総務の袴田君が実は肉食だった話聞く!?

文字の大きさ
40 / 154
連載

袴田君を考える

 本当に! 本当に仕事を増やす男だよ! 袴田って奴はよぉお!!!


 車を降りる時(乗ってる時はずっと手繋いでてくれるし強いブレーキ踏むとそっと胸押えてくれるし、左折時の後方確認の目線即死事案格好いいいい)袴田君は、

「そうだ食器買いに行くだけじゃなくて、どうせなら午前中は水族館行きませんか? 池袋のサンシャインならそんなに広くないし、少し魚で癒されてお昼食べて買い物なんてどうですか」
「ててててて、定番のデートコースですね、良く行きます(鬼早口小声)」
「あ、そうなんですかじゃあ朝迎えに行きますね」


 もう!! この口が!! プライドなんて無い癖に変な事言うんだからもう!!!
 定番の、とか言っちゃったから調べなきゃ!!
 っていうか食器どこで買うの? うちにあるのは実家のと百均(それでも一応国産を選ぶ)のだから分かんない!
 ハンズ? IKEAとか? 雑貨屋? 合羽橋? 食器ってどこで売ってるの?! 

「調味料も揃えたいですよね、あ、うち炊飯器ないんで」とか何なの?! 電気屋さんも行くの? 凄い炊飯器買っていいの?!! 高いヤツめっちゃ高いんだぞ! いや、そんなの目の前にしても眼鏡キラッで「へえこれが欲しいの? 買いましょう(現金)」って言いそうだな。
 って、そんなのはいいんだよ! 私は来週行くちょっとした旅行のしおり作んなきゃいけないのにぃ!!! 全然楽しみになんかしてないどッ! 

 月末なので双方仕事入るかもしれないし、予約は直前にしましょうかって袴田君は眼鏡直して言った。
 直前の方が安いときもあるし、ああお金は気にしないで下さいねって余裕の笑みですよ…………それで本当に気にしない女って引かね?
 え? 袴田君私を試してんのか?!!


 それにしても色々あった週末だった。
 いや、週末だけじゃない今月は怒濤のメンタル揺さぶられ月間だった。


 PCが起動するまでソファーに座って温かい紅茶に口をつけた。
 一口含んでまっさらな自分の左手を天井に向けて、いつかこの薬指にも指輪が光るのかな、なんて想像してみた。






 結婚したい位好きな人いるのいーなーって思う。





 三週間前この場所で、私はそんな風に呟いていた。

 いつも一緒にいたくて、自分の事も相手の事も知りたいって分かり合いたいって思う人。

 そんな人が欲しいって密かに思っていた。


 ふと、気付いたら袴田君がそんな人になっていた。
 どんな私でも見せられる……っていうか勝手に見てくるし、何言っても頷いてくれる笑ってくれる抱き締めてくれる。

 性格は正直言って苦手な部類だと思う、グイグイくるし意地悪するしえっちだし……。
 ただそれが……、


 そこが“好き”になってる自分がいた。


 遠くからだと眼鏡のせいで分からない表情もムカつくくらい高い鼻も、背伸びしたら直ぐ触れちゃう唇も、硬いのに温かくて男の癖にいい匂いする体も、ああうん好きだ、好きなんだ。

 ただ、私特有の拗らせてみると、そんな二十七年貯めに貯めた好きがエッチから始まったってとこが、これ如何に訳ですよ。








「えぇ~?!! あの絵夢に彼氏が出来たって?! しかも結婚~? うっそー!! どうやって知り合ったのぉ? 告白したの? されたの?」


【いや~あの……いつも飲み会で酔っ払ったら家まで送ってくれる総務の人がいてね、結局行きずりでヤッちゃってさ……まあ記憶ないんだけど……で、ちょっとそれネタにつけこまれて、色々あったらいつの間にか好きになっちゃってたんだよね。で、結婚したいって言うから結婚しようかなって…………】
「それアカンやつ(阿修羅の右側みたいな顔)」




 ですよね! そうなりますよね!!

 でもそーなんだから、仕方なくねぇか。
 なるほどな! ロマンチックなんて現実にはないんだな、でもいーんだもん! 世間体なんて気にしない、ハート! ハート大事!!

 三週間前に飲んだ時はすっぱく感じた紅茶も今日は甘味を感じるよ、私成長してるぅ!
 頭振ってよし!

 まあいいから、熱海調べつつ水族館しらべつつ食器しゅらべちゅつ、お風呂入ってまたPCの前で戦っていら午前二時、いったい寝たかやまだまだ元気だらって、気晴らしにスポンジボブとか見て何ろの時間頭くらくや…………。








「尾台さん……ベッド行きましょうね」




 微睡の中で袴田君の幻影が見えて、あ……うちにも座敷童さんが来たんだと思った。
 だってうつらとした視線の先にあった時計は四時だったし……ああ、PC弄りすぎて色々考えてたしとうとう私にもきちゃったんだ、おばけ。
 抱きかかえてくれた袴田童君にぎゅうて抱き着いてありがとうって言ったら、はいって背中叩きながらベッドに寝かせてくれた、PC弄りすぎて肩凝ってうーんって首捻りながらあっついって胸元から肩出したら、袴田童君は脱ぎたいの? お酒飲んでないよね?
 って聞いてきて、うるさいって言ったらフッて笑って抱き起して服を脱がせてくれた。
 裸になって、ちょうどいいから童君に抱き着いてそのまま寝る。

 温かい、お化けとは思えないくらい温かい、そして眠い。

 すりすりしてしゅきしゅきっていっぱい言えば頭優しく撫でてくれて、お胸きゅんきゅんなんですけど。
 見上げたら童君私見てるし。
 眼鏡外して枕にポイってして顔近づける。

「ねー私の事好き?」
「好きですよ」
「えへへへ、そーなんだ」
「大好きです」

「わ た し も だ よふふふ」

 固まってしまったお化け君にちゅううぅってしてやった。
 そしたら直ぐ抱き寄せられて胸崩壊しちゃうくらいあっついな、何か溢れそうな感じ。
 それにしても格好いいなぁのこの童君は、クールな雰囲気に眉と目が近くて掘り深くて……目はアーモンド型の切れ長で瞳が灰色で色彩が繊細で鼻高くて頬すべすべで唇潤んでて、髪はこげ茶で癖毛で。

 私のお化け君って抱き締めたら下から手が伸びて抱き返してくれた。
 何この夢最高かよ、ないおっぱいに顔抱き抱えて童君童君。

「ねえキスして? ちゅうしながら寝たいの」
「いいですよ。ほらじゃあべーってしてたくさん舐めてあげる、上手に舌出して? 疲れるまでえっちなキスして寝ちゃっていいよ」
「うん」

 躊躇なく唇が触れて顔の向き変えながら何度も舌絡み合わせて息途切れながら唾液を飲み込んで、声出る。
 ウエストを掴んでる手が格好いい、息の合間の低い声が堪らなく好き、体撫でてくれるの気持ち良くって本当にキスしながら意識が落ちた、あれ……寝てたのに意識が落ちたって……? なんてもう考える間もなくふっと私はこの世から旅立った。









 目が覚めたら私が裸だったのも驚きですけど、やっぱりというか白い胸の中で丸まってて、顔を上げたらスマホ弄ってる袴田君がいたのは、もう一回眠りにつきたくなる様な事実だった。

「おはようございます大好きな尾台さん」
「なななななななんで袴田君いるの」
「迎えに行くって言ったでしょ?」
「え? 今何時?」
「お昼の一時」
「デジャブ!!! やだぁ! 何で起こしてくれないんですか!!」
「俺の腕の中でいっぱい寝てる尾台さん可愛いじゃないですか」
「知らんがな! 起こせよ!」
「嫌ですよ、お疲れの尾台さん起こすのなんて俺も一緒に寝てたいし」
「でも……でも……!!」

 胸叩いたら、袴田君は私の額を擦った。

「ああ眉間寄せっちゃったごめんなさい。いっぱいデートしたかった? 今日は…………水族館と買い物どっちがしたいですか」
「魚」

 って抱き着いたらじゃあそっちって袴田君は頭にキスをした。

「ゆっくり行きましょう? 俺と尾台さんのこれからは長いんだから」
「…………うん」

 シーツで胸元隠して、ああ……あの。
「昨日……」
「はい」
「袴田君激似の座敷童が出たんです」
「へえ」
「お化け相手だから、あることないこと言っちゃったんだ!! 丸!」
「そうですか、きっとその座敷童は幸せだったでしょうね」
「…………ねえ」
「はい」

 ちらってまた胸見て隠して。

「袴田君ってムラムラしないの?」
「ん?」
「いやだって、私裸だよ」
「ああ……エッチのお誘いですか」
「誘ってないよ!」
「謹んでお受け致します」
「受けなくていいってば」
「でもその場合六時間コースだけどいいですか?」
「こないだのから二時間増えてるし、そんなに何するの」
「六時間ずっと尾台さん喘がせるだけですよ」
「ちょっと何言ってるか分からない」

枕元に綺麗に畳んであった下着に手を伸ばした。
感想 360

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)

久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。 しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。 「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」 ――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。 なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……? 溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。 王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ! ✽全28話完結 ✽辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。 ✽他誌にも掲載中です。 ✽2026.4/11 エブリスタ用に使用している表紙に変更しました。 →表紙はイラストをGrok タイトルをChatGPTでAI生成しています。

辣腕同期が終業後に淫獣になって襲ってきます

鳴宮鶉子
恋愛
辣腕同期が終業後に淫獣になって襲ってきます

俺様上司に今宵も激しく求められる。

藤白ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end** ◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です! https://estar.jp/novels/26513389

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041