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35 突然のダーリン
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礼二郎は望み通りにキスをしてもらって満足したが、唇が離れた途端、なんだかひどく恥ずかしくなってしまった。
――口にキスしてほしい、とがっついてしまったことが。
「これからはいつでもしたいときにキスしてあげるから、ちゃんと言ってね」
「わ、わ、わかった……///」
「俺からもしていい?」
「そっちの方が助かる、かも……京介の方が背、高いし」
「そっか」
礼二郎は柴から目を逸らし、唇を尖らせながら言った。
許可なんかいらないから、いつでもしたいときにしてほしいと思った。人目があるときは、少し恥ずかしいが。
そして礼二郎は、自分が柴に相談したかったことをあっと思い出した。
「そうだ京介、俺が今までよりハッキリと霊の姿が見えたり声が聞こえるようになったのは自分のせいだって言ってたけど、あれってどういう意味だ? 京介に関わった人間が全てそうなるわけじゃないよな?」
「そうだね。素質があれば別だけど」
「……つまり?」
「礼二郎は元々霊媒体質だったから、俺と関わったことで栓が開いたというか、能力が強化されたというか……そんな感じかな」
「なるほど……」
つまり、今までD級霊媒体質だったのが、B級くらいになった、ということか。(なんて嬉しくない能力強化だろう)
「ね、俺のせいでしょ。ごめんね」
「う~ん……あまり人のせいにはしたくない、けど」
「でもこれからは俺がいるから、簡単に憑かせたりしないからね」
「!」
「責任もって、礼二郎のこと守るから」
「ダーリン……!」
「だ?」
礼二郎の口から出た横文字の単語に、柴は目を丸くした。
「ちょ、え? ……もう一回言って?」
「ダーリン浮気はゆるさないっちゃ」
「待って。ていうか浮気しないし! ……え、何で突然ダーリン? 物真似?」
柴は礼二郎の突然のダーリン呼びについていけず、ひどく混乱している。
「池永が――あ、今日一緒にいた俺の友達がさ、柴君は礼二郎のダーリンなんだろって言ったからちょっと呼んでみたかっただけだよ」
柴が笑うと思って言ったのに、こんな反応をされるのは礼二郎にとって想定外だった。
「え。今朝池永君に会った時は、俺たちまだただの友達だったよね?」
「うん。だけど既に俺の彼氏だって思われてるからな、京介」
「ほう……」
そもそも自分が自身の気持ちに気付いていなかったのに、池永も平尾も鋭い。(どこまで本気で言ってるのかは分からないが)
「そういや、こてっちゃんは? いつも一緒にいるわけじゃないんだな」
「うん、基本的に虎鉄は俺の部屋にいるよ。線香のにおいが好きだから離れたがらないんだ。呼んだら来るけど、呼ぶ?」
「うん!」
柴が虎鉄、と静かに呼んだらポンッとラグの上に虎鉄が現れた。尻尾を左右に揺らし、ハッハッと舌を出してご機嫌だ。
「こてっちゃ~ん! さっきぶりだけどかわいい~!!♡♡」
「礼二郎が犬好きで良かったよ」
「動物ならなんでも好きだ! 人間は自分と家族以外は愛さないっていうか、そもそも愛せないと思ってたけど!」
「そうなんだ……」
柴はなんとなく礼二郎の胸中を察して、もう一度(絶対に大事にしよう)と心に誓った。
――口にキスしてほしい、とがっついてしまったことが。
「これからはいつでもしたいときにキスしてあげるから、ちゃんと言ってね」
「わ、わ、わかった……///」
「俺からもしていい?」
「そっちの方が助かる、かも……京介の方が背、高いし」
「そっか」
礼二郎は柴から目を逸らし、唇を尖らせながら言った。
許可なんかいらないから、いつでもしたいときにしてほしいと思った。人目があるときは、少し恥ずかしいが。
そして礼二郎は、自分が柴に相談したかったことをあっと思い出した。
「そうだ京介、俺が今までよりハッキリと霊の姿が見えたり声が聞こえるようになったのは自分のせいだって言ってたけど、あれってどういう意味だ? 京介に関わった人間が全てそうなるわけじゃないよな?」
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「礼二郎は元々霊媒体質だったから、俺と関わったことで栓が開いたというか、能力が強化されたというか……そんな感じかな」
「なるほど……」
つまり、今までD級霊媒体質だったのが、B級くらいになった、ということか。(なんて嬉しくない能力強化だろう)
「ね、俺のせいでしょ。ごめんね」
「う~ん……あまり人のせいにはしたくない、けど」
「でもこれからは俺がいるから、簡単に憑かせたりしないからね」
「!」
「責任もって、礼二郎のこと守るから」
「ダーリン……!」
「だ?」
礼二郎の口から出た横文字の単語に、柴は目を丸くした。
「ちょ、え? ……もう一回言って?」
「ダーリン浮気はゆるさないっちゃ」
「待って。ていうか浮気しないし! ……え、何で突然ダーリン? 物真似?」
柴は礼二郎の突然のダーリン呼びについていけず、ひどく混乱している。
「池永が――あ、今日一緒にいた俺の友達がさ、柴君は礼二郎のダーリンなんだろって言ったからちょっと呼んでみたかっただけだよ」
柴が笑うと思って言ったのに、こんな反応をされるのは礼二郎にとって想定外だった。
「え。今朝池永君に会った時は、俺たちまだただの友達だったよね?」
「うん。だけど既に俺の彼氏だって思われてるからな、京介」
「ほう……」
そもそも自分が自身の気持ちに気付いていなかったのに、池永も平尾も鋭い。(どこまで本気で言ってるのかは分からないが)
「そういや、こてっちゃんは? いつも一緒にいるわけじゃないんだな」
「うん、基本的に虎鉄は俺の部屋にいるよ。線香のにおいが好きだから離れたがらないんだ。呼んだら来るけど、呼ぶ?」
「うん!」
柴が虎鉄、と静かに呼んだらポンッとラグの上に虎鉄が現れた。尻尾を左右に揺らし、ハッハッと舌を出してご機嫌だ。
「こてっちゃ~ん! さっきぶりだけどかわいい~!!♡♡」
「礼二郎が犬好きで良かったよ」
「動物ならなんでも好きだ! 人間は自分と家族以外は愛さないっていうか、そもそも愛せないと思ってたけど!」
「そうなんだ……」
柴はなんとなく礼二郎の胸中を察して、もう一度(絶対に大事にしよう)と心に誓った。
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