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39 事情聴取
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ガチャ
「すいません、警察ですが」
「ちょっとお隣の家で事件がありまして……少しお話いいですかー?」
二人組の刑事が、警察手帳を見せながら訪ねてきた。
(おおお、ドラマの『相棒』みたいだぁ……!!)
礼二郎は緊張しながらも地味に感動していた。そしてお互い軽めに自己紹介をしたあと……
「事件って、一体何があったんですか?」
「!」
いきなり礼二郎の後ろから柴が顔を出して、刑事に質問した。
どうやら心配で出てきたらしいが、たしかに遊びに来ているテイなら早めに顔を出して貰って良かったのかもしれない。
「お友達?」
「は、はい。同じ大学の……」
「301号室に住んでる柴京介です」
「あ、そうなんだ。じゃあ一緒でもいいかな……303号室の住人さんね、亡くなってるんですよ」
「エエッ!? ホントデスカァ!?」
「(礼二郎、大根)」
「死亡推定時刻は昨夜──深夜の2時頃で、遺書も見つかったから多分自殺なんだけど、何か物音を聞いたりしなかったかな? 人が争う声とか、誰か訪ねてきたとか」
「……」
深夜の二時──ということは、やはり今朝礼二郎がベランダで会ったのは隣人の霊だったのだ。あの時既に、男性は亡くなっていた。
でも昨夜部屋にゴキが出て、礼二郎が騒いでる時はまだ生きていたということだ。
「……な、何も……何も気付きませんでした。俺、寝る時間わりと早くて……」
柴に助けて貰って、礼二郎が胸をときめかせていたときもまだ……。
(たった壁1枚隔てた場所で、誰にも知られずに、ひとりぼっちで……?)
想像すると、なんだかひどく切ない。
「礼二郎、……」
礼二郎の両目から、ツーっと涙が零れ落ちていた。その姿があまりにも綺麗すぎて、柴も二人の刑事も一瞬言葉を失ったほどだった。
「え、えぇっと……お隣の男性とは知り合いだったの?」
我に返った刑事の質問に、礼二郎は首を振った。
「名前も知らないです。自殺を選んだ理由も分からないけど、でも、なんていうか、かわいそうで……」
ポロポロ、ポロポロと涙が零れ落ちる。いつの間にか足元には虎鉄がいて、慰めるようにスリスリと礼二郎の足にまとわりついていた。感触はないが、気持ちは伝わる。
「君、とっても優しい子なんだね。お隣の男性はブラック企業に勤めていて、ひどく心が疲れてしまっていたみたいなんだ。遺書に色々書かれていたよ。これ以上はちょっと、個人情報だから言えないけど」
「そうですか……」
そんな事情を聞かされたらますます切ない。たとえ顔見知りだったとしても、まだ子供の礼二郎に出来ることなど何もなかっただろうけど。
「ところで君は、柴君と言ったね」
「はい?」
礼二郎と話していた若い刑事の相棒の刑事──礼二郎たちとは、親子くらい年齢が離れていそうだ──が、突然柴に話しかけた。
「君の部屋、過去に何件も人死にがあったみたいだけど……それは承知で入居してるのかい?」
「えっ!?」
礼二郎は驚いて柴の方を振り返った。
「ハイ」
「気味が悪くはないの? 幽霊とか全く信じてないタイプ?」
「まあ……実家は寺ですし、大学は理工学部なんで。非現実的なことはあまり」
柴のいけしゃあしゃあとした回答に、礼二郎は思わず目が点になった。
「すいません、警察ですが」
「ちょっとお隣の家で事件がありまして……少しお話いいですかー?」
二人組の刑事が、警察手帳を見せながら訪ねてきた。
(おおお、ドラマの『相棒』みたいだぁ……!!)
礼二郎は緊張しながらも地味に感動していた。そしてお互い軽めに自己紹介をしたあと……
「事件って、一体何があったんですか?」
「!」
いきなり礼二郎の後ろから柴が顔を出して、刑事に質問した。
どうやら心配で出てきたらしいが、たしかに遊びに来ているテイなら早めに顔を出して貰って良かったのかもしれない。
「お友達?」
「は、はい。同じ大学の……」
「301号室に住んでる柴京介です」
「あ、そうなんだ。じゃあ一緒でもいいかな……303号室の住人さんね、亡くなってるんですよ」
「エエッ!? ホントデスカァ!?」
「(礼二郎、大根)」
「死亡推定時刻は昨夜──深夜の2時頃で、遺書も見つかったから多分自殺なんだけど、何か物音を聞いたりしなかったかな? 人が争う声とか、誰か訪ねてきたとか」
「……」
深夜の二時──ということは、やはり今朝礼二郎がベランダで会ったのは隣人の霊だったのだ。あの時既に、男性は亡くなっていた。
でも昨夜部屋にゴキが出て、礼二郎が騒いでる時はまだ生きていたということだ。
「……な、何も……何も気付きませんでした。俺、寝る時間わりと早くて……」
柴に助けて貰って、礼二郎が胸をときめかせていたときもまだ……。
(たった壁1枚隔てた場所で、誰にも知られずに、ひとりぼっちで……?)
想像すると、なんだかひどく切ない。
「礼二郎、……」
礼二郎の両目から、ツーっと涙が零れ落ちていた。その姿があまりにも綺麗すぎて、柴も二人の刑事も一瞬言葉を失ったほどだった。
「え、えぇっと……お隣の男性とは知り合いだったの?」
我に返った刑事の質問に、礼二郎は首を振った。
「名前も知らないです。自殺を選んだ理由も分からないけど、でも、なんていうか、かわいそうで……」
ポロポロ、ポロポロと涙が零れ落ちる。いつの間にか足元には虎鉄がいて、慰めるようにスリスリと礼二郎の足にまとわりついていた。感触はないが、気持ちは伝わる。
「君、とっても優しい子なんだね。お隣の男性はブラック企業に勤めていて、ひどく心が疲れてしまっていたみたいなんだ。遺書に色々書かれていたよ。これ以上はちょっと、個人情報だから言えないけど」
「そうですか……」
そんな事情を聞かされたらますます切ない。たとえ顔見知りだったとしても、まだ子供の礼二郎に出来ることなど何もなかっただろうけど。
「ところで君は、柴君と言ったね」
「はい?」
礼二郎と話していた若い刑事の相棒の刑事──礼二郎たちとは、親子くらい年齢が離れていそうだ──が、突然柴に話しかけた。
「君の部屋、過去に何件も人死にがあったみたいだけど……それは承知で入居してるのかい?」
「えっ!?」
礼二郎は驚いて柴の方を振り返った。
「ハイ」
「気味が悪くはないの? 幽霊とか全く信じてないタイプ?」
「まあ……実家は寺ですし、大学は理工学部なんで。非現実的なことはあまり」
柴のいけしゃあしゃあとした回答に、礼二郎は思わず目が点になった。
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