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第一部 愛海の爆弾発言の巻
第二話 人魚姫の爆弾宣言
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「今日も部長に逃げられましたよお、せんぱーい」
部屋に戻って開口一番の言葉がこれ。最近ではお決まりのセリフになってしまった気がする。あっちの部屋に行って戻ってくると皆の顔が揃って“どうだった?”っていう顔なんだからイヤになっちゃう。
「なかなかやるわね、あいつ。気配を察して姿を消すなんて忍者みたいだわ」
向かい側の席に座っている園部先輩が感心したように唸った。
「先輩、感心している場合じゃないですよぅ。承認を貰いに行くたびにこれじゃあ時間がかかって仕方がないです。私以外の人に頼んで下さいよお」
「何言ってるのよ、このまま避けられ続けて悔しくないの?」
「悔しいって言うか……もう諦めようかなあって……」
「なんてことを言い出すのよ、愛海ちゃん」
園部先輩がこちらにきてギュッと私を抱きしめてくれた。先輩の胸、めちゃくちゃ大きくて柔らかくていい匂いがして女の私でも顔がうまると妙にときめいちゃいます。け、けど苦しい……。
「せ、せんぱい、息が出来ませんよぉぉ」
「辛いのね、愛海ちゃん。大丈夫よ、あたしがついてるから。退社するまでにはちゃあんと貴女が幸せな社会人生活を送れるようにしてあげるから心配しないで」
「だから先輩、息がぁぁ」
「ここにいる洋菓子スイーツ課はみーんな貴女の味方だからね」
「社会人生活以前に窒息しちゃいますよおぉ」
+++++
初めて海藤部長に出会ったのは入社試験の面接の時。先ず最初に目がいったのは部長の大きな手。別に手フェチって訳じゃないけどその手がとても好きだなあって思ったのが始まり。
私は自慢じゃないけど女子校育ちだ。中学、高校、短大と女子ばかりの環境で暮らしてきたので入社してからの男女が一緒に存在しているという環境は久し振りで驚きの連続だった。そんな中での海藤部長の存在は本当に何て言うかまさに「久し振りに海から顔を出したら私、王子様を見つけちゃいました!」な心境だった。そして最初はその王子様を遠くから見ているだけで満足だったんだ。
どうして見詰めるだけで満足していたかって? だってその王子様の薬指には結婚指輪が光っていたんだもの。それって王子様には既に決まったお姫様がいるってことでしょ?
え? 王子様というには薹が立ち過ぎ? そんなことないです! それなりの年齢に達していても奥さんがいても、誰が何と言おうと部長は私の王子様なんだからね!
+++
「愛海ちゃんって、もしかして海藤君が好きなの?」
そんな私に声をかけてくれたのが園部先輩。とてもクールなお姉さまで男性社員からも“園部女史”とよばれて慕われている。
「へ?!」
天気が良かったので屋上の緑化スペースにあるベンチで一緒にお昼ご飯を食べている時にいきなり尋ねられた。突然のことに口の中に放り込んだタコさんウィンナーを吐き出しちゃうところだった。
「だって、海藤君が近くにいるといつも目で追ってるし」
「そ、そうですか? 私、目で追ってました?」
「うん」
ひっそりと見守っているつもりでいたけどいつの間にかあからさまな態度になっていたのかな。もしかして他の人にも気付かれてる? だったら凄く恥ずかしい……。
「好き、なんでしょうか……」
「そんな顔してるけど?」
「あ、でも。部長、結婚してますよね、結婚指輪してますし」
「ああ、あれ。あれは単なる女除けの御守よ。あいつ、現在はバツイチ独身男ってやつだから」
園部先輩はヒラヒラと手をふりながら笑った。
「そうなんですか?」
「あ、そっか。愛海ちゃんは入社してきたばかりだから知らないのよね、海藤君の奥さんのこと」
海藤部長と奥さんは大学生時代から付き合っていた恋人同士で、部長がこの会社に入社して二年目に結婚したらしい。とても綺麗な人でまるで日本人形のような感じだったとか。
「男どもはそんな風に言ってたけど同性からしたらどうなのかなあ……その完璧な顔の下に何やら腹黒いものを持ってそうな印象だったけど。ま、その印象が当たっていたわけだけどね」
部長の奥さんの浮気が発覚したのがそれから十年ほどしてからのこと。どうやら相手はこの会社の上層部の人間だったらしい。
「彼女の言い訳は、旦那の出世を盾に取られただとか何とかこうとか言っていたけどね。相手との間にできた子供を海藤君の子供と偽って産もうとしていたところを見ると、本当のところはどうだかって感じよね」
そこで裁判になって離婚でおしまいってことだったら話は簡単だったみたいなんだけど、そこに海藤部長の当時の上司と奥さんの不倫相手との派閥争いなんてのが絡んできたからややこしいことになったらしい。いわゆる代理戦争?みたいな感じ。
「そして正式に離婚が成立したのが五年前。私の知り合いの弁護士が担当して、相手と元嫁をコテンパンにのしてやったと言うわけよ。あまり人のことを悪く言うつもりはないけどあの時はさすがにスカッとしたわね」
カカカッと乾いた笑いをあげる先輩。その時の先輩の笑顔はちょっと怖かった。
+++
そんな話を園部先輩から聞いていたので、部長が独身だって分かっても私の気持ちを伝えるのは勇気がいることだなって思っていた矢先、あの初恋ショコラの企画チームに選ばれた。そして色々な記念日があるなあとネットで検索しているうちに「初恋の日」というものに辿り着いたのだ。
―― 初恋……これって初恋だよね ――
誰もが通るであろう甘酸っぱい人生の一ページ。なんだか素敵かもと考えて部長に話を持ちかけたんだけどその直後から急に部長の態度がおかしくなった。
とにかく避けられる、ひたすら避けられる。何だかよく分からないけど気が付いたら避けられていた。
どこまでも避けられている状態に、もしかして園部先輩が気づいたように部長にも私の気持ちを気付かれた? そう思ってしまうぐらいあからさまな避け方だった。
「あらあ、宮内さん、また海藤部長に逃げられたの? もしかしてあからさまに迫りでもしたの?」
意地悪なお姉さま方にそう言われたのは数えきれない。けど仕事だからと自分に言い聞かせてきた。そう仕事だもの、別に私用で部長を追いかけまわしている訳じゃないと。
+++++
「せんぱーい」
「どうしたの?」
やっと息が出来るくらい力を緩めてくれたので酸素を求めて深呼吸する。
「私ね、もう卒業しようと思います、初恋から」
「えぇ?」
「ほら、初恋って実らないって言うじゃないですか。それですよそれ。出来ることなら派手に玉砕したいんですけど、これだけ何ヶ月も避けられちゃうとそれも難しいですし、ここはスパーッと諦めます!」
そうしたら少しは大人になれますよね、一皮剥けた私ってかっこいいと思いませんか?と笑ってみせた。
「だから今夜の飲み会は、園部先輩の送別会と私の初恋とのお別れ会ってことで、皆さん宜しくお願いしまーす!」
この数ヶ月、なんだかんだと私のことを心配して見守ってくれていた洋菓子スイーツ課の先輩達に手を振って宣言する。なんとか部長と私を結びつけようと頑張ってくれていたのは知ってたんだ。強面なのに縁結びのお守りをくれた係長さんとか、それとなく当て擦りを言ってくる他部署のお姉様達を返り討ちにしてくれたお局様とか。本当にこの課に配属されて良かったです、皆さん、ありがとう!!
+++++
……それなのに。
―― なんで私の隣に部長が座っているのかなあ…… ――
係長さんが最後のチャンスをくれって言っていたの、これのことなのかな。チラリと目を向けると何やら難しい顔で座っている。席を移動したいんだけど、移動しようとすると前に座っている誰かがお酒を勧めてきて結局移動するタイミングを逸してしまっていた。
―― こういうのって、えーと蛇のナマ……なんだっけ、生麦事件? ――
沈黙が気まずくて、何かしていないと落ち着かないのでどんどんグラスを開けていく。チューハイ万歳。今日はメニューに載っている全てのチューハイを制覇出来そう。メロン、レモン、巨峰、白桃に柚子、それからシークワーサー? ……なんだろ、これ?
グラスの中身が次から次へと変わっていく内に気分がなんとなく良くなってきた。今なら何でも言えそうな気分、かも。隣で仏頂面しているオッサンにも文句言えそうだぞ。園部先輩の送迎会なのに何でそんなに不機嫌な顔していられるのかなあ? 園部先輩曰く「海藤君は私に大きな借りがある!」な筈なのに恩人の送別会でそんな顔は問題なんじゃないかな? ここはやっぱりお隣さんのよしみでビシィッと言わなきゃいけないよね?
「ぶちょお、なんでそんなに眉間にシワ寄せてるんですかあ?」
なんでそんなギョッとした顔でこっち見るのかな、何か私の顔についてる? まあ良いや、ちょうど隣に部長が座っていることだし、言いたいことはさっさと言っておくに限るよね?
「あのですねえ、この際だから言わせてもらいますけどお、あたしぃ、ぶちょおさんのことが好きらったみたいなんですよ。あ、御心配なく、もう今夜でスパーッと諦めて忘れちゃいますから。だいじょぶですよお? で、その代りと言っちゃなんですけど、最後の記念にぃ、あたしとお、エッチしませんかあ?」
あれ、なんか周囲が静まり返ったんだけど、なんで?
部屋に戻って開口一番の言葉がこれ。最近ではお決まりのセリフになってしまった気がする。あっちの部屋に行って戻ってくると皆の顔が揃って“どうだった?”っていう顔なんだからイヤになっちゃう。
「なかなかやるわね、あいつ。気配を察して姿を消すなんて忍者みたいだわ」
向かい側の席に座っている園部先輩が感心したように唸った。
「先輩、感心している場合じゃないですよぅ。承認を貰いに行くたびにこれじゃあ時間がかかって仕方がないです。私以外の人に頼んで下さいよお」
「何言ってるのよ、このまま避けられ続けて悔しくないの?」
「悔しいって言うか……もう諦めようかなあって……」
「なんてことを言い出すのよ、愛海ちゃん」
園部先輩がこちらにきてギュッと私を抱きしめてくれた。先輩の胸、めちゃくちゃ大きくて柔らかくていい匂いがして女の私でも顔がうまると妙にときめいちゃいます。け、けど苦しい……。
「せ、せんぱい、息が出来ませんよぉぉ」
「辛いのね、愛海ちゃん。大丈夫よ、あたしがついてるから。退社するまでにはちゃあんと貴女が幸せな社会人生活を送れるようにしてあげるから心配しないで」
「だから先輩、息がぁぁ」
「ここにいる洋菓子スイーツ課はみーんな貴女の味方だからね」
「社会人生活以前に窒息しちゃいますよおぉ」
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初めて海藤部長に出会ったのは入社試験の面接の時。先ず最初に目がいったのは部長の大きな手。別に手フェチって訳じゃないけどその手がとても好きだなあって思ったのが始まり。
私は自慢じゃないけど女子校育ちだ。中学、高校、短大と女子ばかりの環境で暮らしてきたので入社してからの男女が一緒に存在しているという環境は久し振りで驚きの連続だった。そんな中での海藤部長の存在は本当に何て言うかまさに「久し振りに海から顔を出したら私、王子様を見つけちゃいました!」な心境だった。そして最初はその王子様を遠くから見ているだけで満足だったんだ。
どうして見詰めるだけで満足していたかって? だってその王子様の薬指には結婚指輪が光っていたんだもの。それって王子様には既に決まったお姫様がいるってことでしょ?
え? 王子様というには薹が立ち過ぎ? そんなことないです! それなりの年齢に達していても奥さんがいても、誰が何と言おうと部長は私の王子様なんだからね!
+++
「愛海ちゃんって、もしかして海藤君が好きなの?」
そんな私に声をかけてくれたのが園部先輩。とてもクールなお姉さまで男性社員からも“園部女史”とよばれて慕われている。
「へ?!」
天気が良かったので屋上の緑化スペースにあるベンチで一緒にお昼ご飯を食べている時にいきなり尋ねられた。突然のことに口の中に放り込んだタコさんウィンナーを吐き出しちゃうところだった。
「だって、海藤君が近くにいるといつも目で追ってるし」
「そ、そうですか? 私、目で追ってました?」
「うん」
ひっそりと見守っているつもりでいたけどいつの間にかあからさまな態度になっていたのかな。もしかして他の人にも気付かれてる? だったら凄く恥ずかしい……。
「好き、なんでしょうか……」
「そんな顔してるけど?」
「あ、でも。部長、結婚してますよね、結婚指輪してますし」
「ああ、あれ。あれは単なる女除けの御守よ。あいつ、現在はバツイチ独身男ってやつだから」
園部先輩はヒラヒラと手をふりながら笑った。
「そうなんですか?」
「あ、そっか。愛海ちゃんは入社してきたばかりだから知らないのよね、海藤君の奥さんのこと」
海藤部長と奥さんは大学生時代から付き合っていた恋人同士で、部長がこの会社に入社して二年目に結婚したらしい。とても綺麗な人でまるで日本人形のような感じだったとか。
「男どもはそんな風に言ってたけど同性からしたらどうなのかなあ……その完璧な顔の下に何やら腹黒いものを持ってそうな印象だったけど。ま、その印象が当たっていたわけだけどね」
部長の奥さんの浮気が発覚したのがそれから十年ほどしてからのこと。どうやら相手はこの会社の上層部の人間だったらしい。
「彼女の言い訳は、旦那の出世を盾に取られただとか何とかこうとか言っていたけどね。相手との間にできた子供を海藤君の子供と偽って産もうとしていたところを見ると、本当のところはどうだかって感じよね」
そこで裁判になって離婚でおしまいってことだったら話は簡単だったみたいなんだけど、そこに海藤部長の当時の上司と奥さんの不倫相手との派閥争いなんてのが絡んできたからややこしいことになったらしい。いわゆる代理戦争?みたいな感じ。
「そして正式に離婚が成立したのが五年前。私の知り合いの弁護士が担当して、相手と元嫁をコテンパンにのしてやったと言うわけよ。あまり人のことを悪く言うつもりはないけどあの時はさすがにスカッとしたわね」
カカカッと乾いた笑いをあげる先輩。その時の先輩の笑顔はちょっと怖かった。
+++
そんな話を園部先輩から聞いていたので、部長が独身だって分かっても私の気持ちを伝えるのは勇気がいることだなって思っていた矢先、あの初恋ショコラの企画チームに選ばれた。そして色々な記念日があるなあとネットで検索しているうちに「初恋の日」というものに辿り着いたのだ。
―― 初恋……これって初恋だよね ――
誰もが通るであろう甘酸っぱい人生の一ページ。なんだか素敵かもと考えて部長に話を持ちかけたんだけどその直後から急に部長の態度がおかしくなった。
とにかく避けられる、ひたすら避けられる。何だかよく分からないけど気が付いたら避けられていた。
どこまでも避けられている状態に、もしかして園部先輩が気づいたように部長にも私の気持ちを気付かれた? そう思ってしまうぐらいあからさまな避け方だった。
「あらあ、宮内さん、また海藤部長に逃げられたの? もしかしてあからさまに迫りでもしたの?」
意地悪なお姉さま方にそう言われたのは数えきれない。けど仕事だからと自分に言い聞かせてきた。そう仕事だもの、別に私用で部長を追いかけまわしている訳じゃないと。
+++++
「せんぱーい」
「どうしたの?」
やっと息が出来るくらい力を緩めてくれたので酸素を求めて深呼吸する。
「私ね、もう卒業しようと思います、初恋から」
「えぇ?」
「ほら、初恋って実らないって言うじゃないですか。それですよそれ。出来ることなら派手に玉砕したいんですけど、これだけ何ヶ月も避けられちゃうとそれも難しいですし、ここはスパーッと諦めます!」
そうしたら少しは大人になれますよね、一皮剥けた私ってかっこいいと思いませんか?と笑ってみせた。
「だから今夜の飲み会は、園部先輩の送別会と私の初恋とのお別れ会ってことで、皆さん宜しくお願いしまーす!」
この数ヶ月、なんだかんだと私のことを心配して見守ってくれていた洋菓子スイーツ課の先輩達に手を振って宣言する。なんとか部長と私を結びつけようと頑張ってくれていたのは知ってたんだ。強面なのに縁結びのお守りをくれた係長さんとか、それとなく当て擦りを言ってくる他部署のお姉様達を返り討ちにしてくれたお局様とか。本当にこの課に配属されて良かったです、皆さん、ありがとう!!
+++++
……それなのに。
―― なんで私の隣に部長が座っているのかなあ…… ――
係長さんが最後のチャンスをくれって言っていたの、これのことなのかな。チラリと目を向けると何やら難しい顔で座っている。席を移動したいんだけど、移動しようとすると前に座っている誰かがお酒を勧めてきて結局移動するタイミングを逸してしまっていた。
―― こういうのって、えーと蛇のナマ……なんだっけ、生麦事件? ――
沈黙が気まずくて、何かしていないと落ち着かないのでどんどんグラスを開けていく。チューハイ万歳。今日はメニューに載っている全てのチューハイを制覇出来そう。メロン、レモン、巨峰、白桃に柚子、それからシークワーサー? ……なんだろ、これ?
グラスの中身が次から次へと変わっていく内に気分がなんとなく良くなってきた。今なら何でも言えそうな気分、かも。隣で仏頂面しているオッサンにも文句言えそうだぞ。園部先輩の送迎会なのに何でそんなに不機嫌な顔していられるのかなあ? 園部先輩曰く「海藤君は私に大きな借りがある!」な筈なのに恩人の送別会でそんな顔は問題なんじゃないかな? ここはやっぱりお隣さんのよしみでビシィッと言わなきゃいけないよね?
「ぶちょお、なんでそんなに眉間にシワ寄せてるんですかあ?」
なんでそんなギョッとした顔でこっち見るのかな、何か私の顔についてる? まあ良いや、ちょうど隣に部長が座っていることだし、言いたいことはさっさと言っておくに限るよね?
「あのですねえ、この際だから言わせてもらいますけどお、あたしぃ、ぶちょおさんのことが好きらったみたいなんですよ。あ、御心配なく、もう今夜でスパーッと諦めて忘れちゃいますから。だいじょぶですよお? で、その代りと言っちゃなんですけど、最後の記念にぃ、あたしとお、エッチしませんかあ?」
あれ、なんか周囲が静まり返ったんだけど、なんで?
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