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「お……オレは朝比奈先輩を尊敬しています。そんなに悪く言わないでください、吉永先生は多分誤解してます。朝比奈先輩はそんなに悪い人じゃないです……」
「尊敬!? 斉賀、朝比奈は他校にいたらとっくに退学レベルの問題児だぞ!?」
「こ、ここは藤堂学院高校です……」
「屁理屈を言うんじゃない!」
吉永先生が一際大きな声を出して、のんちゃんの身体がビクッと揺れた。
それでも、のんちゃんはまだ言い返した。
「よ、吉永先生がどんなに止めようと、オレは執行部を辞退しません」
「斉賀!」
「たとえ危ない目に遭っても、みんなに嫌われてもいい、です。オレには朝比奈先輩がいるから、全然恐くなんかないです」
とっくに授業開始時間過ぎてるんですが。
クラスメイトと、騒ぎに気付いた他のクラスの生徒もめっちゃ見てるし。
ていうかのんちゃんが執行部に入ったの、今ので皆にバレたよ先生。
「斉賀……絶対に後悔するぞ」
「し、しません……ぜったいに」
「俺はお前のことが心配だから言ってるのに、お前って奴は!」
あーもう、どんな事情があるのかぜんぜんわかんないけど!
これ以上黙って聞いてらんないよ。
山田清白、動きまぁす!
「吉永先生っ、ぼくもいるから大丈夫ですよー!」
「山田?」
「実はさっきぼくも生徒会役員に推薦されたんです。せっかくだから引き受けようと思ってるんですよね」
「は!? 推薦って誰に……斉賀か?」
もう少し考える時間が欲しかったけど、もういいや。
今ぼくがやるべきことは、
「すず……」
今にも泣き出しそうな親友を助けることだ。
って、もう既に泣いてるじゃーん。
泣き顔もとびっきり可愛いなぁのんちゃん、まじ人類最強。
兄弟がいなくて両親と三人で暮らしていたというのんちゃんにとって、大の男の人に怒鳴られる機会はあまりなかったと思うから、今の状況はとても怖いだろう。
ぼくは農家の三男坊だから日常茶飯事だったけど。
足も小鹿のように震えてるし、立ってるのがやっとみたいな状態だ。
こんな子をさ、ふつう思い切り怒鳴るぅ?
可愛さ余って憎さ百倍ってやつかな?
急に吉永先生がめちゃくちゃムカついてきたんですけど。
「そんなの誰だっていいでしょ? どうして吉永先生が斉賀君をそこまで心配するのか分からないんですけど、ぼくがいるから斉賀君が皆に嫌われて孤立するってことはありえないですよ。朝比奈先輩が卒業しても、です」
心の中でべーっと舌を出した。
たとえ相手が教師だって、友達は護らなくちゃね。
「……六限目は自習にする」
そう言って吉永先生は授業をボイコットしてどこかへ行った。
クラスメイト達は皆ぽかーんとしている。
こんなんぼくら、めちゃくちゃ教室入りづらいじゃん。
よし、サボろう!
「のんちゃん、とりあえず保健室いこっか!」
ぼくはポケットからハンカチを出して、のんちゃんの目元を軽く押さえてあげた。
のんちゃんはハンカチを受けとると、自分で涙を拭いた。
「うん……あのさ、すず……」
「のんちゃん?」
のんちゃんはめそめそしてるのかと思いきや、涙を拭き終えると天使のように微笑んでこう言った。
「めちゃくちゃ格好良かった……」
「……!」
今までぼくは、普通に女の子が好きだって思っていたけど。
なんだか少しだけ、朝比奈先輩が羨ましくなってしまった。
思惑に協力なんてしなきゃよかったかも~!
なんちゃって。
「尊敬!? 斉賀、朝比奈は他校にいたらとっくに退学レベルの問題児だぞ!?」
「こ、ここは藤堂学院高校です……」
「屁理屈を言うんじゃない!」
吉永先生が一際大きな声を出して、のんちゃんの身体がビクッと揺れた。
それでも、のんちゃんはまだ言い返した。
「よ、吉永先生がどんなに止めようと、オレは執行部を辞退しません」
「斉賀!」
「たとえ危ない目に遭っても、みんなに嫌われてもいい、です。オレには朝比奈先輩がいるから、全然恐くなんかないです」
とっくに授業開始時間過ぎてるんですが。
クラスメイトと、騒ぎに気付いた他のクラスの生徒もめっちゃ見てるし。
ていうかのんちゃんが執行部に入ったの、今ので皆にバレたよ先生。
「斉賀……絶対に後悔するぞ」
「し、しません……ぜったいに」
「俺はお前のことが心配だから言ってるのに、お前って奴は!」
あーもう、どんな事情があるのかぜんぜんわかんないけど!
これ以上黙って聞いてらんないよ。
山田清白、動きまぁす!
「吉永先生っ、ぼくもいるから大丈夫ですよー!」
「山田?」
「実はさっきぼくも生徒会役員に推薦されたんです。せっかくだから引き受けようと思ってるんですよね」
「は!? 推薦って誰に……斉賀か?」
もう少し考える時間が欲しかったけど、もういいや。
今ぼくがやるべきことは、
「すず……」
今にも泣き出しそうな親友を助けることだ。
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兄弟がいなくて両親と三人で暮らしていたというのんちゃんにとって、大の男の人に怒鳴られる機会はあまりなかったと思うから、今の状況はとても怖いだろう。
ぼくは農家の三男坊だから日常茶飯事だったけど。
足も小鹿のように震えてるし、立ってるのがやっとみたいな状態だ。
こんな子をさ、ふつう思い切り怒鳴るぅ?
可愛さ余って憎さ百倍ってやつかな?
急に吉永先生がめちゃくちゃムカついてきたんですけど。
「そんなの誰だっていいでしょ? どうして吉永先生が斉賀君をそこまで心配するのか分からないんですけど、ぼくがいるから斉賀君が皆に嫌われて孤立するってことはありえないですよ。朝比奈先輩が卒業しても、です」
心の中でべーっと舌を出した。
たとえ相手が教師だって、友達は護らなくちゃね。
「……六限目は自習にする」
そう言って吉永先生は授業をボイコットしてどこかへ行った。
クラスメイト達は皆ぽかーんとしている。
こんなんぼくら、めちゃくちゃ教室入りづらいじゃん。
よし、サボろう!
「のんちゃん、とりあえず保健室いこっか!」
ぼくはポケットからハンカチを出して、のんちゃんの目元を軽く押さえてあげた。
のんちゃんはハンカチを受けとると、自分で涙を拭いた。
「うん……あのさ、すず……」
「のんちゃん?」
のんちゃんはめそめそしてるのかと思いきや、涙を拭き終えると天使のように微笑んでこう言った。
「めちゃくちゃ格好良かった……」
「……!」
今までぼくは、普通に女の子が好きだって思っていたけど。
なんだか少しだけ、朝比奈先輩が羨ましくなってしまった。
思惑に協力なんてしなきゃよかったかも~!
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