愛玩奴隷〜咲〜

うなさん

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告白

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「聞きたいこと?」

おじさんは不思議そうに首を傾げながらも、
続きを促すように静かに視線を向けてくる。

今しかない。
深呼吸をして、覚悟を決めた。
「……あの、SMクラブって、なに?」

「…………」

沈黙。
おじさんの表情が、一瞬だけ固まったような気がした。

まるで時間が止まったかのような静けさの中、
僕の心臓だけがやけに大きな音を立てていた。

「おじさん……?」

そう声をかけると、おじさんははっと我に返ったように顔を上げ、
すぐにいつもの柔らかな笑顔を浮かべた。

そして、少し気まずそうな表情で、こちらを伺うように言った。
「昨日の連絡、見ちゃったんだね。」

「……ごめん。」

頭を下げると、おじさんは苦笑して首を振った。
「いや、私が不用心すぎたね。」

そして短い沈黙の後、
慎重に言葉を選ぶように口を開いた。
静かに、しかしはっきりと。

「さっくんの想像している通り、
 Nightは私の経営しているSMクラブだよ。
 
 会員制で、客層も……かなり限られている。
 表の世界で権力を持つ人ほど、
 裏では誰にも見せられない顔を持っているものだ。」

僕は静かに、小さく頷いた。
ただそれだけでは終われない空気が二人の間に漂っていた。

おじさんは困ったように息を漏らし、
視線を一度逸らしてから、また僕を見た。
「聞きたいのは、こんなことじゃないよね。」

そして、まっすぐこちらを見つめてくる。
逃げ場のない、試すような視線。

「端的に聞くね。
 ——さっくんは、SMに興味がある?」

初めて見る表情に、心臓が大きく跳ねた。
喉が渇いて、言葉がうまく出てこない。
けれど、嘘をつく気にはなれなかった。
戸惑いながらも、僕はゆっくりと頷いた。
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