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ペース
それは会社で一番耳にする人の声だった。
「あれ? マジで? 外で会ったのって初めてじゃない?」
「あ、桐生さんお疲れ様です」
挙動不審になりつつ一歩後退した私を桐生さんは視線を上下させて頷いた。
「へぇ……可愛いね尾台って休みの日はそういう服着るんだ、会社もそれ着……いや来なくていいや」
「ああ……ちょっとこれは、そのおめかししてます、えっと……桐生さんは? 今から池袋?」
「うん、大学の時の友達と酒でもって…………ああ尾台も来る?」
「へ?!!! 何で? 意味わからない! い、行く訳ないじゃないですか」
「何でだよ~ノリ悪いなぁ」
「私人見知りですから、そういうの無理」
「知ってるよ」
言って、桐生さんは優しく笑って会社の時みたいに頭を撫でた。
「桐生さん?」
「冗談だよ。まあ来てくれたら嬉しいけど本気じゃないからそんな顔すんなって。っで尾台は? 友達と買い物?」
「えっとあの……」
「気を付けて帰れよ。何かあったら連絡しろな」
「ありがとうございます」
「じゃあまた明日」
最後に桐生さんは肩を叩いて離れてその背中は直に見えなくなった。
一分も満たない会話だったと思う、偶然すれ違って声かけられて、それなのにすっごい緊張した。
今胸に手を当てても心臓バクバク鳴ってる。
何で?
まあ外で偶然会社の人に会うってないし、今袴田君といるし……。
そっか、袴田君と外にいるところ見られてたらどうしてたんだろう。
別に隠す必要ない、よね?
自分に全く関係なかったから気にもしなかったけど、うちの会社って社内恋愛禁止とかあるのかな。
「尾台さん」
「わッ!」
「おまたせしました」
「ぜ、全然待ってませんよ」
緊張したから袴田君の顔見て凄く安心した。
「どうしました?」
「ん? ううん」
それなのに、じゃあ行きましょうって差し出された手を握れなくて…………。
「尾台さん?」
「…………あの」
袴田君は私を見て、拳を見て、私を見て、少し笑って手を取らずに腰を少しだけ押して改札へ誘導してくれた。
その仕草は自然だけど何だか一瞬で壁ができたみたいに感じた。
今日ずっと握ってくれていた手がここで途切れてしまうなんて……。
でも、もしまた会社の人に見られていたら、とも思う。
だけどこれ変な誤解生んでるよね、私そんな風になりたくないよ。
「袴田君」
「はい」
混雑していた場所から少し歩いて、前を歩く袴田君との変な距離が嫌で呼び止める、振り返って表情が分からない眼鏡が光って唇を噛んだ。
「あの、今…………会社の人に会ったんです、それで……私……あの……えっと……ごめん、なさい」
自分で呼んだ癖にそこまで言って言葉に詰まった、謝ればいい話じゃないのも分かってるんだけど。
袴田君は一歩こっちに近付いた。
「俺の方こそごめんなさい」
「え?」
「尾台さんに拒まれて……こういう拒絶のされ方は初めてだったからこれ以上嫌われたくないって理由も聞かずに距離取ろうとしました」
「そんな……嫌いだなんて」
「俺…………今、自分でも恥かしい位尾台さんが中心になってます」
「うん」
「俺は尾台さんといる所を見られても恥かしくないし隠したくないです、聞かれたら好きな人といたと答えます」
言いながら抱き締められて、私も腰に手を回した。
「ごめん、私が意気地なしなだけなの」
「違うよ俺がいけないんだ。本当は尾台さんのペースを守ってあげなきゃいけないのに」
「私のペース?」
顔を上げても、袴田君は答えてくれなくて顔中にキスするだけだった。
目を瞑って全部受け止めて…………。
「ここ、公然ですけど」
「じゃあ帰国子女のふりしましょう」
なんなの、好きってなんだ、恋ってなんだ。
仕事も人間関係も人生観も、二十七年間、しょぼいながらも色々経験して積み重ねて酸いも甘いも嚙み分けて、こうすれば私は傷つかないって、これ以上周りに振り回されたくないって地盤固めてきたんじゃないの。
そのルールはどこにいったの。
こんな場所で、不特定多数の人がいる前で抱き合うなんておかしいじゃん。
違う、
そんな事を考える方がおかしいんだ。
人の顔色ばかり伺って、好きな人が目の前で泣きそうな顔してるのに。
背中を撫でてぎゅっと抱き締め返して、
「袴田君」
「はい」
「そんなふりしなくていいです………」
「え?」
「誰かに見られてたら尾台さんと抱き合ってたってハッキリ言って下さい」
「うん」
顔なんて見れない、だから洋服に掴んで目一杯気持ち押し付けとく。
「私だって、頭の中袴田君ばっかだよ」
「大好き尾台さんありがとう」
泣きそう泣きそう、好き、泣きそう。
袴田君は両手で私の顔を掴んで頬にキスした。
「この先も見られていいの?」
真っ直ぐ瞳を見られて言われて、瞬きで返事をして少し口を開けた。
唇が重なった瞬間、舌が潜り込んできてぞくっと背中が靡いて服を強く握った。
涙も一緒に飲み込んで欲しくて、私からも激しく舌を差し出して、好きだって気持ちを越えた感情を伝えた。
それは三秒程度の交わった時間。
直に唇を離して、袴田君は額を擦り合わせた。
「帰りましょうか」
「はい」
「送ります」
送るの……一緒いてくれないのって思うけど。
やっぱり家に着いても、袴田君は玄関で靴を脱がなかった。
「お茶…………でも飲みませんか」
「本心を言うと飲みたいです、けど絶対それだけじゃ終わらないだろうし、明日は月曜日なので大人なしく帰ります」
「…………袴田君」
「そんな顔しないで?」
頭を撫でられてキスされて、そっか同棲したらこの寂しいさようならもないんだって思った。
今……一番一緒にいたいのに。
「ねえ袴田君」
「大丈夫ですよ、俺は尾台さんの気持ち分かってるから無理して言葉にしなくていいから」
抱き寄せられて腰を大きな手で掴まれてお尻の方まで手が這って体が疼く。
抱かれたい、とかエッチしたいとか……よく分からないけど、もっと袴田君いっぱい触ってほしい。
「そういうんじゃなくて……」
「ねえ尾台さん、今週頑張ったら、熱海……行きましょうね俺楽しみにしてますから」
「あ…………うん」
耳元で言われてきゅんってして、こくって頷いた。
おやすみなさいって言われて、じゃあ私駅まで送りますって言って、だったらその後俺尾台さんを家まで送りますねってなって、ならその後駅まで送って、家までってなんだコレ。
謎の押し問答の末、私おしんの続きみるから! って帰ってもらった。
ヤバイ、本当になんなの……。
どうしたらいいの、別に一緒に暮らしていた訳じゃないし、一か月前は会話すらした事なかった。
それが今じゃ別れるのが辛い、一人になるのが寂しい、一緒にいると苦しい。
これが好きって気持ち。
楽しいのに苦しくて、想いすぎて痛い、離れたくない苦しい、今直ぐ会いたい、何にも考えられない。
こんなの初めてだ、気付けば私はヨガを無断欠席してた。
会社の掲示板の前に立ってポッカリ口を開けてしまったのは、先週の事だった。
そして、また私は同じ状態で立っていた。
「辞令
営業部 桐生 陸殿
平成30年10月1日付けをもって、営業部課長に任命します。
より一層業務に励み会社の発展に貢献されることを期待します。
株式会社GDC
代表取締役会長 三神 武雄」
「あれ? マジで? 外で会ったのって初めてじゃない?」
「あ、桐生さんお疲れ様です」
挙動不審になりつつ一歩後退した私を桐生さんは視線を上下させて頷いた。
「へぇ……可愛いね尾台って休みの日はそういう服着るんだ、会社もそれ着……いや来なくていいや」
「ああ……ちょっとこれは、そのおめかししてます、えっと……桐生さんは? 今から池袋?」
「うん、大学の時の友達と酒でもって…………ああ尾台も来る?」
「へ?!!! 何で? 意味わからない! い、行く訳ないじゃないですか」
「何でだよ~ノリ悪いなぁ」
「私人見知りですから、そういうの無理」
「知ってるよ」
言って、桐生さんは優しく笑って会社の時みたいに頭を撫でた。
「桐生さん?」
「冗談だよ。まあ来てくれたら嬉しいけど本気じゃないからそんな顔すんなって。っで尾台は? 友達と買い物?」
「えっとあの……」
「気を付けて帰れよ。何かあったら連絡しろな」
「ありがとうございます」
「じゃあまた明日」
最後に桐生さんは肩を叩いて離れてその背中は直に見えなくなった。
一分も満たない会話だったと思う、偶然すれ違って声かけられて、それなのにすっごい緊張した。
今胸に手を当てても心臓バクバク鳴ってる。
何で?
まあ外で偶然会社の人に会うってないし、今袴田君といるし……。
そっか、袴田君と外にいるところ見られてたらどうしてたんだろう。
別に隠す必要ない、よね?
自分に全く関係なかったから気にもしなかったけど、うちの会社って社内恋愛禁止とかあるのかな。
「尾台さん」
「わッ!」
「おまたせしました」
「ぜ、全然待ってませんよ」
緊張したから袴田君の顔見て凄く安心した。
「どうしました?」
「ん? ううん」
それなのに、じゃあ行きましょうって差し出された手を握れなくて…………。
「尾台さん?」
「…………あの」
袴田君は私を見て、拳を見て、私を見て、少し笑って手を取らずに腰を少しだけ押して改札へ誘導してくれた。
その仕草は自然だけど何だか一瞬で壁ができたみたいに感じた。
今日ずっと握ってくれていた手がここで途切れてしまうなんて……。
でも、もしまた会社の人に見られていたら、とも思う。
だけどこれ変な誤解生んでるよね、私そんな風になりたくないよ。
「袴田君」
「はい」
混雑していた場所から少し歩いて、前を歩く袴田君との変な距離が嫌で呼び止める、振り返って表情が分からない眼鏡が光って唇を噛んだ。
「あの、今…………会社の人に会ったんです、それで……私……あの……えっと……ごめん、なさい」
自分で呼んだ癖にそこまで言って言葉に詰まった、謝ればいい話じゃないのも分かってるんだけど。
袴田君は一歩こっちに近付いた。
「俺の方こそごめんなさい」
「え?」
「尾台さんに拒まれて……こういう拒絶のされ方は初めてだったからこれ以上嫌われたくないって理由も聞かずに距離取ろうとしました」
「そんな……嫌いだなんて」
「俺…………今、自分でも恥かしい位尾台さんが中心になってます」
「うん」
「俺は尾台さんといる所を見られても恥かしくないし隠したくないです、聞かれたら好きな人といたと答えます」
言いながら抱き締められて、私も腰に手を回した。
「ごめん、私が意気地なしなだけなの」
「違うよ俺がいけないんだ。本当は尾台さんのペースを守ってあげなきゃいけないのに」
「私のペース?」
顔を上げても、袴田君は答えてくれなくて顔中にキスするだけだった。
目を瞑って全部受け止めて…………。
「ここ、公然ですけど」
「じゃあ帰国子女のふりしましょう」
なんなの、好きってなんだ、恋ってなんだ。
仕事も人間関係も人生観も、二十七年間、しょぼいながらも色々経験して積み重ねて酸いも甘いも嚙み分けて、こうすれば私は傷つかないって、これ以上周りに振り回されたくないって地盤固めてきたんじゃないの。
そのルールはどこにいったの。
こんな場所で、不特定多数の人がいる前で抱き合うなんておかしいじゃん。
違う、
そんな事を考える方がおかしいんだ。
人の顔色ばかり伺って、好きな人が目の前で泣きそうな顔してるのに。
背中を撫でてぎゅっと抱き締め返して、
「袴田君」
「はい」
「そんなふりしなくていいです………」
「え?」
「誰かに見られてたら尾台さんと抱き合ってたってハッキリ言って下さい」
「うん」
顔なんて見れない、だから洋服に掴んで目一杯気持ち押し付けとく。
「私だって、頭の中袴田君ばっかだよ」
「大好き尾台さんありがとう」
泣きそう泣きそう、好き、泣きそう。
袴田君は両手で私の顔を掴んで頬にキスした。
「この先も見られていいの?」
真っ直ぐ瞳を見られて言われて、瞬きで返事をして少し口を開けた。
唇が重なった瞬間、舌が潜り込んできてぞくっと背中が靡いて服を強く握った。
涙も一緒に飲み込んで欲しくて、私からも激しく舌を差し出して、好きだって気持ちを越えた感情を伝えた。
それは三秒程度の交わった時間。
直に唇を離して、袴田君は額を擦り合わせた。
「帰りましょうか」
「はい」
「送ります」
送るの……一緒いてくれないのって思うけど。
やっぱり家に着いても、袴田君は玄関で靴を脱がなかった。
「お茶…………でも飲みませんか」
「本心を言うと飲みたいです、けど絶対それだけじゃ終わらないだろうし、明日は月曜日なので大人なしく帰ります」
「…………袴田君」
「そんな顔しないで?」
頭を撫でられてキスされて、そっか同棲したらこの寂しいさようならもないんだって思った。
今……一番一緒にいたいのに。
「ねえ袴田君」
「大丈夫ですよ、俺は尾台さんの気持ち分かってるから無理して言葉にしなくていいから」
抱き寄せられて腰を大きな手で掴まれてお尻の方まで手が這って体が疼く。
抱かれたい、とかエッチしたいとか……よく分からないけど、もっと袴田君いっぱい触ってほしい。
「そういうんじゃなくて……」
「ねえ尾台さん、今週頑張ったら、熱海……行きましょうね俺楽しみにしてますから」
「あ…………うん」
耳元で言われてきゅんってして、こくって頷いた。
おやすみなさいって言われて、じゃあ私駅まで送りますって言って、だったらその後俺尾台さんを家まで送りますねってなって、ならその後駅まで送って、家までってなんだコレ。
謎の押し問答の末、私おしんの続きみるから! って帰ってもらった。
ヤバイ、本当になんなの……。
どうしたらいいの、別に一緒に暮らしていた訳じゃないし、一か月前は会話すらした事なかった。
それが今じゃ別れるのが辛い、一人になるのが寂しい、一緒にいると苦しい。
これが好きって気持ち。
楽しいのに苦しくて、想いすぎて痛い、離れたくない苦しい、今直ぐ会いたい、何にも考えられない。
こんなの初めてだ、気付けば私はヨガを無断欠席してた。
会社の掲示板の前に立ってポッカリ口を開けてしまったのは、先週の事だった。
そして、また私は同じ状態で立っていた。
「辞令
営業部 桐生 陸殿
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