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生と死と2
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これで部屋もスイートルームだったらどうしようかと思ったけど、恩田さんが案内してくれたのは普通の部屋だった。それだって部屋に入った瞬間に視界に飛び込んでくる西新宿の高層ビル群の夜景と、広い部屋には戸惑ったけど。
「楽器の調整するから荷物はテーブルの近くに置いて、カートは外に出しておけば後で運んでくれるから」
「わかった」
言われたように作業して、よし、これはこのままカートを置いて、またねって帰るのもありかもしれないと企てる。
だってこの後じゃあご飯食べに行こうって松屋行くのも可笑しいし(決して松屋を否定している訳ではない)かといって彼女主導でホテル内のレストランに連れて行かれたらご飯の味なんてわからないし会話も上の空になりそうだ。うん、帰ろう、とカートを出して恩田さんに話し掛けようとしたら、彼女は電話中で僕と目が合うと受話器を置いた。
「あの恩田さん」
「ありがとう、運んでくれて、今ルームサービス頼んだからちょっと待ってて?」
「え」
「体中タバコ臭くてしんどいからシャワー浴びてくる」
「え」
ベッドから飛び降りた恩田さんは大きな窓ガラスの前に置かれたイスを一脚引いて、座って待ってて、と背もたれを叩きお風呂に行ってしまった。
こんな状況って現実で有り得るんだろうか、そっかルームサービスがあるのは盲点だった、このまま急用ができたって置手紙でもして帰るか? とりあえず椅子に座って初めて間近で見る新宿の夜景を眺めた。
流れるテールランプにビルにマンションの明かり、連なる建物を見て、女の子なら「素敵」ってときめいたりするんだろうか。
綺麗だとは思う、けれど僕の耳の奥に響いているのは、都会には不釣り合いなひぐらしの声だった。立ち上がって冷たいガラスに触れて、空を覗けば星は一つも見えなかった。
また、ひぐらしが鳴いた。これは父さんと手を繋いで定食屋さんから帰って来た時に聞いたひぐらしの声だ。瞼を閉じて夕日を思い出して、また夜景を見る。
瞼の裏には真っ赤な空、畑の向こうを走る一車両の電車、たまにカラスも鳴いていた。
農作業をしていたおばあさんが丸まった腰を叩きながら、電車を見て「もうそんな時間か」と言った。僕等と目が合って、父さんにいっぱい採れたから野菜を持っていきなって笑う。ドロが付いたままの野菜が袋いっぱいに入っていてずっしり重かった。
湧水で洗ってトマトを食べた、口内炎に滲みたけど、美味しかった。父さんも庭で野菜を育ててるから今度一緒に収穫しようなって頭を撫でて誘ってくれた。そして僕は未だにその野菜を収穫してない。
カラスが山の向こうに飛んでいく、沈んでしまう夕日が恋しい。空にはたくさんトンボが飛んでた、手を上げたら当たってしまうんじゃないかってくらいに。
側溝に見た事ない大きなミミズがいて驚いて父さんの足にしがみ付いた、大丈夫だって背中を擦ってくれた。
ひぐらしが遠くで鳴いている、
消えそうな声だ。
瞼を開けたら聞こえなくなって悲しかった。だって都会の光は何の声も聞こえないんだ。
耳をすましたら恩田さんのシャワーの音が聞こえたけど、何の興奮も覚えない僕は男失格だな。初恋の人だったはずなんだけど、と一度は立ち上がった癖にまた腰を降ろした。
シャワーの音が途切れて、少ししてドライヤーの音、何となく携帯を見たけど特に誰からも連絡はない。そしたら部屋のチャイムが鳴ってドアを開ければ頼んだルームサービスが運ばれてきた。
スタッフがカートを押す後ろで恩田さんがお風呂から出てきた。バスローブ姿で、あら早いって顔を扇いでる。
そんな格好……って思うけど、恩田さんは慣れた様子で「ワインだけ開けてくれたら後は自分でする」ってスタッフに伝えると、直に部屋は二人きりになった。
「一応ワイン頼んだけど、飲まなくていいからね。冷蔵庫に水とジュースが入ってる、私は一仕事終わったから飲む!」
「うん、ありがとう」
コブサラダとチーズの盛り合わせ、ボロネーゼにカレー、恩田さんはチーズを摘まみながら、カレーとパスタどっちがいいか聞いてきて、どちらも美味しそうで迷っていたらじゃあ半分つにしようって、笑った。
「あ、乾杯するの忘れた」
「いいよ、僕水だし」
ワインを傾けながら、恩田さんは取り分けてくれて、僕もサラダを分けた。
「兵藤君何か手慣れてるね」
「慣れてるとかあるかな? 一応飲食店でバイトしてるけど、あとはやっぱ桜」
「そっか」
「クロックポジションって言ってね、時計に見立てて食器の位置や食べ物の場所を教えてあげるんだよ。今だと恩田さんの九時の方向にサラダ」
「へえ」
「ただこんなに緊張してないのには自分でも驚いてる」
「ああ、この格好?」
「そうだね、それもあると思うけど、腕も組んで歩いても隣に座ってもタクシーの中で二人きりでも、自然だったから」
「さすが六年間同じ教室を共にし、苦楽を分け合っただけあるね? よし! いただきますしよう」
「うん、いただきます」
そしたら恩田さんは「あ」って一度持ったフォークを置いて、また手を合わせた。
「どうしたの?」
「何だっけ、ほら給食の前に言ってたヤツしようよ」
「ああ……えっと、今日も給食調理員さん、給食係さんありがとうございました。それでは皆さんご一緒に、いただきます」
「そうそう、それ! いただきます。烏丸君が献立呼んで日直がいただきますを言うんだよね」
「うん、うるさかった教室が桔平の「皆注目!!」でピタリと止まる」」
「魔法の言葉だったね、懐かしいなあ」
僕等の頭の中で楽しかった給食の時間が再生される、そう言えばあの子のランチマットがいつも可愛かっただの、牛乳が三年から紙パックに変わったよね、お楽しみ給食や青空給食、給食縛りでも会話が絶えなかった。恩田さんはコブサラダのトマトとひよこ豆をスプーンに乗せながら、
「いいな、同窓会でもしたいね?」
「同窓会……」
「私、成人式もあっちに行ってて出席しなかったんだけど、やっぱり皆で集まったりしたの?」
「いや? ああえっと…………ごめん、分かんない。実は僕も出ていないんだ、もしかしたら同窓会していたかもしれないね」
「楽しそうだよね、って思ったけど今の私見たら皆引いちゃうかな」
「そんな事ないよ、中身は昔とちっとも変わってない」
優しくて、素直で、勇敢で……はなぜか言葉にできなかった。
とっても美味しいカレーだった、よくレトルトでホテルカレーって売ってるけどそんなレベルじゃない、一人なら一分で食べ終わってるけど、今日はワインを飲みながら少しづつ食事を味わう恩田さんに合わせた。
同窓会、で真っ先に思い出したのは中山の事だった。でも食事中に出す話題じゃないし、話したとして恩田さんは中山の死をどう思うんだろうか、興味もあるけど、反応によっては怖いと思って言わなかった。
「楽器の調整するから荷物はテーブルの近くに置いて、カートは外に出しておけば後で運んでくれるから」
「わかった」
言われたように作業して、よし、これはこのままカートを置いて、またねって帰るのもありかもしれないと企てる。
だってこの後じゃあご飯食べに行こうって松屋行くのも可笑しいし(決して松屋を否定している訳ではない)かといって彼女主導でホテル内のレストランに連れて行かれたらご飯の味なんてわからないし会話も上の空になりそうだ。うん、帰ろう、とカートを出して恩田さんに話し掛けようとしたら、彼女は電話中で僕と目が合うと受話器を置いた。
「あの恩田さん」
「ありがとう、運んでくれて、今ルームサービス頼んだからちょっと待ってて?」
「え」
「体中タバコ臭くてしんどいからシャワー浴びてくる」
「え」
ベッドから飛び降りた恩田さんは大きな窓ガラスの前に置かれたイスを一脚引いて、座って待ってて、と背もたれを叩きお風呂に行ってしまった。
こんな状況って現実で有り得るんだろうか、そっかルームサービスがあるのは盲点だった、このまま急用ができたって置手紙でもして帰るか? とりあえず椅子に座って初めて間近で見る新宿の夜景を眺めた。
流れるテールランプにビルにマンションの明かり、連なる建物を見て、女の子なら「素敵」ってときめいたりするんだろうか。
綺麗だとは思う、けれど僕の耳の奥に響いているのは、都会には不釣り合いなひぐらしの声だった。立ち上がって冷たいガラスに触れて、空を覗けば星は一つも見えなかった。
また、ひぐらしが鳴いた。これは父さんと手を繋いで定食屋さんから帰って来た時に聞いたひぐらしの声だ。瞼を閉じて夕日を思い出して、また夜景を見る。
瞼の裏には真っ赤な空、畑の向こうを走る一車両の電車、たまにカラスも鳴いていた。
農作業をしていたおばあさんが丸まった腰を叩きながら、電車を見て「もうそんな時間か」と言った。僕等と目が合って、父さんにいっぱい採れたから野菜を持っていきなって笑う。ドロが付いたままの野菜が袋いっぱいに入っていてずっしり重かった。
湧水で洗ってトマトを食べた、口内炎に滲みたけど、美味しかった。父さんも庭で野菜を育ててるから今度一緒に収穫しようなって頭を撫でて誘ってくれた。そして僕は未だにその野菜を収穫してない。
カラスが山の向こうに飛んでいく、沈んでしまう夕日が恋しい。空にはたくさんトンボが飛んでた、手を上げたら当たってしまうんじゃないかってくらいに。
側溝に見た事ない大きなミミズがいて驚いて父さんの足にしがみ付いた、大丈夫だって背中を擦ってくれた。
ひぐらしが遠くで鳴いている、
消えそうな声だ。
瞼を開けたら聞こえなくなって悲しかった。だって都会の光は何の声も聞こえないんだ。
耳をすましたら恩田さんのシャワーの音が聞こえたけど、何の興奮も覚えない僕は男失格だな。初恋の人だったはずなんだけど、と一度は立ち上がった癖にまた腰を降ろした。
シャワーの音が途切れて、少ししてドライヤーの音、何となく携帯を見たけど特に誰からも連絡はない。そしたら部屋のチャイムが鳴ってドアを開ければ頼んだルームサービスが運ばれてきた。
スタッフがカートを押す後ろで恩田さんがお風呂から出てきた。バスローブ姿で、あら早いって顔を扇いでる。
そんな格好……って思うけど、恩田さんは慣れた様子で「ワインだけ開けてくれたら後は自分でする」ってスタッフに伝えると、直に部屋は二人きりになった。
「一応ワイン頼んだけど、飲まなくていいからね。冷蔵庫に水とジュースが入ってる、私は一仕事終わったから飲む!」
「うん、ありがとう」
コブサラダとチーズの盛り合わせ、ボロネーゼにカレー、恩田さんはチーズを摘まみながら、カレーとパスタどっちがいいか聞いてきて、どちらも美味しそうで迷っていたらじゃあ半分つにしようって、笑った。
「あ、乾杯するの忘れた」
「いいよ、僕水だし」
ワインを傾けながら、恩田さんは取り分けてくれて、僕もサラダを分けた。
「兵藤君何か手慣れてるね」
「慣れてるとかあるかな? 一応飲食店でバイトしてるけど、あとはやっぱ桜」
「そっか」
「クロックポジションって言ってね、時計に見立てて食器の位置や食べ物の場所を教えてあげるんだよ。今だと恩田さんの九時の方向にサラダ」
「へえ」
「ただこんなに緊張してないのには自分でも驚いてる」
「ああ、この格好?」
「そうだね、それもあると思うけど、腕も組んで歩いても隣に座ってもタクシーの中で二人きりでも、自然だったから」
「さすが六年間同じ教室を共にし、苦楽を分け合っただけあるね? よし! いただきますしよう」
「うん、いただきます」
そしたら恩田さんは「あ」って一度持ったフォークを置いて、また手を合わせた。
「どうしたの?」
「何だっけ、ほら給食の前に言ってたヤツしようよ」
「ああ……えっと、今日も給食調理員さん、給食係さんありがとうございました。それでは皆さんご一緒に、いただきます」
「そうそう、それ! いただきます。烏丸君が献立呼んで日直がいただきますを言うんだよね」
「うん、うるさかった教室が桔平の「皆注目!!」でピタリと止まる」」
「魔法の言葉だったね、懐かしいなあ」
僕等の頭の中で楽しかった給食の時間が再生される、そう言えばあの子のランチマットがいつも可愛かっただの、牛乳が三年から紙パックに変わったよね、お楽しみ給食や青空給食、給食縛りでも会話が絶えなかった。恩田さんはコブサラダのトマトとひよこ豆をスプーンに乗せながら、
「いいな、同窓会でもしたいね?」
「同窓会……」
「私、成人式もあっちに行ってて出席しなかったんだけど、やっぱり皆で集まったりしたの?」
「いや? ああえっと…………ごめん、分かんない。実は僕も出ていないんだ、もしかしたら同窓会していたかもしれないね」
「楽しそうだよね、って思ったけど今の私見たら皆引いちゃうかな」
「そんな事ないよ、中身は昔とちっとも変わってない」
優しくて、素直で、勇敢で……はなぜか言葉にできなかった。
とっても美味しいカレーだった、よくレトルトでホテルカレーって売ってるけどそんなレベルじゃない、一人なら一分で食べ終わってるけど、今日はワインを飲みながら少しづつ食事を味わう恩田さんに合わせた。
同窓会、で真っ先に思い出したのは中山の事だった。でも食事中に出す話題じゃないし、話したとして恩田さんは中山の死をどう思うんだろうか、興味もあるけど、反応によっては怖いと思って言わなかった。
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