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〃
「どういう関係って……その、友人の子っていうか……」
亜衣乃はまだ霧咲の養子にはなっていない。
勿論、榛名自身もまだだ。
二人が養子縁組をすれば、亜衣乃と榛名は霧咲の子供ということで兄妹という関係になるが、今はまだ赤の他人だった。
いくら榛名が亜衣乃を可愛がっていても。
いくら亜衣乃が榛名に懐いていても――だ。
(まさか、誘拐犯と思われているなんてショックだ……)
「友人の子? じゃあ、その友人は今どこにいるんですか?」
「子っていうか、姪なんですけど……その、友人は今病院に行ってます、急病人の付き添いで……あ、友人は医者なので、それで同乗を頼まれまして……」
榛名は職務質問などという初めての経験で、受け答えがしどろもどろになってしまう。
病院で、看護師として質問されているならば、こういう風には絶対にならないのに。
今はただ亜衣乃との関係をどう証明しようか、それだけを考えてテンパっていた。
当然、警察も榛名の態度にますます疑り深い目を向けてきた。
「ふぅ~ん。でも普通、友人が他人の貴方に姪っ子を預けて救急車に乗って行きますかねぇ? むしろ貴方の方が乗って行っても良かったんじゃないですか? 看護師なんでしょ?」
「で、でも患者は一旦呼吸停止してましたし、医者がいるのに乗らないってことはあまりないと思いますけど……」
「そんなもんですか? で、今からどこに行こうとしてたんです?」
「その、ホテルに」
「ホテルぅ!?」
言ったあとで『あっ』と思った。
適当にミュージアムでも行って時間を潰すと言えば良かったのに、馬鹿正直に答えてしまうなんて。
「今夜泊まる予定のホテルですよ!? 予約もちゃんとしてますし! 何もやましいことなんかありませんから!」
「まだ何も言ってないんですけど。焦り方がますますアヤシイなぁ、ちょっと署まで来て詳しくお話聞かせてもらえます?」
「そんな!」
楽しい旅行のはずだったのに、こんなことになってしまうなんて。
後で霧咲になんて報告すればいいのだろう。
「さぁお嬢ちゃん、君も一緒においで」
「何で一緒に行かないといけないの?」
「え?」
さっきからずっと黙っていた亜衣乃は、不機嫌そのものの声でそう言った。
榛名は、亜衣乃のそんな声は初めて――いや、初対面の時にも聞いた覚えがある。
「さっきから黙って聞いてれば失礼なことばっかり言って! アキちゃんが私を誘拐ですって!? ふざけないでよ!! ろくに確認もしないで決めつけて、それでもおじさん達警察官なの!? 信っじらんない!!」
「お、おじさんって俺のコト?」
「あ、亜衣乃ちゃん、落ち着いて」
榛名は、自分よりも若いであろう警官に反応すべきはそこじゃないだろうと思いながらも亜衣乃を諌めようとした。しかし亜衣乃の口撃は止まらない。
「亜衣乃は落ち着いてるよ! ていうかアキちゃんは最初っから事実しか言ってないのに、このおじさんはさっきからあやしいあやしいってなんなの!? まるでユウドウジンモンじゃない!! まこおじさんはアキちゃんを信用してるから亜衣乃をアキちゃんに任せたのよ! いまさらそんなこと確認する間柄でもないし、アキちゃんこそもっと怒らないとダメだよ!!」
「そ、そうだけど……」
榛名はそれよりもまず、どうしたら警察に誘拐犯じゃないと信じてもらえるのかということで頭がいっぱいで、怒るという感情を失念していたのだが。
警察は二人でぼそぼそとどうしようかと話し合っていたが、やはり榛名を見つめる目つきから幼女誘拐の疑いは晴れていないようだった。
亜衣乃はまだ霧咲の養子にはなっていない。
勿論、榛名自身もまだだ。
二人が養子縁組をすれば、亜衣乃と榛名は霧咲の子供ということで兄妹という関係になるが、今はまだ赤の他人だった。
いくら榛名が亜衣乃を可愛がっていても。
いくら亜衣乃が榛名に懐いていても――だ。
(まさか、誘拐犯と思われているなんてショックだ……)
「友人の子? じゃあ、その友人は今どこにいるんですか?」
「子っていうか、姪なんですけど……その、友人は今病院に行ってます、急病人の付き添いで……あ、友人は医者なので、それで同乗を頼まれまして……」
榛名は職務質問などという初めての経験で、受け答えがしどろもどろになってしまう。
病院で、看護師として質問されているならば、こういう風には絶対にならないのに。
今はただ亜衣乃との関係をどう証明しようか、それだけを考えてテンパっていた。
当然、警察も榛名の態度にますます疑り深い目を向けてきた。
「ふぅ~ん。でも普通、友人が他人の貴方に姪っ子を預けて救急車に乗って行きますかねぇ? むしろ貴方の方が乗って行っても良かったんじゃないですか? 看護師なんでしょ?」
「で、でも患者は一旦呼吸停止してましたし、医者がいるのに乗らないってことはあまりないと思いますけど……」
「そんなもんですか? で、今からどこに行こうとしてたんです?」
「その、ホテルに」
「ホテルぅ!?」
言ったあとで『あっ』と思った。
適当にミュージアムでも行って時間を潰すと言えば良かったのに、馬鹿正直に答えてしまうなんて。
「今夜泊まる予定のホテルですよ!? 予約もちゃんとしてますし! 何もやましいことなんかありませんから!」
「まだ何も言ってないんですけど。焦り方がますますアヤシイなぁ、ちょっと署まで来て詳しくお話聞かせてもらえます?」
「そんな!」
楽しい旅行のはずだったのに、こんなことになってしまうなんて。
後で霧咲になんて報告すればいいのだろう。
「さぁお嬢ちゃん、君も一緒においで」
「何で一緒に行かないといけないの?」
「え?」
さっきからずっと黙っていた亜衣乃は、不機嫌そのものの声でそう言った。
榛名は、亜衣乃のそんな声は初めて――いや、初対面の時にも聞いた覚えがある。
「さっきから黙って聞いてれば失礼なことばっかり言って! アキちゃんが私を誘拐ですって!? ふざけないでよ!! ろくに確認もしないで決めつけて、それでもおじさん達警察官なの!? 信っじらんない!!」
「お、おじさんって俺のコト?」
「あ、亜衣乃ちゃん、落ち着いて」
榛名は、自分よりも若いであろう警官に反応すべきはそこじゃないだろうと思いながらも亜衣乃を諌めようとした。しかし亜衣乃の口撃は止まらない。
「亜衣乃は落ち着いてるよ! ていうかアキちゃんは最初っから事実しか言ってないのに、このおじさんはさっきからあやしいあやしいってなんなの!? まるでユウドウジンモンじゃない!! まこおじさんはアキちゃんを信用してるから亜衣乃をアキちゃんに任せたのよ! いまさらそんなこと確認する間柄でもないし、アキちゃんこそもっと怒らないとダメだよ!!」
「そ、そうだけど……」
榛名はそれよりもまず、どうしたら警察に誘拐犯じゃないと信じてもらえるのかということで頭がいっぱいで、怒るという感情を失念していたのだが。
警察は二人でぼそぼそとどうしようかと話し合っていたが、やはり榛名を見つめる目つきから幼女誘拐の疑いは晴れていないようだった。
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