25 / 136
本編 リディア編
第二十五話 波乱の市場調査!? その二
しおりを挟む
私たちが前を歩き、後ろからシェスレイト殿下たちが付いて来てるような形で歩いた。
何か見張られているみたいだな。
「大丈夫なのか?」
「え?」
ラニールさんが小声で聞いた。
「お前はシェスレイト殿下の相手をしたほうが良いんじゃ……」
「えー……」
「えーってお前……」
ラニールさんが苦笑している。
「だって……」
チラッとシェスレイト殿下を見ると、いかにも不機嫌そうな……。
見ていたのがバレて目が合うが、あからさまに目を逸らされた。何だかな……。
「何か機嫌が悪そうですし、それに元々ラニールさんと出かけるつもりだったんだし……」
拗ねてみた。
でも本当にラニールさんと出かけるつもりだったのに、シェスレイト殿下の相手をしに行くのも、何か違う気がするから。
でもシェスレイト殿下の相手をすべきなのかなぁ、婚約者だしなぁ……。
と、ぶつぶつ考えていたら、ラニールさんは顔を背けていた。何か耳が赤いような?
「ラニールさん?」
「何でもない!」
そうこうしてると街の賑わう辺りまでやって来た。
さすが王都だけあって広いんだよね。一人で外出したことはないが、お母様に連れられて、何度かは街に来たことはある。
しかし今回のように自由に出歩けた訳ではないから、今日はとても楽しみにしていたのだ。
せっかく楽しみにしていたのだが、この大所帯……。
明らかに目立つ八人組に周りの人々はこそこそと何やら耳打ちし合っている。
目立つなぁ……。溜め息を吐いた。
「さて、まずは何をなさるんですか?」
ディベルゼさんが興味津々に聞いて来た。
「え、あの、シェスレイト殿下たちは視察があるのでは?」
「私たちのは後で大丈夫ですから」
ディベルゼさんはニコリと笑うが、何だか胡散臭い笑顔だな……。
「はぁ……、えっと私たちはお菓子を……」
チラッとシェスレイト殿下を見た。ずっと顔を逸らしたままだし。
「一緒に来ますか?」
シェスレイト殿下はやっとこちらを向いたかと思うと、目が合うとまたすぐに逸らした。
「外では殿下と呼ぶな」
「え? あ、あぁ、そうですね。では、シェスレイト様?」
「…………」
「?」
結局また無言だし……、何だこの人見知り王子! 何だかイラッとしてきた。
勝手に付いて来たくせにずっとムスッとしてさ。
もう良いや、好きにしよう!
くるっとラニールさんに向き直り、シェスレイト殿下から離れた。
「ラニールさん、どこかお店知ってますか?」
「いや、俺もよくは知らない」
「俺が案内するぞ!」
ルーがニッと笑った、かと思ったら、ハッとした顔になり固まった。
「ルー?」
「何か背中に悪寒が……」
「?」
ルー越しにシェスレイト殿下が見えたが、さすが冷徹王子! と思わせる敵を射るような視線が……。
「気のせい気のせい! はい、案内してルー!」
ルーの背中をグイッと押し促した。
若干ルーはビクビクしているが、もうこの際気にせず楽しむしかない!
ルーに案内されたのは街で人気のパン屋だった。
「パン屋?」
「あぁ、パン屋にお菓子も置いてあるんだ」
そのパン屋は可愛らしい雰囲気のお店で、店先には綺麗な花がたくさん飾られていた。
中に入るとパンの良い香りが店中に広がっている。
パンの種類自体は少ないがどれも美味しそうだ。
眺めていると、パンとは別の棚にお菓子らしきものが置かれていた。茶色で一口サイズくらいの小さなもの。
「これ?」
「あぁ」
お菓子というにはパンに近いような気がしたが、人数分買ってみた。
オルガが慣れた手付きでお金を払う。
「はい、お嬢」
「ありがとう、オルガ」
オルガは買った物を手渡す。
店先で食べるのも気が引けたので、少し離れたところの噴水広場に移動し、噴水の横に腰を下ろした。
先程のお菓子が入った紙袋を広げ、皆に促した。
「さあ、皆さんどうぞ」
ラニールさんとルーが一つずつ取ると、ディベルゼさんとギル兄も手にした。
シェスレイト殿下は……、
「シェスレイト様?」
「ここで食べるのか?」
「はい」
あー、きっとこういう場所で食べたことないんだろうね。うーん、無理にとは言わないけど……。
「はい、シェスレイト様、ここに座ってください!」
隣をポンと叩き座るよう促した。
一緒に来たなら合わせてくれないと!
シェスレイト殿下は躊躇ったが、渋々な顔付きで隣に腰を下ろした。
「よく出来ました! はい!」
ニコリと笑って、小さい子にするようにお菓子を手渡した。
「あ、あぁ」
素直だな、と少し可笑しくて笑った。
「フフ、さあ一緒に食べましょう?」
ディベルゼさんが笑いを堪えているのには気付かなかった事にしよう。
パン屋で買ったそのお菓子は、見た目はパンのような感じだが、持つと見た目よりフワフワとしていた。
焼き立てだったのか、まだほんのりと温かい。
香りに甘さは感じず、一口食べてみると、パンのような香りが広がった。
食感はやはりフワフワで、しかし甘さはやはりあまりない。パンよりは甘い、というくらいか。
カナデのときに食べていた菓子パンのほうが余程お菓子らしい。
これ自体は美味しいが、これはほぼパンだな。
「ラニールさんどうですか?」
「うーん、パンだな」
「ですよね」
二人で苦笑した。
他の皆も食べた感想は美味しいがパンと変わらない、といった感想だった。
シェスレイト殿下は理解出来ない、といった顔かな?
それはそうよねぇ、王子であるシェスレイト殿下はお菓子も砂糖がたくさん使われた物しか口にしたことがないだろうし。
「でもこれがお菓子として食べられてるんだよねぇ」
呟いた言葉にルーが反応した。
「そうだな、大体はこんな感じだぞ? 他の店にも行くか?」
「ルーは色々食べたことあるんだね?」
「まあな」
自慢気になったが、シェスレイト殿下の視線に気付くと慌てて口をつぐんだ。
「さて、次はだな……」
シェスレイト殿下の視線から逃げるようにルーは反対方向を向いた。
立ち上がろうとすると、シェスレイト殿下は先に立ち上がり手を差し出した。
「ありがとうございます」
こういうところはやはり紳士的よね。差し出された手を取り立ち上がった。
そのまま手を握り締められ、シェスレイト殿下は歩き出す。え? え? 手は? 離さないの?
「あ、あのシェスレイト様?」
「何だ?」
「えっと……、手を……」
シェスレイト殿下は無意識に手を繋いでいたらしく、ハッとした表情で慌てて手を離した。
「すまない!」
そう言って顔を背けたシェスレイト殿下の耳は真っ赤だった。
この人もウブなのかしら。うーん、まだよく分からない人だしな。うん、分からないから、考えるのはやめよう!
次にルーが案内してくれたのは露店だった。噴水広場からすぐ近くにあったその店は、その場で食べられるように、すぐ側に椅子が何脚か置いてあった。
その店に置いてあったのは揚げパン? のような、ドーナツのような? 穴は開いていないが、ドーナツのように揚げてあるものだった。
先程と同じように人数分を買い、側の椅子に私とシェスレイト殿下だけが座り、他は皆立ちながら食べた。
「うん、揚げたてだからサクサクしていて美味しい!」
「あぁ、美味い、美味いが……」
ラニールさんの言葉が止まった。うん、これは……、
「これは甘さじゃなく塩気ですね」
「あぁ」
また二人で苦笑した。
塩気のお菓子もあるね! 確かに! でも求めていたものとは違う!
「うーん、でもこれ、塩気を甘味に変えたらいけるんじゃ?」
「あぁ、確かにいけそうだな」
ラニールさんと夢中で議論を交わしていると、シェスレイト殿下がこちらを見ていることに気付いた。しかも射殺しそうな視線。怖いよ!
「シェスレイト様、またお顔が怖いですよ」
シェスレイト殿下の頬を両手でむぎゅっと包み込み、しっかりと見据えた。吸い込まれそうな瑠璃色の瞳。
こうなればシェスレイト殿下が怖い顔をする度に指摘してやる!
むぎゅっと頬を押さえたせいで、シェスレイト殿下の綺麗な顔が歪み、見たこともない顔になり、思わず吹き出してしまった。
「アハハ」
「は、離せ!!」
シェスレイト殿下は私の両手を掴み、掴んだまま膝元へ下げた。
ん? 何だかムズムズする。
目の前には俯き真っ赤な顔のシェスレイト殿下。そして握り締められた両手。ムズムズする理由はどうやら手をさわさわとシェスレイト殿下に探るように触られていたからだった。
「シェスレイト様?」
ハッとしたシェスレイト殿下はまた慌てて手を離した。
さっきといい、今といい、そんなに私の手が気になるのかしら。
「私の手が気になるのですか? 私の手、何か変ですか?」
「ち、違う!! 別に気になる訳ではない!!」
「?」
キョトンとしていると、何故か周りの皆は苦笑している。
「お前……、中々に酷いな……」
ラニールさんにまで苦笑されている。何で!? 何か悪いこと言った!?
「何なんですか! もう! 次行きますよ!」
ムッとして叫んだら、視線の端にシェスレイト殿下が少し笑ったかのように見えた? いや、でも今見たらやはり冷たい表情だし……、気のせいか。
何か見張られているみたいだな。
「大丈夫なのか?」
「え?」
ラニールさんが小声で聞いた。
「お前はシェスレイト殿下の相手をしたほうが良いんじゃ……」
「えー……」
「えーってお前……」
ラニールさんが苦笑している。
「だって……」
チラッとシェスレイト殿下を見ると、いかにも不機嫌そうな……。
見ていたのがバレて目が合うが、あからさまに目を逸らされた。何だかな……。
「何か機嫌が悪そうですし、それに元々ラニールさんと出かけるつもりだったんだし……」
拗ねてみた。
でも本当にラニールさんと出かけるつもりだったのに、シェスレイト殿下の相手をしに行くのも、何か違う気がするから。
でもシェスレイト殿下の相手をすべきなのかなぁ、婚約者だしなぁ……。
と、ぶつぶつ考えていたら、ラニールさんは顔を背けていた。何か耳が赤いような?
「ラニールさん?」
「何でもない!」
そうこうしてると街の賑わう辺りまでやって来た。
さすが王都だけあって広いんだよね。一人で外出したことはないが、お母様に連れられて、何度かは街に来たことはある。
しかし今回のように自由に出歩けた訳ではないから、今日はとても楽しみにしていたのだ。
せっかく楽しみにしていたのだが、この大所帯……。
明らかに目立つ八人組に周りの人々はこそこそと何やら耳打ちし合っている。
目立つなぁ……。溜め息を吐いた。
「さて、まずは何をなさるんですか?」
ディベルゼさんが興味津々に聞いて来た。
「え、あの、シェスレイト殿下たちは視察があるのでは?」
「私たちのは後で大丈夫ですから」
ディベルゼさんはニコリと笑うが、何だか胡散臭い笑顔だな……。
「はぁ……、えっと私たちはお菓子を……」
チラッとシェスレイト殿下を見た。ずっと顔を逸らしたままだし。
「一緒に来ますか?」
シェスレイト殿下はやっとこちらを向いたかと思うと、目が合うとまたすぐに逸らした。
「外では殿下と呼ぶな」
「え? あ、あぁ、そうですね。では、シェスレイト様?」
「…………」
「?」
結局また無言だし……、何だこの人見知り王子! 何だかイラッとしてきた。
勝手に付いて来たくせにずっとムスッとしてさ。
もう良いや、好きにしよう!
くるっとラニールさんに向き直り、シェスレイト殿下から離れた。
「ラニールさん、どこかお店知ってますか?」
「いや、俺もよくは知らない」
「俺が案内するぞ!」
ルーがニッと笑った、かと思ったら、ハッとした顔になり固まった。
「ルー?」
「何か背中に悪寒が……」
「?」
ルー越しにシェスレイト殿下が見えたが、さすが冷徹王子! と思わせる敵を射るような視線が……。
「気のせい気のせい! はい、案内してルー!」
ルーの背中をグイッと押し促した。
若干ルーはビクビクしているが、もうこの際気にせず楽しむしかない!
ルーに案内されたのは街で人気のパン屋だった。
「パン屋?」
「あぁ、パン屋にお菓子も置いてあるんだ」
そのパン屋は可愛らしい雰囲気のお店で、店先には綺麗な花がたくさん飾られていた。
中に入るとパンの良い香りが店中に広がっている。
パンの種類自体は少ないがどれも美味しそうだ。
眺めていると、パンとは別の棚にお菓子らしきものが置かれていた。茶色で一口サイズくらいの小さなもの。
「これ?」
「あぁ」
お菓子というにはパンに近いような気がしたが、人数分買ってみた。
オルガが慣れた手付きでお金を払う。
「はい、お嬢」
「ありがとう、オルガ」
オルガは買った物を手渡す。
店先で食べるのも気が引けたので、少し離れたところの噴水広場に移動し、噴水の横に腰を下ろした。
先程のお菓子が入った紙袋を広げ、皆に促した。
「さあ、皆さんどうぞ」
ラニールさんとルーが一つずつ取ると、ディベルゼさんとギル兄も手にした。
シェスレイト殿下は……、
「シェスレイト様?」
「ここで食べるのか?」
「はい」
あー、きっとこういう場所で食べたことないんだろうね。うーん、無理にとは言わないけど……。
「はい、シェスレイト様、ここに座ってください!」
隣をポンと叩き座るよう促した。
一緒に来たなら合わせてくれないと!
シェスレイト殿下は躊躇ったが、渋々な顔付きで隣に腰を下ろした。
「よく出来ました! はい!」
ニコリと笑って、小さい子にするようにお菓子を手渡した。
「あ、あぁ」
素直だな、と少し可笑しくて笑った。
「フフ、さあ一緒に食べましょう?」
ディベルゼさんが笑いを堪えているのには気付かなかった事にしよう。
パン屋で買ったそのお菓子は、見た目はパンのような感じだが、持つと見た目よりフワフワとしていた。
焼き立てだったのか、まだほんのりと温かい。
香りに甘さは感じず、一口食べてみると、パンのような香りが広がった。
食感はやはりフワフワで、しかし甘さはやはりあまりない。パンよりは甘い、というくらいか。
カナデのときに食べていた菓子パンのほうが余程お菓子らしい。
これ自体は美味しいが、これはほぼパンだな。
「ラニールさんどうですか?」
「うーん、パンだな」
「ですよね」
二人で苦笑した。
他の皆も食べた感想は美味しいがパンと変わらない、といった感想だった。
シェスレイト殿下は理解出来ない、といった顔かな?
それはそうよねぇ、王子であるシェスレイト殿下はお菓子も砂糖がたくさん使われた物しか口にしたことがないだろうし。
「でもこれがお菓子として食べられてるんだよねぇ」
呟いた言葉にルーが反応した。
「そうだな、大体はこんな感じだぞ? 他の店にも行くか?」
「ルーは色々食べたことあるんだね?」
「まあな」
自慢気になったが、シェスレイト殿下の視線に気付くと慌てて口をつぐんだ。
「さて、次はだな……」
シェスレイト殿下の視線から逃げるようにルーは反対方向を向いた。
立ち上がろうとすると、シェスレイト殿下は先に立ち上がり手を差し出した。
「ありがとうございます」
こういうところはやはり紳士的よね。差し出された手を取り立ち上がった。
そのまま手を握り締められ、シェスレイト殿下は歩き出す。え? え? 手は? 離さないの?
「あ、あのシェスレイト様?」
「何だ?」
「えっと……、手を……」
シェスレイト殿下は無意識に手を繋いでいたらしく、ハッとした表情で慌てて手を離した。
「すまない!」
そう言って顔を背けたシェスレイト殿下の耳は真っ赤だった。
この人もウブなのかしら。うーん、まだよく分からない人だしな。うん、分からないから、考えるのはやめよう!
次にルーが案内してくれたのは露店だった。噴水広場からすぐ近くにあったその店は、その場で食べられるように、すぐ側に椅子が何脚か置いてあった。
その店に置いてあったのは揚げパン? のような、ドーナツのような? 穴は開いていないが、ドーナツのように揚げてあるものだった。
先程と同じように人数分を買い、側の椅子に私とシェスレイト殿下だけが座り、他は皆立ちながら食べた。
「うん、揚げたてだからサクサクしていて美味しい!」
「あぁ、美味い、美味いが……」
ラニールさんの言葉が止まった。うん、これは……、
「これは甘さじゃなく塩気ですね」
「あぁ」
また二人で苦笑した。
塩気のお菓子もあるね! 確かに! でも求めていたものとは違う!
「うーん、でもこれ、塩気を甘味に変えたらいけるんじゃ?」
「あぁ、確かにいけそうだな」
ラニールさんと夢中で議論を交わしていると、シェスレイト殿下がこちらを見ていることに気付いた。しかも射殺しそうな視線。怖いよ!
「シェスレイト様、またお顔が怖いですよ」
シェスレイト殿下の頬を両手でむぎゅっと包み込み、しっかりと見据えた。吸い込まれそうな瑠璃色の瞳。
こうなればシェスレイト殿下が怖い顔をする度に指摘してやる!
むぎゅっと頬を押さえたせいで、シェスレイト殿下の綺麗な顔が歪み、見たこともない顔になり、思わず吹き出してしまった。
「アハハ」
「は、離せ!!」
シェスレイト殿下は私の両手を掴み、掴んだまま膝元へ下げた。
ん? 何だかムズムズする。
目の前には俯き真っ赤な顔のシェスレイト殿下。そして握り締められた両手。ムズムズする理由はどうやら手をさわさわとシェスレイト殿下に探るように触られていたからだった。
「シェスレイト様?」
ハッとしたシェスレイト殿下はまた慌てて手を離した。
さっきといい、今といい、そんなに私の手が気になるのかしら。
「私の手が気になるのですか? 私の手、何か変ですか?」
「ち、違う!! 別に気になる訳ではない!!」
「?」
キョトンとしていると、何故か周りの皆は苦笑している。
「お前……、中々に酷いな……」
ラニールさんにまで苦笑されている。何で!? 何か悪いこと言った!?
「何なんですか! もう! 次行きますよ!」
ムッとして叫んだら、視線の端にシェスレイト殿下が少し笑ったかのように見えた? いや、でも今見たらやはり冷たい表情だし……、気のせいか。
31
あなたにおすすめの小説
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない
三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さくら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる