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雲母君に飼われたい
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雲母君の家にダッシュで向かう途中、ガラスで自分を見てみたら、ああ…………黒パグ……ですか……。
これは……犬として当たり、なんですかね。
もっとこう、トイプードルとかチワワとか選択肢あると思うんですけど……。
いや、考えてても始まりませんね。
だって私の犬人生は今始まったばかりなのです!
さようなら!! お父さんお母さんお姉ちゃん!
杏子は雲母君のバター犬としてこれから生きていきます!
さてさて、雲母君の家に着きました。
早くペロペロしたいです。
玄関の床をクンクンしてみましたが、雲母君の匂いは薄いので外出中のようです。
仕方ないので帰りを待ちます。
そっかー携帯位は持ってきたら良かったなぁ。
嬉しくってマッハで来ちゃったけど、考えたら神社に女子高生の鞄と制服が置いてあったら軽い事件だよなぁ。
まあいいかぁ、犬になれたんだし!
日が大分落ちて寒くなってきました、お腹も空いたなと思った頃に雲母君はスーパーの袋を下げて帰ってきました。
「ん?」
「わん!」
クルクル回って嬉しさを猛アピールです。
何なら嬉しくて嬉しくてもうどうにかなりそうでおしっこ漏れそうです、かまってかまって!
「何だ何だ、飼い犬? 迷子かお前、どこの子だよ」
「わんわん わんわん!」
尻尾を振ってお腹を見せて、抱いて下さい雲母君ッ!
「よくわかんねーけど、とりあえず家入る?」
「わん!」
雲母君は片手でヒョイと私を抱き上げてくれて目線を合わせ顔を近付けました。
あ、あ、あ…………ようやくキッスですね? 雲母君とキスできるなら犬でも何でもいいです!
きゅっと目を瞑ったら。
「くっさ!」
「?!!」
「そしてぶっさいくだなーお前」
「?!!!」
やっぱりトイプードルとかが良かったです。
頭を乱暴に撫でられて、お姫様スタイルで抱いてくれると思ったのに、横に抱えられてしまって米かなんかかな。
でも、犬というだけで雲母君いつにも増して優しい。
ヤンキーが犬に優しいこのギャップ最高じゃないですか!
「ちょっと大人しくしてて」
「わん!」
なんと、人生初めて入った男性の部屋は憧れの雲母君の部屋でした。
思春期の男の子の部屋らしく部屋は散らかってますが、至るところから雲母君の匂いがぷんぷんします!
ヒャッァアホォオ!
ベッドに飛び込んで枕をクンクンです。
ふかふかのお布団が気持ち良いし雲母君に包まれているようなこの感じ、枕持って帰りたいです!
一人えっちが捗る事間違いなし! ってゆうか…………そっか……むしろ雲母君が夜な夜なここで、自分のを弄ってるのかもと想像したら、はぁはぁ、そんなはぁはぁ……最高はぁはぁ。
すんごいむんむんする、
「はぁはぁ雲母君、尊い……尊いよぉ…………え? あれ? 私……元に……!」
なんと言うことでしょう!!
体が人間になってるんですけど!
待って下さい、このタイミングはまずくないですか。
でも眼鏡は着けてくれる神様の優しさ……。
いや、そんなのはいいですね、雲母君帰ってきて裸の私が居たらどっか行ってどころじゃない気が……!
もぉぉお!! 神様ったら、こんな中途半端な魔法しか使えないならもう神様の看板下げてくださいよ!
杏子は一生雲母君の犬になれると思ったのにぃ! 神様のバカ!! 早漏! 粗チン! 包茎!!
心で叫んだら部屋にあった姿見に私が映って目があって…………そしたら突然光が私を照らして………………。
「わん」
なんて煽り耐性のない神様なんでしょう。
また犬になれました。
ふぅ、焦った…………あ、別にパグじゃなくても良かったのに。
でもあれか、いきなり違う犬が部屋で待ってても雲母君が困るか、とりあえず臭いって言われたからちょっと体舐めとこ。
ん? 足音……聞こえる、音のするドアを見たらかチャッと開いて、雲母君がコーラとパンを持って部屋に帰ってきました。
「ちゃんと大人しくしてたな」
「わん」
ベッドから飛び降りてあぐらをかく雲母君のお膝にスリスリです!
いやもう、スリスリどころではないです、求愛行動で早く雲母君に愛情を示さなくては!
スリスリから、ヘコヘコに変更です。
「あ? お前何やってんの? メスだと思ってたんだけどメスもそういう事するんだ」
「わんわん!」
「っつか盛んなよ、気持ちわりーな」
「!!?」
お膝で腰をカクカクしてる私を横目に雲母君はコーラを一口飲んでパンの袋を開けました。
開けた瞬間、パンの香りがして、さすが犬! 嗅覚が利くので勝手に涎が出てしまいます。
「うわ、汚ねぇな。何? 腹へってんの?」
「わんわん」
膝に前足をかけてクンクン頂戴のアピールです!
あんぱん! あんぱん! 不良があんぱんとコーラ!! 糖質過多過ぎ! 杏子大好物!!
「ちょっ! 鼻息が、鼻息が荒いんだよフガフガ言ってキモいから」
「?!!!」
ちょっと神様、やっぱり犬のチョイスを間違ってないですか!
雲母君はパンをちぎって私にくれました、とても美味しかったです。
「丸飲みしないで噛めよ、ほら手舐めんな」
「わふ」
「どんだけ食うんだよ、俺の分ないじゃん」
何だかんだ言いながらあんぱん完食です、ね? やっぱり雲母君はこんなにも優しい……!!
それにしてもちょっと急に色々ありすぎて疲れたので休憩しますかね。
お尻を直接地面に付けて、足を投げ出して座って雲母君を観察です。
「なんだよその座り方だらしねーな。ああでもパグって皆この座り方してるよな」
「わん」
雲母君が抱き上げてくれて、また顔が近寄って口舐めたい口舐めたい!
「くっせーから止めろっつたろ」
「くん……」
雑誌を踏んでたみたいで下ろされてしまって、どうしましょう。
このままでは可愛がってもらえる希望がもてません。
せめて、せめて臭みだけでもなくなれば……。
っていうか、犬とはいえ臭いとかぶさいくとか面と向かって言われると傷付きますね。
だか、しかし。
こんな事で諦めては雲母君専用のバター犬にはなれないと思うので攻めあるのみです。
こんなに近くにいられて杏子幸せ。
それにしても家に来るか、なんて言ってくれたからてっきり遊んでくれるのと思ったのに、パンを食べ終えた雲母君はコーラ片手に雑誌を読み初めてしまったのです。
不良っぽいのに、ヤンキー達とたむろったりしないで部屋にいるのも何だかギャップ萌でいいけれど、この発展しない感じ……。
正直つまんないです。
ねぇ雲母君、遊んで遊んで。
足の間からもぐり込んではだけたワイシャツをクンクン。
「おい、だからお前なんか汁っぽいから止めろって!」
「くん……」
無理です、なんか嫌われてる気がします。
何か秘策でも練ろうかなぁと、とりあえず膝のとこで丸まってたら、雲母君が優しくいいこいいこしてくれました。
え、何これ、え? え? 嬉しすぎる。
「何プルプルしてんだよ、あれ? 何かお前可愛いな」
「!!!」
「ああ、あれかぶさかわってヤツだな」
ぺったんこの鼻をくいっと押されて、お腹お腹触ってお腹!
「綺麗な毛並み、お前いいとこで飼われてたんだろ? 黒パグって希少種だもんな」
「わん」
へぇそうなんですね、知らなかった……それにしてもおっきくて温かい手が何度も体を往復して、気持ち良くて気持ち良くて……。
「おい、起きろ」
「わん……」
首のとここちょこちょされて、目開けたら……え?!! 雲母君? あ、そっか私今犬なんだ……。
えへへ、寝起きに好きな人いるなんて最高。
「お前、寝てる時おっさんも顔負けなイビキかくのな」
「?!!!」
そ、そんなのは知りませんでした。
「っつーか、お前みたいな、迷い犬? みたいのって警察に行けばいいのかな?」
「わん?」
「まさか、保健所な訳ないもんな?」
「わんわん!」
首を左右に振りまくってそれだけは勘弁を!
そうなんですね、まだ飼ってくれると決まった訳じゃないのですね!
これは早急に雲母君を私のテクニックで性の虜にして離れられなくなるようにしなければ!
これは……犬として当たり、なんですかね。
もっとこう、トイプードルとかチワワとか選択肢あると思うんですけど……。
いや、考えてても始まりませんね。
だって私の犬人生は今始まったばかりなのです!
さようなら!! お父さんお母さんお姉ちゃん!
杏子は雲母君のバター犬としてこれから生きていきます!
さてさて、雲母君の家に着きました。
早くペロペロしたいです。
玄関の床をクンクンしてみましたが、雲母君の匂いは薄いので外出中のようです。
仕方ないので帰りを待ちます。
そっかー携帯位は持ってきたら良かったなぁ。
嬉しくってマッハで来ちゃったけど、考えたら神社に女子高生の鞄と制服が置いてあったら軽い事件だよなぁ。
まあいいかぁ、犬になれたんだし!
日が大分落ちて寒くなってきました、お腹も空いたなと思った頃に雲母君はスーパーの袋を下げて帰ってきました。
「ん?」
「わん!」
クルクル回って嬉しさを猛アピールです。
何なら嬉しくて嬉しくてもうどうにかなりそうでおしっこ漏れそうです、かまってかまって!
「何だ何だ、飼い犬? 迷子かお前、どこの子だよ」
「わんわん わんわん!」
尻尾を振ってお腹を見せて、抱いて下さい雲母君ッ!
「よくわかんねーけど、とりあえず家入る?」
「わん!」
雲母君は片手でヒョイと私を抱き上げてくれて目線を合わせ顔を近付けました。
あ、あ、あ…………ようやくキッスですね? 雲母君とキスできるなら犬でも何でもいいです!
きゅっと目を瞑ったら。
「くっさ!」
「?!!」
「そしてぶっさいくだなーお前」
「?!!!」
やっぱりトイプードルとかが良かったです。
頭を乱暴に撫でられて、お姫様スタイルで抱いてくれると思ったのに、横に抱えられてしまって米かなんかかな。
でも、犬というだけで雲母君いつにも増して優しい。
ヤンキーが犬に優しいこのギャップ最高じゃないですか!
「ちょっと大人しくしてて」
「わん!」
なんと、人生初めて入った男性の部屋は憧れの雲母君の部屋でした。
思春期の男の子の部屋らしく部屋は散らかってますが、至るところから雲母君の匂いがぷんぷんします!
ヒャッァアホォオ!
ベッドに飛び込んで枕をクンクンです。
ふかふかのお布団が気持ち良いし雲母君に包まれているようなこの感じ、枕持って帰りたいです!
一人えっちが捗る事間違いなし! ってゆうか…………そっか……むしろ雲母君が夜な夜なここで、自分のを弄ってるのかもと想像したら、はぁはぁ、そんなはぁはぁ……最高はぁはぁ。
すんごいむんむんする、
「はぁはぁ雲母君、尊い……尊いよぉ…………え? あれ? 私……元に……!」
なんと言うことでしょう!!
体が人間になってるんですけど!
待って下さい、このタイミングはまずくないですか。
でも眼鏡は着けてくれる神様の優しさ……。
いや、そんなのはいいですね、雲母君帰ってきて裸の私が居たらどっか行ってどころじゃない気が……!
もぉぉお!! 神様ったら、こんな中途半端な魔法しか使えないならもう神様の看板下げてくださいよ!
杏子は一生雲母君の犬になれると思ったのにぃ! 神様のバカ!! 早漏! 粗チン! 包茎!!
心で叫んだら部屋にあった姿見に私が映って目があって…………そしたら突然光が私を照らして………………。
「わん」
なんて煽り耐性のない神様なんでしょう。
また犬になれました。
ふぅ、焦った…………あ、別にパグじゃなくても良かったのに。
でもあれか、いきなり違う犬が部屋で待ってても雲母君が困るか、とりあえず臭いって言われたからちょっと体舐めとこ。
ん? 足音……聞こえる、音のするドアを見たらかチャッと開いて、雲母君がコーラとパンを持って部屋に帰ってきました。
「ちゃんと大人しくしてたな」
「わん」
ベッドから飛び降りてあぐらをかく雲母君のお膝にスリスリです!
いやもう、スリスリどころではないです、求愛行動で早く雲母君に愛情を示さなくては!
スリスリから、ヘコヘコに変更です。
「あ? お前何やってんの? メスだと思ってたんだけどメスもそういう事するんだ」
「わんわん!」
「っつか盛んなよ、気持ちわりーな」
「!!?」
お膝で腰をカクカクしてる私を横目に雲母君はコーラを一口飲んでパンの袋を開けました。
開けた瞬間、パンの香りがして、さすが犬! 嗅覚が利くので勝手に涎が出てしまいます。
「うわ、汚ねぇな。何? 腹へってんの?」
「わんわん」
膝に前足をかけてクンクン頂戴のアピールです!
あんぱん! あんぱん! 不良があんぱんとコーラ!! 糖質過多過ぎ! 杏子大好物!!
「ちょっ! 鼻息が、鼻息が荒いんだよフガフガ言ってキモいから」
「?!!!」
ちょっと神様、やっぱり犬のチョイスを間違ってないですか!
雲母君はパンをちぎって私にくれました、とても美味しかったです。
「丸飲みしないで噛めよ、ほら手舐めんな」
「わふ」
「どんだけ食うんだよ、俺の分ないじゃん」
何だかんだ言いながらあんぱん完食です、ね? やっぱり雲母君はこんなにも優しい……!!
それにしてもちょっと急に色々ありすぎて疲れたので休憩しますかね。
お尻を直接地面に付けて、足を投げ出して座って雲母君を観察です。
「なんだよその座り方だらしねーな。ああでもパグって皆この座り方してるよな」
「わん」
雲母君が抱き上げてくれて、また顔が近寄って口舐めたい口舐めたい!
「くっせーから止めろっつたろ」
「くん……」
雑誌を踏んでたみたいで下ろされてしまって、どうしましょう。
このままでは可愛がってもらえる希望がもてません。
せめて、せめて臭みだけでもなくなれば……。
っていうか、犬とはいえ臭いとかぶさいくとか面と向かって言われると傷付きますね。
だか、しかし。
こんな事で諦めては雲母君専用のバター犬にはなれないと思うので攻めあるのみです。
こんなに近くにいられて杏子幸せ。
それにしても家に来るか、なんて言ってくれたからてっきり遊んでくれるのと思ったのに、パンを食べ終えた雲母君はコーラ片手に雑誌を読み初めてしまったのです。
不良っぽいのに、ヤンキー達とたむろったりしないで部屋にいるのも何だかギャップ萌でいいけれど、この発展しない感じ……。
正直つまんないです。
ねぇ雲母君、遊んで遊んで。
足の間からもぐり込んではだけたワイシャツをクンクン。
「おい、だからお前なんか汁っぽいから止めろって!」
「くん……」
無理です、なんか嫌われてる気がします。
何か秘策でも練ろうかなぁと、とりあえず膝のとこで丸まってたら、雲母君が優しくいいこいいこしてくれました。
え、何これ、え? え? 嬉しすぎる。
「何プルプルしてんだよ、あれ? 何かお前可愛いな」
「!!!」
「ああ、あれかぶさかわってヤツだな」
ぺったんこの鼻をくいっと押されて、お腹お腹触ってお腹!
「綺麗な毛並み、お前いいとこで飼われてたんだろ? 黒パグって希少種だもんな」
「わん」
へぇそうなんですね、知らなかった……それにしてもおっきくて温かい手が何度も体を往復して、気持ち良くて気持ち良くて……。
「おい、起きろ」
「わん……」
首のとここちょこちょされて、目開けたら……え?!! 雲母君? あ、そっか私今犬なんだ……。
えへへ、寝起きに好きな人いるなんて最高。
「お前、寝てる時おっさんも顔負けなイビキかくのな」
「?!!!」
そ、そんなのは知りませんでした。
「っつーか、お前みたいな、迷い犬? みたいのって警察に行けばいいのかな?」
「わん?」
「まさか、保健所な訳ないもんな?」
「わんわん!」
首を左右に振りまくってそれだけは勘弁を!
そうなんですね、まだ飼ってくれると決まった訳じゃないのですね!
これは早急に雲母君を私のテクニックで性の虜にして離れられなくなるようにしなければ!
応援ありがとうございます!
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