総務の袴田君が実は肉食だった話聞く!?

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道化 ※

 これは一方的な行為であって、彼女は深く眠っているし全く同意は得られていない。
 だが、慣れというのは怖いもので彼女の体は俺の手を覚えていて少し皮膚をなぞっただけでもっともっとと体をもじつかせるのだ。
 が、このまま何かしたりはしないけれど。

 とりあえず顔中にキスして体を抱き締めて、これからの事を考えた。
 心のシャッターを完全に閉ざした彼女にどうやったら入り込めるだろうか。
 だってあの執拗なまでのいじめから助けてくれた桐生さんにさえ心を開かないんだ、どうしたらこっちを向かせられるだろう。

 と言ってもその彼女は今俺の腕枕で大人しく眠っている訳だけどしかも抱き着いてるし可愛い。
 額にキスをしたらピクっと瞼が動くどんな動きだって愛おしい噛み付きたい。

 とりあえず今の状況を写真に収めておいた。
 模範生徒のように品行方正に生きてきた彼女にとってこの状況は晴天の霹靂だろうから。
 ばっちり収めて、そこからの彼女の次の行動を伺うしかない。

 そして朝がきた、予想していなかった状況に驚いた尾台さんは、俺を見るやお先に失礼しますと頭を下げて帰ってしまった。

 そりゃそうか。
 でもここで諦めてはいられないだろう、もう押すしかないんだ押して押して押しまくって俺を刻み付けるしかないんだ。
 有り難い事に隠しておいた化粧ポーチに彼女は気付かず帰っていった。


 ここからが勝負だと思ったけれど、尾台さんが泣いてしまうような場面だけは避けたい。だからできるだけ明るく尾台さんが引いちゃう位お道化た俺でいこう。
 そして常に百パーセント想いを伝えるんだ! 好きですあなたしかいません、だから結婚して下さいって、回りくどいのはもう止めだ、お嫁さんになって下さい! これしかないだろう。












「ちょっとちょっと袴田さん~朝から何寝てんスかどついていいッスか」
「オレだって徹夜でゲームしてて眠いんですよ」
「寝ていません瞑想中です。そして…………今日……俺は……生まれ変わる…………!!」
「は? ヤバくないスか急に中二病? 女の子になりたいとか止めて下さいよ」
「変わんなくていいんでオレに幼女紹介して下さい」
「君達気が散るからそこの窓から身を投げて下さい。死んでくれて構わないですから、ほら走って、早く行け! 飛べ!」
「あ、いつもの袴田さんだった」
「瞑想したって袴田さんは悟りなんて開けないですからね、ちょっと偽草食眼鏡が浸透したからって調子乗らないで下さいね」
「僕達は騙されないッスよ」
「本当うっせーな」
「オレ忘れませんからね。本社で突然うちの部署来て「ふぅん? お前が沖田? ちょっと来いよ」って高校生のカツアゲみたいなセリフで引っ張り出して、ここまで連れてきた袴田さんの暴挙」
「そんなん言ったら僕だって席に戻って来た袴田さんにお疲れ様ですって声掛けただけなのに、目合ったら「ああ……お前でいいや、いないよりマシ」って連れてかれて、誰も引き留めてくれなくてトラウマ二倍ですよ!」




 少し考えて目を開いた、そして悩んでる暇はないと置かれた付箋に思いの丈を書き記した。


【好きです】
【責任は取ります】
【結婚しましょう】


「完璧だ」

 眼鏡を直したら両脇の部下が覗き込んできて言う。

「何スかその脅迫状は」
「瞑想じゃなくて妄想してたんですか」
「これを今から尾台絵夢さんに見せに行きます」
「えええええ? ちょっと待ってあれ、こないだ二次会来なかったスよね? なんかペナルティ的な? 罰ゲーム? 尾台さんに迷惑かけちゃだめでしょう!」
「え? 袴田さん目開けながら寝るスタイル? ちょっと意味わからないですよ、起きて?」
「では行ってきます」
「行くなよ!」
「袴田さんセクシャルハラスメントって知ってる?!!」



 前後に言葉を付け足して最後まで部下に賛同をえられないまま俺は尾台さんの元へ向かった。

 まあ結果は思っていた通りだ彼女は逃げて、そして夜「やっと重い腰上げたんだー。ま、頑張って下さいね、せーんぱい?」と尾台さんを引き取りに来いと久瀬さんから電話が掛かって来た。


 これにない位緊張した、今まで何度と乗ったタクシーの中で俺達は初めて手を繋いだ。
 滑らかな女性の手の感触を何度も確かめる、大きな交差点に差し掛かって突然手を握り込まれた、尾台さんが起きたのだ。


 そして、家まで着いて…………何だろう、尾台さんは思っていた人と違っていた。
 酔っている時の彼女は支離滅裂だったり、泣いたり笑ったり、まあ酔っ払いって感じだった。
 だから、会社以外の彼女って知らなくて…………正直プライベートの話なんて今日が初めてで……。
 その彼女は世間知らずというか素直というか、壁がある割に無口な訳でもないし、でもそっか、初めからにゃんにゃんさんって人が嫌いな子じゃなかったものなブログもそうだったけど人懐っこくて面白い人だった。
 むしろ俺が緊張して遠ざけてた、たった数分の会話だって楽しくて堪らなかった。
 お道化るなんて言ったけど自分を作る必要もなく、尾台さんを笑わせたいもっと色んな表情を見たいって思うと自然と言葉が溢れた。

 マンションに入って尾台さんは辺りを見渡して口を開けていた、そりゃそうだよ俺だってここいくらってじーちゃんい聞いて、九千万て言われた時とんでもねーぞクソじじいいい加減にしろってプレッシャーを感じたからな。






 それで結果、尾台さんはあの日に置き去りにされていた。




 今までの事も本当に何一つ覚えていないみたいだし、酔って本能で人に縋り付いているんだって胸が痛んだ、そしてそれが俺で良かったと思った。

 やっぱり彼女はもう人とは関わりたくないと言った。
 大好きな人が私を嫌いだったと、本当はもっと仲良くなりたかったんだって、そしてもうそんな思いはしたくないって、拭わないから気付いていないだろうけど尾台さんは辛い、苦しいって泣きながら私は一人でも平気だと言った、これが私なんだってこうやって生きて行くんだって声を荒げた、会社じゃ見ない尾台さんの表情だった。

 そんなの全然本心じゃないだろって寂しくて死にそうな癖に…………次の言葉をこれ以上吐かせたくなくて口を塞いだ。

 キスして唇を離して会話をして手を繋いでまた深く被せて、キスの合間に漏れる彼女の声が生きてるって実感させた、生きてるなら救えるんだ。

 恐々しく差し出してくる舌を噛んだら息を荒げて、でも俺に委ねてくる。
 粘膜が擦れるのってこんなに心地いいんだっけ、気持ち良すぎて尾台さんの頭を掴んですっげー啄ばむみたいに何度もキスしてしまった。
 こんなのが尾台さんにとっての初めてのキスって大丈夫かなって思ったけど真っ赤な顔で必死に舌の動きを追って体を熱くさせる彼女が可愛くて仕方なかった。
 全部全部俺のものにしたい、唾液を飲み込んで俺のを喉の奥に垂らしても彼女は体を震わせるだけで拒絶しなかった。

 絶対離さない。

 なんて、また新たに心に黒い炎が渦巻いた。




 だってその炎に油を注いだのは彼女なんだ。
 今回の一件で彼女は何をしたと思う?

 実家に帰る準備でもない、引きこもる訳でもない、じゃあなんだってまさかの……バイブを買ったのだ。
 何でそうなるんだよ尾台さん、自分じゃ弄り方も知らない癖して。
 が、中には入れていないって当たり前だよ、そんのもので処女膜破かれてたまるかと、ちょっと攻撃的に押してみたら尾台さんはもじもじしてる。
 ああそうだな、尾台さんこういうのシチェーション好きそうだもんな。

 そしてまた俺の意地の悪い性格が出る。
 こんな所で不埒な行為に耽ったら彼女の心に罪悪感が芽生えるって分かっていながら、興奮するよう言葉で煽って濡れて舌を欲しがる場所を舐め上げた。

 キスだって嫌がらなかった、乳首だって噛まれるがまま形を変えて、もっとされたがっていた。
 過去に俺に抱かれてるという嘘を踏まえてだけど。

 そうだよ、きっとこれが初めてなら尾台さんはこんな事しないと思う、体の関係にある男、弱みを握られてる男……それでも今この世界の男の誰より尾台さんの中に入っている。

 助けてあげたいっていいながら就労時間中こんな違反行為して彼女が辛いって分かってるのに、快楽に委ねて攻めたい気持ちが止められない。

 やだやだって首を振って気持ち良すぎて声を我慢できない尾台さんをイカせたくて仕方ない。
 大きく靡く体を見たくて、止まらなくて今度は尾台さんの中に入りたくて指まで入れてしまった。
 尾台さんは愉悦に表情を蕩けさせて生理的な涙を流していた。
 入れてる俺の方も鳥肌が立って触れなくたって射精しそうなくらい興奮した、蠢く内臓の感触に次の動きをねだって伸縮する膣の動きは身悶えするほどエロかった。
 首に必死にすがり付いてダメダメって言いながら、濡らしまくって俺の指に感じてる尾台さん可愛いすぎる。
 大好きな言葉攻めもたっぷり耳に直接響かせてびくんと腰を反らせる場所を擦り上げたら彼女からキスを要求された。

 自分から口を開けて顔を傾けててすっげーやらしい唇を塞いであげたら、細い舌がこっちに伸びてきた羞恥の消えた尾台さんは俺の唾液を素直に飲み込んで激しく舌を絡めてくる。
 上も下の粘膜が擦れ合う音が部屋中に響いて汗が滲んで、どうにかなってしまいそうだった。
 痛い位指を締め付けられて限界を越えて脱力して痙攣する中から指を抜くのは名残惜しかった、というかもしも尾台さんとセックスするとなって俺こんな中に入って尾台さんイクまで腰振れるのだろうか。
 狭すぎるしぬるぬるだし熱いし超動くし恐ろしい体してるぞ。
 濡れた指を舐めて、涎垂らしながら肩で息して真っ赤な顔で余韻に浸ってる尾台さんと目が合った何か言いたそうにしてるけど、もっといじめたくなるこの感情はなんだ超鳴かせたい寝ちゃうまで攻めたい。
 艶かしい視線が堪らなくなって、また膝を押した俺が何するか分かった彼女は驚いて僅かに首を横に振ったけど太股を舐めて少し噛んだら、また入り口をひくつかせた。
 ああ本当にエッチなんだなあって確信して腕時計を見た、よし後何回かイカせられるなって眼鏡を外す、前髪をかき上げてお尻の方まで垂れる汁を啜り上げた。





 不正を正す立場の俺が職場でこんな事するなんて、そしてそれを止めに来たのはやっぱり桐生さんでミーティングルームから出てきた俺達を見て、尾台さんには優しく笑ったけれど一瞬眉を潜めていた。
 そして、俺に明らかな敵意を表した。

 敵にするには無謀な相手だけれど、引き下がるわけにはいかない。
 だって俺は決めたから、今度は俺が彼女救済するって。
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