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コンコンッ ガチャッ
「ミラ~」
「ライト兄様!どうされましたか?」
「失礼致します。」
「あら、ルークさんも?」
ライトがいきなり訪ねて来ることは少なくないが、いつも以上に上機嫌な様子の彼とその後ろにいるルークに驚いたようだ。
「今日はお前にプレゼントがあるんだ。」
「プレゼントですか?いつももらっていますけど……」
「そうだがっ、今日はいつもと少し違うものを用意したんだ。」
ライトは自信満々に言うと部屋の外に出て行き、少しすると背中になにかを隠しながら戻って来た。
「いつも私ばかりいただいて、申し訳ないです……。」
「そんなことはないっ!」
ライトは慌てて手を左右に振る。
「お前はいつも俺に元気をくれる。お前のおかげでどれだけの命が救われたか。」
「兄様……」
「コホンッ。というわけでミラ、いつもありがとうな。」
そう言ってライトが差し出したのは鮮やかな青色の花だった。
「花ですか!」
「あぁ、昔から好きだっただろ?」
「はい」
ミラはふわりと笑う。そして、差し出された花を手に取ると驚いた表情を見せた。
「この花…!」
「ん?……ルークもそんな反応をしていたな、やはり贈り物にはむいていないのか?その花は…」
「いえ、そうではなくて…どうしてこの花をお選びになられたのですか?」
「そうだな…花のことは詳しくはないのだが、1番お前らしい花だと思ったよ。この花を見ると心が安らぐ。」
「そうですか…」
ミラは嬉しそうに微笑み、花束をそっと抱きしめる。
「今までで1番嬉しい贈り物です」
「本当か!?」
「はい!」
言葉から胸がいっぱいになっていることが伝わってくる。ライトもつられて笑顔になる。
「あっ!そうだ、もう1つあったんだ。」
「なにがですか?」
「実はな…このフロアに温室をつくろうと思っているんだがどうだろう?」
「えっ!?」
突然の提案にいつも出ないような声がミラから上がる。とんでもない提案をした当の本人は気にも留めず言葉を続ける。
「ここから別館の温室は遠いだろう。だが、こっちにあればいつでも植物を見られるぞ。」
「そ、それはそうですが…いいのでしょうか?そのようなことをして…」
「もう父上に許可はいただいた。あとはミラがどうしたいかだ。」
「私は……いつでも植物を見ることができるなら、嬉しいです…。」
「なら、決まりだな!すぐに手配しよう。」
ライトはうきうきと今後のことを考えているようで、とても楽しそうだ。
「ふふっ」
「どうしたミラ?」
「ライト兄様はいつも突然驚くようなことをおっしゃいますね。ふふふ」
「そうか?あはははっ!」
笑い合う2人を見てカナリーゼはルークに耳打ちする。
「ライト様って本当は花のことも詳しいんですよね?」
「いや、あの方は花のことは全然知らないらしい」
「えっ?」
ルークはカナリーゼの言葉をすぐに否定する。
「でも、あの花…」
「全く知らないで選んだんだ。花屋の店主も俺もすごく驚いたよ」
「!!本当に直感でお選びになったんですね。あまりにもおふたりにぴったりの花だから、花言葉まで知っているのかと思いました。」
ライトがミラに贈った花は『ルンシー』。フェリアーネ王国原産の花だ。ほかの国では生育環境が合わず、フェリアーネ王国でのみで育てることが可能だった。数年前にやっと様々な国で開花させることが可能になったが、それでも咲かせるのが困難な花だ。特に青色の花を咲かせるのはフェリアーネ王国内でも難しく、この花を専門的に育てている一部の地域の人のもとでしか咲かせることはできない。
カナリーゼはミラの腕の中にある青い花を見て思い出す。
「確か青いルンシーの花言葉は……」
ルンシーの花言葉
『希望』
青いルンシーの花言葉
『出会えた喜び』
[現在]
「ルーク、サラはなにをあげたら喜ぶだろうか…」
困っているライトを見て苦笑いする。
「また街に行って探さないとですね。」
この2人の関係は昔と変わらないらしい。
「ミラ~」
「ライト兄様!どうされましたか?」
「失礼致します。」
「あら、ルークさんも?」
ライトがいきなり訪ねて来ることは少なくないが、いつも以上に上機嫌な様子の彼とその後ろにいるルークに驚いたようだ。
「今日はお前にプレゼントがあるんだ。」
「プレゼントですか?いつももらっていますけど……」
「そうだがっ、今日はいつもと少し違うものを用意したんだ。」
ライトは自信満々に言うと部屋の外に出て行き、少しすると背中になにかを隠しながら戻って来た。
「いつも私ばかりいただいて、申し訳ないです……。」
「そんなことはないっ!」
ライトは慌てて手を左右に振る。
「お前はいつも俺に元気をくれる。お前のおかげでどれだけの命が救われたか。」
「兄様……」
「コホンッ。というわけでミラ、いつもありがとうな。」
そう言ってライトが差し出したのは鮮やかな青色の花だった。
「花ですか!」
「あぁ、昔から好きだっただろ?」
「はい」
ミラはふわりと笑う。そして、差し出された花を手に取ると驚いた表情を見せた。
「この花…!」
「ん?……ルークもそんな反応をしていたな、やはり贈り物にはむいていないのか?その花は…」
「いえ、そうではなくて…どうしてこの花をお選びになられたのですか?」
「そうだな…花のことは詳しくはないのだが、1番お前らしい花だと思ったよ。この花を見ると心が安らぐ。」
「そうですか…」
ミラは嬉しそうに微笑み、花束をそっと抱きしめる。
「今までで1番嬉しい贈り物です」
「本当か!?」
「はい!」
言葉から胸がいっぱいになっていることが伝わってくる。ライトもつられて笑顔になる。
「あっ!そうだ、もう1つあったんだ。」
「なにがですか?」
「実はな…このフロアに温室をつくろうと思っているんだがどうだろう?」
「えっ!?」
突然の提案にいつも出ないような声がミラから上がる。とんでもない提案をした当の本人は気にも留めず言葉を続ける。
「ここから別館の温室は遠いだろう。だが、こっちにあればいつでも植物を見られるぞ。」
「そ、それはそうですが…いいのでしょうか?そのようなことをして…」
「もう父上に許可はいただいた。あとはミラがどうしたいかだ。」
「私は……いつでも植物を見ることができるなら、嬉しいです…。」
「なら、決まりだな!すぐに手配しよう。」
ライトはうきうきと今後のことを考えているようで、とても楽しそうだ。
「ふふっ」
「どうしたミラ?」
「ライト兄様はいつも突然驚くようなことをおっしゃいますね。ふふふ」
「そうか?あはははっ!」
笑い合う2人を見てカナリーゼはルークに耳打ちする。
「ライト様って本当は花のことも詳しいんですよね?」
「いや、あの方は花のことは全然知らないらしい」
「えっ?」
ルークはカナリーゼの言葉をすぐに否定する。
「でも、あの花…」
「全く知らないで選んだんだ。花屋の店主も俺もすごく驚いたよ」
「!!本当に直感でお選びになったんですね。あまりにもおふたりにぴったりの花だから、花言葉まで知っているのかと思いました。」
ライトがミラに贈った花は『ルンシー』。フェリアーネ王国原産の花だ。ほかの国では生育環境が合わず、フェリアーネ王国でのみで育てることが可能だった。数年前にやっと様々な国で開花させることが可能になったが、それでも咲かせるのが困難な花だ。特に青色の花を咲かせるのはフェリアーネ王国内でも難しく、この花を専門的に育てている一部の地域の人のもとでしか咲かせることはできない。
カナリーゼはミラの腕の中にある青い花を見て思い出す。
「確か青いルンシーの花言葉は……」
ルンシーの花言葉
『希望』
青いルンシーの花言葉
『出会えた喜び』
[現在]
「ルーク、サラはなにをあげたら喜ぶだろうか…」
困っているライトを見て苦笑いする。
「また街に行って探さないとですね。」
この2人の関係は昔と変わらないらしい。
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