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こっちの世界
2.とりあえず受付した。
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もともとは立派だった朝陽支部は築35年、地上10階、地下2階建てのビルだ。
昔は、ここ一棟、全部を探索者協会が使っていたらしいが、今は5階から上は貸しテナントらしい。
栄枯盛衰ってぇヤツ?
毎週のように通っている協会ビルの入り口をぬけて、受付カウンターを見ると【受付待ち人数0】の発券機が光っていた。
うん、通常業務だなぁ、と思いながら発券ボタンを押して、受付№3の紙をカウンターに出した。
現在、11:32。
それまでに、ここの受付に来た客は2名ってことだ。
受付嬢は、ギルドらしく巨乳で美貌の優しいおねぇさん……なんて事はなく、いつもの顔色の悪いおっさんだった。
「柏木 椎様、Dランクですと、デバイスのリスト以外には、本日、こちらの素材となります」
おっさんが見せてくれたのは、通常買取品以外の素材リストだ。
今日はここのダンジョンだけ毒消草の買取が高くなっている。
俺の不審げな顔を見ておっさんが
「隣の”星の里ダンジョン”で暴走が起りまして、血清が足りないそうです」
暴走ってアレだ、ダンジョンから魔物が大量にあふれるスタンピードやダンジョンブレイクっての。
星の里なんてメルヘンな名前だが、通称、毒ダンジョン。
頭に毒の付く魔獣の百貨店みたいなダンジョンだ。
そこの暴走なら、出てくるのは毒持ちオンパレードだろう。怖すぎ。
俺みたいなペーペーD級が入ったら秒殺される地獄みたいな所だ。
多分。行ったことないけど。
「どこでだって毒消草は採れるでしょうに」
「いえ、うちのダンジョンの草は効用が高いんですよ」
そうなの?知らんかった。
ゴメンね、カッスカスダンジョンなんて思ってたわ。
そんな気持ちを表には出していない筈なのに、おっさんは悲し気に顔を俯かせて
「いいんです、どうせ死にダンジョン、略して4Dなんて言われてますから」
それも知らなかった。
「で、でも、ほら、カッコイイんじゃないかな?4Dって、四次元みたいで。あ、あの、とりあえず、ダンジョンに行ってきます」
「……はぁ、行ってらっしゃい。お気をつけて」
いつもの覇気のない声に見送られて地下1階の貸ロッカーで探索用の防刃ジャケット(働くオジサン系の店で購入)と厚手のパンツ(働くオジサン系の店で購入)、ラバー軍手(働く~以下略)ヘルメット(働く~以下略)に着替え、安全靴(働く~以下略)を履いて地下2階へ降りると、ダンジョンゲートがある。
俺がデバイスを認証機器に向けると、色とりどりの魔方陣が浮かび上がり、銀行とかの大金庫みたいな(イメージです)鉄の丸い扉が、ゆっくりと開いていく。
少し開くたびにプツッってカンジで魔方陣がひとつ、また一つと消えて光の粒になっていく。
この瞬間が格好よくって、ゾクゾクするんだ。
ちなみに、人気のあるダンジョンだとゲートの扉は開けっ放しで、ラッシュ時の駅の改札みたいだそうだが、ここしか知らない俺には見当もつかない。
ゴゥンと重たい音を部屋に反響させながら扉が全開になると、見えるのは黒い霧の壁だ。
俺は右手のバール(働く~以下略)を握りしめ、背中のリュック(しま〇らで購入)を確認し、ダンジョンの外には出てこない、不思議な霧の中に足を踏み入れる。
ダンジョンで活動していると、ラノベみたいに何かの技能や、魔法を使えるようになる人も居るらしいが、生憎と俺は、一年やってるけど、そんな便利なモノは出ていない。
まぁ、だから、このダンジョンで小銭を稼いでいるんだけどさ。
さぁ、カッスカスの4Dで、今日もお仕事だ!
ご安全にっ!
昔は、ここ一棟、全部を探索者協会が使っていたらしいが、今は5階から上は貸しテナントらしい。
栄枯盛衰ってぇヤツ?
毎週のように通っている協会ビルの入り口をぬけて、受付カウンターを見ると【受付待ち人数0】の発券機が光っていた。
うん、通常業務だなぁ、と思いながら発券ボタンを押して、受付№3の紙をカウンターに出した。
現在、11:32。
それまでに、ここの受付に来た客は2名ってことだ。
受付嬢は、ギルドらしく巨乳で美貌の優しいおねぇさん……なんて事はなく、いつもの顔色の悪いおっさんだった。
「柏木 椎様、Dランクですと、デバイスのリスト以外には、本日、こちらの素材となります」
おっさんが見せてくれたのは、通常買取品以外の素材リストだ。
今日はここのダンジョンだけ毒消草の買取が高くなっている。
俺の不審げな顔を見ておっさんが
「隣の”星の里ダンジョン”で暴走が起りまして、血清が足りないそうです」
暴走ってアレだ、ダンジョンから魔物が大量にあふれるスタンピードやダンジョンブレイクっての。
星の里なんてメルヘンな名前だが、通称、毒ダンジョン。
頭に毒の付く魔獣の百貨店みたいなダンジョンだ。
そこの暴走なら、出てくるのは毒持ちオンパレードだろう。怖すぎ。
俺みたいなペーペーD級が入ったら秒殺される地獄みたいな所だ。
多分。行ったことないけど。
「どこでだって毒消草は採れるでしょうに」
「いえ、うちのダンジョンの草は効用が高いんですよ」
そうなの?知らんかった。
ゴメンね、カッスカスダンジョンなんて思ってたわ。
そんな気持ちを表には出していない筈なのに、おっさんは悲し気に顔を俯かせて
「いいんです、どうせ死にダンジョン、略して4Dなんて言われてますから」
それも知らなかった。
「で、でも、ほら、カッコイイんじゃないかな?4Dって、四次元みたいで。あ、あの、とりあえず、ダンジョンに行ってきます」
「……はぁ、行ってらっしゃい。お気をつけて」
いつもの覇気のない声に見送られて地下1階の貸ロッカーで探索用の防刃ジャケット(働くオジサン系の店で購入)と厚手のパンツ(働くオジサン系の店で購入)、ラバー軍手(働く~以下略)ヘルメット(働く~以下略)に着替え、安全靴(働く~以下略)を履いて地下2階へ降りると、ダンジョンゲートがある。
俺がデバイスを認証機器に向けると、色とりどりの魔方陣が浮かび上がり、銀行とかの大金庫みたいな(イメージです)鉄の丸い扉が、ゆっくりと開いていく。
少し開くたびにプツッってカンジで魔方陣がひとつ、また一つと消えて光の粒になっていく。
この瞬間が格好よくって、ゾクゾクするんだ。
ちなみに、人気のあるダンジョンだとゲートの扉は開けっ放しで、ラッシュ時の駅の改札みたいだそうだが、ここしか知らない俺には見当もつかない。
ゴゥンと重たい音を部屋に反響させながら扉が全開になると、見えるのは黒い霧の壁だ。
俺は右手のバール(働く~以下略)を握りしめ、背中のリュック(しま〇らで購入)を確認し、ダンジョンの外には出てこない、不思議な霧の中に足を踏み入れる。
ダンジョンで活動していると、ラノベみたいに何かの技能や、魔法を使えるようになる人も居るらしいが、生憎と俺は、一年やってるけど、そんな便利なモノは出ていない。
まぁ、だから、このダンジョンで小銭を稼いでいるんだけどさ。
さぁ、カッスカスの4Dで、今日もお仕事だ!
ご安全にっ!
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