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64 二重人格疑惑
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「ふう……人聞きが悪いなー戸田先輩。俺の秘密をバラしたらどれだけ泣いても許してあげませんよって言っただけじゃないですか」
(きょ、京介??)
礼二郎は信じられない、と言った顔で京介を見つめた。
ここに来てまさかの二重人格疑惑だ。
「それ!! その言動!! なんか怖い以外の何者でもないから!! 槐君、柴君と付き合うのは考え直したほうがいいよ? こいつイケメンで一見ポヤポヤしてるから分かりにくいけど、実は超サド野郎だから!」
「え、え?」
「戸田先輩、礼二郎の前でやめてくださいよ。彼岸に行きたいんですか?」
「ほらほらほらぁぁ!!」
京介はチッと舌打ちをして、ハッとして礼二郎を見た。礼二郎は呆然としている。
「京介……」
「あの、礼二郎。今のはね」
「嘘、だよな……?」
シーン……
暫しの沈黙の後、京介はニッコリと微笑んだ。
「……うん♡」
「だよなぁ!! あー良かった!! まあ京介がどんなにサディスティックな最低野郎でも俺には関係ないけどな! 現に俺は京介がいないと生きていけないんだし!」
「ふふふ。でも礼二郎には優しいからね、俺」
二人は人前で恥ずかしげもなくラブラブな(?)会話を繰り広げている。
(あっ、この二人、似たもの同士でお似合いだ……)
その場にいた全員がそう思った。(姫子は尊死していた)
一段落ついたところで、副サークル長の三上が恐る恐る声を掛けてきた。
「あー……なぁ柴、戸田にバラされたくない秘密ってのは男が好きって事なのか?」
「まあ、そっスね。俺、ゲイじゃなくてバイなんですけど。バレたら女からだけじゃなくて男からも言い寄られるの、心底鬱陶しいでしょ?」
「通常運転で性格が悪いな、お前は」
「どうもありがとうございます」
「褒めてねぇのよ」
京介が本当にバラされたくないのは除霊師ということだが、そこは礼二郎が機転をきかせてくれて助かった。
人によってはそっち──同性と付き合っていることの方を隠したいと思うのが大半だろうが、礼二郎は違うようで正直少し驚いてしまった。
「京介……サークル長におど、いじめられてるっていうのは嘘なのか?」
「あ、うんそれは嘘。ごめんね、礼二郎が可愛くてからかったんだ」
「そ、そうか……いや、嘘ならいいんだ。えっと戸田さん、一方的に攻め立てて申し訳ありませんでした」
礼二郎はしおらしい態度で素直に戸田に頭を下げた。京介を脅したというのが事実ではないのなら、いきなり責め立てた自分はかなり嫌な奴だったと心から反省しているのだ。
「えっ何この子、めっちゃ素直で可愛いな。普段ひねくれてて可愛くない後輩を見てるから100億倍くらい可愛く見えるんだけど。槐君、是非オカ研に入ってよ!」
「それは嫌です!」
礼二郎はキッパリと即答した。
「そんなぁ~」
すると、いつの間にか復活していた姫子が言った。
「礼二郎君お願い、オカ研に入って! 戸田さん、なんと礼二郎君は本当に霊が視えるんですよ!! 入ってくれたら今よりもっとオカルト研究が捗るに違いありません! だからもっと強引に勧誘してくださいっ!」
「ちょ、姫ちゃん! それは言わないでって……」
「あっ」
姫子は慌てて口を抑えたが、時、既に遅し──。
(きょ、京介??)
礼二郎は信じられない、と言った顔で京介を見つめた。
ここに来てまさかの二重人格疑惑だ。
「それ!! その言動!! なんか怖い以外の何者でもないから!! 槐君、柴君と付き合うのは考え直したほうがいいよ? こいつイケメンで一見ポヤポヤしてるから分かりにくいけど、実は超サド野郎だから!」
「え、え?」
「戸田先輩、礼二郎の前でやめてくださいよ。彼岸に行きたいんですか?」
「ほらほらほらぁぁ!!」
京介はチッと舌打ちをして、ハッとして礼二郎を見た。礼二郎は呆然としている。
「京介……」
「あの、礼二郎。今のはね」
「嘘、だよな……?」
シーン……
暫しの沈黙の後、京介はニッコリと微笑んだ。
「……うん♡」
「だよなぁ!! あー良かった!! まあ京介がどんなにサディスティックな最低野郎でも俺には関係ないけどな! 現に俺は京介がいないと生きていけないんだし!」
「ふふふ。でも礼二郎には優しいからね、俺」
二人は人前で恥ずかしげもなくラブラブな(?)会話を繰り広げている。
(あっ、この二人、似たもの同士でお似合いだ……)
その場にいた全員がそう思った。(姫子は尊死していた)
一段落ついたところで、副サークル長の三上が恐る恐る声を掛けてきた。
「あー……なぁ柴、戸田にバラされたくない秘密ってのは男が好きって事なのか?」
「まあ、そっスね。俺、ゲイじゃなくてバイなんですけど。バレたら女からだけじゃなくて男からも言い寄られるの、心底鬱陶しいでしょ?」
「通常運転で性格が悪いな、お前は」
「どうもありがとうございます」
「褒めてねぇのよ」
京介が本当にバラされたくないのは除霊師ということだが、そこは礼二郎が機転をきかせてくれて助かった。
人によってはそっち──同性と付き合っていることの方を隠したいと思うのが大半だろうが、礼二郎は違うようで正直少し驚いてしまった。
「京介……サークル長におど、いじめられてるっていうのは嘘なのか?」
「あ、うんそれは嘘。ごめんね、礼二郎が可愛くてからかったんだ」
「そ、そうか……いや、嘘ならいいんだ。えっと戸田さん、一方的に攻め立てて申し訳ありませんでした」
礼二郎はしおらしい態度で素直に戸田に頭を下げた。京介を脅したというのが事実ではないのなら、いきなり責め立てた自分はかなり嫌な奴だったと心から反省しているのだ。
「えっ何この子、めっちゃ素直で可愛いな。普段ひねくれてて可愛くない後輩を見てるから100億倍くらい可愛く見えるんだけど。槐君、是非オカ研に入ってよ!」
「それは嫌です!」
礼二郎はキッパリと即答した。
「そんなぁ~」
すると、いつの間にか復活していた姫子が言った。
「礼二郎君お願い、オカ研に入って! 戸田さん、なんと礼二郎君は本当に霊が視えるんですよ!! 入ってくれたら今よりもっとオカルト研究が捗るに違いありません! だからもっと強引に勧誘してくださいっ!」
「ちょ、姫ちゃん! それは言わないでって……」
「あっ」
姫子は慌てて口を抑えたが、時、既に遅し──。
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