38 / 189
21、山田清白のナイスアシスト劇場
しおりを挟む
ぼくの親友ことのんちゃんは、今朝から何かと忙しい。
学校に来たらいきなり吉永先生に呼び出されるし、帰ってきたらボーっとしてるし。
移動教室中にいきなり朝比奈先輩のことが好きだって告白してくるし、昼休みにはその先輩が迎えに来るし。
なんていうか、感情の振り幅が凄い。
帰ってきたらどんな話をしてくれるんだろう、楽しみだなあ。
元々のんちゃんは美少女顔負けの可愛さだけど、朝比奈先輩を好きだって自覚した顔はほんとにもう、やばかった。
どっからどう見ても恋する乙女だった。
薔薇色の頬にうるうると潤んだ大きな瞳。
その瞳を縁取る長い睫毛は震えていて……可愛すぎて思わず溜息が漏れちゃったよ。
のんちゃんは男の子だからそんなこと言われても全然嬉しくないだろうけどね。
でも可愛いものは可愛いんです!
「なぁ山田っ、斉賀君ってさぁ」
そんな可愛いのんちゃんの恋は、うまくいくと思う。
ぼくの目には、最初から朝比奈先輩はのんちゃんのことがすごく気に入っているように見えたし。
だって既に『ノンタン』とか、こっちが恥ずかしくなる甘ったるいあだ名で呼んでるしさあ!(のんちゃんは嫌がらせと思ってそうだけど)
自分が周りに恐がられてることを知ってる上で、のんちゃんにベタベタしてるし。
それも食堂とかの目立つ場所でね。
あれは絶対に確信犯だよなぁ……。
「おい山田! 無視すんなよぉ!」
のんちゃんだって、朝比奈先輩の悪い噂を聞いた時点で普通は恐がって近づかないはずなのに、何故か懲りずに朝比奈先輩の方へ自分から行っていた。
そりゃー好きだからだろうって第三者は思うよ。
すごい否定してたけども。
「山田、聞いてんのか!? なぁって!」
何で急に自覚したのかなぁ。
吉永先生と何の話をしたのかもまだ聞いてないし……ああ~気になるッ!
そういえば、さっき朝比奈先輩も吉永先生を気にしてたなぁ……ヨッシーがどうとかなんとかって。
吉永先生が最初からのんちゃんに構い過ぎているのは、ぼくも思ってたけど。
ま、まさか吉永先生までのんちゃんことを狙っているとか……!?
「なあおいって山田! いい加減にこっち見ろよ、無視すんな! さっきのって例の恐いって噂の朝比奈先輩だよな。なんで斉賀君を連れて行ったんだよ!? お前斉賀君と仲いいから何か知ってるんだろ、教えてくれよっ」
のんちゃんが気にすると思って言わなかったけど、ぼくは一人ボッチで昼食を食べることなんてワケないのだ。
むしろ一人の方がいいまである。
けどこうやってのんちゃんのことが気になって仕方がないクラスメイト達がしつこく話しかけてくるから、ぼくは一人ランチすらままならない。
のんちゃんが一緒にいる時はみんなのんちゃんを意識して話しかけてこないけど、ぼくが一人になった途端しつこく話しかけてくるとか、ほんとに全員一列に並べて順番に顔面殴りたくなるなぁ。
いや、なんでもない。
「のんたんとか呼んでたよな?」
「まさかもう付き合ってるんじゃないよな……?」
「マジ!? でも朝比奈先輩ってめっちゃ手ェ早いって有名だよな。中学の頃から」
「じゃあもう斉賀君は処女じゃないってことかぁ!?」
「つーか男でも処女って言うのか?」
「そりゃそうだろ! あああ、斉賀君のケツは俺が狙ってたのに~!」
「うるっさ、下品、黙れ」
普段は見せない辛辣な顔と声でそう言ったら、クラスメイト達は急に押し黙った。
こいつらに説明する義理はないんだけど、これ以上ぼくの貴重な昼休み時間が邪魔されるのは耐えられないよぉ!
のんちゃんが執行部に入ったってことはまだ正式に発表されてないから、ぼくが勝手に広めるわけにもいかないし……。
ぼくの剣幕にビビってだいぶ大人しくなったクラスメイト達だったが、まだしつこく話しかけてくる猛者がいた。
「な、なぁ山田、オマエ斉賀君と一番仲良いじゃん? ホントのところはどうなんだよ」
「何が?」
「だからぁ、斉賀君は朝比奈先輩と付き合ってんのかってこと!」
うーん。どう答えるべきか……。
まだ付き合ってないけど、すぐ付き合うことになりそうだしなぁ。
だからって他人が勝手にペラペラ喋っていいもんじゃないよね。
けど、朝比奈先輩がのんちゃんを教室まで迎えにきたのは、きっと『そういう意図』に間違いないだろう。
ドアのそばに立っていた姿をぼくが見つけたとき、朝比奈先輩は確実にC組の男子全員を牽制していた。
『オマエら、俺のものに手ェ出すなよ?』
って。
ぼくは朝比奈先輩のこと、噂がある分少しだけコワイと思うけど、別に嫌いじゃない。
話したら普通に優しかったし、ぼくのこと変なあだ名付けて呼んでくれたし。(こけしっちて、見た目に100パーセント振り切ったあだ名だよなぁ)
何よりのんちゃんの好きな人だしね。
だから、ぼくは朝比奈先輩の思惑に協力しようと思いまーす!
「うん、付き合ってるみたいだよ? だから君たち、あまりウカツなこと言わないほーがいいよ。朝比奈先輩にキッツイお仕置きされたくないならね!」
ぼくが薄笑いを浮かべながらそう言った途端、教室のあちこちから絶叫みたいなうめき声みたいなのが響いて、廊下を歩いていた人たちが驚いていた。
これは一体どっちに対する反応だろうか。
学校に来たらいきなり吉永先生に呼び出されるし、帰ってきたらボーっとしてるし。
移動教室中にいきなり朝比奈先輩のことが好きだって告白してくるし、昼休みにはその先輩が迎えに来るし。
なんていうか、感情の振り幅が凄い。
帰ってきたらどんな話をしてくれるんだろう、楽しみだなあ。
元々のんちゃんは美少女顔負けの可愛さだけど、朝比奈先輩を好きだって自覚した顔はほんとにもう、やばかった。
どっからどう見ても恋する乙女だった。
薔薇色の頬にうるうると潤んだ大きな瞳。
その瞳を縁取る長い睫毛は震えていて……可愛すぎて思わず溜息が漏れちゃったよ。
のんちゃんは男の子だからそんなこと言われても全然嬉しくないだろうけどね。
でも可愛いものは可愛いんです!
「なぁ山田っ、斉賀君ってさぁ」
そんな可愛いのんちゃんの恋は、うまくいくと思う。
ぼくの目には、最初から朝比奈先輩はのんちゃんのことがすごく気に入っているように見えたし。
だって既に『ノンタン』とか、こっちが恥ずかしくなる甘ったるいあだ名で呼んでるしさあ!(のんちゃんは嫌がらせと思ってそうだけど)
自分が周りに恐がられてることを知ってる上で、のんちゃんにベタベタしてるし。
それも食堂とかの目立つ場所でね。
あれは絶対に確信犯だよなぁ……。
「おい山田! 無視すんなよぉ!」
のんちゃんだって、朝比奈先輩の悪い噂を聞いた時点で普通は恐がって近づかないはずなのに、何故か懲りずに朝比奈先輩の方へ自分から行っていた。
そりゃー好きだからだろうって第三者は思うよ。
すごい否定してたけども。
「山田、聞いてんのか!? なぁって!」
何で急に自覚したのかなぁ。
吉永先生と何の話をしたのかもまだ聞いてないし……ああ~気になるッ!
そういえば、さっき朝比奈先輩も吉永先生を気にしてたなぁ……ヨッシーがどうとかなんとかって。
吉永先生が最初からのんちゃんに構い過ぎているのは、ぼくも思ってたけど。
ま、まさか吉永先生までのんちゃんことを狙っているとか……!?
「なあおいって山田! いい加減にこっち見ろよ、無視すんな! さっきのって例の恐いって噂の朝比奈先輩だよな。なんで斉賀君を連れて行ったんだよ!? お前斉賀君と仲いいから何か知ってるんだろ、教えてくれよっ」
のんちゃんが気にすると思って言わなかったけど、ぼくは一人ボッチで昼食を食べることなんてワケないのだ。
むしろ一人の方がいいまである。
けどこうやってのんちゃんのことが気になって仕方がないクラスメイト達がしつこく話しかけてくるから、ぼくは一人ランチすらままならない。
のんちゃんが一緒にいる時はみんなのんちゃんを意識して話しかけてこないけど、ぼくが一人になった途端しつこく話しかけてくるとか、ほんとに全員一列に並べて順番に顔面殴りたくなるなぁ。
いや、なんでもない。
「のんたんとか呼んでたよな?」
「まさかもう付き合ってるんじゃないよな……?」
「マジ!? でも朝比奈先輩ってめっちゃ手ェ早いって有名だよな。中学の頃から」
「じゃあもう斉賀君は処女じゃないってことかぁ!?」
「つーか男でも処女って言うのか?」
「そりゃそうだろ! あああ、斉賀君のケツは俺が狙ってたのに~!」
「うるっさ、下品、黙れ」
普段は見せない辛辣な顔と声でそう言ったら、クラスメイト達は急に押し黙った。
こいつらに説明する義理はないんだけど、これ以上ぼくの貴重な昼休み時間が邪魔されるのは耐えられないよぉ!
のんちゃんが執行部に入ったってことはまだ正式に発表されてないから、ぼくが勝手に広めるわけにもいかないし……。
ぼくの剣幕にビビってだいぶ大人しくなったクラスメイト達だったが、まだしつこく話しかけてくる猛者がいた。
「な、なぁ山田、オマエ斉賀君と一番仲良いじゃん? ホントのところはどうなんだよ」
「何が?」
「だからぁ、斉賀君は朝比奈先輩と付き合ってんのかってこと!」
うーん。どう答えるべきか……。
まだ付き合ってないけど、すぐ付き合うことになりそうだしなぁ。
だからって他人が勝手にペラペラ喋っていいもんじゃないよね。
けど、朝比奈先輩がのんちゃんを教室まで迎えにきたのは、きっと『そういう意図』に間違いないだろう。
ドアのそばに立っていた姿をぼくが見つけたとき、朝比奈先輩は確実にC組の男子全員を牽制していた。
『オマエら、俺のものに手ェ出すなよ?』
って。
ぼくは朝比奈先輩のこと、噂がある分少しだけコワイと思うけど、別に嫌いじゃない。
話したら普通に優しかったし、ぼくのこと変なあだ名付けて呼んでくれたし。(こけしっちて、見た目に100パーセント振り切ったあだ名だよなぁ)
何よりのんちゃんの好きな人だしね。
だから、ぼくは朝比奈先輩の思惑に協力しようと思いまーす!
「うん、付き合ってるみたいだよ? だから君たち、あまりウカツなこと言わないほーがいいよ。朝比奈先輩にキッツイお仕置きされたくないならね!」
ぼくが薄笑いを浮かべながらそう言った途端、教室のあちこちから絶叫みたいなうめき声みたいなのが響いて、廊下を歩いていた人たちが驚いていた。
これは一体どっちに対する反応だろうか。
15
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。
天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!?
学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。
ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。
智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。
「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」
無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。
住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!
【完結】我が兄は生徒会長である!
tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。
名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。
そんな彼には「推し」がいる。
それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。
実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。
終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。
本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。
(番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)
ある日、人気俳優の弟になりました。
雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。
「俺の命は、君のものだよ」
初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……?
平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。
見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています
不器用に惹かれる
タッター
BL
月影暖季は人見知りだ。そのせいで高校に入って二年続けて友達作りに失敗した。
といってもまだ二年生になって一ヶ月しか経っていないが、悲観が止まらない。
それは一年まともに誰とも喋らなかったせいで人見知りが悪化したから。また、一年の時に起こったある出来事がダメ押しとなって見事にこじらせたから。
怖い。それでも友達が欲しい……。
どうするどうすると焦っていれば、なぜか苦手な男が声をかけてくるようになった。
文武両道にいつも微笑みを浮かべていて、物腰も声色も優しい見た目も爽やかイケメンな王子様みたいな男、夜宮。クラスは別だ。
一年生の頃、同じクラスだった時にはほとんど喋らず、あの日以降は一言も喋ったことがなかったのにどうして急に二年になってお昼を誘ってくるようになったのか。
それだけじゃない。月影君月影君と月影攻撃が止まない。
にこにことした笑顔になんとか愛想笑いを返し続けるも、どこか夜宮の様子がおかしいことに気づいていく。
そうして夜宮を知れば知るほどーー
【完結済】俺のモノだと言わない彼氏
竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?!
■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
弟がガチ勢すぎて愛が重い~魔王の座をささげられたんだけど、どうしたらいい?~
マツヲ。
BL
久しぶりに会った弟は、現魔王の長兄への謀反を企てた張本人だった。
王家を恨む弟の気持ちを知る主人公は死を覚悟するものの、なぜかその弟は王の座を捧げてきて……。
というヤンデレ弟×良識派の兄の話が読みたくて書いたものです。
この先はきっと弟にめっちゃ執着されて、おいしく食われるにちがいない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる