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宿業はこの生で
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「うぎゃァぁああああ!!!」
醜い金切声が響き渡る。身を捩りのたうつ様は身体に火でも着けられたかのようだ。
その身体に注入されるのは、どのような毒か。里梨様に尋ねても明確な答えは得られない。
徐々に、徐々に、毒は五臓六腑に染み渡り──、被毒者にせん妄を植え付ける。
どのような?
己は大蛇に睨まれ逃げ場なく、身体を締め上げられたらじっくりその血を吸われる。
そういった類のものだ。
「うぐぁああ……うぐわぁあ。た、たす、け……」
ここに捕食者と非捕食者の営みという、自然界における必然が成り立った。
「あぁ、そのわらわを見つめる怯えた眼……美しいのぅ」
精神を蝕み身体の自由を奪われた獲物は、毛虫のように這いつくばる。
「桃色の湯気をまとうておったその眼が、青く黒く濁ってゆく……その移り変わりにわらわは風情を思うのじゃ」
対照的に、彼女の瞳は緋色に染まる。
「わらわとどのような夜を過ごせば、その眼を絶望よりも闇深い、暗黒の球にできるのじゃろな?」
絡んだ手首の縄をたやすく引きちぎり、彼女はその手で獲物の頭部を胸に抱いた。
「よいぞ。朝までかわいがってやるゆえ、わらわに任せるがよい」
そしてごわついた頭髪を大きく撫で回し、その額をぺろり……と一舐めするのだった。
おそらく“あの時”の小鶴様がその極限状態において、こと切れる瞬間の無限の快楽と、加害者の嗜虐的な眼の像を綯い交ぜにして、魂に刻みこんでしまった。
その魂は恐怖、絶望、怨恨……そういった情念を紛らわすため現世に還りきて、覚えたての美味を求め彷徨う。
特別な力を授けたのはあの鶴と蛇だろう? あれらは救いの使者であったのか、あるいは……。
哀れな宿業にいつか終止符は打たれるだろうか。願わずにはいられない。思うがまま貪り食う彼女はこんなにも、幸福感にあふれているのに。
醜い金切声が響き渡る。身を捩りのたうつ様は身体に火でも着けられたかのようだ。
その身体に注入されるのは、どのような毒か。里梨様に尋ねても明確な答えは得られない。
徐々に、徐々に、毒は五臓六腑に染み渡り──、被毒者にせん妄を植え付ける。
どのような?
己は大蛇に睨まれ逃げ場なく、身体を締め上げられたらじっくりその血を吸われる。
そういった類のものだ。
「うぐぁああ……うぐわぁあ。た、たす、け……」
ここに捕食者と非捕食者の営みという、自然界における必然が成り立った。
「あぁ、そのわらわを見つめる怯えた眼……美しいのぅ」
精神を蝕み身体の自由を奪われた獲物は、毛虫のように這いつくばる。
「桃色の湯気をまとうておったその眼が、青く黒く濁ってゆく……その移り変わりにわらわは風情を思うのじゃ」
対照的に、彼女の瞳は緋色に染まる。
「わらわとどのような夜を過ごせば、その眼を絶望よりも闇深い、暗黒の球にできるのじゃろな?」
絡んだ手首の縄をたやすく引きちぎり、彼女はその手で獲物の頭部を胸に抱いた。
「よいぞ。朝までかわいがってやるゆえ、わらわに任せるがよい」
そしてごわついた頭髪を大きく撫で回し、その額をぺろり……と一舐めするのだった。
おそらく“あの時”の小鶴様がその極限状態において、こと切れる瞬間の無限の快楽と、加害者の嗜虐的な眼の像を綯い交ぜにして、魂に刻みこんでしまった。
その魂は恐怖、絶望、怨恨……そういった情念を紛らわすため現世に還りきて、覚えたての美味を求め彷徨う。
特別な力を授けたのはあの鶴と蛇だろう? あれらは救いの使者であったのか、あるいは……。
哀れな宿業にいつか終止符は打たれるだろうか。願わずにはいられない。思うがまま貪り食う彼女はこんなにも、幸福感にあふれているのに。
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