好きです、朝比奈先パイ。~元引きこもりの美少年、陽キャヤンキー先輩に溺愛される~

すずなりたま

文字の大きさ
68 / 256

42 新生徒会役員発表

 今日は、待ちに待った――できれば来てほしくなかった――新生徒会役員発表の校内放送日だ。
 すずとハルと合流して、緊張しながら放送室へ向かったら、先輩たちはすでに全員が揃っていた。
 朝比奈先輩はすごく眠たそうに大欠伸をしていて、頭も普段よりぼさぼさだ。
 いかにも寝起きって感じ。
 いつものぼさぼさ頭は、意外とセットされたものなのかもしれない。

「こ、こんにちは。お疲れさまです」
「こんにちは初めまして、山田清白です!」
「は、初めまして、東雲です……」

 すずとハルはまだ生徒会の人たちに会ったことがなくて、(すずと朝比奈先輩、橘先輩以外)今日が初対面だ。
 二人ともめちゃくちゃ緊張しているだろうから、オレがしっかりしなくちゃ……!!

「こんにちは、斉賀君。山田君と東雲君もよく来てくれたね」
「ところでオレ達、集合時間を間違えてましたか……?」

 少し早めに教室を出たのに、先輩たちが全員揃っていたから内心ビビりまくりだ。
 生徒会長の橘先輩におずおずと尋ねると。

「いや、僕たちのクラスの方が放送室が近いからね。それに一年生は緊張して足取りが重くなるものだろう?」
「ハ、ハイ。その通りです、すみません」
「謝ることはないよ、当たり前のことだからね」

 橘先輩はめちゃくちゃ美形なのにそれを鼻にかけないというか、とても気さくに接してくれる。
 けど、それを信者に見られたら一番厄介な人でもある。
 すると、つばめ先輩が杖をカツカツと着きながらオレの方へ歩いてきた。

「希、先週は大変だったね。怖かっただろう?」
「え? ……あっ、大丈夫です! 未遂でしたし、朝比奈先輩が助けてくれたので事なきを得ましたし」

 つばめ先輩の綺麗な顔が間近にあってドキッとした。
 相変わらず綺麗なおねえさん(のよう)で、すずもハルもぽーっと見惚れている。
 それに、名前で呼んでくれるなんて嬉しい。
 オレもつばめ先輩と呼ぶようになったが、それはひばり先輩もいるからだ。
 それにしても、何故つばめ先輩があのことを知っているんだろう?
 オレの疑問が顔に出ていたのか、朝比奈先輩が応えてくれた。

「校内で起きた事件はどんな小さなことでも生徒会役員全員に通達するって義務があるんだよ。それは俺たちの身に起きたことであろうと同じで。だから勝手に話しちまった、ごめんなノンタン」
「そ、そうだったんですね……。他の先輩たちも心配してくださってありがとうございます」
「本当に無理してない? カウンセリングとか受けなくて平気?」
「だ、だいじょぶです」

 オレにはすずという専属カウンセラー親友がいるし。(本人自覚ないけど)
 つばめ先輩、めちゃくちゃ心配してくれるのは嬉しいけど、橘先輩が少し悔しそうな、恨みがましいような目でこっちを見てくるのがちょっとだけ怖い。

「何かあったら真っ先に僕に相談しなよ。柊馬バカに言ってもほとんど解決しないと思うし」
「おいつばめ、今俺の名前にバカって被せなかったか?」
「へえ、自覚があったのか? 馬鹿の」
「んぎっ……ノンターン、つばめがいじめるぅぅ!!」
「キモい」

 すずとハルをちらっと見たら、朝比奈先輩のカッコ悪さとつばめ先輩の変貌ぶりに蒼くなっている。
 分かるよ、その気持ち。

「コホン……じゃあとりあえず初顔合わせということで、山田君と東雲君の二人から自己紹介をしてもらおうかな。放送の練習も兼ねてね。じゃあ山田君からどうぞ」

 すずは緊張した面持ちで、でもハキハキと先輩達に自己紹介をした。

「1年C組の山田清白です。中学のときは卓球部でした。生徒会役員はやったことがないので色々と不慣れですが、精一杯がんばりますのでよろしくお願いします!」

  すずって中学では卓球部だったのか。同じくらいの距離を走っても、オレと違ってそんなに息切れし無いことに納得がいった。
感想 0

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

甘々彼氏

すずかけあおい
BL
15歳の年の差のせいか、敦朗さんは俺をやたら甘やかす。 攻めに甘やかされる受けの話です。 〔攻め〕敦朗(あつろう)34歳・社会人 〔受け〕多希(たき)19歳・大学一年

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

水泳部合宿

RIKUTO
BL
とある田舎の高校にかよう目立たない男子高校生は、快活な水泳部員に半ば強引に合宿に参加する。

どうせ全部、知ってるくせに。

楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】 親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。 飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。 ※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?