イケオジ社長に一目惚れされました

おもち

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【番外編】お酒

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今日は久しぶりに高校の友人らと会ってくる!と、翔は楽しそうに家を出ていった。本当は嫌だと駄々こねても良かったのだが、あまりに楽しみそうな様子だったので日が変わる前にタクシーで帰ってくるように強く強く念を押して行かせることにした。
僕はなんて優しいんだ。

二十歳になった元高校生らが集ってやることなんてひとつしかない。酒を飲むことだ。
予想通り、翔も酔って帰ってきた。おぼつかない足でもきちんとタクシーを使ってきたらしい。

「たらいま」
「おかえり。…だいぶ飲んだみたいだな?」
「のんじゃったぁ」

そういえはお酒に弱いって前に話してたか。
お酒を飲むと笑い上戸になるようで帰宅してからずっと笑顔を浮かべている。

「楽しかった?」
「んふふ…楽しかったぁ…」
「そりゃ良かった」

翔は変わらずへらへらと笑いながら僕をぎゅっと抱きしめてくる。自らのスキンシップをあまり行わない彼から抱きしめてくれることなんて珍しくて、かなりドキッとさせられてしまった。
今みたいに泥酔というよりはほんのほんの少しだけお酒を飲ませて、いつもより少し積極的になった彼とイチャイチャするのも楽しそうだ。

「あのね、…ふふっ…今日、友達二人に告白されて…だから、たかひろさんの自慢したの~……へへへ……」
「……詳しく聞かせてくれ」
「やさしくてー、かっこよくてー、おかねもちでー…」
「確かにそっちも聞きたいが、告白の方だ」
「んー?何の話?」
「友達に告白されたんだろう?」
「なんでしってるの?」
「君が話したからだ」
「えへへ…」

さすがにここまでの酔っ払いとは会話にならないな。
可愛いけれども今はそれどころではない。もし翔が酔っ払っているのを良い事に相手が翔に、それも彼氏持ちであることを分かりながら触れでもしていたら相手の方を許せないかもしれない。

「携帯見てもいいか?」
「いいよ~」

携帯を確認すると、告白したであろう二人の男から長文で今日の告白は本気だからと念押しする旨のメッセージが届いていた。
それを確かめていると相手が既読を確認したのか、ちょうど電話がかかってくる。

「トイレ行くから、たかひろさん出て」
「わかった」

スピーカーにするなりなんなりではじめから会話に介入するつもりだったので僕としては好都合だ。
メッセージの雰囲気からしてあまり良い子だとは思えなかったが、第一に翔の友人であるので丁寧に電話に出る。

「もしもし、翔?」
「翔ならお手洗いに行ってますよ。何か用か?」
「あなたは?」
「翔の彼氏ですが」
「あー…あのオッサン…」
「は?」
「だってオッサンでしょ」

前言撤回だ、こんなやつ翔の友達にふさわしくない。翔が優しいからこんなに口の悪いヤツでも友達のような関係になれただけで、本来はあんな優しくて良い子と仲良くなれるほうがおかしい。

「……翔と二度と関わるな、クソガキ」
「勝手に交友関係を切るとか束縛激しすぎません?嫌われますよ」
「お前みたいなクソ限定だ。なんなら本人に聞いてやろうか?」
「ああ、ぜひ」

喧嘩は売られたら買う主義なので、噛みつかれたら当然噛みつき返す。
その時にちょうど翔が戻ってきたので、言ったとおり本人に聞くことにした。

「ただいまぁ~」
「おかえり。ところで翔、コイツと今電話してるんだが縁切れるか?」
「いいよ」
「は?マジ?」
「ねえ、それよりたかひろさん…ねむい……」
「そうか。なら今日も一緒に寝ようか」

わざと相手に聞こえるように言ってやったのだが、やはり相手はかなりプライドが高いらしく声を荒げてきた。そういうところが気に障るんだ。
しかし今はそれよりも眠そうにしている翔の方が優先である。

「待って!シラフじゃないから…!」
「シラフでも同じだ。むしろシラフより本心じゃないか?というか酒を飲んだ状態の彼に告白したお前に何も言われたくない。Adieuさようなら

通話終了ボタンを押すと、翔を抱き上げて寝室へと向かい、ベッドへ彼を転がす。そして布団をかけてやり、頭を撫でるとすぐに彼は眠りについてしまった。
この小悪魔は寝顔も変わらず可愛らしい。色々と尋ねるのは明日にしてひとまず今日は寝よう。

「おやすみ」

頬に軽くキスをして、僕も彼の隣へ横になって目を閉じた。
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