【R18】黒猫彼女を溺愛中【著 CHIYONE】

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ネネのおうち

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ある日の事だ。
 
トントントン……カンカン……トントントン、ネネのお家の中でトンカチを叩く音が響いてて、釘を咥えたピピや工具を咥えたヨヨがタツミの周りを滞空してる。

 私は、何してるの? 何してるの? ってタツミの足の間をウロウロするだけだ。
「危ないからって犬猿してたんだけど、ネネ棚の一番上の隅っことかタンスの奥、梁の裏側まで登って行っちゃうから心配で」
「みぃ?」
「ネネが遊べるような棚を作ってる」
「にゃ!」
 そう、さっきからタツミは家の壁に出っ張りみたいな板を打ち付けてて、それがなんだか分からなくて登りたいんだけど我慢してた、小さな小屋もつけてる。
 我慢我慢って思ってもやっぱりウズウズしちゃってリビングの入り口に立て掛けてある爪とぎで爪バリバリやって気持ち誤魔化す。

 鳩時計が飾られてある高い所にも板を打ち付けて、脚立に乗ったタツミは振り返った。
「ネネ」
「ナァ?」
「時計に乗ってはいけない」
「ニャ!」
「いい返事」
「にゃあ」
「おいで」
 一番下に打ち付けてあった板をポンポン叩かれて、わぁーい! って一目散に駆け寄る、一段二段三段、四段目は離れた所にジャンプしてタツミやピヨと同じ目線。
 もっと上まで登って、時計の上は……さっき乗っちゃダメって言われたから急ブレーキ。でも間近で鳥さんが出てくる所見れて嬉しくなってパンチしてまた駆け下りて、他にも作ってくれた台に登って、うわん!! 楽しい!! ピョンピョン高い所大好き!!

「お店で買えるし魔法で作る事も出来るけど、やっぱり手作りが良いと思って」
「みゃあ!」
 脚立から降りて来たタツミの体に登って顔スリスリしにいって、喉も顔もかいかいされてグルグル言っちゃう。

「こないだ仕事中にネネを見てたら、屋根裏の排気口の奥まで冒険しに行ってたね」
「!!」
「あそこは空気があまり綺麗じゃないから入ったらダメ」
「ミイ……」
 排気口は入っちゃダメって言われてたから、ピヨと三人で叱られる!! って耳下げたけど怒られなかった。
 タツミはピヨにデコピンして、私の喉を掻きながら言う。

「でも入っちゃったのは、家に遊び場がないからだなって反省したゴメン」
「にゃあにゃあ」
違うよ私がいけないのって首振る、タツミは眉間を撫でてきて笑って。

「板が残ったから秘密基地作る」
「にゃあ!!」
 秘密基地!! 秘 密 基 地 !! というその言葉。
 誰に秘密にしてるんだって話だけど、ワクワクして、タツミとどこにしようかって家を見て回る、洗濯機の横? トイレの上? 物置?? ああ、階段したの隅っこ、目立たない場所! ここ! こういうとこ秘密基地に最適!
「そうだね、いいかも。材料持って来て」
「「ピヨ!!」」
 私も手伝って(主にタツミにちゅうしたり頭に乗ったり尻尾の付け根摩ってもらったり)ちゃっちゃと完成する程度の簡易な秘密基地、そういうのがまたイイ! ただの箱とか大好きだし。
 カーテンで入り口作って、一応看板に、【入っちゃダメ!】って書いておく。

 私にはもったいない、こんなに綺麗な家があるというのに、やっぱり布団の中とか鳥小屋とか……狭いとこって落ち着くんだ。
 余った木材で作ってくれた小さな秘密基地は私とタツミとピヨが入ったらギチギチでゴロンゴロンできるスぺ―スなさそうだけどいい感じだ。
 完成した基地を前に、上出来って腕を組んでいたらタツミの尻尾がゆらゆらしてて、飛び掛かったら豹さんになってた。
 俺が一番!! って基地に飛び込んで、したり顔で顔出しててずるい!! 私達も突撃する。
 四人で入って……ていうか豹さんだけでも狭いんだけど、無理矢理入ってぎゅうぎゅうなの嫌いじゃない。

 日の光がたっぷり注ぐ、風通しいいうちの家は快適だ。快適だけど、この暗くて狭い空間も大すっき!
 ソファーもベッドも居心地いい所たくさんあるのに、この巣みたいなの超体にフィットする。
 ピヨはタツミの毛づくろい始めてタツミも私の体舐めてくる。密室な空間で贅沢な時間だなあ。

 こういうのが幸せなんだって思う、お金……は興味がない、好きな人はタツミだけ、その人と一緒にいる時間。
 タツミの手はおっきくて爪も長いし体に乗っかると動けなくなる、私はその手を舐めてあげてお鼻をタッチされたらパンチだ。
 長い腕抱きかかえて噛み噛み楽しい。グルグルピヨピヨして、少ししたらタツミが尻尾を下げたまま秘密基地を出た、ゆらゆらと揺れるヒョウ柄の尾の先見るだけで私の尻尾がぼわわって太くなって飛び付いてしまう。
 でも掴まえさせてくれなくて、タツミが走り出すから夢中になって追いかける、家の中走り回ってピヨと挟み撃ちにして、飛び掛かっても勝てないけど、タツミは嫌がらないで喉噛ませてくれるんだ。
 でも直ぐ体勢立て直して、手出してくるからやり返して逃げれば追いかけて、作ってくれたキャットウォークに飛び乗って上から体当たり、永久に楽しい。
 お水休憩して、また走り回って疲れたから、ピタッと止めて、もうしないって倒れたら、タツミは私の首を咥えて庭の見える廊下に連れていった。

 降ろされて、舐められて私も舐め返したけど豹さん顔広いから途中で力尽きて、体の隅々までペロペロされる、舐められる度に揺れる体を前足で押さえつけられて、されるがままにしてたら、あくびがでてしまった。
 ピヨがパタパタ飛んできて私の横に並んで三人でポカポカのお日様にあたりながら、舐めてもらってたら、いつの間にか寝てた。


 それで、最後に目が覚めたのは私だった、途中うっすら瞼を開けた時はタツミも寝てたのにな。
 とりあえずのびのびして、鈴が鳴るから本を読んでたタツミの手が下がる。
「おはようネネ」
「みゃあ」
 ピヨはソファーの下で格闘技の練習してる、翼パンチって効果あるのかな。
 鳩時計を見たら、まだ五時でお夕飯にも早い。
 私はいつもこんな感じで遊んだり昼寝したりで、やっぱり夜中の12時、1時当たりが一番テンション上がってる。
 本読むのもなあって思ってピヨに参加しようと思ってたら、タツミが。
「ネネ」
「ミィ?」
 長い指が壁を指差して何だろう? 指先から放たれた淡い魔法の光がちっちゃく壁を照らしてる。
 タツミが指を動かせば、光る丸も動く訳で、コレめっちゃ気になるヤツ!!! 私は直に背を低くして尻尾を揺らめかせた。
 光に合わせて動いてた目が次第に首も一緒に動くようになって、じっと止まってるからこっちもじっと見つめて飛び掛かる姿勢を整える。
 いつくるか、いつくるか!! って目を凝らしてたら、ピョン!! っと光が動いて飛びついて、でも捕まえられなくて、ピョコピョコ動く光を追い掛けた。
 壁にパンチして飛び掛かって、イライラしてピヨに噛み付いたりして、タツミの指先を掴まえて、手ごとお腹に抱きかかえて、捕まえたぞ! って甘噛みする。
 舐めて噛んで、体撫でられてぐるぐる鳴っちゃって、寝起きから楽しいよお。
 タツミはいっぱい遊んでくれるし、ご飯も美味しいし、気持ちいいし格好いいし大好き! 
 また四人で遊んで日が暮れたらご飯を食べる。


 夜、バニラの香りがするろうそくをベッドサイドに置いて、お布団の中で抱き合ってた。
 いっぱい体撫でてくれて顔中にキスしてくれて、見つめ合ったら好きって勝手に出ちゃう。

「ねえタツミ、ネネ幸せ」
「うん」
「タツミのおかげ」
「うん」
「タツミは幸せ?」
「もちろん」
「よかった」
「怖いくらい……幸せ」

 胸の中に閉じ込められて、当たり前だけど発情して求めあって、目が覚めれば朝だった。


 タツミはお仕事に行ってしまって、ピヨとお家のお掃除だ!
 鳩時計が二回なったらおやつにしようねって約束して、まずは上手になった掃き掃除!
 それが終われば雑巾掛け! 廊下を走ってふうって汗を拭って窓の外を見たら一瞬だけど、黒い影? みたいのが横切った。え? 何……? でも物音もしないし気のせいかな。
 また雑巾掛け頑張っていたら。









 コンコン……。









「?」



 私のいた場所はリビング、どこかで何かを叩く音。
 ピヨ達がまたどっかで遊んでるのかなって首傾げる。














 コンコン……。



「??」

 耳が動いて音を探る。
 そしたらまた。






 コンコンコン……。




 ノックする音、ノック? 
 誰が?



 音のする方に行ったら。












 コンコンコンコン…………。











 それは玄関を叩く音だった。
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