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第7話
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3日間の休みが終わり公爵家へ行くと、すぐに執事のヘンリーさんに呼ばれた。
行った先のテーブルの上には契約書が置かれていた。
要は、一時的に私に魅了された状態になっているスティーブン様が満足するように相手を務めろという内容だった。
スティーブン様は、公爵家当主と騎士団長と大変忙しい。
しかも、半年の眠りから覚めても、心配されていた能力に一切の衰えや変化はなかった。
魅了されている以外は。
仕事を円滑に進める為にも、スティーブン様にはある程度好きに行動させるのが最善という考えに至ったらしい。
長くても3ヶ月で魅了も解けると魔術師団長が見解を示しているので、それまでの期間、節度を守り侍従監視のもと相手を務める。
もちろん他言無用。
この期間の給金は5倍。
魅了が解けた段階で公爵家の仕事は速やかに退職。
退職後は、今と変わらない待遇の勤め先を紹介してくれるらしい。
もちろん退職後に公爵家当主への接触禁止。
魅了後のスティーブン様は、私に対する感情は消えるらしいが、一応目につく場所には居てもらいたくないらしい。
悪くない。
むしろ今の私にはラッキーな案件だ。
そう思った。
給金5倍はかなり魅力的だ。
そろそろ子爵家の敷地内から出ようと考えていたから、先立つ物は多いに越したことはないから。
私達姉弟は、1年半前までは今住んでいる平屋の家を所有する子爵家の令嬢令息だった。
母がジャンを産んで亡くなるまでは。
子爵家次男の父は男爵家三女の母と結婚した。
優秀だった父は王城勤めの文官としてなかなかの地位を確立して、小さいながらも王都に家を持ち、母、私、6歳年下のジョン、まだ生まれたばかりのジャックと暮らしていた。
でも、私が10歳だった頃、父の兄のハドソン子爵一家が馬車の事故で亡くなり、急遽父が子爵家を継ぐことが決まった。
いきなり貴族になり最初は戸惑った。
でも、男爵令嬢だった母は知らず知らずに私にマナーや貴族の常識を教えていたようで、家庭教師には意外にも褒められることが多かった。
家族5人幸せだった。
やがて15歳になった私はデビュダントを迎えた。
そこで初めて知って驚いたのが、自分達家族は見た目が良く、注目されるということだった。
母はオレンジ色を帯びた金髪にスタイル抜群で、色っぽいというのは子どもの頃から感じていた。
ただ、父と父にそっくりな自分が注目されるなんて思いもしなかった。
ダークブロンドの髪にグレーの瞳の優しげな父は既婚者にも関わらず、女性から熱い視線を浴びていた。
中でも一人の伯爵令嬢は積極的で驚いた。
私は父と一曲踊り終えると、なぜか男性が殺到して、その中でも断れなさそうな見るからに高位貴族令息の3名とだけ踊り、後は体調不良を理由に早々と帰宅した。
そのデビュダントから2ヶ月が過ぎた頃、領地で水害が起こり子爵家は窮地に立たされることになった。
被害は想像以上に大きく、困り果てる子爵家に救いの手を差し伸べたのは、デビュダントで父に積極的だった令嬢の家、デイビス伯爵家だった。
ただ、娘を子爵家夫人にするのが条件だった。
もちろん父は断った。
でも、その時お腹に子どもを宿していた母は半年後にジャンを産み亡くなってしまった。
母を愛していた父は見ていられないくらい、憔悴していた。
領地の問題も山積みで、母を亡くしたことで全てがどうでも良くなったようだった。
母が亡くなって2か月後にはミランダ・デイビス伯爵令嬢が我が物顔で子爵家に現れ、私達は敷地内の平屋へ追いやられた。
この頃すでに、私達は子爵家から離籍されていたらしい。
まだ赤子のジャンには1歳まで乳母がつけられ、それだけは安心した。
さすがに再婚したのは母が亡くなってから1年後だったが、再婚前に男の子が生まれた。
そのことに、ジョンは酷く怒っていた。
父は、母に似たジョンとジャックを見るのが辛いのか、援助の手前私達に会えないのか、もうずっと会っていない。
噂では領地に篭っているとも聞く。
ミランダ夫人は、私達に出て行って欲しいようで、使用人にも私達に関わらないように言ってるらしい。
公爵家のメイドになって1年半。
どうやら儚げに見え庇護欲を掻き立てるらしい私は、眼鏡をかけて髪を纏めている。
父にそっくりの顔で厄介事に巻き込まれたくないから。
結局違った意味で厄介事には巻き込まれたけど。
5倍の給金を手に入れて、4人で新たな土地へ行こう。
しかも、仕事先まで紹介してくれるなんて有難い。
私は、契約書にサインした。
行った先のテーブルの上には契約書が置かれていた。
要は、一時的に私に魅了された状態になっているスティーブン様が満足するように相手を務めろという内容だった。
スティーブン様は、公爵家当主と騎士団長と大変忙しい。
しかも、半年の眠りから覚めても、心配されていた能力に一切の衰えや変化はなかった。
魅了されている以外は。
仕事を円滑に進める為にも、スティーブン様にはある程度好きに行動させるのが最善という考えに至ったらしい。
長くても3ヶ月で魅了も解けると魔術師団長が見解を示しているので、それまでの期間、節度を守り侍従監視のもと相手を務める。
もちろん他言無用。
この期間の給金は5倍。
魅了が解けた段階で公爵家の仕事は速やかに退職。
退職後は、今と変わらない待遇の勤め先を紹介してくれるらしい。
もちろん退職後に公爵家当主への接触禁止。
魅了後のスティーブン様は、私に対する感情は消えるらしいが、一応目につく場所には居てもらいたくないらしい。
悪くない。
むしろ今の私にはラッキーな案件だ。
そう思った。
給金5倍はかなり魅力的だ。
そろそろ子爵家の敷地内から出ようと考えていたから、先立つ物は多いに越したことはないから。
私達姉弟は、1年半前までは今住んでいる平屋の家を所有する子爵家の令嬢令息だった。
母がジャンを産んで亡くなるまでは。
子爵家次男の父は男爵家三女の母と結婚した。
優秀だった父は王城勤めの文官としてなかなかの地位を確立して、小さいながらも王都に家を持ち、母、私、6歳年下のジョン、まだ生まれたばかりのジャックと暮らしていた。
でも、私が10歳だった頃、父の兄のハドソン子爵一家が馬車の事故で亡くなり、急遽父が子爵家を継ぐことが決まった。
いきなり貴族になり最初は戸惑った。
でも、男爵令嬢だった母は知らず知らずに私にマナーや貴族の常識を教えていたようで、家庭教師には意外にも褒められることが多かった。
家族5人幸せだった。
やがて15歳になった私はデビュダントを迎えた。
そこで初めて知って驚いたのが、自分達家族は見た目が良く、注目されるということだった。
母はオレンジ色を帯びた金髪にスタイル抜群で、色っぽいというのは子どもの頃から感じていた。
ただ、父と父にそっくりな自分が注目されるなんて思いもしなかった。
ダークブロンドの髪にグレーの瞳の優しげな父は既婚者にも関わらず、女性から熱い視線を浴びていた。
中でも一人の伯爵令嬢は積極的で驚いた。
私は父と一曲踊り終えると、なぜか男性が殺到して、その中でも断れなさそうな見るからに高位貴族令息の3名とだけ踊り、後は体調不良を理由に早々と帰宅した。
そのデビュダントから2ヶ月が過ぎた頃、領地で水害が起こり子爵家は窮地に立たされることになった。
被害は想像以上に大きく、困り果てる子爵家に救いの手を差し伸べたのは、デビュダントで父に積極的だった令嬢の家、デイビス伯爵家だった。
ただ、娘を子爵家夫人にするのが条件だった。
もちろん父は断った。
でも、その時お腹に子どもを宿していた母は半年後にジャンを産み亡くなってしまった。
母を愛していた父は見ていられないくらい、憔悴していた。
領地の問題も山積みで、母を亡くしたことで全てがどうでも良くなったようだった。
母が亡くなって2か月後にはミランダ・デイビス伯爵令嬢が我が物顔で子爵家に現れ、私達は敷地内の平屋へ追いやられた。
この頃すでに、私達は子爵家から離籍されていたらしい。
まだ赤子のジャンには1歳まで乳母がつけられ、それだけは安心した。
さすがに再婚したのは母が亡くなってから1年後だったが、再婚前に男の子が生まれた。
そのことに、ジョンは酷く怒っていた。
父は、母に似たジョンとジャックを見るのが辛いのか、援助の手前私達に会えないのか、もうずっと会っていない。
噂では領地に篭っているとも聞く。
ミランダ夫人は、私達に出て行って欲しいようで、使用人にも私達に関わらないように言ってるらしい。
公爵家のメイドになって1年半。
どうやら儚げに見え庇護欲を掻き立てるらしい私は、眼鏡をかけて髪を纏めている。
父にそっくりの顔で厄介事に巻き込まれたくないから。
結局違った意味で厄介事には巻き込まれたけど。
5倍の給金を手に入れて、4人で新たな土地へ行こう。
しかも、仕事先まで紹介してくれるなんて有難い。
私は、契約書にサインした。
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