マイダーリン、この世の全ての怖いものから俺を守ってくれ!!!

すずなりたま

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「多分警察が礼二郎のところにも話を聞きに来る。何時頃、何か物音はしなかったかとかそういう質問をすると思う。そこでなんて答えるかは礼二郎に任せるけど、今朝会ったことは黙っておくんだ。霊に会ったなんて言っても信じてもらえないだろうし、信じて貰えたとしても記録には書けないと思うから」
「う、うん……」
「いい? 俺たちは捜査を混乱させないようにするだけだよ。警察を騙すわけじゃないからね」
「わ、わかった……けど、」
「何?」

 礼二郎はガタガタ震えて、柴のスウェットをぎゅっと握りしめた。

「こわい……」
「!」

 柴は昔から霊が視えているうえに寺の次男なので、人間の遺体には慣れている。というか、肉体は魂の器としか思っていない。
   しかし、礼二郎は違う。
 霊は視えるが怖がりなうえ、本物の遺体なんか見たことも無いのだ。それが急にお隣にあるなんて言われて、怖くないはずがない。

「……ごめん」

 柴は泣きじゃくる礼二郎をギュッと抱きしめた。少し事務的に言いすぎた自分の言動を、少し反省しながら。

「ごめん、いきなり色々言って。普通怖いよな、そうだよな……」
「うう、俺もごめん、すぐ泣いて……。でも、ホントのホントに怖いんだよ……っ!」
「分かってるよ、俺が悪かった。――今夜は俺の部屋で一緒に寝よう? それなら大丈夫そう?」
「え?」

(京介の部屋に……朝まで二人で?)

 礼二郎は驚いて――そこまで世話を焼いて貰っていいのか、という意味で――涙はピタッと止まった。

「あ、俺のベッドの方が大きいから……いや俺は床でも全然いいんだけど! そういう意味で誘ったんじゃないから!! 誤解しないで礼二郎、俺はケダモノじゃない!!   いや、ケダモノではあるけど……っ!」
「そういう意味?」

 とは、どういう意味だろう。それに礼二郎は家主を床で寝かせるつもりはないし、離れたら怖いのでくっついて寝るつもりマンマンだった。

「いや……分かんないならいいんだ。とにかく、今日は俺の部屋で一緒に寝よう。それなら怖くないよね? 虎鉄もいるし」
「うん……」
 
 柴が一緒なら、間違っても隣人の霊が訪ねてくることもないだろう。礼二郎はホッと胸を撫で下ろした。

「あ、もしもし渡邉さん? 俺です。実は――」

 柴は誰かに電話を掛けている。名乗らずとも分かってもらえるなんて、相手とは余程親しいに違いない。ホワイト不動産だろうか。何故不動産屋と個人的に親しいのかはよく分からないが……

(あっ、部屋の除霊をするからか!)

 その後に気付いた。
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