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続き(4)
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「う~ん」
ライト様は棚に置かれた小物、ガラスのショーケースに入っている宝石、マネキンが着ているドレスなど様々な物をじっと見ている。しかし、しっくりとこないのか次々と店を回っていく。
「違うな。」
持っていたぬいぐるみを戻して、また店を出る。
「わからんな。なにを贈れば嬉しいだろうか…。」
「そうですね……。」
付いて来たからにはなにか力になれればいいが、ミラ様とはあまりお会いしたことすらないからな。ミラ様のことはリゼから聞いたことくらいしか……。
(あっ)
「ライト様。」
「なんだ?なにかいい物があったか?」
「はい。花はどうでしょう。」
「花?」
「えぇ、妹のリゼから聞いた話によると、ミラ様は最近体調のよろしいときは毎日と言っていいほど、城の別館にある温室で植物をご覧になるそうですよ。」
「…確かに最近別館近くでよく見かけるな。」
「ですので、花を贈れば喜んでいただけるのではないでしょうか?」
「花、……花か。」
リゼから聞いた話を思い出し、自分なりに考えてみたがどうだろうか。
「……うん、いいな。よし!花にしよう。ルーク、助かったお前に頼んでよかった。」
「いえ、とんでもございません。決まってよかったです。」
「早速、花屋へ向かおう!」
少し進んだところで花屋を見つけた。入口には色とりどりの花が並んでいて、昔自分の家の領地で咲いていた花たちを思い出す。
「確かイスタリック領の北の方では植物の栽培が有名だったな。」
「はい、ちょうど私の家の領地があったところです。」
「そうか…なら、お前も花には詳しいのか?」
「妹のリゼは実際に育てていたので詳しいと思いますが、私は植物を育てるのは苦手だったので、詳しいと言えるほどは知りません。」
「そうなのか?まあ私よりは詳しいだろう。正直花を贈ると決めたが、花のことはひとつもわからん。」
「この花はなんだ?」と言っているライト様がじっと見ている花は、バラだ。どうやら本当に知らないらしい。
「こんにちは、どんな花をお探しですか?……ラ、ライト様!?」
店主らしき人が声をかけてきたが、ライト様の顔を見ると驚いて後ずさる。
「も、申し訳ございません!!」
「いや、いいんだ。今日はお忍びで来ているからな。」
「ありがとうございます」
「それより、ミラへ花を贈ろうと思っているんだが。」
「ミラ様へですか?確かに花には花言葉というものもありますし、花を贈る際は慎重に選んだほうが、「あれにしよう!」……ライト様?」
ライト様は店主の話を聞かずにキョロキョロと店内を見てなにかを見つけたようだ。そちらの方へ向かっていかれたが、店主はライト様の自由さに少し驚いているらしい。
「すみません。ライト様は花言葉は疎か花の名前すら、ひとつも知らないみたいで。」
「そ、そうなんですね。」
「こっちだ!」
「はい!今、参ります。」
「これだ。」
「「!!」」
指をさされた花を見て、店主と2人顔を見合わせる。
「……この花ですか?」
「ああ!…なにかまずかったか?」
「あっ!いえ、そんなことはございません!すぐ、花束に致します。」
「よろしく頼む。それと、もう1つ頼みがあるのだが……」
ライト様は棚に置かれた小物、ガラスのショーケースに入っている宝石、マネキンが着ているドレスなど様々な物をじっと見ている。しかし、しっくりとこないのか次々と店を回っていく。
「違うな。」
持っていたぬいぐるみを戻して、また店を出る。
「わからんな。なにを贈れば嬉しいだろうか…。」
「そうですね……。」
付いて来たからにはなにか力になれればいいが、ミラ様とはあまりお会いしたことすらないからな。ミラ様のことはリゼから聞いたことくらいしか……。
(あっ)
「ライト様。」
「なんだ?なにかいい物があったか?」
「はい。花はどうでしょう。」
「花?」
「えぇ、妹のリゼから聞いた話によると、ミラ様は最近体調のよろしいときは毎日と言っていいほど、城の別館にある温室で植物をご覧になるそうですよ。」
「…確かに最近別館近くでよく見かけるな。」
「ですので、花を贈れば喜んでいただけるのではないでしょうか?」
「花、……花か。」
リゼから聞いた話を思い出し、自分なりに考えてみたがどうだろうか。
「……うん、いいな。よし!花にしよう。ルーク、助かったお前に頼んでよかった。」
「いえ、とんでもございません。決まってよかったです。」
「早速、花屋へ向かおう!」
少し進んだところで花屋を見つけた。入口には色とりどりの花が並んでいて、昔自分の家の領地で咲いていた花たちを思い出す。
「確かイスタリック領の北の方では植物の栽培が有名だったな。」
「はい、ちょうど私の家の領地があったところです。」
「そうか…なら、お前も花には詳しいのか?」
「妹のリゼは実際に育てていたので詳しいと思いますが、私は植物を育てるのは苦手だったので、詳しいと言えるほどは知りません。」
「そうなのか?まあ私よりは詳しいだろう。正直花を贈ると決めたが、花のことはひとつもわからん。」
「この花はなんだ?」と言っているライト様がじっと見ている花は、バラだ。どうやら本当に知らないらしい。
「こんにちは、どんな花をお探しですか?……ラ、ライト様!?」
店主らしき人が声をかけてきたが、ライト様の顔を見ると驚いて後ずさる。
「も、申し訳ございません!!」
「いや、いいんだ。今日はお忍びで来ているからな。」
「ありがとうございます」
「それより、ミラへ花を贈ろうと思っているんだが。」
「ミラ様へですか?確かに花には花言葉というものもありますし、花を贈る際は慎重に選んだほうが、「あれにしよう!」……ライト様?」
ライト様は店主の話を聞かずにキョロキョロと店内を見てなにかを見つけたようだ。そちらの方へ向かっていかれたが、店主はライト様の自由さに少し驚いているらしい。
「すみません。ライト様は花言葉は疎か花の名前すら、ひとつも知らないみたいで。」
「そ、そうなんですね。」
「こっちだ!」
「はい!今、参ります。」
「これだ。」
「「!!」」
指をさされた花を見て、店主と2人顔を見合わせる。
「……この花ですか?」
「ああ!…なにかまずかったか?」
「あっ!いえ、そんなことはございません!すぐ、花束に致します。」
「よろしく頼む。それと、もう1つ頼みがあるのだが……」
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