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おしまいの後
課長の眼鏡 ◎
私の会社の窓際には小さなアロエやサボテンやベビーティアーズ、癒され緑な観葉植物がたくさはさん置かれてる。
誰が置き始めたのかって言われたら分からないんだけど、気付いたら置かれてて知らぬ間に増えてって、でも誰も世話してる様子がないから、私がするようになった。
景観を損なわないように、大きくなったら切ったり形を整えたり世話してる。
誰にも知られてないけど生き物係になった気分だ。
そして今日も日課の水やりをしようと思ってたのに、今朝は袴田君のせいで遅刻気味だった、詳しくは話さないけどね。
大抵の植物は乾燥に強いから放っておいても平気なんだけど、そうじゃない子もいるもんで、着替えて急いで水あげに行こうと思ったら、お目当ての窓の前には見慣れた背中が立っていた。
しゅっと霧吹きで優しくお水をかけてる背中にまずは挨拶だ。
「おはようございます、桐生さん。すみません私の仕事なのに」
頭を下げれば、直にポンポンと力強い温かい手が頭に乗っかって顔を上げる。
「おはよ、尾台。私の仕事ってこれ別にお前が持って来たもんじゃないだろ? むしろいつも世話してくれてありがとう」
と桐生さんは笑うんだけど、【おはよ、尾台】の所で眼鏡キラってされて口開いてしまった。
「え? 桐生さん眼鏡?? え??! ええ!!!!」
「ああ、会社に眼鏡って初めてかな?」
桐生さんは眼鏡を直しながら言う。
「僕、元々目悪いんだ、だから小学生から眼鏡だったんだよ。体格良くて中学からラグビー始めてさ、そしたら眼鏡危なくてね。動きが速いからずれたり外れたり、落として割れたら大変だからコンタクトにしたんだ。ハードじゃ衝撃で外れちゃうからソフト」
「へえ、そういえばスポーツしてる人って眼鏡少ないですね?」
「ゴーグルタイプをあるけどね、もう社会人だし、そこまで衝撃に考慮する必要ないから眼鏡でも良かったんだけど」
眼鏡をクイクイしながら。
「でもこっちより、レンズなしで真っ直ぐ人を見たかったから、スポーツやめても眼鏡には戻さなかったかな」
「へえ」
「似合う?」
眼鏡に添えてた手で顎の辺りを触って、うん、あの……うん!
「格好いいです!」
「ありがとう」
「へへへ……ってイッタァア!!!」
和やかな雰囲気だったのに、突然お尻に鋭い痛みが走って、ニャアア!!
涙目で振り向いたら、袴田が立ってた! お尻つねったぁ!!
「浮気ですか尾台さんの愛しの眼鏡は俺でしょう(□-□)」
「おはよう袴田君、朝から僕の部下に性的ないたずらするの止めてもらえるかな、パフォーマンスが下がったら困るだろ」
ヤバイヤバイ私の眼鏡君、朝から眉間にシワ寄ってるから、空気明るくしなくちゃと桐生さんに敬礼しとく!
「大丈夫です桐生さん、逆に上がります」
「そうですよ桐生さん、尾台さんは俺が触れば基本喜びます。それより眼鏡全然似合ってないんで明日から裸眼で来てみては?」
「無理だよ袴田君僕目悪いんだからここ来るまでに事故っちゃうだろ」
「…………(□-□)」
「ああ、事故れって? 本当袴田君って僕に容赦ないよね」
「ヤラなきゃヤラれちゃうんで」
顔面を手で覆いながら指の隙間から眼鏡越しに桐生さん見る袴田君の目ヤバめだから、体ひっくり返して背中押す!
そしたら、いい感じに向こう側から「袴田くーん」って声だ。
「ハイハイほらほらあっちあっち!! 呼ばれてますよ総務の袴田君!」
「…………(□-□)」
「舌打ちしない! 直ぐ行く!」
「…………では」
エイって背中押し出して、面倒臭いな朝からもう! 額の汗を拭っていたらスルッと腰に手が伸びてきた。
「悪いね朝から気使ってもらって」
「い、いえ」
ちょっと桐生さんの方に引き寄せられて、う、あ……これは袴田君見たら凄い怒るヤツ! 良かった袴田君こっちに背向けながら書類見て話してる。
「あの桐生さっ」
「眼鏡かけてると、心にフィルターが出来るのかちょっと大胆にいけるきがする、不思議」
眼鏡直して、あれ? 本当にその笑顔、いつもの爽やかな感じじゃないな?
やだ怖いって思ったら始業のチャイムが鳴って、桐生さんは腰を叩いて行ってしまった。
誰が置き始めたのかって言われたら分からないんだけど、気付いたら置かれてて知らぬ間に増えてって、でも誰も世話してる様子がないから、私がするようになった。
景観を損なわないように、大きくなったら切ったり形を整えたり世話してる。
誰にも知られてないけど生き物係になった気分だ。
そして今日も日課の水やりをしようと思ってたのに、今朝は袴田君のせいで遅刻気味だった、詳しくは話さないけどね。
大抵の植物は乾燥に強いから放っておいても平気なんだけど、そうじゃない子もいるもんで、着替えて急いで水あげに行こうと思ったら、お目当ての窓の前には見慣れた背中が立っていた。
しゅっと霧吹きで優しくお水をかけてる背中にまずは挨拶だ。
「おはようございます、桐生さん。すみません私の仕事なのに」
頭を下げれば、直にポンポンと力強い温かい手が頭に乗っかって顔を上げる。
「おはよ、尾台。私の仕事ってこれ別にお前が持って来たもんじゃないだろ? むしろいつも世話してくれてありがとう」
と桐生さんは笑うんだけど、【おはよ、尾台】の所で眼鏡キラってされて口開いてしまった。
「え? 桐生さん眼鏡?? え??! ええ!!!!」
「ああ、会社に眼鏡って初めてかな?」
桐生さんは眼鏡を直しながら言う。
「僕、元々目悪いんだ、だから小学生から眼鏡だったんだよ。体格良くて中学からラグビー始めてさ、そしたら眼鏡危なくてね。動きが速いからずれたり外れたり、落として割れたら大変だからコンタクトにしたんだ。ハードじゃ衝撃で外れちゃうからソフト」
「へえ、そういえばスポーツしてる人って眼鏡少ないですね?」
「ゴーグルタイプをあるけどね、もう社会人だし、そこまで衝撃に考慮する必要ないから眼鏡でも良かったんだけど」
眼鏡をクイクイしながら。
「でもこっちより、レンズなしで真っ直ぐ人を見たかったから、スポーツやめても眼鏡には戻さなかったかな」
「へえ」
「似合う?」
眼鏡に添えてた手で顎の辺りを触って、うん、あの……うん!
「格好いいです!」
「ありがとう」
「へへへ……ってイッタァア!!!」
和やかな雰囲気だったのに、突然お尻に鋭い痛みが走って、ニャアア!!
涙目で振り向いたら、袴田が立ってた! お尻つねったぁ!!
「浮気ですか尾台さんの愛しの眼鏡は俺でしょう(□-□)」
「おはよう袴田君、朝から僕の部下に性的ないたずらするの止めてもらえるかな、パフォーマンスが下がったら困るだろ」
ヤバイヤバイ私の眼鏡君、朝から眉間にシワ寄ってるから、空気明るくしなくちゃと桐生さんに敬礼しとく!
「大丈夫です桐生さん、逆に上がります」
「そうですよ桐生さん、尾台さんは俺が触れば基本喜びます。それより眼鏡全然似合ってないんで明日から裸眼で来てみては?」
「無理だよ袴田君僕目悪いんだからここ来るまでに事故っちゃうだろ」
「…………(□-□)」
「ああ、事故れって? 本当袴田君って僕に容赦ないよね」
「ヤラなきゃヤラれちゃうんで」
顔面を手で覆いながら指の隙間から眼鏡越しに桐生さん見る袴田君の目ヤバめだから、体ひっくり返して背中押す!
そしたら、いい感じに向こう側から「袴田くーん」って声だ。
「ハイハイほらほらあっちあっち!! 呼ばれてますよ総務の袴田君!」
「…………(□-□)」
「舌打ちしない! 直ぐ行く!」
「…………では」
エイって背中押し出して、面倒臭いな朝からもう! 額の汗を拭っていたらスルッと腰に手が伸びてきた。
「悪いね朝から気使ってもらって」
「い、いえ」
ちょっと桐生さんの方に引き寄せられて、う、あ……これは袴田君見たら凄い怒るヤツ! 良かった袴田君こっちに背向けながら書類見て話してる。
「あの桐生さっ」
「眼鏡かけてると、心にフィルターが出来るのかちょっと大胆にいけるきがする、不思議」
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やだ怖いって思ったら始業のチャイムが鳴って、桐生さんは腰を叩いて行ってしまった。
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