【R18】モブキャラ喪女を寵愛中

文字の大きさ
103 / 156
寧々ちゃんまだまだ寵愛中

神様の常識◎

しおりを挟む
 別に本当に寝ていた訳じゃないけれど胸の所で休憩していたら「起きて起きて」と頭を撫でられて、不満そうに顔を上げれば額にいっぱいちゅうしてくれた。

「おはよう寧々ちゃん、あれ? 怒ってる?」
「…………今日はあんまりポンポンしてくれなかった」
「ごめん、パソコン使ってたから」
「……」

 口を尖らせれば、その先にもキスしてくれて、ちょっと嫌がったら強引に声が我慢できなくなるような深いのしてくれる。
 唇が離れれば超超超!! かっこいい彼氏がにこってしてくれるから抱き付いてしまうのだ。

 スーツの中に潜り込みたい~ってして、くすぐったいよって抱き締められて顔を上げればまたキスなんだけど、






 すみません、ここ会社です。




 だから「起きて起きて」の後から私の妄想です、すみません。
 でもまあお膝の上な事には変わりないけれど。


 それで「起きて起きて」からの現実はというと、辰巳さんの胸板に八つ当たりしていた。

「午後もお仕事、明日もお仕事、明後日だってお仕事……」
「あら、ずいぶん寝起きの寧々ちゃんご機嫌悪いですね」

 胸の所でネクタイいじいじしながら、午前中一生懸命書いた長文のメールを間違えて削除しちゃって、もう今日はそれからやる気ナッシングなのだ。
 長い指で優しく髪をすかれて、勝手に胸がキュンとくる。
「お家に帰ったら辰巳さんがいるって前提じゃなければ、早退してますよ」
「寧々ちゃんのモチベーションに繋がれる男になれるなんて嬉しいよ」
「帰ったらいっぱい甘やかして下さいね」
「うんもちろん」

 辰巳さんは髪を撫でて頬を撫でて、私の手を取ると手の平合わせてきた。


「何ですか?」
「皺と皺を合わせて幸せ~」
「辰巳さん私が機嫌悪いのに幸せなの?」
「幸せですよ。だって寧々ちゃんこの前まで仕事で泣いてしまっても一言だって愚痴漏らさなかったじゃないですか。それが今では辛いって言いたいし共感してほしいし慰めてほしいんでしょう? しかもお家でイチャイチャするために頑張るって宣言までしてくれて、こんなの幸せ以外にないよ」
「………………ふぅーん?」
「そうやって自分で言った癖に恥ずかしがってあっち向いちゃう所も最強に大好き」
 大きな手が少しずれて指が交差する、骨の太い綺麗な指先がぎゅっと手を握り込んで、ドキドキ苦しいのに辰巳さんは目見ながらゆっくり甲にキスしてきた、ひゃああああ。
「寧々ちゃんも僕が好き?」
「う」
「僕だってお仕事頑張るんだから元気が出る一言がほしいな?」
「あ、ぁぅ……わ、私も…………た、辰巳さ、んが……す、す」
「好きです辰巳さん、俺辰巳さんのが大好きですよ愛してます(棒)。なので会社で止めてもらっていいですか」
 眼鏡に手添えた総務の人がチャイムと共にやってきて、くッ……こいつ、また私と神様の邪魔を……!!
「ごめんごめん袴田君あまりにも寧々ちゃんが可愛くてここが会社なの忘れてました僕の責任です彼女を責めないで下さい」
「お二人のやり取りが非常に不快だと思っただけで責めてません、はい八雲さん早急に上司の膝から降りましょう」
「ん……」
「あ? 何だか反抗的な目ですね言いたい事があればどうぞ」
「いえ………………低級な人間如きが舐めた口を」
「寧々ちゃん心の声出てるよ」
「!!」

 走って席に帰って、メ! メールメール!! お仕事お仕事、う!!! あの総務の眼鏡の人まだこっち睨んで眼鏡凝らしてる恐い!!

 それからは心を入れ替えてお仕事してお家帰って疲れて寝ちゃってたら辰巳さんご飯作ってくれてて、いっぱい食べて私が洗い物をした、ゴーヤなんて食べようとも思わなかったけど、辰巳さんの作るチャンプルーは美味しいのだ。
 でも私より遅く帰ってきたのに、何でご飯作るんですか! 別にコンビニでもいいんですよ! 辰巳さんも疲れてるんだから休んで!! って自分だって買ってこなかった癖に、美味しい美味しいってご飯食べながら言ったら。

「寧々ちゃんの事はなんでもしたいんだから、その体を構成する要素も僕が作って当然です。辰巳家の常識です」って眼鏡キラされてしまった。

 洗い物、ハイパーマックススピードで終わらせないと! 辰巳さんとイチャイチャタイムが減ってしまう!
 いつの間にかお皿割らなくなったし、最近じゃどうやったら効率いいかって考えながら洗い物できるようになってかかる時間が減った。

 明日のご飯炊飯器にセットして、お鍋に水と昆布入れて冷蔵庫にしまったし、後は……!!!!
「寧々頑張りました頑張りました頑張りました頑張りました」
「偉い偉い偉い偉い偉いいい子いい子いい子」
 背中ぎゅうしに行かないと! 



「くんくんくん」
「寧々ちゃんそこクンクンするの好きだよね」
「エロフェロモン出てますからくんくん」
「嗅いでどうするの?」
「内緒」
「ああ、いっぱい甘やかされたいんだっけ?」
しおりを挟む
感想 307

あなたにおすすめの小説

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

鬼上官と、深夜のオフィス

99
恋愛
「このままでは女としての潤いがないまま、生涯を終えてしまうのではないか。」 間もなく30歳となる私は、そんな焦燥感に駆られて婚活アプリを使ってデートの約束を取り付けた。 けれどある日の残業中、アプリを操作しているところを会社の同僚の「鬼上官」こと佐久間君に見られてしまい……? 「婚活アプリで相手を探すくらいだったら、俺を相手にすりゃいい話じゃないですか。」 鬼上官な同僚に翻弄される、深夜のオフィスでの出来事。 ※性的な事柄をモチーフとしていますが その描写は薄いです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

密室に二人閉じ込められたら?

水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

ドSでキュートな後輩においしくいただかれちゃいました!?

春音優月
恋愛
いつも失敗ばかりの美優は、少し前まで同じ部署だった四つ年下のドSな後輩のことが苦手だった。いつも辛辣なことばかり言われるし、なんだか完璧過ぎて隙がないし、後輩なのに美優よりも早く出世しそうだったから。 しかし、そんなドSな後輩が美優の仕事を手伝うために自宅にくることになり、さらにはずっと好きだったと告白されて———。 美優は彼のことを恋愛対象として見たことは一度もなかったはずなのに、意外とキュートな一面のある後輩になんだか絆されてしまって……? 2021.08.13

処理中です...