運命のひと~生真面目な看護師は意地悪イケメン医師に溺愛される~

すずなりたま

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「くッくくく、君のお母さん、迫力がすごいね」
「だから聞かないでって言ったのに!」

 霧咲の笑う声を聞きながら、榛名はげんなりとした。
 霧咲は榛名の横に座ると、だらけた姿勢の榛名をよいしょ、と引っ張り上げて横から優しく抱きしめた。
 よしよし、と頭を撫でてくれるオプション付きだ。

「聞かれたくなかったのはお母さんのセリフ? それとも君の可愛らしい方言?」
「どっちも……」

 そう言って、榛名は顔を赤らめて口を尖らせた。

「どうして? 本当にすごく可愛かったよ。九州出身だってことは最初会った時から気付いてたけど……うん、新鮮だなぁ。お母さんも怒ってたけど、方言だからかなんか可愛かったな」

 霧咲はそう言って榛名の額にチュ、と軽く口づけたが、榛名は焦ったような顔を霧咲に向けた。

「最初から気付いてたって本当ですか? 俺、普段から方言出てました?」
「いや、そんなダイレクトには出てないけど……イントネーションが少し関東とは違うかなってところがちらほら。多分リュートさんも気付いてると思うけど」
「まじですか……恥ずかしい」

 榛名は思わず霧咲の胸で顔を隠した。
 恥ずかしがっているのに行動が可愛すぎて、霧咲はつい(わざとか?)と勘繰ってしまう。
 勿論、榛名が素でやっているのは分かっているのだけど。

「今の職場の人には気付かれたことないのに……患者さんにも」
「隠したいの?」
「隠したいっていうか、ダサいでしょう? 女の子なら可愛いですけど」
「君のキャラなら可愛いと思うけどな」
「恐ろしいことを真顔で言わないでください」

 霧咲は冗談でもなんでもなかったのだが、榛名には通じなかったらしい。
 おそらく東京で方言を喋った時に嫌な思いをしたことがあるのだろう、と思って深くは聞かなかった。

「でもお母さんには今でもお国言葉で喋るんだね」
「……母親に東京弁で喋るのって、そっちの方が恥ずかしいから」
「そっちじゃ東京弁っていうの? 標準語のこと」

 単に恥ずかしいだけなのだとしても、母親に合わせてあげている榛名のことを優しいな、と霧咲は思った。
 同時に、いつもあんなふうに母親に『結婚しろ』とせっつかれているにも関わらず、気持ちを誤魔化さすに自分のことを好きだと言ってくれた榛名に対して、どうしようもない愛しさがこみ上げてくる。

「……霧咲さん」
「ん?」
「忙しいんじゃなかったんですか? 今日、帰るって言ってたような」

 母親には説明するのが面倒で『泊まる』と言ったものの、実際霧咲は仕事があるから帰らないといけない、と最初に榛名に宣言していた。
 けれど霧咲は榛名を抱きしめたまま帰る気配はない。
 それどころか、もう一度榛名の身体をまさぐり始めたのだ。
 榛名の顔に軽いキスを繰り返しながら霧咲は囁く。

「君が可愛くてたまらないから、もう一回シたくなってきた」
「ちょっと……明日仕事なんでしょ? 歳を考えた方がいいですよ」
「可愛くないこと言うなぁ、本当は嬉しいくせに」
「……っ」

 お互いまだ全裸だ。そんな状態で抱きしめられ、『可愛い』と言われながら肌をゆっくりと撫でられる。
 好きな人からそんなことをされて、興奮しない方が無理というものだ。

「君だってもう勃ってるよ。ほら、エッチな汁も出てきた」
「あっ……! だって、霧咲さんがそんな風に触るからっ」

 自身を握り込まれて、ぐちゅぐちゅと上下に動かされる。
 鈴口もネチョネチョと親指で抉るように触れられて興奮が抑えられない。

「俺に触られると気持ちいいの?」
「……っ……いいです……」

 今しがた母親と電話をしたばかりだというのに、罪悪感など全く感じない。  
 感じていたら、霧咲と一緒になんかいない。
 一緒にいるのは、ただ欲しいから。
 霧咲がもっともっと欲しいからだ。

「たまには俺にもお国言葉で喋ってよ、暁哉。さっきの君は本当に可愛かったよ」
「わ……笑ってたくせに! あっ、ぅンッ、それに……っおんなじように喋ってくれないと、むり、だしっ!」
「そうなの? それは教えて貰わないと無理だな……」
「あっ、あ……ベッド、行きたいっ……!」
「ダメ、ここでシよう?」

 先ほどまで挿れられていたので、慣らさなくてもすぐに入りそうだった。
 それでも霧咲は榛名の後孔に指を二本入れて、グチュグチュと卑猥な水音を立てながら掻き混ぜた。
 その音の正体は、先ほど霧咲が榛名の中に出した精液で、ツーッと外に流れてきた。
 大腿の後ろにヒヤッと冷たい感覚がして、榛名は思わず足を開いた。

「あ、やぁっ、流れてきてるっ」
「何が流れてるの?」
「霧咲さん、の……」
「俺にも見せて」

 霧咲は榛名をグイッとソファーに押し倒し、片足を高く上げさせた。
 明るい照明の下でものすごい格好をさせられて、榛名は恥ずかしさで思わず手で顔を隠した。
 本当は下半身を隠してしまいたかったが、抵抗はするだけ無駄だと分かっている。
 それに恥ずかしいけれど、榛名は見て欲しかった。
 霧咲に触られて、こんな風になってしまった自分を。
 浅ましい自分のカラダを、隅々まで。

「暁哉、自分からそんなに足を広げるなんて……いやらしすぎるよ」
「あっ、あん……見て、もっと……俺のやらしいとこ……っ」

 榛名は、顔を覆った指の間から霧咲を盗み見る。
 そこには、これ以上無いというくらい興奮してギラついた目で自分を見る霧咲がいた。
 それと、猛りに猛った霧咲自身も。

「本当に君は、最高だね……」

 榛名のナカから先ほど出した精液が全部流れ出たのを確認すると、霧咲は指を抜いた。
 そして指の代わりに、我慢出来ずにはち切れそうな自分自身をソコにあてがう。

「ァあッ! は……入って、きたぁ……っ」

 挿れるよ、とは一言も言わず、やや乱暴に霧咲は榛名のナカに突っ込んだ。
 そして根本までぎっちり挿れると、両手で榛名の腰を掴むように持ち上げて、狭いソファの上で強く腰を振りだした。

「あッあッあッ……! あーっ! ココ、狭くてやだぁっ……!」
「たまには、っ、いいだろ? ベッドの方が激しく乱れる君を見て楽しめるけど、狭い場所で悶える君も興奮するな……!」
「やぁっ! あんっ、ソコッそこぉ!」

 前立腺をかすめたのか、榛名が一際高い声で啼いた。
 本日2回目のセックスが気持ち良すぎるのか、さっきよりも大胆で素直だ。

「ここ?」
「あああッ! 当たってるっ、そこ、そこいい……っ! もっとしてっ! 突いてぇ……ッ!」

 今度は余計なことも考えていないようだ。
 母親との電話で、何か少し吹っ切れたのだろうか。
 それとも、単に忘れてしまっただけか。どちらでもいい。
 とにかく今は、榛名の喉が枯れるくらいに喘がせて、愛されてるのだと安心させてやりたい。
 何も悩む必要など無いということを、少しでも示してやりたい。

「あ、あっ、も、ダメ、イクっ!!」
「ん、俺も……っ出すよ、暁哉……!」

 イく瞬間にぐっと榛名を抱き寄せて、激しく口づけした。
 少しでも気持ちが伝わればいいと、霧咲は思った。
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