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正義のヒーローにお礼を
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「そろそろかな」
間違いなく俺は現在K町にいる。助け出した少女は車内での会話でだいぶ打ち解け、母親の職場近くに滞りなく辿り着いた。
車道の向こうを指さし、彼女は俺の顔を窺いながら、
「おじさん。ほんとにお母さんはスーパーにいるの?」
でもお母さんは病院って……、と怖気づく。
「おじさんを信用してくれる? まず誰か大人に“お母さんに会いたい”って言うんだよ」
少女はじっと俺の顔を見た。
「うん」
赤らめ顔でコクリと頷いたら、急いで車を降りていった。
……急いでいるはずだが、「左右を確認して、気を付けて渡るんだよ」、こう声を掛けた俺に彼女はいったん振り返り、その顔を突き出してきた。
「?」
「あの子にありがとうって言っておいて。お母さんは大丈夫ってあの子が教えてくれたんでしょ?」
俺は固まった。彼女の記憶に里梨様の印象が残っている。心理学応用レベルのマインドコントロールでは甘かったか。
「……」
焦りの反面、 “そうだよ。君は彼女に助けられたんだ”と口にしたい衝動に駆られる。
「あの子はアイとセイギの美少女戦士なんだよね? でもナイショにしてるんでしょ」
口をつぐむ俺に、少女は得意げに笑んだ。推測の後半は正解。子どもの空想力は侮れない。
「わたしもナイショにするから、これからもみんなを助けてね!」
楽しげに走っていった。
俺は短い溜息を吐き、少女のために開けたウィンドウを閉めた。
正義の、か……。
里梨様にその意志は全くないのだが。しかし里梨様の思惑がそこにあろうとなかろうと、これからも歩みを止めることなく、子どもを食い物にする魑魅魍魎を駆除していく。
何の因果か、闇からの使者──精白の鶴と蛇に魅入られてしまった今生の彼女は……
あの日見た、“嗜虐の眼”に焦がれ、捕食者として花開く。
間違いなく俺は現在K町にいる。助け出した少女は車内での会話でだいぶ打ち解け、母親の職場近くに滞りなく辿り着いた。
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「おじさんを信用してくれる? まず誰か大人に“お母さんに会いたい”って言うんだよ」
少女はじっと俺の顔を見た。
「うん」
赤らめ顔でコクリと頷いたら、急いで車を降りていった。
……急いでいるはずだが、「左右を確認して、気を付けて渡るんだよ」、こう声を掛けた俺に彼女はいったん振り返り、その顔を突き出してきた。
「?」
「あの子にありがとうって言っておいて。お母さんは大丈夫ってあの子が教えてくれたんでしょ?」
俺は固まった。彼女の記憶に里梨様の印象が残っている。心理学応用レベルのマインドコントロールでは甘かったか。
「……」
焦りの反面、 “そうだよ。君は彼女に助けられたんだ”と口にしたい衝動に駆られる。
「あの子はアイとセイギの美少女戦士なんだよね? でもナイショにしてるんでしょ」
口をつぐむ俺に、少女は得意げに笑んだ。推測の後半は正解。子どもの空想力は侮れない。
「わたしもナイショにするから、これからもみんなを助けてね!」
楽しげに走っていった。
俺は短い溜息を吐き、少女のために開けたウィンドウを閉めた。
正義の、か……。
里梨様にその意志は全くないのだが。しかし里梨様の思惑がそこにあろうとなかろうと、これからも歩みを止めることなく、子どもを食い物にする魑魅魍魎を駆除していく。
何の因果か、闇からの使者──精白の鶴と蛇に魅入られてしまった今生の彼女は……
あの日見た、“嗜虐の眼”に焦がれ、捕食者として花開く。
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