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連載
飲み会
「実はさ、人生の糧っていうか……軸みたいな存在がなくなって、何にでも無関心になっていたんだ。生きる意味が分からなくなって呆然自失になってた。特に仕事なんか金を得るためにしている事だって内部事情なんて関係ないし金が欲しいから儲けてる。ただそれだけ、会社を回しているのは金だけ、そういうもんだと思ってた」
「ああ」
「自分の過去なんて振り返ったら反省や後悔しかなくて考えると段々それが怒りに変わってくるだろう、でもそんなのどうにも出来ないから見ちゃいけないって振り返らなかった。でも未来だって不安ばかりで過去のせいで何をするにも億劫で明るい未来が築けない。だから今を頑張る事を忘れていた、今が未来に繋がってるって考えられなかった当たり前の事なのに漠然とただ来る毎日を消化していた」
「うん」
「でも今は……俺達の一挙一動で人が変わって、会社が変わって人の笑顔が増えて、何とも言えな手応えみたいのがあってこんな俺でも人の役に立てるって新しい発見だよ」
「そうか」
「仕事を楽しいって初めて思った」
「それは良かった」
「じーちゃんって割りと凄かったんだな」
「凄くないだろ相変わらず娘からはシカトされてるぞ、孫からはクソジジー呼ばわりだしな。御茶ノ水も任せっぱなしだったし」
二人で煙草に口を付ける久しぶりにじーちゃんと穏やかに会話をした。
御茶ノ水に来て数週間、着々と改革を進める中じーちゃんは唐突に俺のマンションに来た。
「俺が家にいなくて寂しくなっちゃったの?」
ってわざとらしく聞いたのに、「ああ」なんてそんな素直な返答よしてくれよ。
俺が撮った写真わざわざ引き伸ばして額縁に飾りやがって、俺だってじーちゃんが気になってたよ。
で、じーちゃんは持って来た紙袋から何か取り出してカウンターに置いてる。
「何その壺、買わされたの?」
「馬鹿言え、ちゃんとわが社のマスコットキャラクターがここに描かれてるだろ。アレだよどのご家庭にもあるディフューザーって奴だよ」
「ディフューザー?」
「そうこれコラボ商品なんだけど、ほら俺この間胃患って倒れただろ? まあ大まかに言えばストレス原因だった訳で、その話したらどうぞって」
「ふぅん? それでストレスがなくなるの?」
「なくなる訳ないだろ、緩和されるんだよ。この空気吸ってるとイライラが軽減するって」
「で、それをなんで俺の家に?」
「煙が出てイライラしたから」
なんだそれって笑ってじーちゃんも笑って、
「ふと目が覚めて火事かと思うんだよ、で雄太にピッタリだと思ってな」
「俺に合ってるか? ああ香りは良いじゃん」
「合ってるだろキレやすい性格だろ昔から。ここに好きな香りのアロマオイル入れろって国内生産の厳選精油だって色々くれたよ。もちろん使わないから置いていくハンカチや服なんかに染み込ませておいて血が昇った時に嗅ぐと気分が落ち着くらしい」
「へえ」
「効能によって使い分けて下さいって」
「彼女が出来る匂いは?」
「そんなのを匂いに頼ってるようじゃ一生彼女なんてできないだろうよ」
「はいはいじーちゃんが母さんに嫌われてるのそういうとこだから」
「何だ? こんな物使わなくても雄太君はモテそうだよ! って言ったら良かったか?」
「だからそういう所が嫌いなんだろうな母さんは、正論なら何言っていいと思ってる?」
「ああなるほどな、肝に銘じておく。孫はもう可愛くないから早くひ孫抱かせてくれよな」
「全然銘じてねえじゃん、そのひ孫も俺にそっくりかもよ」
「彼女に似るかもしれないだろう」
「そうか、ならとんでもない可愛いひ孫だな」
そんな話をしてじーちゃんは帰って、一人暮らしは慣れているはずなのにドアの閉まる音が寂しかった。
アロマオイルの小瓶を手に取って、順に嗅いでいく……四つ目で……ああ、これ何か落ち着くな……ラベルにはイランイランと書かれていた。
出向して一か月、会社に光が見えてきた。
目のこぶだった腫れものが取れて諸悪の根源には処罰が下され、会社を去って行った。
俺は影で総務の鬼人事と言われてるらしいが、本社の時みたい嫌味を込めた言い方ではない。
俺が変わったら周りも変わった。
いつもの挨拶を笑顔にして言ってみたら相手も笑顔で返してくれた。
ありがとうと言う言葉は口にしてみたら言うのも言われるのも気持ちのいいものだった。
何だよ、こんな簡単な事だったのに何を俺は意固地になっていたんだろう。
卑屈な毎日が積み重なって苦しい過去になった、笑顔の毎日が積み重なったら、今度は明るい未来になるのだろうか。
「袴田君、バイトの面接の子ミーティング室に通したって」
「はい、ありがとうございます今行きます」
「こっちも忙しくてさ履歴書にまだ目通してないんだよね」
「渡すタイミングが悪かったですね、すみません」
「とんでもないよ、用事済ませて行くからちょっと遅れるね」
「分かりました」
減った人材の補填に、ここ最近アルバイトや派遣の面接をしょっちゅうしている。
今日は営業事務か……送られてきた履歴書のコピーとファイルを持って部屋に向かった。
そこには小柄な今時の女の子が座っていて目が合うとにっこり笑って立ち上がった。
「総務部の袴田です、人事を担当しています宜しくお願いします」
「久瀬 恵です、宜しくお願いします」
二人で椅子に掛けて、履歴書を見直す俺を見つめる彼女は笑顔で緊張している様子はなかった。
「京都大学……へえそこそこの大学ですね」
「あら、この大学でそこそこって言われたの初めてです皆もうちょっとおお、みたいな反応してくれるのに」
「ああ、すみません。私も同じ大学だったもので、凄い所ですねなんて言ったら自画自賛で恥ずかしいかなと」
「なるほど、先輩でしたか」
「就活はしなかったんですか」
「ええ……その時期に身内の不幸が重なって身心疲弊してしまって身動きが取れなかったんです」
「そうですか、辛い話をさせてすみません」
「いえいえ、人はいつか死ぬのもですから、もう立ち直っています」
強い目力で頷かれて職歴は真っ白だけど芯も強そうだし、俺的には問題ないように思うな。
一応この会社で働く人全てに目を通すけど、最終的にこの子を採用するか決めるのは営業部な訳で……。
佐々木さんに後どれ位時間がかかるのか聞きに行こうと思ったら、久瀬さんの背後のドアが開いた。
「ごめんごめん、色男だからあっちこっち話掛けられて遅くなっちゃった」
「大変ですね羨ましいです」
「そんな棒読みで言われても! っで、どこまではなッ……」
と、久瀬さんが振り返った瞬間、佐々木さんは目を見開いて動きを止めた。
久瀬さんもまた大きな目を一層開いて何度も瞬きをしてさっきまでの笑顔が消えた、何だ? 知り合いか?
佐々木さんは彼女をぐるりと見まわして頷くと目を輝かせて細めた。
「ええっと……袴田君彼女の履歴書見せて」
「はい」
「ありがとう」
佐々木さんは読みながら彼女の前に座った。
「遅れてごめんね。営業部で課長やってる佐々木大志って言います宜しくね」
「はい宜しくお願いします」
「ああ、袴田君さ。ここからは仕事の話するから聞きたい事終わってるなら仕事戻っていいよ」
「そうですか、では失礼します」
「いつもありがとう」
「いえ、気になる事があれば呼んで下さい」
なぜか二人にした方がいいのかな、と気を使ってしまったけど、どう見ても顔見知りの反応だよな。
結果、久瀬さんは営業事務の補助として働く事になって初日に宜しくネ☆ えったんと尾台さんの手を掴んでぶんぶん振っていた。
少し会社が落ち着いて来た所で、改めて総務部の歓迎会を開いてくれる事になった。
俺達の歓迎会とそれと営業部の……というか桐生さんの偉容を称えるの会だ。
尾台さんは入社以来初めての飲み会だと言うから、本当に彼女の話は何を聞いても泣けてくるな、今まで飲み会参加させてもらえなかったの。
飲み会は終始和やかな雰囲気で行われ皆優しく俺達を向かえ入れてくれた。
心配していた本社との壁もなかったし、それよりも二時間、三時間と経って酔いが回ってくると本当にありがとうありがとうとビール瓶片手に泣き上戸でお酌しに来る社員までいて、正直嬉しくて御茶ノ水に来て良かったと思った。
強いて言うなら、一瞬恋をした尾台さんと桐生さんが親しげに話している所を毎日見ているのは辛いけれど。
尾台さんは温かい梅酒を両手で持って美味しいってうっとりしてて、ああやっぱり可愛いなって本能が勝手に反応してしまう。
そっか、俺ああいう顔が好きだったのか、潤んだピンク色の唇が綺麗でつい見とれてしまう、この年まで女の人の顔の好みを考えた事なかったなんて、大丈夫か俺。
そして十一時を回った頃だ、初めての飲み会だったせいかまさかの尾台さんは泥酔状態になって、机に突っ伏していた。
「もぉお!! 誰ですか私の可愛いえったんにこんな飲ませた輩は! 二度と近寄らないで下さい!!」
「それは勘弁して下さい!!」
「だって尾台さん何あげても美味しい美味しい言うから可愛くてつい」
「袴田君! 制裁を!」
尽かさず眼鏡を直して加勢した。
「アルコールハラスメントですか? 脅して飲酒を強要していたならば刑法223条強要罪が成立する余地がありますね。また今の尾台さんのような酔い潰すまでお酒を飲ませた場合には刑法204条傷害罪が成立する可能性があります、これは犯罪事案ですよ可愛いくてついなどの言葉では済まされません。明日、尾台さんを丸め込んで被害届を書いてもらいましょう総務は悪を許しません異端者は徹底的に排除します」
「うちの総務恐すぎィ!」
「申し訳ございません、許してください二度としないと誓います!」
土下座されてちょっと笑いが起きたけど、久瀬さんは尾台さんの背中を擦りながら男性社員に睨みを利かせている。
とりあえず、誰が尾台さんを送るかとなって、桐生さんは一周辺りを見渡して最後に俺を見た。
「袴田君頼める?」
「ああ」
「自分の過去なんて振り返ったら反省や後悔しかなくて考えると段々それが怒りに変わってくるだろう、でもそんなのどうにも出来ないから見ちゃいけないって振り返らなかった。でも未来だって不安ばかりで過去のせいで何をするにも億劫で明るい未来が築けない。だから今を頑張る事を忘れていた、今が未来に繋がってるって考えられなかった当たり前の事なのに漠然とただ来る毎日を消化していた」
「うん」
「でも今は……俺達の一挙一動で人が変わって、会社が変わって人の笑顔が増えて、何とも言えな手応えみたいのがあってこんな俺でも人の役に立てるって新しい発見だよ」
「そうか」
「仕事を楽しいって初めて思った」
「それは良かった」
「じーちゃんって割りと凄かったんだな」
「凄くないだろ相変わらず娘からはシカトされてるぞ、孫からはクソジジー呼ばわりだしな。御茶ノ水も任せっぱなしだったし」
二人で煙草に口を付ける久しぶりにじーちゃんと穏やかに会話をした。
御茶ノ水に来て数週間、着々と改革を進める中じーちゃんは唐突に俺のマンションに来た。
「俺が家にいなくて寂しくなっちゃったの?」
ってわざとらしく聞いたのに、「ああ」なんてそんな素直な返答よしてくれよ。
俺が撮った写真わざわざ引き伸ばして額縁に飾りやがって、俺だってじーちゃんが気になってたよ。
で、じーちゃんは持って来た紙袋から何か取り出してカウンターに置いてる。
「何その壺、買わされたの?」
「馬鹿言え、ちゃんとわが社のマスコットキャラクターがここに描かれてるだろ。アレだよどのご家庭にもあるディフューザーって奴だよ」
「ディフューザー?」
「そうこれコラボ商品なんだけど、ほら俺この間胃患って倒れただろ? まあ大まかに言えばストレス原因だった訳で、その話したらどうぞって」
「ふぅん? それでストレスがなくなるの?」
「なくなる訳ないだろ、緩和されるんだよ。この空気吸ってるとイライラが軽減するって」
「で、それをなんで俺の家に?」
「煙が出てイライラしたから」
なんだそれって笑ってじーちゃんも笑って、
「ふと目が覚めて火事かと思うんだよ、で雄太にピッタリだと思ってな」
「俺に合ってるか? ああ香りは良いじゃん」
「合ってるだろキレやすい性格だろ昔から。ここに好きな香りのアロマオイル入れろって国内生産の厳選精油だって色々くれたよ。もちろん使わないから置いていくハンカチや服なんかに染み込ませておいて血が昇った時に嗅ぐと気分が落ち着くらしい」
「へえ」
「効能によって使い分けて下さいって」
「彼女が出来る匂いは?」
「そんなのを匂いに頼ってるようじゃ一生彼女なんてできないだろうよ」
「はいはいじーちゃんが母さんに嫌われてるのそういうとこだから」
「何だ? こんな物使わなくても雄太君はモテそうだよ! って言ったら良かったか?」
「だからそういう所が嫌いなんだろうな母さんは、正論なら何言っていいと思ってる?」
「ああなるほどな、肝に銘じておく。孫はもう可愛くないから早くひ孫抱かせてくれよな」
「全然銘じてねえじゃん、そのひ孫も俺にそっくりかもよ」
「彼女に似るかもしれないだろう」
「そうか、ならとんでもない可愛いひ孫だな」
そんな話をしてじーちゃんは帰って、一人暮らしは慣れているはずなのにドアの閉まる音が寂しかった。
アロマオイルの小瓶を手に取って、順に嗅いでいく……四つ目で……ああ、これ何か落ち着くな……ラベルにはイランイランと書かれていた。
出向して一か月、会社に光が見えてきた。
目のこぶだった腫れものが取れて諸悪の根源には処罰が下され、会社を去って行った。
俺は影で総務の鬼人事と言われてるらしいが、本社の時みたい嫌味を込めた言い方ではない。
俺が変わったら周りも変わった。
いつもの挨拶を笑顔にして言ってみたら相手も笑顔で返してくれた。
ありがとうと言う言葉は口にしてみたら言うのも言われるのも気持ちのいいものだった。
何だよ、こんな簡単な事だったのに何を俺は意固地になっていたんだろう。
卑屈な毎日が積み重なって苦しい過去になった、笑顔の毎日が積み重なったら、今度は明るい未来になるのだろうか。
「袴田君、バイトの面接の子ミーティング室に通したって」
「はい、ありがとうございます今行きます」
「こっちも忙しくてさ履歴書にまだ目通してないんだよね」
「渡すタイミングが悪かったですね、すみません」
「とんでもないよ、用事済ませて行くからちょっと遅れるね」
「分かりました」
減った人材の補填に、ここ最近アルバイトや派遣の面接をしょっちゅうしている。
今日は営業事務か……送られてきた履歴書のコピーとファイルを持って部屋に向かった。
そこには小柄な今時の女の子が座っていて目が合うとにっこり笑って立ち上がった。
「総務部の袴田です、人事を担当しています宜しくお願いします」
「久瀬 恵です、宜しくお願いします」
二人で椅子に掛けて、履歴書を見直す俺を見つめる彼女は笑顔で緊張している様子はなかった。
「京都大学……へえそこそこの大学ですね」
「あら、この大学でそこそこって言われたの初めてです皆もうちょっとおお、みたいな反応してくれるのに」
「ああ、すみません。私も同じ大学だったもので、凄い所ですねなんて言ったら自画自賛で恥ずかしいかなと」
「なるほど、先輩でしたか」
「就活はしなかったんですか」
「ええ……その時期に身内の不幸が重なって身心疲弊してしまって身動きが取れなかったんです」
「そうですか、辛い話をさせてすみません」
「いえいえ、人はいつか死ぬのもですから、もう立ち直っています」
強い目力で頷かれて職歴は真っ白だけど芯も強そうだし、俺的には問題ないように思うな。
一応この会社で働く人全てに目を通すけど、最終的にこの子を採用するか決めるのは営業部な訳で……。
佐々木さんに後どれ位時間がかかるのか聞きに行こうと思ったら、久瀬さんの背後のドアが開いた。
「ごめんごめん、色男だからあっちこっち話掛けられて遅くなっちゃった」
「大変ですね羨ましいです」
「そんな棒読みで言われても! っで、どこまではなッ……」
と、久瀬さんが振り返った瞬間、佐々木さんは目を見開いて動きを止めた。
久瀬さんもまた大きな目を一層開いて何度も瞬きをしてさっきまでの笑顔が消えた、何だ? 知り合いか?
佐々木さんは彼女をぐるりと見まわして頷くと目を輝かせて細めた。
「ええっと……袴田君彼女の履歴書見せて」
「はい」
「ありがとう」
佐々木さんは読みながら彼女の前に座った。
「遅れてごめんね。営業部で課長やってる佐々木大志って言います宜しくね」
「はい宜しくお願いします」
「ああ、袴田君さ。ここからは仕事の話するから聞きたい事終わってるなら仕事戻っていいよ」
「そうですか、では失礼します」
「いつもありがとう」
「いえ、気になる事があれば呼んで下さい」
なぜか二人にした方がいいのかな、と気を使ってしまったけど、どう見ても顔見知りの反応だよな。
結果、久瀬さんは営業事務の補助として働く事になって初日に宜しくネ☆ えったんと尾台さんの手を掴んでぶんぶん振っていた。
少し会社が落ち着いて来た所で、改めて総務部の歓迎会を開いてくれる事になった。
俺達の歓迎会とそれと営業部の……というか桐生さんの偉容を称えるの会だ。
尾台さんは入社以来初めての飲み会だと言うから、本当に彼女の話は何を聞いても泣けてくるな、今まで飲み会参加させてもらえなかったの。
飲み会は終始和やかな雰囲気で行われ皆優しく俺達を向かえ入れてくれた。
心配していた本社との壁もなかったし、それよりも二時間、三時間と経って酔いが回ってくると本当にありがとうありがとうとビール瓶片手に泣き上戸でお酌しに来る社員までいて、正直嬉しくて御茶ノ水に来て良かったと思った。
強いて言うなら、一瞬恋をした尾台さんと桐生さんが親しげに話している所を毎日見ているのは辛いけれど。
尾台さんは温かい梅酒を両手で持って美味しいってうっとりしてて、ああやっぱり可愛いなって本能が勝手に反応してしまう。
そっか、俺ああいう顔が好きだったのか、潤んだピンク色の唇が綺麗でつい見とれてしまう、この年まで女の人の顔の好みを考えた事なかったなんて、大丈夫か俺。
そして十一時を回った頃だ、初めての飲み会だったせいかまさかの尾台さんは泥酔状態になって、机に突っ伏していた。
「もぉお!! 誰ですか私の可愛いえったんにこんな飲ませた輩は! 二度と近寄らないで下さい!!」
「それは勘弁して下さい!!」
「だって尾台さん何あげても美味しい美味しい言うから可愛くてつい」
「袴田君! 制裁を!」
尽かさず眼鏡を直して加勢した。
「アルコールハラスメントですか? 脅して飲酒を強要していたならば刑法223条強要罪が成立する余地がありますね。また今の尾台さんのような酔い潰すまでお酒を飲ませた場合には刑法204条傷害罪が成立する可能性があります、これは犯罪事案ですよ可愛いくてついなどの言葉では済まされません。明日、尾台さんを丸め込んで被害届を書いてもらいましょう総務は悪を許しません異端者は徹底的に排除します」
「うちの総務恐すぎィ!」
「申し訳ございません、許してください二度としないと誓います!」
土下座されてちょっと笑いが起きたけど、久瀬さんは尾台さんの背中を擦りながら男性社員に睨みを利かせている。
とりあえず、誰が尾台さんを送るかとなって、桐生さんは一周辺りを見渡して最後に俺を見た。
「袴田君頼める?」
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