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本編 リディア編
第二十一話 冷徹王子の事情!? ③
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翌日、ディベルゼの元にオルガがやって来た。シェスレイトの予定を聞き、本日来訪したいとのことだった。
ディベルゼは悪巧みの顔になり、オルガに了承の意を告げると、シェスレイトの元へと戻った。
「何だ?」
誰かが訪れて来たのは分かったが、シェスレイトは執務室内にいたため、誰かは分かっていない。ディベルゼに聞いても答えなかった。
「大した用ではありませんでした。私のほうで対処出来ましたので、ご心配には及びません」
ディベルゼが対処してくれていることは普段からよくあったため、シェスレイトは特に気にも止めなかった。
その日は魔獣研究所に訪問予定だった。あることを確認するために。
魔獣研究所に入るとレニードが迎えた。
「いらっしゃいませ、シェスレイト殿下」
「リディアと魔獣について話をしたというのはお前か?」
「え、あ、はい!」
レニードは緊張し背筋が伸びる。
「少し聞きたいことがある」
シェスレイトはそう言うと、魔獣を騎獣にするという噂について聞いた。
どこからか、魔獣研究所が魔獣を騎獣に出来ないかと研究しているらしい、という噂が出回り出していた。
その真相を確かめるためだ。
「はい、魔獣を世話するにつれ、心を通わすことの出来る魔獣もいることが分かって来ているのです。そういった穏やかな子たちは騎獣に出来るのでは、と」
それが実現すれば大きな戦力になる。シェスレイトは改めて聞いた。
「それを提案したのはリディアか?」
「はい!」
レニードは満面の笑みで答えた。
「ここでもか……」
「え?」
「いや、何でもない」
シェスレイトはリディアの発案だということを確認すると、研究所の者たちを労い、魔獣を見学してから執務室へと戻った。
「彼女は一体何者だ?」
「は?」
シェスレイトは素直に、リディアという存在が分からなかった。貴族令嬢の考えることとは桁外れに違う。
考え方も行動も何もかもが、普通の令嬢とは違った。
それ故に出た台詞だった。
「リディア様が何者か……、それはリディア様ご本人しか分からないのでは?」
「まあな」
「彼女の周りを調べますか?」
「いや、そこまではいい。裏があるようには見えんしな」
ディベルゼは吹き出した。
「確かにそうですねぇ」
裏がある人間がシェスレイトにあんな態度を取るとは思えない。
まあでも念を入れるに越したことはない、と、ディベルゼはシェスレイトには内密に独自でリディアの周りを調べるのだった。
シェスレイトはいつも通り書類仕事に戻っていると、扉を叩く音がした。いつもディベルゼが対応するため、シェスレイトは気にせず仕事を続ける。
するとディベルゼが声を上げて呼んだ。何なのだ、と、不機嫌な顔でシェスレイトはディベルゼを見た。
その時目を疑う人物がいた。
リディアが執務室に来た。
今までリディアは執務室に来たことはない。あまりの突然の来訪に驚き、シェスレイトは何故ここにいるのか問い詰めまた睨んでしまう。
睨んでから後悔するが、どうにもならない。
ディベルゼには伝えてあったらしい。ディベルゼを睨んでもくだらないことしか言わない。
ひとまず仕事を置き、リディアを長椅子に促した。
仕事場にリディアがいる。何と華やぐことか。シェスレイトは何だか落ち着かない気分になった。
何の用かと聞くと、リディアは今まであったことを謝罪してきた。謝罪され、今まであったことを思い出し、恥ずかしくなってきた。
知らぬ存ぜぬで押し通すか。シェスレイトは知らない、と横を向いた。
リディアは察したのかその話題からすぐさま違う話題に変えた。
しかしその話題も昨日の逃げ出したやつだ。気まずい。
リディアはクッキーをテーブルに並べ、ディベルゼは昨日自分は食べられなかったと文句を言う。
ディベルゼはシェスレイトよりも先にクッキーを口にし、とんでもないことを言い出した。
誰が食べさせて欲しい等と言うものか!
さすがにリディアも固まっている。
シェスレイトはリディアと目が合うと、昨日クッキーを口に持って来られ、その柔らかい指が唇に触れ、さらには柔らかく綺麗な手が頬を包んだことを鮮明に思い出し、カッと顔が熱くなるのを感じた。
誤魔化すためにもシェスレイトは自らクッキーに手を伸ばし一口食べた。
感想を聞かれ、今度は素直に美味いと言えた。
ホッとしたのも束の間、リディアは前のめりにシェスレイトを見詰め、再び顔が熱くなるのを感じた。
シェスレイトは動揺したが、しかし聞かなければならないことがある。
顔は火照るままだが、必死に冷静さを取り戻し、リディアに聞く。
このクッキーは普通のクッキーとは違う香りがする。今まで食べたことがない。
また何か考えているのではないか、シェスレイトはそう思えて仕方なかった。
その思いは的中していた。
リディアは薬物研究所のハーブを使って安く美味しいお菓子を街の人間に届けたい、と。
しかしそれは商品として売り出すということ。リディアがそこまで考えているとは到底思えなかった。
やるならば責任を持たねばならない。それが上にたつということ。その覚悟があるのか、シェスレイトには心配に思えた。
シェスレイトは極めて冷静に厳しくリディアに問うた。やはりリディアはそこまで深くは考えてはいなかった。
シェスレイトは試した。リディアが本気なのか。本気でやると言うならば、応援してやりたい、とシェスレイトは思ったのだ。
結果、リディアはやりたいと言った。シェスレイトは嬉しさを感じた。やはりリディアは他の令嬢とは違う。
本気で応援をしてやりたい、だからこそ、シェスレイトはより厳しくリディアに言った。
恐らくリディアはやり遂げるのだろう、シェスレイトはそう予感がした。
ついでに、とシェスレイトは魔獣のことも聞いた。
やはり国営病院や医療保険の話と同様に、リディアはあまり深くは考えず、発言したようだ。
しかしその考えが、今までになく、奇抜な発想で周りの人間を驚かせた。
シェスレイトは考え込んだ。魔獣の騎獣化は恐らく実現化するだろう。そして、実は国営病院も実現化しそうなのだ。
どれもリディアの発言を発端に話が膨らみ出している。
シェスレイトはリディアには並々ならぬ興味を持ち始めていた。
麗しい見た目に反し、行動的で奇抜な発想力、今まで周りにいた令嬢とあまりにも違うリディアに明らかに惹かれ始めていた。
周りの目からは明らかなのに、ただシェスレイト本人はまだ自身のその感情に理解が出来ず、気付いていない……。
話を終えたリディアが執務室を後にすると、シェスレイトは色々考え込んでいたせいで、まともに見送ることが出来なかったことに気付いた。
慌ててギルアディスにリディアを送るよう指示を出す。
「殿下……、女性に対しての礼儀を、もう少し慣れましょうね?」
ディベルゼは呆れながら言い、シェスレイトは己の失敗に頭を抱えるのだった。
ディベルゼは悪巧みの顔になり、オルガに了承の意を告げると、シェスレイトの元へと戻った。
「何だ?」
誰かが訪れて来たのは分かったが、シェスレイトは執務室内にいたため、誰かは分かっていない。ディベルゼに聞いても答えなかった。
「大した用ではありませんでした。私のほうで対処出来ましたので、ご心配には及びません」
ディベルゼが対処してくれていることは普段からよくあったため、シェスレイトは特に気にも止めなかった。
その日は魔獣研究所に訪問予定だった。あることを確認するために。
魔獣研究所に入るとレニードが迎えた。
「いらっしゃいませ、シェスレイト殿下」
「リディアと魔獣について話をしたというのはお前か?」
「え、あ、はい!」
レニードは緊張し背筋が伸びる。
「少し聞きたいことがある」
シェスレイトはそう言うと、魔獣を騎獣にするという噂について聞いた。
どこからか、魔獣研究所が魔獣を騎獣に出来ないかと研究しているらしい、という噂が出回り出していた。
その真相を確かめるためだ。
「はい、魔獣を世話するにつれ、心を通わすことの出来る魔獣もいることが分かって来ているのです。そういった穏やかな子たちは騎獣に出来るのでは、と」
それが実現すれば大きな戦力になる。シェスレイトは改めて聞いた。
「それを提案したのはリディアか?」
「はい!」
レニードは満面の笑みで答えた。
「ここでもか……」
「え?」
「いや、何でもない」
シェスレイトはリディアの発案だということを確認すると、研究所の者たちを労い、魔獣を見学してから執務室へと戻った。
「彼女は一体何者だ?」
「は?」
シェスレイトは素直に、リディアという存在が分からなかった。貴族令嬢の考えることとは桁外れに違う。
考え方も行動も何もかもが、普通の令嬢とは違った。
それ故に出た台詞だった。
「リディア様が何者か……、それはリディア様ご本人しか分からないのでは?」
「まあな」
「彼女の周りを調べますか?」
「いや、そこまではいい。裏があるようには見えんしな」
ディベルゼは吹き出した。
「確かにそうですねぇ」
裏がある人間がシェスレイトにあんな態度を取るとは思えない。
まあでも念を入れるに越したことはない、と、ディベルゼはシェスレイトには内密に独自でリディアの周りを調べるのだった。
シェスレイトはいつも通り書類仕事に戻っていると、扉を叩く音がした。いつもディベルゼが対応するため、シェスレイトは気にせず仕事を続ける。
するとディベルゼが声を上げて呼んだ。何なのだ、と、不機嫌な顔でシェスレイトはディベルゼを見た。
その時目を疑う人物がいた。
リディアが執務室に来た。
今までリディアは執務室に来たことはない。あまりの突然の来訪に驚き、シェスレイトは何故ここにいるのか問い詰めまた睨んでしまう。
睨んでから後悔するが、どうにもならない。
ディベルゼには伝えてあったらしい。ディベルゼを睨んでもくだらないことしか言わない。
ひとまず仕事を置き、リディアを長椅子に促した。
仕事場にリディアがいる。何と華やぐことか。シェスレイトは何だか落ち着かない気分になった。
何の用かと聞くと、リディアは今まであったことを謝罪してきた。謝罪され、今まであったことを思い出し、恥ずかしくなってきた。
知らぬ存ぜぬで押し通すか。シェスレイトは知らない、と横を向いた。
リディアは察したのかその話題からすぐさま違う話題に変えた。
しかしその話題も昨日の逃げ出したやつだ。気まずい。
リディアはクッキーをテーブルに並べ、ディベルゼは昨日自分は食べられなかったと文句を言う。
ディベルゼはシェスレイトよりも先にクッキーを口にし、とんでもないことを言い出した。
誰が食べさせて欲しい等と言うものか!
さすがにリディアも固まっている。
シェスレイトはリディアと目が合うと、昨日クッキーを口に持って来られ、その柔らかい指が唇に触れ、さらには柔らかく綺麗な手が頬を包んだことを鮮明に思い出し、カッと顔が熱くなるのを感じた。
誤魔化すためにもシェスレイトは自らクッキーに手を伸ばし一口食べた。
感想を聞かれ、今度は素直に美味いと言えた。
ホッとしたのも束の間、リディアは前のめりにシェスレイトを見詰め、再び顔が熱くなるのを感じた。
シェスレイトは動揺したが、しかし聞かなければならないことがある。
顔は火照るままだが、必死に冷静さを取り戻し、リディアに聞く。
このクッキーは普通のクッキーとは違う香りがする。今まで食べたことがない。
また何か考えているのではないか、シェスレイトはそう思えて仕方なかった。
その思いは的中していた。
リディアは薬物研究所のハーブを使って安く美味しいお菓子を街の人間に届けたい、と。
しかしそれは商品として売り出すということ。リディアがそこまで考えているとは到底思えなかった。
やるならば責任を持たねばならない。それが上にたつということ。その覚悟があるのか、シェスレイトには心配に思えた。
シェスレイトは極めて冷静に厳しくリディアに問うた。やはりリディアはそこまで深くは考えてはいなかった。
シェスレイトは試した。リディアが本気なのか。本気でやると言うならば、応援してやりたい、とシェスレイトは思ったのだ。
結果、リディアはやりたいと言った。シェスレイトは嬉しさを感じた。やはりリディアは他の令嬢とは違う。
本気で応援をしてやりたい、だからこそ、シェスレイトはより厳しくリディアに言った。
恐らくリディアはやり遂げるのだろう、シェスレイトはそう予感がした。
ついでに、とシェスレイトは魔獣のことも聞いた。
やはり国営病院や医療保険の話と同様に、リディアはあまり深くは考えず、発言したようだ。
しかしその考えが、今までになく、奇抜な発想で周りの人間を驚かせた。
シェスレイトは考え込んだ。魔獣の騎獣化は恐らく実現化するだろう。そして、実は国営病院も実現化しそうなのだ。
どれもリディアの発言を発端に話が膨らみ出している。
シェスレイトはリディアには並々ならぬ興味を持ち始めていた。
麗しい見た目に反し、行動的で奇抜な発想力、今まで周りにいた令嬢とあまりにも違うリディアに明らかに惹かれ始めていた。
周りの目からは明らかなのに、ただシェスレイト本人はまだ自身のその感情に理解が出来ず、気付いていない……。
話を終えたリディアが執務室を後にすると、シェスレイトは色々考え込んでいたせいで、まともに見送ることが出来なかったことに気付いた。
慌ててギルアディスにリディアを送るよう指示を出す。
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