Childhood friend lover 【著 CHIYONE】

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Childhood friend lover20 ※

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「どうした? 飲み会は?」
「んー? かけるんがボックに会いたいかなぁ? って思って抜けてきぴょん!」
「………………あっそ」
 死ね! ムカツク声デカイし、酔っぱらってるよ最悪だな。
「それより、何でメッセージ無視するんだよぉ! 皆翔が来るの待ってたんだぞ?」
 足バンバン鳴らしながらこっち来て、うるせえから睨んどく。
「仕事してたんだよ、以上」
「ふぅん?」
 急いでジャケット羽織って髪直して立ち去ろうと思ったのに、ああ、クソこんな時に限ってPCが中々閉じなくて。
「翔……」
「ッ!?」

 いつの間にかオレの背後まで迫っていたハイジの腕が伸びてきて、まあ早い話が後ろから抱き締めらるんだが?
「何してんだよお前」
「えー? いーじゃん誰もいないんだから」
「誰もいなくたって嫌なんだけど」
「何で? 翔って本当にボクのこと嫌いなの?」
「…………」
 少し間があれば、ハイジはクククって笑ってる、あー本当にこうやって何度も何度も人をからかってくる所がマジで大嫌いだ、口にしようとしたらハイジは鞄を掴んでいたオレの手を握ってきた。
「答えないって事は好きって意味だろ?」
「これ以上触んな、マジで、離れろよっつか人恋しいなら彼女のとこ行けよ。酔っ払いに絡まれんのが一番嫌いなんだけど」
 握られた手は振り解けたけど、この背中のはハイジが離してくれないと離れないことをオレ知っている、こいつバカ力だから。
 チッと舌打ちみたいのが聞こえたかと思ったら、ハイジは耳元で言った。
「もう別れたけど?」
「は?」
「お前さ、一々彼女彼女って突っかかってくるけど、それって何なんだ? 彼女がいなければボクがこれ以上な事しても良いって意味なのか」
「どういう解釈の仕方だよ、じゃあ何? 彼女と別れて寂しいからオレでその穴を埋めたいのか、それ100%酔いが醒めて後悔するヤツだろ」
「寂しいというか、申し訳ない気持ちはある。ボクの全てを理解した上で翔に迷惑かけたくないくて付き合った人だから」
「オレに迷惑って何だよ」
 人のせいにすんなって横を向けば、息がかかる距離にハイジの顔があって23年ほぼ毎日見てきたはずなのに、「やっとこっち向いた」って笑った後のハイジの顔は見たことない真剣な表情で、思わず怯んだ、そしたら茶色の瞳が伏せてこっちに迫ってきて……。
「んんッ……!」
 唇が当たって……目を閉じるタイミングなんて分からないし一瞬ハイジの目が開いたんだけどまた閉じて向き変えてくる、唇同士が擦れ合う感触に痺れて抵抗の仕方も分からない。
「歯、そんな閉じられたら舌入らないんだけど」
「い、入れなくていいよバカ!!」
 腹の前で交差する手を全力で解こうとしたけど無理で、仕方ないから爪立てたらハイジは唇を離した。
「な? ボクがこういう気持ちで一緒にいたいって分かったら翔に迷惑がかかるだろう? お前ボクと関わりたくないって言ったし、だから彼女のふりしてもらってた」
 唇拭って、心臓バクバクで……こういう気持ちってキスしたいって気持ち? は?
「でもお前男は嫌いって……」
「うん、男が好きな訳じゃないよ」
「…………」
好きなんだ」
「なっ……」
「袴田さんが言ってただろ、ボクもそうだよ好きな男以外のチンコなんて見たくないし」
「う!」
 この単語に急に何年と前の朝を思い出して、色々恥ずかしいのに体熱くなって、うわ! だってそうだろあの時もこうやって後ろからされて。
「でも、もうさ……ボクもこれ以上待ってられなくて」
「待つって……」
「男同士だし、翔がボクを好きだって気付くまで待ちたかったんだけど、お前やっぱり逃げるばかりで認めたくないみたいだから」
「はあ? オレお前を好きな訳ないだろ!」
「うん、そういうプライドだけは高いとこ好きだぞ」
「イッ!」
 耳にハイジの唇が近付く、悔しいのに一番聞き慣れた心地のいい声が真面目な音程で好きって言ってきて、感じた事ない感覚がずんと腰にきた。
 逃げたいのに前は机で後ろはハイジで挟まれて、やっぱりそのままハイジは耳を舐めてくる。
「止めッ……ろ、それ」
「ボクが好きじゃないなら、こんな事されたって発情するなよ」
 ってお尻にまたアノ硬くなってるのグリグリしながら言ってきて、首振る。
「お前、本当にこれ以上したら殺す……」
「バカだな翔、誰もいない会社で告ってここまできてさ、もう後戻りなんてできる訳ないだろ」
「っんで、急に……」
 やっぱり抵抗しなきゃって、肘で押し返そうと思ったら、ハイジは机に置かれた退職届けを手に取った。
「好きな人に出て行くなんて言われて、こんなもん見せられて正気でいられる奴っているのかよ」
「違う! それは捨てようと」
「今日出すつもりがなかったとしても、翔がボクの前から消えようとしてた事実に変わりはない」
 語尾が震えてて……ハイジが封筒をぐしゃりと握り潰す。
「ごめん」
 体の力が抜けて、勝手に謝罪の言葉が口から出た、だってハイジが泣いてたから。
「ボク翔と離れるのなんて嫌だよ、引っ越すなんて言わないで」
「うん、わかってるよ」
 でもどうせお前引っ越してきても隣に越してくるんだろう?
「翔」
 もう一度後ろから抱きすくめられて、幼馴染以上の感情があったのはわかっていた、それがいつからなのかは分からなかったけど、でも認めてしまったらこれから家族の関係はどうなるんだろうとか、あんな人気者だったハイジとオレじゃやっぱ不釣り合いだよなとか、確信の持てない感情をぶつけて、何よりもハイジに拒絶されるのが恐かった。
「ハイジ」
「うん」
「ごめん」
「うん、もうそれいいよ」
 ハイジはオレの肩口で涙を拭って顔を乗せてきて、もうそれいいって言われても、困るのだが? 睨めば睨み返してきて、ハイジはまさかの口を開けた。
「もうさっき、意地っ張りな幼馴染とのキスは済ませたので、ディープなのもらっていいですかね」
「よくねえな」
「どういう事なの、お前は本当にボクと一線を越えたい気持ちがあるの」
「そういうのって口に出して聞くモノなのか? まあ普通の幼馴染感覚ではなかったかもしれないけど、具体的に一線とかって言ったら……だって……色々壁が」
 そしたら、ハイジが腰押し付けて来て。
「その壁をコレで突き破るんだろ?」
「あ、マジか突き破ってくんのかよ、え? オレが破られのか? 嘘、無理」
「おーおー怯えてー可愛いのー翔君はー」
「止めろよ! ハゲ!!」
 ハイジはわざとらしくスリスリしてきて柔らかい茶髪がくすぐったい。
 いつの間にか、後ろから体まさぐられてて、呼吸おかしくなってくる。
 っつかなんだ、この手付きは! ってくらいハイジの触り方はいつものどついたり小突いてくるのと違くて確かめるみたいに体を這って優しくていやらしくて、シャツから手の平の温かさが伝わってくる、こんなの嫌なのにつま先まで張りつめてた緊張が解れてく。
「翔の匂いすっげー好き」
「やだってば……」
 首の周りにハイジの高い鼻が触れて、襟足嗅いでくるしくすぐったい、くすぐったいのに体熱くなって、マジでそうなんだ、オレやっぱハイジが好きなんだって分かってしまう。
 だって、これ大学の時にコンパで酔っぱらった先輩(♀)に沖田君って女の子みたいな匂いするねーって襟足に顔近づけられて鳥肌立って止めて下さい!って思わずうなじ隠したから。
 今は、なんか……ゾクゾクして心臓だって速くなってる。
 首にキスされて、ムカツクくらいオレは敏感で変な声でそうになって、ハイジが笑って頭撫でてくれた。
 その手に顔の角度を変えられて無理矢理視線がぶつかる、今度はハイジが目を伏せたタイミングに合わせてオレも目を閉じてキスしてしまった。
 ああ、これは無理だ。
 目をつぶったキスってこんなになのか、唇に神経が集中して少し擦れるだけでも気持ちいい。
 さっきは拒んだ舌も受け入れてしまって、さまよってたオレの舌を絡め取って吸われて、体が震えてしまった。
 うん、本当にこれ以上は可笑しくなる、何か口から音してるしにゅるってハイジの舌が動いて歯とか上顎なぞる度、オレ声出てるからそれも恥ずかしくて顔を引く。
「ね、本当ハイジ……ッこれ、以上は体もたなッ」
 語尾をまたキスで塞がれて、かなり強引に口の中を舐めてくる、ヤダって首振っても後頭部を掴んだ手が許してくれなくて、ハイジの気の済むまで長いキスをした。
 唇が離れれば、二人共息上がってて口の周りべたべただし、お尻の当たってるハイジのは硬すぎるし、酸素あんまり貰えなかったから思考も鈍る。
「何言ってんの翔」
「ちょっと待って」
「出会った時からボクは翔を抱きたかったんだ、こんな所で終われる訳ねえだろ」
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