【R18】黒猫彼女を溺愛中【著 CHIYONE】

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デート

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 お腹を一定のリズムで叩かれる心地良い振動にまだ眠っていたいけれど薄目を開けた。
 視界にはふわふわな黒い手、あんだけガクッと体が重くなって寝たんだもん人を維持できなくて当然か。
 両側をピヨに挟まれてて(ピネヨの順番)、今日はお昼寝まだだったしいっぱい寝ちゃった感じがする、目を擦って肉球を舐めてミィ? って呼べば見上げた本が下がった。
「おはようネネ、可愛い大好き」
「にゃあ」
 大きな手で顔を包まれて気持ちいの所を全部撫でてくれる、大好きなお膝の上でクネクネおはようアピールして、エイエイってピヨ蹴り蹴りして起こす、もっと触ってもっと触って、は、なるべく言わない。
「ネネが寝ている時にオレを呼ぶのすっごい可愛い」
「にゃ?」
「喉鳴らして、少し不安気に俺を呼ぶ」
「にゃう」
 そんな夢の中までタツミなんて恥ずかしい事になってないですぅ! って言いたいのに喉掻かれて目瞑っちゃうしゴロゴロゴロ……。
 わざとらしく手がピタって止まって、止めちゃやって指甘噛みしてお腹にすり寄って、寝起きのマーキングしないとおー! 寝てる間に匂い薄れてるもん!
 目瞑って好き好きタツミ好き好きってお耳の後ろに首周りに自慢の匂いがでるとこいっぱい擦りつけてたら、タツミは舌舐めずりして。
「可愛いな毛づくろいしてあげたい、豹になっていい?」
「にゃ!」
「ワシの店で止めてくれんか」
「!!!」
 タツミは舌打ちしてたけど、あ! そっかここ眼鏡屋さん!! 我に返ってブルブルブルって毛振るって首の鈴がチリンチリンって鳴る。
 伸び伸びお尻の方まで体伸ばして、あくび、直にタツミの肩に飛び乗った。
「眼鏡は後少しでできる、昼ご飯食べに行こう」
「にゃあ」
「お利口」
 顔を横に傾けてスリスリしてくれて、私も目を瞑って額で押し返して応える、おじいさんはそんな私達を怪訝な顔で見ていた。
 ピヨ達も行くかなって思ったけど、私が昼寝してる間にどうしても空腹に耐えきれなくなって、おじいさんとご飯食べたんだって、おにぎりと唐揚げ…………なのでお店で待ってるって、というかおじいさんが気になるみたいでメガネ加工してる見たいって言うけど周りピヨピヨ飛んでて迷惑そうだな。
「直ぐ戻ってくる」
「ああ」
 タツミはおじいさんに言って、フードを被ると眼鏡を直す、直した瞬間景色が変わって私達は町の広場に立っていた。
 眼鏡のフレームを持ったままタツミは言う、
「往復だけの魔法を施した、便利」
 レンズ越しにウィンクされて、すっごいすっごい私のご主人様格好いい!!

 またいっぱいキスして、気が済んだら歩き出す、町は到着した時のお祭りのような雰囲気と変わって、少し落ち着いていた、道の奥まで見えないような人の流れは緩やかになっていて、店じまいの準備をしている商店もある。
 タツミのブーツの音が石畳に響いて、さっきは見えなかったお店の中まで見える。
 棚に大きな筒が所狭しと並んでいるのは生地屋さんかな、この甘い匂いはチョコレート屋さん? あ! 時計屋さんもある! お魚屋さんは店先に見た事ない模様の魚を並べてる。
 タツミの首を右、左、右、左って顔をだしていっぱい気になる! あっちここっち見たい! って動き回ってしまった、はああ、お昼寝しなかったらもっと見れたのに!

 町を眺めていたら、ふと魔眼鏡で見た廃下層域(おじいさんがこう呼んでた)で腕を引っ張られていた子を思い出してしまった。
「ミィ……」
「耳下がってる、苦しい? ネネ」
 眠る前に、分かりたくないって言った、奴隷とか人身売買とか、そういうの本当は少し分かってる。
 そういう世界があるって私は知ってる。タツミが読んでいいっていう本には書いてない、けど雄鶏さんが教えてくれたり、こっそりタツミが難しい顔をしながら読んでる字ばかりの本を盗み見してる。
 だから、きっと私もその為に生まれた一人だったんだろうって、それはあの野原に置いてけぼりにされた時から分かってた。
 綺麗な姉や兄は眠らされてキラキラな宝石と一緒に箱に詰められて、連れていかれてしまった。

 そういう暗い事考えるとズキンズキンって胸が痛くなってタツミの頬を無意識にペロペロ舐めていた。
 目が合う、私の細かい感情に答えはない、でもタツミは私が目を滲ませると必ず、
「大好きネネ」
 笑ってくれるから、いっぱいいっぱい顔に匂い出るとこ擦り擦り擦り擦り擦り擦り擦り擦り擦り擦り……。
 それでいい、理由なんていらない、好きって言ってくれる人を精一杯大事にしたい。

 立ち並んだ飲食店の中、一軒お店に入った、羊のお肉に野菜のお店。
 不思議なもので獣の時と人の時とじゃ味覚が違う、人の時は生の野菜もそこそこいけるしチョコだって普通のをパクパク食べられるけど、猫になってしまうと生の野菜は苦手だしチョコも食べちゃダメ。
 始めて貰ったチョコは一応猫でも食べられるタツミオリジナルのチョコだったんだって。

 ペット連れ(私)なのもあって、テラス席に通されてメニューを開いているタツミの腕の所を行ったり来たり、もう我ながら落ち着きないな!! って思うけど、だってこれデートだよね??!
 本で読んだよ? 好きな人とは皆でーとするって! 腕の所でウロウロしてるカップルはいないけど! これは紛れもない初デートではないか!!
 なんかこう、今日見たお芝居のお話しとかするんだよね?(見てない) のでその気になって腕にすり寄ったら、喉掻かれて、違う!!! 会話!! って思うのに、勝手にごろごろしちゃっておっきなお手てで体いっぱい揉んでもらう。
 待って、これ!!デートと違う!!! お家のネネ!

 シュピってテーブルに立ち直して、猫背を伸ばして顔を振る。
「どうしたのネネ、こっちにおいで」
「にゃ」
 呼ばれれば、またすり寄ってしまうけど、お腹見せてグダグダになる前にお昼ご飯が来てよかった。
 子羊のローストとスープにパン。
 子羊ってネーミングが……なのに、焼き上がったお肉は美味しそうな匂いがして、きゅううって唇噛んで、お腹が空いてるし、私肉食だしお腹きゅるるって鳴る。
 タツミがお肉を持ち上げてかじって、モグモグしてるのじっと見て、目が合って鳴いたら口に入れたのくれた。
 柔らかくかみ砕かれたお肉は美味しくて目の奥チカチカしてしまった、噛みしめる度口の中に溢れる肉汁にうっとり。
 次の待ちきれないけど、骨付き肉は私じゃ硬くて歯が立たないから、タツミのお口に入ったのじゃないと食べられない、クンクンしながら次のくれるの待つ。
 唇いっぱい舐めて頂戴頂戴したらお肉くれて、飲み込めるまで噛んでる間は、敵から狙われない安全なタツミのお膝にいく。
 にゃうにゃうって必死になってたら、ゆっくり食べなって言われたけど全然無理で、スープやパンを食べたら、もうお腹いっぱいだ。さっき起きたばかりなのに眠いよおってパンパンになったお腹見せたら、タツミは笑って撫でてくれた。
 お店を出て少し広場で遊ぼうかってタツミは言った、円形の広場は石畳の道から中に入ると芝生になってフカフカで気持ちいい。
 降ろしてくれて、ちょっと走ってタツミ気になって振り返ってまたちょっと走って、振り返って、走る、振り返れば今度はダッシュでタツミのとこ戻る。それの繰り返し。
 その後は足元にピッタリくっついて歩いて中央までくると腰を降ろしたタツミの周りをクルクル回った、ピョコピョコする豹柄のお尻尾捕まえたり噛んだり転がされたり、すっごいすっごい楽しい!! 楽しいけど、

 デートってコレであってるのか。

 これいつもの私達と変わらなくないかってちょっと止まってたら、タツミが腰のバックから何か出してて気になる。
 鞄の中から出て来たのはクッキーで、クッキー好きクッキー!! なんだけどあの、そのクッキーも食べたいけど…………あの。私はクッキーよりその……、あの……気になるのはそっちじゃなくて、ソワソワ見てたら、


「はい袋」


「にゃあ!」
 シャカシャカ言うの大好き! 待ってました袋!! 袋!!! 袋ぉ!!!! とりあえずふわってしてくれたの捕まえて、ブンブンしてエイエイエイエイってやって気が済んだら、入って得意気な顔しとく、はあ落ち着く…………顔だけだしてクッキー貰って、デート超楽しい、じゃあ帰ろうかってタツミが眼鏡を直すと辺りは広場から眼鏡屋さんに戻っていた。
 あ、やばい、ロマンチックになる前にデート終わってしまった。

 で、何がびっくりってお店について袋の中見たらピヨが入ってた所よ、どうやって?
 三人でゴソゴソしてたらおじいさんが来た。

「眼鏡できたぞ」

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