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オレ達は二人とも順調にぬいぐるみをゲットしていった。
数回落としたけど、トーマ先輩のほうも「あっ!」とか「ちくしょ!」とか声が聞こえてくるので、同じような感じだろう。
今日一番の集中力を発揮してぬいぐるみを釣り上げていると、なんだか背後がザワザワし始めた。
「あのカップル、すっげーUFOキャッチャーうめぇんだけど」
「マジですげえ……今何個めだ? 」
「つうか何であんな無心に取ってんだ……?」
「集中してる彼女が可愛すぎる」
うう、外野がうるさくて集中できない……あ、また落とした!
結局、全部で6個しか取れなかった。
一応パーフェクトを目指していたのに……。
「トーマ先輩、いくつ取れました?」
「5個のポケモ〇をゲットしてきたぜ」
「え!? やったぁ! トーマ先輩に勝ったぁ!」
嬉しくて、つい大袈裟に喜んでしまった。
はっ、目立つ行動は控えないと……。
「そういや勝負なのに、罰ゲームとか考えてなかったなァ」
トーマ先輩、負けた側なのに今更罰ゲームの提案するとか何で?
「よし、じゃあ負けた方が晩飯を奢るってのはどうだ?」
「へ?」
思わず鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしたオレに、トーマ先輩は八重歯を見せてニッと笑った。
もしかしてオレがずっとお金のこと気にしてたの、実は気付いてた?
「し、真剣勝負、でしたよね?」
「もちろん」
手を抜かれていたなら、そんな罰ゲームは却下したけど……。
「じゃあ、罰ゲームは……それでいいです」
「おう! ――あ、ノンタン次はコレやろーぜ! 俺がめっちゃ得意なやつ」
トーマ先輩は某車漫画のカ―レースのゲーム台を見つけるなり、素早く乗り込んだ。
オレはそのゲームはそこまで得意でもなかったけど、既にトーマ先輩が乗っているので断ることはできず、隣の台に乗り込んだ。
「次の罰ゲームは、負けた方が勝った方にキスな!」
「えっ!?」
それって、どっちが勝っても恥ずかしいやつでは……!?
オレが反論する間もなく、トーマ先輩は二つの台に素早く小銭を投入し、既に乗るクルマの選択画面に入っている。
「俺、FDにする! 国産はこのクルマが欲しいんだよなァ、めっちゃかっこいーぜ」
「じゃ、じゃあオレはハチロクで……」
「おっ、王道だな!」
トーマ先輩はコースも勝手に上級者向けを選んでいく。
マジで勝ちに行くつもりだこの人。
そもそもオレ、上級者コースやったことないんだけど。
《READY GO!!》
ちょっ、トーマ先輩スタートダッシュ速っ!!
ぎゃあああっ!! クラッシュしかけた! 危なかった……!!
何故かまたしても背後にギャラリーが集まってきて、今度はトーマ先輩の方にかなり注目が集まっていた。
「すげえ、この人のドラテクマジかっけー、鮮やか~」
「彼女もよく上級コースに付いてきてるな」
「必死な顔が可愛い……」
トーマ先輩はまだ車の免許が取れる年齢じゃないのに、何故そんなに華麗なハンドルさばきが出来るんだ。
オレはトーマ先輩の黄色いFDを見失わないように精いっぱいで、もはや勝負という次元ですらなかった。
でもこれで負けたら、この人たちの前でキス……? 恥ずか死ぬ!!
焦ったオレはアクセルを全開で踏み込み、コーナーでもブレーキを掛けずに無謀に突っ込んだ。
無茶した結果――壁にド派手にクラッシュし、ゲームは終わった。
ああ、オレのハチロクがぁ……。
「すっげぇ捨て身のクラッシュ。ノンタンの負け~」
隣を見たら、トーマ先輩が思いっきりニヤついた顔でオレを見ていた。
数回落としたけど、トーマ先輩のほうも「あっ!」とか「ちくしょ!」とか声が聞こえてくるので、同じような感じだろう。
今日一番の集中力を発揮してぬいぐるみを釣り上げていると、なんだか背後がザワザワし始めた。
「あのカップル、すっげーUFOキャッチャーうめぇんだけど」
「マジですげえ……今何個めだ? 」
「つうか何であんな無心に取ってんだ……?」
「集中してる彼女が可愛すぎる」
うう、外野がうるさくて集中できない……あ、また落とした!
結局、全部で6個しか取れなかった。
一応パーフェクトを目指していたのに……。
「トーマ先輩、いくつ取れました?」
「5個のポケモ〇をゲットしてきたぜ」
「え!? やったぁ! トーマ先輩に勝ったぁ!」
嬉しくて、つい大袈裟に喜んでしまった。
はっ、目立つ行動は控えないと……。
「そういや勝負なのに、罰ゲームとか考えてなかったなァ」
トーマ先輩、負けた側なのに今更罰ゲームの提案するとか何で?
「よし、じゃあ負けた方が晩飯を奢るってのはどうだ?」
「へ?」
思わず鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしたオレに、トーマ先輩は八重歯を見せてニッと笑った。
もしかしてオレがずっとお金のこと気にしてたの、実は気付いてた?
「し、真剣勝負、でしたよね?」
「もちろん」
手を抜かれていたなら、そんな罰ゲームは却下したけど……。
「じゃあ、罰ゲームは……それでいいです」
「おう! ――あ、ノンタン次はコレやろーぜ! 俺がめっちゃ得意なやつ」
トーマ先輩は某車漫画のカ―レースのゲーム台を見つけるなり、素早く乗り込んだ。
オレはそのゲームはそこまで得意でもなかったけど、既にトーマ先輩が乗っているので断ることはできず、隣の台に乗り込んだ。
「次の罰ゲームは、負けた方が勝った方にキスな!」
「えっ!?」
それって、どっちが勝っても恥ずかしいやつでは……!?
オレが反論する間もなく、トーマ先輩は二つの台に素早く小銭を投入し、既に乗るクルマの選択画面に入っている。
「俺、FDにする! 国産はこのクルマが欲しいんだよなァ、めっちゃかっこいーぜ」
「じゃ、じゃあオレはハチロクで……」
「おっ、王道だな!」
トーマ先輩はコースも勝手に上級者向けを選んでいく。
マジで勝ちに行くつもりだこの人。
そもそもオレ、上級者コースやったことないんだけど。
《READY GO!!》
ちょっ、トーマ先輩スタートダッシュ速っ!!
ぎゃあああっ!! クラッシュしかけた! 危なかった……!!
何故かまたしても背後にギャラリーが集まってきて、今度はトーマ先輩の方にかなり注目が集まっていた。
「すげえ、この人のドラテクマジかっけー、鮮やか~」
「彼女もよく上級コースに付いてきてるな」
「必死な顔が可愛い……」
トーマ先輩はまだ車の免許が取れる年齢じゃないのに、何故そんなに華麗なハンドルさばきが出来るんだ。
オレはトーマ先輩の黄色いFDを見失わないように精いっぱいで、もはや勝負という次元ですらなかった。
でもこれで負けたら、この人たちの前でキス……? 恥ずか死ぬ!!
焦ったオレはアクセルを全開で踏み込み、コーナーでもブレーキを掛けずに無謀に突っ込んだ。
無茶した結果――壁にド派手にクラッシュし、ゲームは終わった。
ああ、オレのハチロクがぁ……。
「すっげぇ捨て身のクラッシュ。ノンタンの負け~」
隣を見たら、トーマ先輩が思いっきりニヤついた顔でオレを見ていた。
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