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寧々ちゃんまだまだ寵愛中
ブラコンじゃないし!
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物心ついた時から、兄貴は大人だった。
記憶なんて、うっすら幼稚園くらいから始まるだろ? だから思い出すのは制服姿で毎日幼稚園に向かえてに来てくれてた兄貴だった。
学ランに、俺とお揃いの金髪と緑の目で、優しくて穏やかな口調でお待たせって笑ってくれる、必ず手を繋いでくれて荷物を持ってくれて、兄貴が迎えにくれば先生も友達もキャーキャーで誇らしい気持ちになる、頭もよくて自慢の兄だった。
劣等感を抱く隙もないよな、俺と兄貴とじゃ子供と大人ぐらいの差があったし、だから俺の憧れの人、目標にしてる人、そんな存在だった。
だったから、お迎えに来た兄貴がケガしてきた時はビビった。
お察しの通り兄貴は見た目やなんだで虐められてたみたいだけど、訳も言わずに転んだ、と言って誤魔化してた。
風呂場で自分の髪を力任せに引っ張っている背中を見た事があるけど、止めてとも何とも言えなくて、本当は一緒に入りたかったのに声を殺して音を立てずにその場を去った。
いつも本を読んでいた兄だった、俺は想像力が乏しいからSFモノって苦手なんだけど、兄貴はそういうのが好みみたいで、そういう類か……後は人の心理について説いた本だったり、人間とは……! みたいな哲学的なのモノも読んでたかな。
読んで答えが出たかは知らないけど、そういうのを読む割には人を見る目は明らかに諦めたような視線になっていったかな。
俺は小学校もそこそこに中学校もあんまり行かなかったし、高校は通信で、その頃には兄貴はもう家を出てた。
一応PC関係の専門に行ってみたけど、その知識は特に行かされず終わった、そんでその頃に親父が死んで意気消沈してる母さん一人にしておけないからロシアに連れて帰った。
ロシアに渡る朝、家の鍵渡すって葬式ぶりに兄貴に会った、相変わらず上っ面ニコニコ笑顔の社交辞令な兄貴だった、家族にもその顔するかね、って思うけど、もう今更いつからこの世に期待しなくなったのか、なんて掘り返せなくて、あんなに人間の本に興味持ってる癖に、本物の人間に興味を示さなくなった理由を俺は未だに聞けてないでいる。
あっちでは日本の料理屋で働いてた、共働きで忙しい両親に変わって夕飯はいつも兄貴が作ってくれてて、俺は兄貴好きだったし毎日手伝ってた。
俺はそんな大した腕前ではなかったけど、向こうじゃそんな俺でも日本食作れるってだけで一流料理人扱いだったよ、だから他の国でも同じような職で食いつないで放浪してたけど、とくにこれ! というやりたいものは見つからなかったから、帰って来た。
もう母さんも大分元気になったしな年齢的にも今帰ってこないと日本に居場所なくなりそうだったし、海外いる時はコックしてたから、あんま疎外感もなかったけど、こっち帰ってくると、途端に手が職がないから不安になるし、顔も目立つなあ。
後帰ってきた理由がもう一つ、毎月日本に母さんが本を送ると必ずその本の感想を綴った手紙が届くんだ、その月は少し厚めの絵本を送ったら、返信して来た封筒を開けた瞬間、まず嗅いだ事のない甘い匂いがした。
空輸してる時に匂いでも付いたのかなって思ったけど、中身も可笑しかった。
いつもは客観的に見た物語の感想、絵や作者について綴られているのに、その日の手紙は
、【もし小さい子が読んだら】なんて訳わからん視点の感想が組み込まれてて違和感を感じた。
あの人から乖離した兄貴が他人の目線になって物事を計るって? どんな顔してこの手紙書いてんだ??
母さんもその変化に直ぐ気が付く訳で、目が合った瞬間日本に帰りなさいって、もう明日にでも! って急かされてしまった。
もういい年なのに、結婚しないのかしらって心配してたし、ああ、やっぱそっち方面に変化があったから字の雰囲気が変わったのか? 今まで一息で書いてたであろう文章が今回のこの手紙は所々休憩を取ってて、字体が変わってんだよな、ほらこの時の「思った。」なんて急いで走り書きになってる、何だ? どこで書いてるんだ?
なんとなくロシアって遠いイメージあるけど実際は日本から一番近いヨーロッパで成田からウラジオトスクまでは三時間もかからない、千歳空港からなら一時間ちょいで行ける石垣島行くよりちっけーんだぞ。
でそんな日本に向かう機内で兄貴の女? ってどんな顔してんのかなって想像して、過去家にまで尋ねに来た女やスカウトマンはそこそこの顔面偏差値してた気がするな、あれと釣り合う女ってどんなんだよ。
っつか性格は? 外っ面ニコニコに寄ってくる女は虫のようにいたけど、そんな自分に寄ってくる女なんて興味ないだろうし、どんな性格に顔だよ。
日本人ではないよなあきっと、って考えても答えでないし、見たらはええか。
あ、家帰るって言ってねえじゃん、日本着いたら言おう。
で、実家到着。家帰るって送ったら兄貴からは
って返って来て、何だソレは兄貴スタンプ何て使うのかよ、どういう意味なんだよ。
玄関は特に変わってる様子なかったけど、入った瞬間にあの手紙の匂いがして、ああコイツ家にいんのかって胸がざわついた。
なんだかな、別に好きな人が出来て欲しくないっとかんはないけどさ、うーん言い表せないが兄貴は兄貴のままでいいというか、孤高の存在なのが格好いいみたいな。
家族ぐらいにしか素を見せないでほしいみたいな、ええ……マジかよ女がここにいんの?
野暮というか、お揃いの食器とか可愛いマグカップとか吐き気してきたから兄貴の部屋までは覗きに行けなかった、家も色々変わってるし。
っつか時差ボケもないけど、何せ突発的にここまできたから、実家に帰ってきた安心感で眠ってしまった。
のを起こされたのは、あの匂いで背中に柔らかいのがくっ付いて何事かと思った、でも一番驚いたのは腹に回ってた手に指輪がついてる所だった。
だって、そればーちゃんの形見じゃん、俺らがしてるレプリカとは違う純金の鍛造リング。
手引っぱたら軽くて、声も出さずに俺を見てる。
その顔に冷静を装いながら心の中で叫んでしまった。
どういう事だってば意味が分からない。
何だこれは、子供かこけしか、いや女だろうけど、地味すぎて話かけたことも掛けられたことも人種だぞ。
そいつは俺の手を振り払って、酷く驚いてて何言っても何も答えない。
でもこういう顔が好きで兄貴の懐に忍び込んだんだろう? なんかムカムカするこの嫉妬心みたいのはなんだ。
いや、わかってる恥ずかしい事に、どうやら俺は自分が思っていたよりブラコンだったらしい。
指輪を見て何か変な闘志みたいの湧いてるもんな?
くそお何だコイツ、俺の兄貴寝取りやがってぇええ。
腹立ってちょっといたずらしてやったら、眼鏡から初めて聞こえた言葉は、いやという拒絶だった。
そして、兄貴に殺すとか言われて久々に会えたのにマジオコで睨まれてしまった、泣いちゃう!!
しかも衝撃的とかそういう問題じゃない、あの他人に心を開かない兄貴が笑ってるんじゃない、家族以外にキレてる所を初めて見てしまった。
笑顔はさ、誰にでも向けてたけど、怒るってなかったから、それでなにか全てを悟ってしまった。
その後の洋物レベルのキスシーンもギシギシされても何も頭に入ってなかったね。
封印が解かれたように、自分になかった感情をその女に求めてるようだった。
そんなに人間らしくなったんなら、俺にだって優しくしてくれてもいーじゃん!! って思ったけど深夜に起こされて、お母さんを悲しませたくなかったら、僕をあまり追い込まないでねって頭撫でながら言われてしまって、その殺気立った目におしっこちびるかと思いました、初めて兄貴に怒られたヨ。
色々問題のある女で、意味不明過ぎるし、いや逆に理解できなさ過ぎて、そうかこういう特殊性癖なら今までの女と分かり合えなかったのも納得いけるな、と思った。
日曜日に庭の芝生にゴザ敷いて、真上から裸で日光を浴びながら、お日様はどこの国に行っても変わらず眩しいな、なんて思っていた。
兄貴は出掛けるのか、靴履いて縁側で本読んでる。
「肌に悪いから止めなさい僕等は焼けないよ」
「100%純正なコーカソイドじゃないんだから、気持ち茶色くはなるだろ」
「肌の色で何か変わる? それで、こっちでは何して働くの」
「ん? 兄貴のスネかじる」
「悪いけど脛も腕も腹も胸も顔をもう先客がいるからかじらせてあげられる場所はないよ」
「ねえ兄貴」
「何」
「俺に冷たくない? 謝ったじゃん」
「だから許したでしょ?」
でもだってその視線が冷たいじゃんよー。
「むしろ危険だぞあの女ー?」
「僕の寧々ちゃんを悪く言ったら……」
「う!」
「ああ、そうだ働き口が見つからなかったらうちの会社で働いてもいいですよ、アルバイトとして」
「え」
「同性愛者向けのコンテンツがあって、そこの課でも立ち上げようかなって思ってるので、いいんじゃない?」
「うーん」
兄貴には何度か彼氏紹介したりしてるし、俺がそういう人種だって知ってる。
「課長、ではないけど事務の責任者は寧々ちゃんに任せようと思って」
「ぜってー働かねえ」
「あらあら」
キッて下から睨んだら、あ、奥から物音がして兄貴の体が揺れる細い腕が首に回ってきて…………うおぉおぉぉ……。
「寧ー々だ! お待たせ辰巳さん。何話してたんですか! 性的な話ですか!??」
「今日も想像力豊かで可愛いねAngel」
「どういう褒め方だよソレ」
一瞬で初恋相手を見るようなキラキラスマイルになって、俺もあの笑顔を向けられたいなんて、
思ってないからな!
記憶なんて、うっすら幼稚園くらいから始まるだろ? だから思い出すのは制服姿で毎日幼稚園に向かえてに来てくれてた兄貴だった。
学ランに、俺とお揃いの金髪と緑の目で、優しくて穏やかな口調でお待たせって笑ってくれる、必ず手を繋いでくれて荷物を持ってくれて、兄貴が迎えにくれば先生も友達もキャーキャーで誇らしい気持ちになる、頭もよくて自慢の兄だった。
劣等感を抱く隙もないよな、俺と兄貴とじゃ子供と大人ぐらいの差があったし、だから俺の憧れの人、目標にしてる人、そんな存在だった。
だったから、お迎えに来た兄貴がケガしてきた時はビビった。
お察しの通り兄貴は見た目やなんだで虐められてたみたいだけど、訳も言わずに転んだ、と言って誤魔化してた。
風呂場で自分の髪を力任せに引っ張っている背中を見た事があるけど、止めてとも何とも言えなくて、本当は一緒に入りたかったのに声を殺して音を立てずにその場を去った。
いつも本を読んでいた兄だった、俺は想像力が乏しいからSFモノって苦手なんだけど、兄貴はそういうのが好みみたいで、そういう類か……後は人の心理について説いた本だったり、人間とは……! みたいな哲学的なのモノも読んでたかな。
読んで答えが出たかは知らないけど、そういうのを読む割には人を見る目は明らかに諦めたような視線になっていったかな。
俺は小学校もそこそこに中学校もあんまり行かなかったし、高校は通信で、その頃には兄貴はもう家を出てた。
一応PC関係の専門に行ってみたけど、その知識は特に行かされず終わった、そんでその頃に親父が死んで意気消沈してる母さん一人にしておけないからロシアに連れて帰った。
ロシアに渡る朝、家の鍵渡すって葬式ぶりに兄貴に会った、相変わらず上っ面ニコニコ笑顔の社交辞令な兄貴だった、家族にもその顔するかね、って思うけど、もう今更いつからこの世に期待しなくなったのか、なんて掘り返せなくて、あんなに人間の本に興味持ってる癖に、本物の人間に興味を示さなくなった理由を俺は未だに聞けてないでいる。
あっちでは日本の料理屋で働いてた、共働きで忙しい両親に変わって夕飯はいつも兄貴が作ってくれてて、俺は兄貴好きだったし毎日手伝ってた。
俺はそんな大した腕前ではなかったけど、向こうじゃそんな俺でも日本食作れるってだけで一流料理人扱いだったよ、だから他の国でも同じような職で食いつないで放浪してたけど、とくにこれ! というやりたいものは見つからなかったから、帰って来た。
もう母さんも大分元気になったしな年齢的にも今帰ってこないと日本に居場所なくなりそうだったし、海外いる時はコックしてたから、あんま疎外感もなかったけど、こっち帰ってくると、途端に手が職がないから不安になるし、顔も目立つなあ。
後帰ってきた理由がもう一つ、毎月日本に母さんが本を送ると必ずその本の感想を綴った手紙が届くんだ、その月は少し厚めの絵本を送ったら、返信して来た封筒を開けた瞬間、まず嗅いだ事のない甘い匂いがした。
空輸してる時に匂いでも付いたのかなって思ったけど、中身も可笑しかった。
いつもは客観的に見た物語の感想、絵や作者について綴られているのに、その日の手紙は
、【もし小さい子が読んだら】なんて訳わからん視点の感想が組み込まれてて違和感を感じた。
あの人から乖離した兄貴が他人の目線になって物事を計るって? どんな顔してこの手紙書いてんだ??
母さんもその変化に直ぐ気が付く訳で、目が合った瞬間日本に帰りなさいって、もう明日にでも! って急かされてしまった。
もういい年なのに、結婚しないのかしらって心配してたし、ああ、やっぱそっち方面に変化があったから字の雰囲気が変わったのか? 今まで一息で書いてたであろう文章が今回のこの手紙は所々休憩を取ってて、字体が変わってんだよな、ほらこの時の「思った。」なんて急いで走り書きになってる、何だ? どこで書いてるんだ?
なんとなくロシアって遠いイメージあるけど実際は日本から一番近いヨーロッパで成田からウラジオトスクまでは三時間もかからない、千歳空港からなら一時間ちょいで行ける石垣島行くよりちっけーんだぞ。
でそんな日本に向かう機内で兄貴の女? ってどんな顔してんのかなって想像して、過去家にまで尋ねに来た女やスカウトマンはそこそこの顔面偏差値してた気がするな、あれと釣り合う女ってどんなんだよ。
っつか性格は? 外っ面ニコニコに寄ってくる女は虫のようにいたけど、そんな自分に寄ってくる女なんて興味ないだろうし、どんな性格に顔だよ。
日本人ではないよなあきっと、って考えても答えでないし、見たらはええか。
あ、家帰るって言ってねえじゃん、日本着いたら言おう。
で、実家到着。家帰るって送ったら兄貴からは
って返って来て、何だソレは兄貴スタンプ何て使うのかよ、どういう意味なんだよ。
玄関は特に変わってる様子なかったけど、入った瞬間にあの手紙の匂いがして、ああコイツ家にいんのかって胸がざわついた。
なんだかな、別に好きな人が出来て欲しくないっとかんはないけどさ、うーん言い表せないが兄貴は兄貴のままでいいというか、孤高の存在なのが格好いいみたいな。
家族ぐらいにしか素を見せないでほしいみたいな、ええ……マジかよ女がここにいんの?
野暮というか、お揃いの食器とか可愛いマグカップとか吐き気してきたから兄貴の部屋までは覗きに行けなかった、家も色々変わってるし。
っつか時差ボケもないけど、何せ突発的にここまできたから、実家に帰ってきた安心感で眠ってしまった。
のを起こされたのは、あの匂いで背中に柔らかいのがくっ付いて何事かと思った、でも一番驚いたのは腹に回ってた手に指輪がついてる所だった。
だって、そればーちゃんの形見じゃん、俺らがしてるレプリカとは違う純金の鍛造リング。
手引っぱたら軽くて、声も出さずに俺を見てる。
その顔に冷静を装いながら心の中で叫んでしまった。
どういう事だってば意味が分からない。
何だこれは、子供かこけしか、いや女だろうけど、地味すぎて話かけたことも掛けられたことも人種だぞ。
そいつは俺の手を振り払って、酷く驚いてて何言っても何も答えない。
でもこういう顔が好きで兄貴の懐に忍び込んだんだろう? なんかムカムカするこの嫉妬心みたいのはなんだ。
いや、わかってる恥ずかしい事に、どうやら俺は自分が思っていたよりブラコンだったらしい。
指輪を見て何か変な闘志みたいの湧いてるもんな?
くそお何だコイツ、俺の兄貴寝取りやがってぇええ。
腹立ってちょっといたずらしてやったら、眼鏡から初めて聞こえた言葉は、いやという拒絶だった。
そして、兄貴に殺すとか言われて久々に会えたのにマジオコで睨まれてしまった、泣いちゃう!!
しかも衝撃的とかそういう問題じゃない、あの他人に心を開かない兄貴が笑ってるんじゃない、家族以外にキレてる所を初めて見てしまった。
笑顔はさ、誰にでも向けてたけど、怒るってなかったから、それでなにか全てを悟ってしまった。
その後の洋物レベルのキスシーンもギシギシされても何も頭に入ってなかったね。
封印が解かれたように、自分になかった感情をその女に求めてるようだった。
そんなに人間らしくなったんなら、俺にだって優しくしてくれてもいーじゃん!! って思ったけど深夜に起こされて、お母さんを悲しませたくなかったら、僕をあまり追い込まないでねって頭撫でながら言われてしまって、その殺気立った目におしっこちびるかと思いました、初めて兄貴に怒られたヨ。
色々問題のある女で、意味不明過ぎるし、いや逆に理解できなさ過ぎて、そうかこういう特殊性癖なら今までの女と分かり合えなかったのも納得いけるな、と思った。
日曜日に庭の芝生にゴザ敷いて、真上から裸で日光を浴びながら、お日様はどこの国に行っても変わらず眩しいな、なんて思っていた。
兄貴は出掛けるのか、靴履いて縁側で本読んでる。
「肌に悪いから止めなさい僕等は焼けないよ」
「100%純正なコーカソイドじゃないんだから、気持ち茶色くはなるだろ」
「肌の色で何か変わる? それで、こっちでは何して働くの」
「ん? 兄貴のスネかじる」
「悪いけど脛も腕も腹も胸も顔をもう先客がいるからかじらせてあげられる場所はないよ」
「ねえ兄貴」
「何」
「俺に冷たくない? 謝ったじゃん」
「だから許したでしょ?」
でもだってその視線が冷たいじゃんよー。
「むしろ危険だぞあの女ー?」
「僕の寧々ちゃんを悪く言ったら……」
「う!」
「ああ、そうだ働き口が見つからなかったらうちの会社で働いてもいいですよ、アルバイトとして」
「え」
「同性愛者向けのコンテンツがあって、そこの課でも立ち上げようかなって思ってるので、いいんじゃない?」
「うーん」
兄貴には何度か彼氏紹介したりしてるし、俺がそういう人種だって知ってる。
「課長、ではないけど事務の責任者は寧々ちゃんに任せようと思って」
「ぜってー働かねえ」
「あらあら」
キッて下から睨んだら、あ、奥から物音がして兄貴の体が揺れる細い腕が首に回ってきて…………うおぉおぉぉ……。
「寧ー々だ! お待たせ辰巳さん。何話してたんですか! 性的な話ですか!??」
「今日も想像力豊かで可愛いねAngel」
「どういう褒め方だよソレ」
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