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第2章 ランベルトスの陰謀
第2話 迷子の魔法学生
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酒場に入ってきた少女は肩を落としたあと、すぐにビシッと姿勢を正す。
彼女は見慣れない装飾のついた黒い魔法衣を着ており、背格好はアリサと同じくらいに見える。
「あら、おかえりジニアちゃん――。駄目ってことは、今日も居たの?」
「うん……。本当に最悪。これじゃ帰れなくなっちゃうよぉ……」
「んぐぅ? にゃんか困りオゴかァ?」
エルスは口いっぱいに料理を詰め込みながら、ジニアという少女へ顔を向ける。
人間族の彼女は薄紫の長い髪に紫の瞳をしており、眼鏡をかけている。
「……ロマニーさん。何なんですか? この人……」
「彼は、冒険者のエルスさん。盗賊に襲われてた私を、助けてくれたのよ」
怪訝そうな表情を浮かべるジニアに、ロマニーは互いの紹介をする。
ジニアは遠く離れた魔法学校の生徒らしいが――
現在、港への街道を何者かが塞いでしまっているらしい。
「ジニアちゃんは早く船に乗らないと、魔法のナントカって街が移動しちゃうらしいのよ」
「リーゼルタです、ロマニーさん。あのヘンな人のせいで、もう散々っ……!」
「へぇ、リーゼルタか! そういえば昔、聞いたことあったなぁ。確か、すげェ魔法王国なんだよなッ!」
「いいなぁ、魔法の学校かぁ。わたしも、いつか行ってみたいかも」
「まっ、まぁ……。あなたたちに入学は厳しいでしょうけどっ。見学くらいなら、行ってみてもいいんじゃないかしらっ……?」
「それで、『ヘンな人』というのは――どんな奴なんだい?」
ニセルはグラスを揺らしながら、ジニアに訊く。
学生相手ゆえか、彼の口調はいつも以上に優しげだ。
「えっ?――あ、はいっ。なんか、ヘンな斧を持ったヘンな人で……」
――彼女はズレた眼鏡を戻し、ニセルから目を伏せつつ続ける。
「いきなり私を見て『悪い奴だ!』って襲いかかってきて……。話も聞いてくれなくて……」
「ふっ。なるほどな。その言い分からして、そいつは賞金稼ぎだろう」
「賞金稼ぎってアレだろ? 盗賊とか、お尋ね者をブッ倒すのが専門の冒険者。ジニアは悪い奴には見えねェけどなぁ」
「あっ、当たり前よっ! 私、悪いことなんてしないもん! だってその……優等生だし……」
「悪い奴だけが狙われるとは限らんさ。時には、暗殺依頼なんて場合もある」
「あッ……暗殺ッて……」
「――だが、おそらくは勘違いってとこだろう。聞く耳も持たんのなら、一度おとなしくさせるしかないな――。どうする?」
ニセルは言い、エルスとジニアを交互に見る。
思いもよらぬ提案に、またしてもジニアの顔の眼鏡がズレる。
「えっ? もしかして、一緒に来てくれるんですか? でも私、依頼できるようなお小遣いも残ってないし……」
「ああッ、報酬は気にすンな! 困ってる人を助けるのは、冒険者の役目だからなッ!」
エルスがアリサへ目を遣ると、彼女も同意を示すように大きく頷いた。
「よし、決まりだな――。オレは少し、一服してくる。外で会おう」
ニセルはグラスを飲み干すとテーブルに金貨を置き――
一足先に、酒場から出て行った。
「ほわぁ……。イイなぁ、ニセル・マークスターさん……」
「ん……? 〝ニセル〟って呼んでやるといいぜ。名前長ェの、気にしてるみてェだしな!」
「へぇ、そうなんだ……。まぁ、あなたはいいわよね。たった三文字だし」
「なッ……!? おまえだって三文字じゃねェかよッ!」
「あ、わたしも三文字だよ? みんな一緒だねっ」
声を荒げるエルスに、嬉しそうに言うアリサ。
二人を交互に眺めながら、ジニアは溜息をついた。
「はぁ……。仲良さそうで羨ましいわ……」
「おうッ! 俺たちは一緒に育ったようなモンだからな!」
「なーるほど。近すぎてなかなか進展しないパターンね……。かわいそうに」
ジニアの言葉にエルスは首を傾げる。
彼女はアリサの肩を、ポンと叩いた。
「まっ、頑張ってね。アリサちゃん!」
「え? うん、ありがとう。ジニアちゃん」
エルスは残った料理を平らげるとジャラジャラと銀貨を積み、席を立つ。
どうやら彼も、ニセルの真似をしたようだ。
それを見たジニアは大きく息を吐き――
〝お手上げ〟のジェスチャをしてみせた。
「そういうのは、さり気なくやるもんなのよ? 去り際にこう、金貨をポン!――って!」
「んんッ? おまえ金貨なんか持ってたのか?」
「いっ……今は無いわよっ! いいじゃない別に!」
「すみません、皆さん。お礼のつもりだったのに、お代まで頂いて……」
「大丈夫さ! 美味かったぜ、姉さん! ごちそうさんッ!」
三人は町長親子に別れを告げ、酒場の外へ出る――。
外では、ニセルが巻き煙草を吹かしていた。
彼はエルスらに気づき、懐から出した小箱に吸殻をねじ込む――。
「来たか。そろそろ向かうかい?」
「ああッ、お待たせ! 行こうぜッ!」
エルスたちはツリアンを突き抜ける街道を、今度は港町方面へ向かって歩く――。
「しかし、どんな奴が相手なんだろうな?」
「すっごい凶暴な人よ! いきなり斧で斬りかかってくるし、全っ然話も聞いてくれないんだからっ!」
「まッ、こっちは四人だしな! とりあえずブッ倒しておとなしくしてもらおうぜ!」
「私は戦えないわよっ!? 冒険者じゃないし、まだかよわい学生だし……」
「んー、それじゃ無理できねェか。すっげェ魔法とか、見たかったなぁ」
「だねぇ――。ジニアちゃん、やっぱり魔法とか得意なの?」
「えっ……? もっ、もちろんよっ! だって私、優等生だしっ!」
「おおッ、さすがだな! 俺も魔法は使えるけど、なんていうか自己流だしなぁ。いつか魔法王国にも行ってみてェよな!」
「わたしも。ブリガンドでも大丈夫かなぁ? もっと皆の役に立ちたいし」
人間族と、魔法が苦手なドワーフ族との間に生まれた〝ブリガンド族〟であるアリサは、いくつかの光魔法を扱えるものの決して得意とは言えない。
しかし、エルスたちの中で治癒魔法を使えるのは彼女のみ。
いわば、アリサはパーティの生命線なのだ。
「うーん、そうね……。ドワーフやブリガンドの子も居るし、努力すれば大丈夫だと思うわよっ!」
アリサの言葉に共感を覚えたのか、ジニアは励ますように言う。
彼女が後ろを歩くニセルにチラリと目を遣ると、彼は優しげに口元を上げた。
「この先の林を抜けると、港町までの距離を短縮できる。魔物どもには何体か出くわすだろうが――どうする?」
「んー。船に乗るなら、やっぱり早く着いた方がいいんじゃないかなぁ?」
「そうだな! まッ、依頼人はジニアだ。どっちでも任せるぜ!」
「えっ? じゃあ……せっかくだし、近道でお願いしようかしら……」
「よし、わかった!――それじゃ皆、戦闘開始の準備だッ!」
彼女は見慣れない装飾のついた黒い魔法衣を着ており、背格好はアリサと同じくらいに見える。
「あら、おかえりジニアちゃん――。駄目ってことは、今日も居たの?」
「うん……。本当に最悪。これじゃ帰れなくなっちゃうよぉ……」
「んぐぅ? にゃんか困りオゴかァ?」
エルスは口いっぱいに料理を詰め込みながら、ジニアという少女へ顔を向ける。
人間族の彼女は薄紫の長い髪に紫の瞳をしており、眼鏡をかけている。
「……ロマニーさん。何なんですか? この人……」
「彼は、冒険者のエルスさん。盗賊に襲われてた私を、助けてくれたのよ」
怪訝そうな表情を浮かべるジニアに、ロマニーは互いの紹介をする。
ジニアは遠く離れた魔法学校の生徒らしいが――
現在、港への街道を何者かが塞いでしまっているらしい。
「ジニアちゃんは早く船に乗らないと、魔法のナントカって街が移動しちゃうらしいのよ」
「リーゼルタです、ロマニーさん。あのヘンな人のせいで、もう散々っ……!」
「へぇ、リーゼルタか! そういえば昔、聞いたことあったなぁ。確か、すげェ魔法王国なんだよなッ!」
「いいなぁ、魔法の学校かぁ。わたしも、いつか行ってみたいかも」
「まっ、まぁ……。あなたたちに入学は厳しいでしょうけどっ。見学くらいなら、行ってみてもいいんじゃないかしらっ……?」
「それで、『ヘンな人』というのは――どんな奴なんだい?」
ニセルはグラスを揺らしながら、ジニアに訊く。
学生相手ゆえか、彼の口調はいつも以上に優しげだ。
「えっ?――あ、はいっ。なんか、ヘンな斧を持ったヘンな人で……」
――彼女はズレた眼鏡を戻し、ニセルから目を伏せつつ続ける。
「いきなり私を見て『悪い奴だ!』って襲いかかってきて……。話も聞いてくれなくて……」
「ふっ。なるほどな。その言い分からして、そいつは賞金稼ぎだろう」
「賞金稼ぎってアレだろ? 盗賊とか、お尋ね者をブッ倒すのが専門の冒険者。ジニアは悪い奴には見えねェけどなぁ」
「あっ、当たり前よっ! 私、悪いことなんてしないもん! だってその……優等生だし……」
「悪い奴だけが狙われるとは限らんさ。時には、暗殺依頼なんて場合もある」
「あッ……暗殺ッて……」
「――だが、おそらくは勘違いってとこだろう。聞く耳も持たんのなら、一度おとなしくさせるしかないな――。どうする?」
ニセルは言い、エルスとジニアを交互に見る。
思いもよらぬ提案に、またしてもジニアの顔の眼鏡がズレる。
「えっ? もしかして、一緒に来てくれるんですか? でも私、依頼できるようなお小遣いも残ってないし……」
「ああッ、報酬は気にすンな! 困ってる人を助けるのは、冒険者の役目だからなッ!」
エルスがアリサへ目を遣ると、彼女も同意を示すように大きく頷いた。
「よし、決まりだな――。オレは少し、一服してくる。外で会おう」
ニセルはグラスを飲み干すとテーブルに金貨を置き――
一足先に、酒場から出て行った。
「ほわぁ……。イイなぁ、ニセル・マークスターさん……」
「ん……? 〝ニセル〟って呼んでやるといいぜ。名前長ェの、気にしてるみてェだしな!」
「へぇ、そうなんだ……。まぁ、あなたはいいわよね。たった三文字だし」
「なッ……!? おまえだって三文字じゃねェかよッ!」
「あ、わたしも三文字だよ? みんな一緒だねっ」
声を荒げるエルスに、嬉しそうに言うアリサ。
二人を交互に眺めながら、ジニアは溜息をついた。
「はぁ……。仲良さそうで羨ましいわ……」
「おうッ! 俺たちは一緒に育ったようなモンだからな!」
「なーるほど。近すぎてなかなか進展しないパターンね……。かわいそうに」
ジニアの言葉にエルスは首を傾げる。
彼女はアリサの肩を、ポンと叩いた。
「まっ、頑張ってね。アリサちゃん!」
「え? うん、ありがとう。ジニアちゃん」
エルスは残った料理を平らげるとジャラジャラと銀貨を積み、席を立つ。
どうやら彼も、ニセルの真似をしたようだ。
それを見たジニアは大きく息を吐き――
〝お手上げ〟のジェスチャをしてみせた。
「そういうのは、さり気なくやるもんなのよ? 去り際にこう、金貨をポン!――って!」
「んんッ? おまえ金貨なんか持ってたのか?」
「いっ……今は無いわよっ! いいじゃない別に!」
「すみません、皆さん。お礼のつもりだったのに、お代まで頂いて……」
「大丈夫さ! 美味かったぜ、姉さん! ごちそうさんッ!」
三人は町長親子に別れを告げ、酒場の外へ出る――。
外では、ニセルが巻き煙草を吹かしていた。
彼はエルスらに気づき、懐から出した小箱に吸殻をねじ込む――。
「来たか。そろそろ向かうかい?」
「ああッ、お待たせ! 行こうぜッ!」
エルスたちはツリアンを突き抜ける街道を、今度は港町方面へ向かって歩く――。
「しかし、どんな奴が相手なんだろうな?」
「すっごい凶暴な人よ! いきなり斧で斬りかかってくるし、全っ然話も聞いてくれないんだからっ!」
「まッ、こっちは四人だしな! とりあえずブッ倒しておとなしくしてもらおうぜ!」
「私は戦えないわよっ!? 冒険者じゃないし、まだかよわい学生だし……」
「んー、それじゃ無理できねェか。すっげェ魔法とか、見たかったなぁ」
「だねぇ――。ジニアちゃん、やっぱり魔法とか得意なの?」
「えっ……? もっ、もちろんよっ! だって私、優等生だしっ!」
「おおッ、さすがだな! 俺も魔法は使えるけど、なんていうか自己流だしなぁ。いつか魔法王国にも行ってみてェよな!」
「わたしも。ブリガンドでも大丈夫かなぁ? もっと皆の役に立ちたいし」
人間族と、魔法が苦手なドワーフ族との間に生まれた〝ブリガンド族〟であるアリサは、いくつかの光魔法を扱えるものの決して得意とは言えない。
しかし、エルスたちの中で治癒魔法を使えるのは彼女のみ。
いわば、アリサはパーティの生命線なのだ。
「うーん、そうね……。ドワーフやブリガンドの子も居るし、努力すれば大丈夫だと思うわよっ!」
アリサの言葉に共感を覚えたのか、ジニアは励ますように言う。
彼女が後ろを歩くニセルにチラリと目を遣ると、彼は優しげに口元を上げた。
「この先の林を抜けると、港町までの距離を短縮できる。魔物どもには何体か出くわすだろうが――どうする?」
「んー。船に乗るなら、やっぱり早く着いた方がいいんじゃないかなぁ?」
「そうだな! まッ、依頼人はジニアだ。どっちでも任せるぜ!」
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