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127 合コン開始
「ええっ!? 二宮さん来てないのぉー!?」
集合時間に指定の場所に集まり、堂島が二宮不在を報告すると、山本はキンキン声で堂島を非難するかのように言った。
「来てないとは言ってませんて、ちょっと遅れるっつったんです」
「遅れるってどれくらい!?」
「んーと……約2時間後ってとこじゃないっすか?」
「うそぉーそんなに!? ていうか居残りだったら堂島くんが代わりに残れば良かったじゃない!」
「俺も一応立候補しましたよ。けど、二宮先輩がいいって言ったから……」
「はあ~……」
山本はとても分かりやすくガックリと項垂れた。
この会話だけで、山本が今日は二宮狙いであるということは全員が知るところとなった。
またしばらく院内で噂になることだろう。
「まーまー山本主任いいじゃないですか、旦那さんにするのは遊びよりも仕事を取るようなヒトの方がいいに決まってますよ!」
「む、それもそうね……」
部下のナースのその一言で、山本は簡単に立ち直った。実に単純である。
もっとも堂島としては、今のはとても不快な台詞だったのだが……どうやら山本は今回二宮にかなり本気でアタックするつもりらしい。
ふう、と一息ついて仕切り直す。
「とりあえず、先に飲んどきましょーよ。二宮先輩と一緒に残ってんのは榛名主任だし、もしかしたら仕事終わったら二宮先輩と一緒にここ来るかもっスよ?」
「ええっ榛名くんも来るの!? キャー!」
(来るわけねーだろ、ばーか)
キャーの意味が良く分からないのだが――榛名は直接話さない限り、女性に好意を持って貰えるようなタイプではない――その一言でますます山本はテンションが上がったらしい。
榛名もまだ独身なので、山本にとっては二宮に次ぐ2番手、と言ったところだろうか。
山本は他の参加者たちを引き連れて居酒屋の中へと入っていく。
堂島も、ノロノロとその後に付いて行った。
堂島が他に声を掛けたメンバーは、同じコメディカルの理学療法士1名と、レントゲン技師の2名だ。
山本同様に皆合コンが好きなタイプなので、誘うとほいほいOKしてきた。
もっとも彼らは彼女を探しに来たというよりは、外科の若いナースと飲みたいだけらしいが。
とりあえず堂島は一応山本に気を遣うという体で、自分よりも歳上の面子ばかりを選んだ。
(二宮先輩よりも気が合いそうな奴ら、いっぱいいんのになぁ……)
ビールを飲みながら、ぐるりと周りを見渡す。
ナース側は、山本以外は皆20代のようだ。皆それぞれ病院ネタをきゃいきゃい話している。
こういう時に一番盛り上がるのは、良くも悪くもやはり医者の話題だった。
「ねー堂島くん、透析室のイケメン先生はいつまで助っ人してくれるの?」
「来年までいるなら、あたし4月から透析室に移動したいなー!」
「あーあたしも! ていうかぁ、外科医なら別にこっちの助っ人してもらっても良くない? なんで透析室なのー?」
「もう藤野先生と交換でいいよねぇ!」
「あ~それ最高~~!!」
「ははは……絶対にごめんですぅ……」
つい有坂の口調で言ってしまった。
どうやら透析室で嫌われている外科医の藤野は、外科病棟でも嫌われているらしい。
堂島としては別に霧咲でも藤野でもあまり変わりはないのだが――件の藤野医師は40代後半、既に頭が薄くて性格がきつくて有名だ――シャントオペは絶対に霧咲の方が上手なので、藤野はお断りだ。
それはひいては患者のため、そして仕事をする自分たちのためである。
「霧咲先生がいつまで助っ人なのかは知らないっスけど、まあ榛名主任がいる限りはウチに来るんじゃないっすか?」
「え~なんで? 仲良しなの?」
「うん、すっげぇお気に入りだから」
「何それあやし~~! キャ~~!!」
女性がホモネタで盛り上がれるのは、透析室も外科病棟も変わんねぇな、と思う堂島だった。
「霧咲先生は一度も合コン呼べなかったんですよね? 山本主任」
「ええ、恋人がいるからダメだって榛名くん経由で断られちゃったわよ」
「……それ、恋人が榛名主任ってオチじゃないですか?」
「ええっ!? まさか!!」
(うわ、やっべ!)
この話の流れは非常にヤバい。
集合時間に指定の場所に集まり、堂島が二宮不在を報告すると、山本はキンキン声で堂島を非難するかのように言った。
「来てないとは言ってませんて、ちょっと遅れるっつったんです」
「遅れるってどれくらい!?」
「んーと……約2時間後ってとこじゃないっすか?」
「うそぉーそんなに!? ていうか居残りだったら堂島くんが代わりに残れば良かったじゃない!」
「俺も一応立候補しましたよ。けど、二宮先輩がいいって言ったから……」
「はあ~……」
山本はとても分かりやすくガックリと項垂れた。
この会話だけで、山本が今日は二宮狙いであるということは全員が知るところとなった。
またしばらく院内で噂になることだろう。
「まーまー山本主任いいじゃないですか、旦那さんにするのは遊びよりも仕事を取るようなヒトの方がいいに決まってますよ!」
「む、それもそうね……」
部下のナースのその一言で、山本は簡単に立ち直った。実に単純である。
もっとも堂島としては、今のはとても不快な台詞だったのだが……どうやら山本は今回二宮にかなり本気でアタックするつもりらしい。
ふう、と一息ついて仕切り直す。
「とりあえず、先に飲んどきましょーよ。二宮先輩と一緒に残ってんのは榛名主任だし、もしかしたら仕事終わったら二宮先輩と一緒にここ来るかもっスよ?」
「ええっ榛名くんも来るの!? キャー!」
(来るわけねーだろ、ばーか)
キャーの意味が良く分からないのだが――榛名は直接話さない限り、女性に好意を持って貰えるようなタイプではない――その一言でますます山本はテンションが上がったらしい。
榛名もまだ独身なので、山本にとっては二宮に次ぐ2番手、と言ったところだろうか。
山本は他の参加者たちを引き連れて居酒屋の中へと入っていく。
堂島も、ノロノロとその後に付いて行った。
堂島が他に声を掛けたメンバーは、同じコメディカルの理学療法士1名と、レントゲン技師の2名だ。
山本同様に皆合コンが好きなタイプなので、誘うとほいほいOKしてきた。
もっとも彼らは彼女を探しに来たというよりは、外科の若いナースと飲みたいだけらしいが。
とりあえず堂島は一応山本に気を遣うという体で、自分よりも歳上の面子ばかりを選んだ。
(二宮先輩よりも気が合いそうな奴ら、いっぱいいんのになぁ……)
ビールを飲みながら、ぐるりと周りを見渡す。
ナース側は、山本以外は皆20代のようだ。皆それぞれ病院ネタをきゃいきゃい話している。
こういう時に一番盛り上がるのは、良くも悪くもやはり医者の話題だった。
「ねー堂島くん、透析室のイケメン先生はいつまで助っ人してくれるの?」
「来年までいるなら、あたし4月から透析室に移動したいなー!」
「あーあたしも! ていうかぁ、外科医なら別にこっちの助っ人してもらっても良くない? なんで透析室なのー?」
「もう藤野先生と交換でいいよねぇ!」
「あ~それ最高~~!!」
「ははは……絶対にごめんですぅ……」
つい有坂の口調で言ってしまった。
どうやら透析室で嫌われている外科医の藤野は、外科病棟でも嫌われているらしい。
堂島としては別に霧咲でも藤野でもあまり変わりはないのだが――件の藤野医師は40代後半、既に頭が薄くて性格がきつくて有名だ――シャントオペは絶対に霧咲の方が上手なので、藤野はお断りだ。
それはひいては患者のため、そして仕事をする自分たちのためである。
「霧咲先生がいつまで助っ人なのかは知らないっスけど、まあ榛名主任がいる限りはウチに来るんじゃないっすか?」
「え~なんで? 仲良しなの?」
「うん、すっげぇお気に入りだから」
「何それあやし~~! キャ~~!!」
女性がホモネタで盛り上がれるのは、透析室も外科病棟も変わんねぇな、と思う堂島だった。
「霧咲先生は一度も合コン呼べなかったんですよね? 山本主任」
「ええ、恋人がいるからダメだって榛名くん経由で断られちゃったわよ」
「……それ、恋人が榛名主任ってオチじゃないですか?」
「ええっ!? まさか!!」
(うわ、やっべ!)
この話の流れは非常にヤバい。
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