時代には仕事を選ばず働いていましたから、騎士でなくなったとしても食うに困る暮らしはさせません」

 きっぱりと言い切るトウに、ラーズはふにゃりと表情を崩した。
 人形とは思えない、あふれ出す感情をおさえきれない喜びに満ちた笑顔で彼女はトウの手を握りしめる。

「貯えなら私だってあるから、ふたりいっしょならどこでだってやっていけるね」
「あなたが望んでくださる限り、お供します」
「死が二人を別つまでって言っても?」
「望むところです」

 微笑み合うふたりに王妃が「素晴らしいですわ。はあ、この瞬間を永遠に描きとめておきたいわ」とうっとりする横で、王は「あれ、これ僕、宰相と騎士に逃げられるってことなの? 捨てられる男みたいな立場になってない?」とぼやいている。

「未練がましい男は嫌われますわよ」

 さらりと告げた王妃は、ぱちんと両手をあわせた。

「では、わたくしたちの婚礼はさくっと終わらせましょう! そして三年後のおふたりのお式に向けて、計画を練るのですわ!」
「え、じゃあ、僕、友人代表のスピーチしていいかな!」
「わたくしは宰相さまのお衣装を担当したいですわ」
「えー、装飾品は僕が選んでいい?」
「仕方ありませんわね、ふたりで決めましょう」

 先に立って歩き始めた王と王妃は、未来の式に思いを馳せている。
 ふたりを追って立ち上がったラーズが一歩、二歩と歩いて立ち止まる。振り返り、トウを見上げた彼女にトウはたまらず距離を詰め、華奢な身体を抱きしめた。

「今はまだお背中を守らせてください。あなたの隣に立つのは、三年後に」

 ささやいて、素早く離れた護衛騎士にラーズは何も言わなかった。
 彼女は表情すら変えないまま、くるりと前を向いて王と王妃を追いかけはじめる。

 けれどその背を守る護衛騎士には見えていた。
 人形のように澄ました宰相の髪がさらりと流れたとき、形のいい耳が真っ赤に染まっているのが見えていた。
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