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156 積極的な榛名*
結果として、そのラブホテルはまだ営業していた。
駅から少し離れた場所で人通りは少なく、中に入るのが少しためらわれる古い外装だったが、榛名たちはそのホテルに入った。
顔が見えない仕様のカウンターの中にいた受付係は、男同士ということを特に咎めることもなく、あっさりと入室することができた。
内装はラブホテルらしくチープな雰囲気だが――薄ピンクの壁紙や、テカテカしている二人掛けのソファーなど――外から見るよりもずっとましな造りだったので、榛名は安堵した。
先に霧咲が部屋の面積の大半を占めているダブルサイズのベッドに腰掛けて、榛名もその横に座った。
普通に座っただけなのに、ぎし、と年季の入った音がする。
「きみとラブホテルに入るのは、これで二度目だね」
「……そう、ですね」
一度目は、霧咲と出逢った夜だった。
榛名はひどく酔っぱらって、誘われるままに着いていったのだ。
少しとまどいながらも、このひとに抱かれたいと思って――。
あの運命の日から、自分達の関係は始まった。
「二回目がきみからのお誘いで、まさかきみの地元のラブホテルなんてね」
「俺から誘うのはナシですか?」
「まさか。すごく嬉しいよ、嬉しくないわけがないだろう……」
霧咲はそう言いながらゆっくりと榛名をベッドに押し倒し、まだ何か言いたげだった可憐な唇を奪った。
それはちゅっ、ちゅっ、と軽く合わせるだけのものから、唇を舐めて、噛んで、互いに舌を絡ませ合う濃厚なものに変わっていく。
キスの合間に、霧咲が問いかけた。
「でも、どうして? きみも今日は色々あって疲れているだろうし、明日も観光予定があって忙しいのに……これはきみとのセックスが嫌なわけじゃなくて、単なる疑問だよ」
互いの服を脱がせあい裸になりながら、榛名がうーん……と目を泳がせながら答えた。
「誠人さんが昔の俺のことばっかり気にするから、ちょっとくやしくて……?」
「なんだいその可愛い理由は。疑問形だし」
「っていうか、理由なんて特にないですよ! 貴方に抱かれたかった、急にシたくなったから――それじゃ、ダメですか?」
「ダメじゃない」
「あッ……」
霧咲の長い指が、榛名の胸の突起をきゅっと摘まんだ。
突然の刺激に、榛名の身体がビクッと震えて反応する。
もうそんな刺激には慣れているはずなのに、いつもと違う場所のせいもあるのか、なんだかひどくドキドキする。
霧咲は両手で二つの突起をぐにぐにと形を変えて強めに弄りながら、楽しそうに言った。
「いつも年甲斐もなく俺ばかりががっついているように感じるから、こんなふうにきみに求められるのはすごく嬉しいし、安心するよ」
「そ、ですか……? あっ、そこ……ン……」
こんなに霧咲が喜んでくれるなら、また自分から誘ってみようと榛名は思った。
もっとも、霧咲がシたいと思ってるときは自分もシたいので断ったことは一度もないし、今日は疲れてるなと感じたときは互いに察しておとなしく寝床に入る。
そういう感じなので、今まで意図的に自分から誘わなかったわけではないのだけども……。
「乳首、きもちいい?」
「き、もちいいです……あの、舐めてください」
「ふふ、きみがしてほしいことはなんだってシてあげる」
「あぁ……!」
霧咲は尖らせた舌先でツンツンと刺激したあと、べろりと全体を舐め、口に含んでちゅぱちゅぱと吸い付いた。
榛名は目を閉じて全身で霧咲の愛撫を感じとり、やや控えめな官能の声をあげた。
「今は亜衣乃はいないから、もっと大きな声を出しても大丈夫だよ」
「あっ、そんな……あ、ああっ!」
霧咲の言葉に、榛名は素直に声を出した。
「きみの声はいいよね、高くもなく低くもない綺麗なアルトで……ずっと聞いていたいよ、できれば死ぬ瞬間まで」
「はあっ、あん、あ、あぁ……っ」
死ぬなんて言わないで。
そう言いたかったが、霧咲の手が既に勃起している自身を握り込んだため言えなかった。
もう透明な先走りが溢れてきており、霧咲はもっと排出を促すべく先端を指でクリクリと擦った。
期待を裏切らない刺激に、榛名は腰をくねらせながら喘ぐ。
「あんっ、ああぁっ、まことさ、俺も……! 俺も、シたい!」
「ん?」
「俺も貴方のコレ、舐めたい……」
榛名は霧咲の怒張を両手で握り軽く擦りながら、涙目で訴えた。
霧咲がたまらない、というふうに目を細めて喉仏を上下させる。
「ほんとに今夜のきみは積極的なんだね……地元に帰ってきてるからかな?」
「そ、なのわかりませ……っ」
「でも俺もきみのを可愛がりたいから、シックスナインしてみようか」
「は……はい……」
榛名は霧咲に誘導されるまま、霧咲の下半身に顔を寄せるかたちで上に乗り、霧咲が舐めやすいように腰を落として控えめに足を開いた。
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