マイダーリン、この世の全ての怖いものから俺を守ってくれ!!!

すずなりたま

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40 事故物件

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「刑事さんは霊とか信じてるんですか?」

   柴は逆に質問した。その度胸が凄いな、と礼二郎は素直に感心した。

「ンー……職業柄本気で信じてはいないけど、いるかもなぁって思うことはあるよ。わりと恐がりだからかな」
「恐がり?   俺と一緒だ!」

   礼二郎は、親くらいの年齢の刑事に一気に親近感を持った。刑事は意外そうな顔をして──

「君、恐がりなのにここに住んでるのか。大丈夫かい?」
「へっ?」
「ここ、わりと有名な幽霊マンションだろう。君の部屋は大丈夫だったと思うけど、他の部屋は大体事故物件だったような……」
「え??」

   礼二郎は再度、ゆっくりと柴の顔を見た。柴は少し困った顔をしていたが、無理やり笑顔を作ると──

「霊なんかいないから、大丈夫!」

   わざとらしくそう言った。



(どうしよう、こわい)

   刑事の聞き込みが終わり、再び柴と二人になり──礼二郎は迷っていた。

   今夜は自室で一人で寝るか、柴のベッドで二人で寝るか。
さっきまでは一緒に寝る気満々だったが、柴の部屋が殺人事件てんこ盛りな事故物件だったとなると、話は別だ。

(そりゃ、京介が除霊してるから霊が出る心配はないけど……)

   でも、人が死んでいるのだ。
   原因は教えて貰えなかったが(知りたくもないが)少なくとも三人以上が自殺か他殺で亡くなっているという。
   そんな部屋で一晩を過ごすなんて、生理的に無理だ。怖すぎる。

(ど、どうしよう……)

   というか、このマンションが幽霊マンションと呼ばれているのも初耳だった。
   妙に家賃が相場よりも安いなとは思っていたが、俺が学生だからかな?   ラッキー!   とかのんきに思っていたのだ。

(両隣とも、いや、ほとんどの部屋が事故物件なんて……そんな事ある??)

   一応事故物件かどうかを簡単に調べられる便利なサイトが世の中にあるのは知ってているが、怖くて調べられないのだった。

「──礼二郎、今夜うちで寝るかどうか迷ってるの?」

   ドッキーン。
   まだ何も言っていないが、柴にはバレバレだった。

「う、うん……」
「この部屋で一人で寝てたら、亡くなったお隣さんが夜中に訪ねてくるかもしれないよ」
「なんでそういうこと言うのぉ!?」
「あ、自分のカラダがある病院とかもしくは実家に行ってるかもしれないけどね!?   もしくは自分を追い詰めた上司のところとか」
「是非そっちに行ってほしい……」

   礼二郎はお隣の壁に向かってナムナムと言いながら合掌した。

「──ていうか、京介は霊を成仏させてやれないのか?   除霊って成仏?」
「成仏とは違うなぁ。俺はただ追い払うだけ、文字通り除霊なんだよ」
「そうなのか……」

   礼二郎は柴が成仏させられる訳じゃない、というのに少し驚いた。

「俺は修行をしたわけじゃないからね。そういうのは政宗が得意なんだ」
「マサムネって……お兄さん?」
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