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第二部 二人のクリスマスと年越しの巻
第十一話 クリスマス狂想曲 4
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着替えの用意もせずに風呂場に引っ張り込まれた私は、現在、ミネラルウォーターのペットボトルを片手に部長のシャツにくるまれ、ファンヒーターの前で鎮座です。持ってきた荷物の中にフランネルのパジャマがあるのでそれを着ると言っているのに、どうせ脱がすんだから却下とか言われちゃいました。寒いと文句を言ったら温かいリビングの、しかもファンヒーターの真前においてけぼり。そして部長はお風呂場の片付け中。
いたれりつくせり? そうは思えない気がするのは私だけ? どちらかと言えば今の心境は刑の執行を待つ犯罪者の心境?
お風呂ではエッチなこともされちゃうのかと思っていたら、本当に洗いたかったみたいで髪以外は隅々まで洗われちゃいました。ええ、いっそエッチした方が楽だったんじゃなかって思うぐらい、そりゃもう丹念に。部長の手が這いまわるたびに身体が疼いて我慢できずギュッて抱き付いたら、ゴムを持ち込んでないからと言って指で何度もいかされちゃうし。え、それはもう既にエッチだ? 言われてみれば……。
片づけを終えた部長がリビングに戻ってきた。ソファ前で温風に当たっている私の横に座ると、綺麗にクリスマス仕様でラッピングされた箱を差し出した。
「これ……?」
「少し早いが渡しておく。お前がこそこそと置いていくから渡すに渡せないだろ」
ちょっと怒ったような口調で言うと、その箱を私の手の上に置く。
「でも」
「恋人にクリスマスのプレゼントを渡さないような馬鹿野郎にしたいのか、俺を」
「そんなこと。ただ、部長がクリスマスに嫌な印象があるみたいだし、それを思い出させるのは悪いかなって……」
「だったら、これからはお前が新しい思い出を作ってその記憶を塗り替えてくれればいい」
そんな発想はなかった。そうか、私が部長に新しいクリスマスをプレゼントすれば良いのか。
「本当に嫌じゃないです?」
「当然だ。俺は俺なりにお前と過ごすクリスマスを楽しみにしていたぞ」
「そっかぁ、よかったぁ」
「これはこれで楽しかったがな」
一週間の薄笑いの正体はここにあったみたい。こっちは精神的に疲れちゃったというのに部長の方はそれなりに楽しんでいたということか。なんだかちょっと悔しい。
「じゃあ、来年は正々堂々と渡しちゃいますね」
来年も再来年もずっと部長と一緒にいられるといいな、たくさん楽しい思い出を部長と一緒に作っていきたい。そんな思いが顔に出たのか部長が頭をくしゃくしゃっと撫でてきた。
「バツイチの俺が言うのもなんだが、惚れた女はそうそう手放さない主義だ、心配するな」
「これ、開けていいです?」
「ああ」
包装紙を丁寧にはがしてなかのケースを開けるとピンクゴールドのハートのペンダントだった。私の好みド真ん中って感じ。そういうこと一度も話していないのに凄い、やっぱこれは愛の力?
「わあ、可愛いぃ」
「お前の好みなんて分からないしな。なんとなくそれを見た時にお前に似合いそうだと思った」
そう言えばマロンでも三杉さんにピンク色のイメージって言われたっけ。
「つけてもいいですか?」
「当然だ。留めてやるから後ろ向け」
ケースから出して部長に渡すと後ろを向くと、部長が留めやすいように肩にかかる髪を片方に寄せる。
「チェーンの長さもちょうどいいですね」
「そうか?」
後ろでチェーンの留め具をはめてくれた部長が肩越しに覗き込んできた。ハートのペンダントトップに触れた指がおもむろにシャツのボタンを外し始める。
「ちょっと、ぶちょお、お礼ぐらいちゃんと言わせて下さいよぉ」
「自分の贈ったペンダント以外に何も身につけていない恋人を抱くってのは男のロマンでだなあ……」
「なんですか、その変なロマン!」
「変じゃないだろ、たいていの男は同意すると思うんだが」
「他に変なロマンとか持ってないでしょうねえ……」
「あるぞ。裸エプロンとか、こう……両胸でナニを挟んで、とか」
ああああ、聞くんじゃなかったぁぁぁ!!
「安心しろ。そんなことをお前にさせようとは思ってないから。あくまでも一般のオッサン論だ」
そう言いながら首筋に唇を這わせると何箇所か強く吸われた。シャツが脱がされてハラリと落ちると、ボタンを外した指はそのまま下へと滑っていき脚の間へと潜り込む。
「あっ」
「ちゃんと濡れてるな、あれだけ前戯に時間をかけたんだから当然と言えば当然か」
部長は私の身体を自分の膝の上に引き上げて抱え込むと、入口付近で探っていた指を深く埋め込んできた。奥を探られる感触に思わず声をあげて部長の腕にしがみついてしまう。
「やぁっ……そんなに強く擦らないでぇ」
「感じ過ぎる?」
その問いにこくこくと首を縦に振った。そうすればやめてくれると思ったからなんだけど、今日の部長、ちょっと意地悪が入ってるみたい。耳元でそうかと笑いを含んだ声がして、やめるどころか探っていた指が増えるという展開に。中で動き回る指から逃れようとするけど、後ろから抱き締められているのともう一方の腕で腰を掴まれているせいで動きがとれない。
「ああっ、あっ……やだ、やだっ、もう指いやあ……っ」
「気持ち良くないか?」
「ちが、うけどっ」
「すまんな、俺はねちっこいから」
またそんな私が前に言ったことまで持ち出して。今日の部長、凄く意地悪だ。しかも、あまり声を出すと窓から声が漏れるかもなぁとリビングからベランダに出る窓の方に目を向けるし。この時期なら何処の家庭でも暖房をいれて窓を閉め切っているからそんなことないと思いつつ、口を両手で塞いで漏れ出る声を抑え込む。
「そんな風にしたら余計に啼かせたくなるだろうが……」
「いじわるぅっ!」
身体の中で蠢いていた指の動きが激しくなっていやらしい音がしている。声が聞こえちゃうとかそんなこと考えられなくなってきて目の前の部屋の光景が滲んだモノになってきた。
「あっ、あっ、あぁんっ、やぁ、もう……っ」
「いきそうか?」
「だめっ、やぁん……っ、ああああっ!」
部長の肩に頭を押し付けて激しく頭を左右に振りながら達してしまった。自分の身体が痙攣して未だ挿し込まれている部長の指を締めつけるのが分かった。しばらくして中の動きに合わせるようにして動いていた指がゆっくりと引き抜かれる。
「ひどぉい……」
「なにが」
「こんな場所でぇ、部長の顔も見えないままでぇ」
考えが古臭いと言われようが愛し合うならベッドがいい。気持ち良かったけど部長の顔が見えない後ろからの行為はやっぱり嫌だ等々を半ベソをかきながらあげつらったら耳元で溜息をつかれてしまった。
「だったら身体をこっちに向けろ」
「……今更だよぅ」
お風呂場で部長の膝に乗せられた時と同じ状態。半ベソになっていたせいか、私の顔を見る部長がちょっと困った表情をしていた。
「すまないが、場所に関しては後でな」
「後でって、んんんーっ」
キスされると同時に部長のモノが身体の中に入ってくる。あれ、いつのまにゴムをつけたの?そんな気配無かったのに。そう尋ねたかったんだけど、ひたすら揺すぶられ突き上げられて頭の中が真っ白になってしまい、それどころじゃなくなってしまった。
「うぅ……深い、よぉ……」
いつもより深い場所に先端があたるのが少し辛くて逃れたいのに、部長は両手で腰を掴みそれを許してくれない。そのうち大きなうねりが襲いかかってきて堪らず目の前の逞しい肩にしがみついた。
「ああっ……だめっ、また、きちゃう……っ」
「……っ……愛海……愛してる……」
その言葉に飛びかけた意識が一瞬だけ戻ってくる。部長が“愛してる”って初めて言ってくれた。今まで“惚れた女”とか“好き”とかは言ってくれていたけど“愛してる”は初めて。
「私もっ……私も、愛してるっ……正樹さん、愛してる……っ」
ちゃんと最後まで伝えられたか分からないまま、途中で意識を手放してしまった。
+++++
気が付けばいつもの寝室、ベッドの上で横になっていた。裸のままだったけど布団と抱きしめてくれている部長のお陰で温かい。部長は私を抱きしめながらペンダントトップをいじっている。
「ぶちょお?」
「気が付いたか」
手が止まり、更にギュッと抱きしめてくれたのでその腕の中に擦り寄る。
「このペンダント、ピンクゴールドって言ったかな、これを見た時、お前に似合いそうだと思ったのも本当だが、それと同時に俺に抱かれている時のお前の肌の色を思い出したんだ」
「……ぇ」
「お前の身体が綺麗な色に染まるの、気が付いてないだろ?」
「そんなの……」
何だか恥ずかしい。じゃあこのペンダントをつけているのを見たら、部長はいつも私を抱いている時のことを思い出すってこと? きゃあぁぁ、恥ずかしくてつけられないよう。
「恥ずかしいとか思ってないでちゃんと毎日つけてろよ」
こちらの頭の中を覗いたかのような言葉。読まれてるぅぅ!!
「と、ところで部長、さっきですけど……」
「ん?」
「いつのまに、その、避妊の準備、したんです?」
「ああ、風呂の片付けをしている時だ」
何でも無いと言った風に答えてるけど、それってどうなの?
「どんだけ俺がお前を抱きたいと思っていたか分かるというものだろ。風呂でお前を洗っている時も危うく避妊なんてどうでもよくなって挿れたい衝動にかられるし、プレゼントを渡している時も危うく箱を放り投げて押し倒しかけたしな」
「えー……」
「だから言ったろ、俺は王子様じゃなく、ただのオッサンだって」
ただのオッサンどころか、かなり凄いオッサンだと思う、いろんな意味で……。
「それでお前の希望通りベッドに移動した訳だが?」
「は、い?」
「このまま向かい合ったままがいいんだよな?」
「はい?」
片脚を抱え込まれると、その間に部長の脚が滑り込んできた。
「え? あ……っぁ」
再び硬くて熱いモノに貫かれて背中が反りかえる。
「今更だが、もう一度できるか?」
「ほんとに、いまさら……んんっ」
奥まで届いた部長のモノが小刻みに揺すられ、それに応えるように私の中が収縮する。
「動くぞ?」
「それも、いまさらぁ……」
「確かに」
その後はゆっくりと優しく愛してくれた。あまりに優しくて涙が零れるくらいに。
+++++
次の朝の週間天気予報で今年一番の寒波襲来が知らされ、社会人にとってはロマンチックとは程遠いホワイト・クリスマスになるのだけれどそれはまた別の話だし、クリスマスケーキと、その日だけという条件付きでホットワインを飲んで御機嫌になった私が再び部長を押し倒しちゃったのもまた別のお話。
いたれりつくせり? そうは思えない気がするのは私だけ? どちらかと言えば今の心境は刑の執行を待つ犯罪者の心境?
お風呂ではエッチなこともされちゃうのかと思っていたら、本当に洗いたかったみたいで髪以外は隅々まで洗われちゃいました。ええ、いっそエッチした方が楽だったんじゃなかって思うぐらい、そりゃもう丹念に。部長の手が這いまわるたびに身体が疼いて我慢できずギュッて抱き付いたら、ゴムを持ち込んでないからと言って指で何度もいかされちゃうし。え、それはもう既にエッチだ? 言われてみれば……。
片づけを終えた部長がリビングに戻ってきた。ソファ前で温風に当たっている私の横に座ると、綺麗にクリスマス仕様でラッピングされた箱を差し出した。
「これ……?」
「少し早いが渡しておく。お前がこそこそと置いていくから渡すに渡せないだろ」
ちょっと怒ったような口調で言うと、その箱を私の手の上に置く。
「でも」
「恋人にクリスマスのプレゼントを渡さないような馬鹿野郎にしたいのか、俺を」
「そんなこと。ただ、部長がクリスマスに嫌な印象があるみたいだし、それを思い出させるのは悪いかなって……」
「だったら、これからはお前が新しい思い出を作ってその記憶を塗り替えてくれればいい」
そんな発想はなかった。そうか、私が部長に新しいクリスマスをプレゼントすれば良いのか。
「本当に嫌じゃないです?」
「当然だ。俺は俺なりにお前と過ごすクリスマスを楽しみにしていたぞ」
「そっかぁ、よかったぁ」
「これはこれで楽しかったがな」
一週間の薄笑いの正体はここにあったみたい。こっちは精神的に疲れちゃったというのに部長の方はそれなりに楽しんでいたということか。なんだかちょっと悔しい。
「じゃあ、来年は正々堂々と渡しちゃいますね」
来年も再来年もずっと部長と一緒にいられるといいな、たくさん楽しい思い出を部長と一緒に作っていきたい。そんな思いが顔に出たのか部長が頭をくしゃくしゃっと撫でてきた。
「バツイチの俺が言うのもなんだが、惚れた女はそうそう手放さない主義だ、心配するな」
「これ、開けていいです?」
「ああ」
包装紙を丁寧にはがしてなかのケースを開けるとピンクゴールドのハートのペンダントだった。私の好みド真ん中って感じ。そういうこと一度も話していないのに凄い、やっぱこれは愛の力?
「わあ、可愛いぃ」
「お前の好みなんて分からないしな。なんとなくそれを見た時にお前に似合いそうだと思った」
そう言えばマロンでも三杉さんにピンク色のイメージって言われたっけ。
「つけてもいいですか?」
「当然だ。留めてやるから後ろ向け」
ケースから出して部長に渡すと後ろを向くと、部長が留めやすいように肩にかかる髪を片方に寄せる。
「チェーンの長さもちょうどいいですね」
「そうか?」
後ろでチェーンの留め具をはめてくれた部長が肩越しに覗き込んできた。ハートのペンダントトップに触れた指がおもむろにシャツのボタンを外し始める。
「ちょっと、ぶちょお、お礼ぐらいちゃんと言わせて下さいよぉ」
「自分の贈ったペンダント以外に何も身につけていない恋人を抱くってのは男のロマンでだなあ……」
「なんですか、その変なロマン!」
「変じゃないだろ、たいていの男は同意すると思うんだが」
「他に変なロマンとか持ってないでしょうねえ……」
「あるぞ。裸エプロンとか、こう……両胸でナニを挟んで、とか」
ああああ、聞くんじゃなかったぁぁぁ!!
「安心しろ。そんなことをお前にさせようとは思ってないから。あくまでも一般のオッサン論だ」
そう言いながら首筋に唇を這わせると何箇所か強く吸われた。シャツが脱がされてハラリと落ちると、ボタンを外した指はそのまま下へと滑っていき脚の間へと潜り込む。
「あっ」
「ちゃんと濡れてるな、あれだけ前戯に時間をかけたんだから当然と言えば当然か」
部長は私の身体を自分の膝の上に引き上げて抱え込むと、入口付近で探っていた指を深く埋め込んできた。奥を探られる感触に思わず声をあげて部長の腕にしがみついてしまう。
「やぁっ……そんなに強く擦らないでぇ」
「感じ過ぎる?」
その問いにこくこくと首を縦に振った。そうすればやめてくれると思ったからなんだけど、今日の部長、ちょっと意地悪が入ってるみたい。耳元でそうかと笑いを含んだ声がして、やめるどころか探っていた指が増えるという展開に。中で動き回る指から逃れようとするけど、後ろから抱き締められているのともう一方の腕で腰を掴まれているせいで動きがとれない。
「ああっ、あっ……やだ、やだっ、もう指いやあ……っ」
「気持ち良くないか?」
「ちが、うけどっ」
「すまんな、俺はねちっこいから」
またそんな私が前に言ったことまで持ち出して。今日の部長、凄く意地悪だ。しかも、あまり声を出すと窓から声が漏れるかもなぁとリビングからベランダに出る窓の方に目を向けるし。この時期なら何処の家庭でも暖房をいれて窓を閉め切っているからそんなことないと思いつつ、口を両手で塞いで漏れ出る声を抑え込む。
「そんな風にしたら余計に啼かせたくなるだろうが……」
「いじわるぅっ!」
身体の中で蠢いていた指の動きが激しくなっていやらしい音がしている。声が聞こえちゃうとかそんなこと考えられなくなってきて目の前の部屋の光景が滲んだモノになってきた。
「あっ、あっ、あぁんっ、やぁ、もう……っ」
「いきそうか?」
「だめっ、やぁん……っ、ああああっ!」
部長の肩に頭を押し付けて激しく頭を左右に振りながら達してしまった。自分の身体が痙攣して未だ挿し込まれている部長の指を締めつけるのが分かった。しばらくして中の動きに合わせるようにして動いていた指がゆっくりと引き抜かれる。
「ひどぉい……」
「なにが」
「こんな場所でぇ、部長の顔も見えないままでぇ」
考えが古臭いと言われようが愛し合うならベッドがいい。気持ち良かったけど部長の顔が見えない後ろからの行為はやっぱり嫌だ等々を半ベソをかきながらあげつらったら耳元で溜息をつかれてしまった。
「だったら身体をこっちに向けろ」
「……今更だよぅ」
お風呂場で部長の膝に乗せられた時と同じ状態。半ベソになっていたせいか、私の顔を見る部長がちょっと困った表情をしていた。
「すまないが、場所に関しては後でな」
「後でって、んんんーっ」
キスされると同時に部長のモノが身体の中に入ってくる。あれ、いつのまにゴムをつけたの?そんな気配無かったのに。そう尋ねたかったんだけど、ひたすら揺すぶられ突き上げられて頭の中が真っ白になってしまい、それどころじゃなくなってしまった。
「うぅ……深い、よぉ……」
いつもより深い場所に先端があたるのが少し辛くて逃れたいのに、部長は両手で腰を掴みそれを許してくれない。そのうち大きなうねりが襲いかかってきて堪らず目の前の逞しい肩にしがみついた。
「ああっ……だめっ、また、きちゃう……っ」
「……っ……愛海……愛してる……」
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「私もっ……私も、愛してるっ……正樹さん、愛してる……っ」
ちゃんと最後まで伝えられたか分からないまま、途中で意識を手放してしまった。
+++++
気が付けばいつもの寝室、ベッドの上で横になっていた。裸のままだったけど布団と抱きしめてくれている部長のお陰で温かい。部長は私を抱きしめながらペンダントトップをいじっている。
「ぶちょお?」
「気が付いたか」
手が止まり、更にギュッと抱きしめてくれたのでその腕の中に擦り寄る。
「このペンダント、ピンクゴールドって言ったかな、これを見た時、お前に似合いそうだと思ったのも本当だが、それと同時に俺に抱かれている時のお前の肌の色を思い出したんだ」
「……ぇ」
「お前の身体が綺麗な色に染まるの、気が付いてないだろ?」
「そんなの……」
何だか恥ずかしい。じゃあこのペンダントをつけているのを見たら、部長はいつも私を抱いている時のことを思い出すってこと? きゃあぁぁ、恥ずかしくてつけられないよう。
「恥ずかしいとか思ってないでちゃんと毎日つけてろよ」
こちらの頭の中を覗いたかのような言葉。読まれてるぅぅ!!
「と、ところで部長、さっきですけど……」
「ん?」
「いつのまに、その、避妊の準備、したんです?」
「ああ、風呂の片付けをしている時だ」
何でも無いと言った風に答えてるけど、それってどうなの?
「どんだけ俺がお前を抱きたいと思っていたか分かるというものだろ。風呂でお前を洗っている時も危うく避妊なんてどうでもよくなって挿れたい衝動にかられるし、プレゼントを渡している時も危うく箱を放り投げて押し倒しかけたしな」
「えー……」
「だから言ったろ、俺は王子様じゃなく、ただのオッサンだって」
ただのオッサンどころか、かなり凄いオッサンだと思う、いろんな意味で……。
「それでお前の希望通りベッドに移動した訳だが?」
「は、い?」
「このまま向かい合ったままがいいんだよな?」
「はい?」
片脚を抱え込まれると、その間に部長の脚が滑り込んできた。
「え? あ……っぁ」
再び硬くて熱いモノに貫かれて背中が反りかえる。
「今更だが、もう一度できるか?」
「ほんとに、いまさら……んんっ」
奥まで届いた部長のモノが小刻みに揺すられ、それに応えるように私の中が収縮する。
「動くぞ?」
「それも、いまさらぁ……」
「確かに」
その後はゆっくりと優しく愛してくれた。あまりに優しくて涙が零れるくらいに。
+++++
次の朝の週間天気予報で今年一番の寒波襲来が知らされ、社会人にとってはロマンチックとは程遠いホワイト・クリスマスになるのだけれどそれはまた別の話だし、クリスマスケーキと、その日だけという条件付きでホットワインを飲んで御機嫌になった私が再び部長を押し倒しちゃったのもまた別のお話。
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