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連載
後一声
テーブルマナーなんて分からないよどうしよう!
って思ったけど、個室のお陰で人の目を気にしないでいいから助かった。
お祖父様も箸を使って食べていたし、食事は美味しく楽しく食べるのが一番のマナーだよと笑ってくれて、ん、その顔何だか袴田君っぽい、優しいへへへ。
「普段は? 雄太はどういう所に絵夢さんをお連れしてるんだ」
「ん?」
嫌いな野菜を私のお皿に移すというまさかのマナー違反をしている袴田君は首を傾げた。
「ほら、じゃあ初めてはどんな場所に食事に行ったんだ」
「ああ……えっと駅前の牛丼屋」
すげー美味かったよ丸一日なんも食ってなかったからって袴田君は頷いて、お祖父様の眉間が寄る。
あ、袴田君もたまにするけど、それと同じ場所にしわを作っていた。
「お前……二十八にもなる男が愛する人との初めての食事が牛丼屋ってふざけすぎだろ」
「ふざけてねえだろ、じーちゃんプライスレスって言葉知らないの?」
「待って待って待って下さい、私牛丼屋さんって行った事がなかったのですっごく貴重な体験させてもらえて美味しかったし楽しかったですよ、しかもあの初めての食事は代々木公園で雄太さんが作ってくれたお弁当だったので、そうあれこそプライスレスです! お金じゃ買えないですから」
「へえ」
「高いもん食えばいーってもんじゃないんだよ、ハートが大事なんですよおじー様」
ほお、そっか猫被ってるっていうか袴田君いつも敬語だから…………なるほどお家の時は意外と口調が男の人っぽいのか、ああでも天丼屋さんの時も言葉遣いが荒い時あったもんな。
ふぅん……あの……
非常にいいと思います!!
二倍美味しい!!
とか思っていたらパスタとメインが来た。
これもまたすっごい長い名前だったけど、ヤバイチーズのカルボナーラとマグロのパスタに鹿と牛の頬肉焼いたヤツって袴田君に訳されて頷いておいた。
どの料理も美味しいし見た目も綺麗で、気になって気になって色んな角度から見てしまった。
外食しないから、食べたいものは自分で調べてそれに近い物を作ったりはするけど、さすがにこんなのは作れないよな……カステルマーニョチーズなんてスーパーで売ってるの見た事ないよ、オヴォリ茸なんて初めて聞いた。
「絵夢さんはお料理されるんですか」
「はい、一人暮らしをしてからはほぼ自炊で外食はしないです」
「若いのに偉いですね」
「そう言って頂けて嬉しいです。こんな豪華なものは作れませんけどね」
「俺は尾台さんの料理が世界で一番好きですよ」
「いいい、今言わなくていいよ! ……ァリガト」
袴田君はお祖父様の話にはあまり興味がないみたいで、ご飯をもくもくと食べながら尾台さんこれ美味しいよってくれる、ちゃっかり添えられてある野菜もくれようとするから、これくらい食べなよって返しとく。
そんで返したのに全く手つけないから口まで運ぶ、で、食べたらあれ美味しいって言う、食わず嫌いはいけませんよ!
「妻を早くに亡くしまして」
「ん? あ、はい」
「娘に不自由な思いをさせたくないと、仕事に打ち込んだ半生でした。家に居ない時間が多く、少しでも愛情が伝わればと仕事に行く前、帰った後とご飯を作って一言手紙を添えて家を出て行く毎日だった。気付けば娘は塾や学校の帰りに友達と夕飯を食べると私のご飯を食べなくなった、朝はぎりぎりまで寝るからいらない、昼は学食がある。私も仕事が忙しく、また彼女も成長したのだから親離れなのかな、と思っていたら突然遠い島の青年との間に子供ができたと家を出て行ってしまった。ようやく居所を見つけて行けば、そこは壁の薄い小さなアパートでした。寒い部屋の中、娘は彼と赤ちゃんと身を寄せ合って暮らしていた。怒りか何か分からない感情が芽生えて、直にでも連れ出したかったけれど、ここがやっと見つけた私の居場所なんだと言われ玄関から覗くテーブルに湯気の立つ食べかけの食事が置いてあるのを見て私は黙って引き返しました」
「おいおい、何で急にそんな辛気臭い話始めちゃったんだよ、俺の尾台さん涙もろいんだから止めてくれよ」
「え? ああ……その悲しい? とは違うけど……家族って仲良くたってすれ違うし喧嘩だってするのに、それが父子家庭てなったらもっと大変だと思うし…………ありえないけど、もっともっともーっと私が早く生まれてたら力になってあげられたのに」
「絵夢さんは優しいですね」
「そうでしょう? この絵夢さんがいなかったら俺は東京に残る事はなかったし、凄く大事な人だよ、俺にとってもじーちゃんにとってもね」
食べ終わったお皿が片付けられて、テーブルが広くなると袴田君はワインを傾けながら続ける。
「で、本題なんだけどさ。俺、絶対に彼女と結婚するからじーちゃん証人になってよ」
と婚姻届けを出した。
お祖父様はここって示された証人欄を見て目を細めた。
「どんな卑怯な手を使ったんだ雄太」
「のっけからそれはねえだろ」
「こんな純粋で綺麗なお嬢さんがお前に惚れる訳ないだろう。どんな詐欺手口を働いたんだ、こないだまで彼女すらいなかった癖に」
「いえいえ、雄太さんはとても誠実な方で」
「誠実? 絵夢さんうちの孫に何か洗脳でも受けてるんじゃないですか。私の知っている孫は短気で狡猾で粗暴、人の気持ちなんて考えないし誠実とは真逆にいるような人間ですよ」
「長所ばかり並べてくれてありがとうオジーチャン」
「今でこそ、御茶ノ水での評判はそこそこかもしれませんが、三つ子の魂百までですからいつその化けの皮が剥がれるか分からな」
「それでも」
本社の会長の言葉に横槍を入れるとか恐れ多いいんだけど、でもなんだかこれは袴田君を諦めろと言われているみたいでこのまま流されてしまう自分が怖かった。
いつもなら、こんな強い人目の前にしたら言われるがまま頷いて笑ってしまう私だけれど、お嫁さんになるって言ったし会社ブッチして引っ越しまでしてわがまま言ってお父さんに証人にまでなってもらったのにここで引き下がったらいけない気がした。
というか、袴田君そんなんじゃないし!!
「それでも私は一緒にいたいです。その短気で狡猾で粗暴で人の気持ち考えない不誠実な雄太さんと言うのは表の顔で本当の雄太さんは私が答えを出すまでずっと待ってくれるし、優しいし真面目だし正しいし自分の事よりも私を一番に想ってくれる、そんな人です。ああ、えっときっと私の事が好きだからそういう風にしてくれるのかもしれないけれど、私はそれを猫被ってるなんて思わないです。だって好きな人には誰だって良く思われたいじゃないですか。好きな人のために頑張らないでいつ頑張るんですか、私も会社の顔と雄太さんの前では全く別人です、でもそのおかげで雄太さんの前では素直な私になれるから心が安らぐし、生きてるのが楽しい今の私には雄太さんが必要なんです。私は何の取り柄もないですけど、雄太さんを支えてあげる事位ならできます」
「尾台さん……」
「だからその」
えいってしたら、思いっきりごんって頭がテーブルにぶつかってしまった、でももういいや。
「雄太さんと結婚させて下さい」
ああ、何か思いの外言えたぞ!
そしたらカチャってドアが開いて、笑顔のギャルソン君がおめでとうございます、ってテーブルの真ん中に大きなケーキを置いた。
華やかで可愛いデコレーションケーキには中央にハッピーウェディングと書かれていた。
「決して試した訳じゃないんだけれど、後一声聞きたくて…………本当にいい子だな雄太」
「じーちゃん」
「俺に結婚相手紹介したいって言ってきた時点で反対する気もなかったよ。だって俺なんかお前にとって一番会わせたくない相手だろ?」
お祖父様は懐に入れてあった万年筆でさらさらと署名するとはんこを押した、私にすっと名刺を差し出して席を立つ。
「じゃあ私は仕事が残っているのでお先に失礼するよ。一つ下の階の部屋を抑えてあるからゆっくり食べて後でフロントに行くといい」
「え? 部屋? 何で?」
「余計なお世話だよエロジジー」
にやってする表情がまんま袴田君のそれだった。
部屋を出る時にお祖父様は言った。
「私も昔、娘を連れてよく公園にお弁当を持って出かけたよ。雄太が小さい時も行ったし、たまにそれを思い出して懐かしく思います。散歩してレジャーシートを敷いて、手製のサンドウィッチを食べて終わったら少し横になって…………………かけがえのない時間だった。次はひ孫と行けるのを楽しみにしてるからな、異動の話はもう少し身が固まってからにしようか。それじゃあ絵夢さんこんなバカ孫だけど宜しくお願いします、何かあったらそこに連絡して下さい。私に出来る事であれば力になります」
「は、はい!!」
立ってお辞儀して座って……笑い声と共にドアが閉まる、袴田君と二人きりになってしまった。
「袴田君聞いてた?! 私凄くなかった?!」
「おっ台さんんんん!!!!」
飛び付かれてスリスリされて、何だか私レベルが上がった気がするぞ!!
今なら袴田君顔負けの言葉攻めができる気がする!
「すっごい緊張したけど……そうだよね同じ人間だもん、普通にお父さんで普通におじいちゃんなんだね」
「はい、最近自慢の祖父ですよ」
「格好良いですもんね、ダンディおじいちゃん……」
「ちょっと尾台さん!! ストライゾーン広いよ! 今! 結婚の!! 承諾を! 得たんですよ!!!」
「わかってるよーもう直ぐヤキモチ焼くんだから」
「大好きな証拠です」
ちゅって確認するみたいに軽く触れてきたから、私からもう少し長めにしてあげたら、袴田君は笑ってもっと深くキスしてきて、唇の隙間から舌が伸びてくる。
急に酔いが回って、頭がくらっとした。
だって酸欠になりそうなくらい、袴田君激しいキスしてきたから思わず甘い声が漏れてしまったきもちーきもちーもっと。
長い時間舌絡ませあって疲れて寄りかかって心臓の音聞いてたら、心地よくって眠くなる。
「ケーキ、お部屋に運んでもらって食べましょうね」
「そうですね、今お腹いっぱいでこんなに食べられないです」
「はい、それじゃあお願いします」
かしこまりましたって背後でギャルソン君が言って、ウッソそこにいたんかい! 恥ずかしいじゃん袴田君のばか!
って思ったけど、個室のお陰で人の目を気にしないでいいから助かった。
お祖父様も箸を使って食べていたし、食事は美味しく楽しく食べるのが一番のマナーだよと笑ってくれて、ん、その顔何だか袴田君っぽい、優しいへへへ。
「普段は? 雄太はどういう所に絵夢さんをお連れしてるんだ」
「ん?」
嫌いな野菜を私のお皿に移すというまさかのマナー違反をしている袴田君は首を傾げた。
「ほら、じゃあ初めてはどんな場所に食事に行ったんだ」
「ああ……えっと駅前の牛丼屋」
すげー美味かったよ丸一日なんも食ってなかったからって袴田君は頷いて、お祖父様の眉間が寄る。
あ、袴田君もたまにするけど、それと同じ場所にしわを作っていた。
「お前……二十八にもなる男が愛する人との初めての食事が牛丼屋ってふざけすぎだろ」
「ふざけてねえだろ、じーちゃんプライスレスって言葉知らないの?」
「待って待って待って下さい、私牛丼屋さんって行った事がなかったのですっごく貴重な体験させてもらえて美味しかったし楽しかったですよ、しかもあの初めての食事は代々木公園で雄太さんが作ってくれたお弁当だったので、そうあれこそプライスレスです! お金じゃ買えないですから」
「へえ」
「高いもん食えばいーってもんじゃないんだよ、ハートが大事なんですよおじー様」
ほお、そっか猫被ってるっていうか袴田君いつも敬語だから…………なるほどお家の時は意外と口調が男の人っぽいのか、ああでも天丼屋さんの時も言葉遣いが荒い時あったもんな。
ふぅん……あの……
非常にいいと思います!!
二倍美味しい!!
とか思っていたらパスタとメインが来た。
これもまたすっごい長い名前だったけど、ヤバイチーズのカルボナーラとマグロのパスタに鹿と牛の頬肉焼いたヤツって袴田君に訳されて頷いておいた。
どの料理も美味しいし見た目も綺麗で、気になって気になって色んな角度から見てしまった。
外食しないから、食べたいものは自分で調べてそれに近い物を作ったりはするけど、さすがにこんなのは作れないよな……カステルマーニョチーズなんてスーパーで売ってるの見た事ないよ、オヴォリ茸なんて初めて聞いた。
「絵夢さんはお料理されるんですか」
「はい、一人暮らしをしてからはほぼ自炊で外食はしないです」
「若いのに偉いですね」
「そう言って頂けて嬉しいです。こんな豪華なものは作れませんけどね」
「俺は尾台さんの料理が世界で一番好きですよ」
「いいい、今言わなくていいよ! ……ァリガト」
袴田君はお祖父様の話にはあまり興味がないみたいで、ご飯をもくもくと食べながら尾台さんこれ美味しいよってくれる、ちゃっかり添えられてある野菜もくれようとするから、これくらい食べなよって返しとく。
そんで返したのに全く手つけないから口まで運ぶ、で、食べたらあれ美味しいって言う、食わず嫌いはいけませんよ!
「妻を早くに亡くしまして」
「ん? あ、はい」
「娘に不自由な思いをさせたくないと、仕事に打ち込んだ半生でした。家に居ない時間が多く、少しでも愛情が伝わればと仕事に行く前、帰った後とご飯を作って一言手紙を添えて家を出て行く毎日だった。気付けば娘は塾や学校の帰りに友達と夕飯を食べると私のご飯を食べなくなった、朝はぎりぎりまで寝るからいらない、昼は学食がある。私も仕事が忙しく、また彼女も成長したのだから親離れなのかな、と思っていたら突然遠い島の青年との間に子供ができたと家を出て行ってしまった。ようやく居所を見つけて行けば、そこは壁の薄い小さなアパートでした。寒い部屋の中、娘は彼と赤ちゃんと身を寄せ合って暮らしていた。怒りか何か分からない感情が芽生えて、直にでも連れ出したかったけれど、ここがやっと見つけた私の居場所なんだと言われ玄関から覗くテーブルに湯気の立つ食べかけの食事が置いてあるのを見て私は黙って引き返しました」
「おいおい、何で急にそんな辛気臭い話始めちゃったんだよ、俺の尾台さん涙もろいんだから止めてくれよ」
「え? ああ……その悲しい? とは違うけど……家族って仲良くたってすれ違うし喧嘩だってするのに、それが父子家庭てなったらもっと大変だと思うし…………ありえないけど、もっともっともーっと私が早く生まれてたら力になってあげられたのに」
「絵夢さんは優しいですね」
「そうでしょう? この絵夢さんがいなかったら俺は東京に残る事はなかったし、凄く大事な人だよ、俺にとってもじーちゃんにとってもね」
食べ終わったお皿が片付けられて、テーブルが広くなると袴田君はワインを傾けながら続ける。
「で、本題なんだけどさ。俺、絶対に彼女と結婚するからじーちゃん証人になってよ」
と婚姻届けを出した。
お祖父様はここって示された証人欄を見て目を細めた。
「どんな卑怯な手を使ったんだ雄太」
「のっけからそれはねえだろ」
「こんな純粋で綺麗なお嬢さんがお前に惚れる訳ないだろう。どんな詐欺手口を働いたんだ、こないだまで彼女すらいなかった癖に」
「いえいえ、雄太さんはとても誠実な方で」
「誠実? 絵夢さんうちの孫に何か洗脳でも受けてるんじゃないですか。私の知っている孫は短気で狡猾で粗暴、人の気持ちなんて考えないし誠実とは真逆にいるような人間ですよ」
「長所ばかり並べてくれてありがとうオジーチャン」
「今でこそ、御茶ノ水での評判はそこそこかもしれませんが、三つ子の魂百までですからいつその化けの皮が剥がれるか分からな」
「それでも」
本社の会長の言葉に横槍を入れるとか恐れ多いいんだけど、でもなんだかこれは袴田君を諦めろと言われているみたいでこのまま流されてしまう自分が怖かった。
いつもなら、こんな強い人目の前にしたら言われるがまま頷いて笑ってしまう私だけれど、お嫁さんになるって言ったし会社ブッチして引っ越しまでしてわがまま言ってお父さんに証人にまでなってもらったのにここで引き下がったらいけない気がした。
というか、袴田君そんなんじゃないし!!
「それでも私は一緒にいたいです。その短気で狡猾で粗暴で人の気持ち考えない不誠実な雄太さんと言うのは表の顔で本当の雄太さんは私が答えを出すまでずっと待ってくれるし、優しいし真面目だし正しいし自分の事よりも私を一番に想ってくれる、そんな人です。ああ、えっときっと私の事が好きだからそういう風にしてくれるのかもしれないけれど、私はそれを猫被ってるなんて思わないです。だって好きな人には誰だって良く思われたいじゃないですか。好きな人のために頑張らないでいつ頑張るんですか、私も会社の顔と雄太さんの前では全く別人です、でもそのおかげで雄太さんの前では素直な私になれるから心が安らぐし、生きてるのが楽しい今の私には雄太さんが必要なんです。私は何の取り柄もないですけど、雄太さんを支えてあげる事位ならできます」
「尾台さん……」
「だからその」
えいってしたら、思いっきりごんって頭がテーブルにぶつかってしまった、でももういいや。
「雄太さんと結婚させて下さい」
ああ、何か思いの外言えたぞ!
そしたらカチャってドアが開いて、笑顔のギャルソン君がおめでとうございます、ってテーブルの真ん中に大きなケーキを置いた。
華やかで可愛いデコレーションケーキには中央にハッピーウェディングと書かれていた。
「決して試した訳じゃないんだけれど、後一声聞きたくて…………本当にいい子だな雄太」
「じーちゃん」
「俺に結婚相手紹介したいって言ってきた時点で反対する気もなかったよ。だって俺なんかお前にとって一番会わせたくない相手だろ?」
お祖父様は懐に入れてあった万年筆でさらさらと署名するとはんこを押した、私にすっと名刺を差し出して席を立つ。
「じゃあ私は仕事が残っているのでお先に失礼するよ。一つ下の階の部屋を抑えてあるからゆっくり食べて後でフロントに行くといい」
「え? 部屋? 何で?」
「余計なお世話だよエロジジー」
にやってする表情がまんま袴田君のそれだった。
部屋を出る時にお祖父様は言った。
「私も昔、娘を連れてよく公園にお弁当を持って出かけたよ。雄太が小さい時も行ったし、たまにそれを思い出して懐かしく思います。散歩してレジャーシートを敷いて、手製のサンドウィッチを食べて終わったら少し横になって…………………かけがえのない時間だった。次はひ孫と行けるのを楽しみにしてるからな、異動の話はもう少し身が固まってからにしようか。それじゃあ絵夢さんこんなバカ孫だけど宜しくお願いします、何かあったらそこに連絡して下さい。私に出来る事であれば力になります」
「は、はい!!」
立ってお辞儀して座って……笑い声と共にドアが閉まる、袴田君と二人きりになってしまった。
「袴田君聞いてた?! 私凄くなかった?!」
「おっ台さんんんん!!!!」
飛び付かれてスリスリされて、何だか私レベルが上がった気がするぞ!!
今なら袴田君顔負けの言葉攻めができる気がする!
「すっごい緊張したけど……そうだよね同じ人間だもん、普通にお父さんで普通におじいちゃんなんだね」
「はい、最近自慢の祖父ですよ」
「格好良いですもんね、ダンディおじいちゃん……」
「ちょっと尾台さん!! ストライゾーン広いよ! 今! 結婚の!! 承諾を! 得たんですよ!!!」
「わかってるよーもう直ぐヤキモチ焼くんだから」
「大好きな証拠です」
ちゅって確認するみたいに軽く触れてきたから、私からもう少し長めにしてあげたら、袴田君は笑ってもっと深くキスしてきて、唇の隙間から舌が伸びてくる。
急に酔いが回って、頭がくらっとした。
だって酸欠になりそうなくらい、袴田君激しいキスしてきたから思わず甘い声が漏れてしまったきもちーきもちーもっと。
長い時間舌絡ませあって疲れて寄りかかって心臓の音聞いてたら、心地よくって眠くなる。
「ケーキ、お部屋に運んでもらって食べましょうね」
「そうですね、今お腹いっぱいでこんなに食べられないです」
「はい、それじゃあお願いします」
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