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サプライズ(1)
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本編より少し前の頃から始まります
ーーーライト視点ーーー
「ふっふっふ~ん♪」
今日は数ヶ月に一度の特別な日。父上の友人であるカツオミがサラの成長報告をしにくる日だ。実の妹であるサラとは数回しか会ったことがない。最後に会ったのもサラが一歳のときだ。だから、サラについて知れるこの日を、俺はいつも心待ちにしている。
自分の部屋の鍵の掛かった引き出しの中から一冊のアルバムを取り出す。これは自分のアルバム……ではなくカツオミが持ってきた写真でつくったサラのアルバムである。勝手に自分のアルバムがつくられていたと知ったら、サラはどう思うだろうか。あまり考えたくはないが、もしかしたら嫌がるかもしれないな。初めのページには父上、母上、俺、サラの四人で撮った唯一の写真がある。ページをめくっていくと、すくすくと成長している姿がよくわかる。最近は、写真を撮られることを恥ずかしく感じているようで、貰える写真が少なくて寂しく思う。
コンコンッ
「ライト様、客人がお見えになりました。」
(!!もうそんな時間か)
「わかった、すぐ行く」
手に持っていたアルバムを再び、引き出しの中に入れて鍵をする。
ーーーーーー
話しを聞き終えた俺は朝よりもずっと気持ちが高まっているだろう。またサラについての情報が増えた。この前聞いたときは学校を卒業したと言っていたのに、また新しく学校に入ったなんて、日本人は俺たちの国とはまた違う暮らしをしているようだ。
(イベントがあると写真を撮る機会も増えるからいいことだとは思うがな)
先程手に入れた写真を見ると新しい制服に身を包んだサラが写っている。少し照れたように笑う姿が愛らしい。一緒に写っている男は東雲翔といったはずだ、サラの幼なじみで日本でのサラの騎士といったところだろうか。かわいい妹を任せるに値するかは会ってみないとわからないが、なにか起きたときに心の支えになってくれればそれでいい。……渡すつもりは毛頭ないが。まぁ、
「会うとしたらまずサラに会いたいな。いや、待てよ…」
実際に会わなくてもいい。写真ではないサラを一目見られたら今の俺は十分満足してしまうかもしれない。
なんてことを考えながらまたアルバムに写真を加えた。
サラとミラ、二人が出会うことはあるのだろうか。家族五人で顔を合わせる日があればその日はきっと、人生で一番幸せな日になるだろう。
ーーー数ヶ月後ーーー
最近ミラの体調が悪化している。もう何日も部屋から出ているのを見ていない。毎日、辛そうなミラを見ているだけで何もできない自分の無力感に苛まれる。ただでさえ大変な状況であるミラを、これ以上不安にさせないために鍛錬をすることしかできない俺は、将来国民全員を安心させることはできるのだろうか……。
(いや、弱気になるな!考えるよりも行動しろ!)
どれだけ考えてもなにも変わらないのだから、自分にできることをやろう。
心を入れ替えて、訓練の準備を始める。
コンコンッ
「入れ!」
ガチャッ
「失礼致します。ライト様、客人がお見えになりました。」
「客人?今日はなんの約束もなかったと思うが、誰だ?」
「それが……カツオミ様です。」
「カツオミ?わかった、すぐ行く。」
なにかあったのだろうか。次に来るのは二週間後のはずだが……。
ガチャッ
「カツオミ」
「!!ライトくん、久しぶりだね。」
「珍しいな、連絡もなしに訪ねてくるなんて」
「すまない。ほんとは連絡しようと思ってたんだが、早めに知らせたほうがいいと思って。二人は今どこに?」
「父上と母上は今、城を留守にしておられる。」
「そうか……」
「……サラになにかあったのか?」
カツオミの顔が曇る。……嫌な予感がする。
「なにかあったのなら、はっきりと言ってほしい」
心臓がドクドクと高鳴っていく。この先の言葉を聞いてもいいのだろうか。
「落ち着いて聞いてほしい」
「わかった」
カツオミは心を決めたように口を開く。
「咲良が、昨日亡くなった。」
ーーーライト視点ーーー
「ふっふっふ~ん♪」
今日は数ヶ月に一度の特別な日。父上の友人であるカツオミがサラの成長報告をしにくる日だ。実の妹であるサラとは数回しか会ったことがない。最後に会ったのもサラが一歳のときだ。だから、サラについて知れるこの日を、俺はいつも心待ちにしている。
自分の部屋の鍵の掛かった引き出しの中から一冊のアルバムを取り出す。これは自分のアルバム……ではなくカツオミが持ってきた写真でつくったサラのアルバムである。勝手に自分のアルバムがつくられていたと知ったら、サラはどう思うだろうか。あまり考えたくはないが、もしかしたら嫌がるかもしれないな。初めのページには父上、母上、俺、サラの四人で撮った唯一の写真がある。ページをめくっていくと、すくすくと成長している姿がよくわかる。最近は、写真を撮られることを恥ずかしく感じているようで、貰える写真が少なくて寂しく思う。
コンコンッ
「ライト様、客人がお見えになりました。」
(!!もうそんな時間か)
「わかった、すぐ行く」
手に持っていたアルバムを再び、引き出しの中に入れて鍵をする。
ーーーーーー
話しを聞き終えた俺は朝よりもずっと気持ちが高まっているだろう。またサラについての情報が増えた。この前聞いたときは学校を卒業したと言っていたのに、また新しく学校に入ったなんて、日本人は俺たちの国とはまた違う暮らしをしているようだ。
(イベントがあると写真を撮る機会も増えるからいいことだとは思うがな)
先程手に入れた写真を見ると新しい制服に身を包んだサラが写っている。少し照れたように笑う姿が愛らしい。一緒に写っている男は東雲翔といったはずだ、サラの幼なじみで日本でのサラの騎士といったところだろうか。かわいい妹を任せるに値するかは会ってみないとわからないが、なにか起きたときに心の支えになってくれればそれでいい。……渡すつもりは毛頭ないが。まぁ、
「会うとしたらまずサラに会いたいな。いや、待てよ…」
実際に会わなくてもいい。写真ではないサラを一目見られたら今の俺は十分満足してしまうかもしれない。
なんてことを考えながらまたアルバムに写真を加えた。
サラとミラ、二人が出会うことはあるのだろうか。家族五人で顔を合わせる日があればその日はきっと、人生で一番幸せな日になるだろう。
ーーー数ヶ月後ーーー
最近ミラの体調が悪化している。もう何日も部屋から出ているのを見ていない。毎日、辛そうなミラを見ているだけで何もできない自分の無力感に苛まれる。ただでさえ大変な状況であるミラを、これ以上不安にさせないために鍛錬をすることしかできない俺は、将来国民全員を安心させることはできるのだろうか……。
(いや、弱気になるな!考えるよりも行動しろ!)
どれだけ考えてもなにも変わらないのだから、自分にできることをやろう。
心を入れ替えて、訓練の準備を始める。
コンコンッ
「入れ!」
ガチャッ
「失礼致します。ライト様、客人がお見えになりました。」
「客人?今日はなんの約束もなかったと思うが、誰だ?」
「それが……カツオミ様です。」
「カツオミ?わかった、すぐ行く。」
なにかあったのだろうか。次に来るのは二週間後のはずだが……。
ガチャッ
「カツオミ」
「!!ライトくん、久しぶりだね。」
「珍しいな、連絡もなしに訪ねてくるなんて」
「すまない。ほんとは連絡しようと思ってたんだが、早めに知らせたほうがいいと思って。二人は今どこに?」
「父上と母上は今、城を留守にしておられる。」
「そうか……」
「……サラになにかあったのか?」
カツオミの顔が曇る。……嫌な予感がする。
「なにかあったのなら、はっきりと言ってほしい」
心臓がドクドクと高鳴っていく。この先の言葉を聞いてもいいのだろうか。
「落ち着いて聞いてほしい」
「わかった」
カツオミは心を決めたように口を開く。
「咲良が、昨日亡くなった。」
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