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【 第十一章 】 選ばなかった道の先にある運命
⑭ 夢のあと
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「ああ……良く寝たなぁ……」
隣で現実のルゥがまだすやすやと眠っている。目覚めたアリアンロッドは、軽くつないでいるルゥの手をもう一度強く握って、そして離した。
現実を思えば不安は消えない。大聖女の役目も果たせず、あの人を落胆させてしまうだろう。
それでもこの子には、自由に生きて欲しいのだ。日の光の下で、これからも好きなように生きていって欲しい。もしかしたら、自分の代わりに生きて欲しいという願いなのかもしれない。
これ以上そばにいたら未練になってしまうから、アリアンロッドはそっとその場から離れた。おおよその達成感を抱いていれば、今まで通り神はふっと現実に戻してくれるだろう。
しばらくうろうろ歩いていると、そろそろその林際に出るというところ。導かれるように明るいそちらへ彼女は歩を進めた。
すると、横切る道に出たが、その先は崖、そしてさらには海が広がる。その海の先にも大島があり、森に囲まれる大きな屋敷の上階が見えるのだった。
「あんな大きな邸宅で暮らしている人たちもいるのね。あれは宮殿なのかしら……」
ここで、不意に横から声を掛けられた。
「あれ、母様? どうしてこちらに……」
アリアンロッドはとっさに振り向いた。
そこにいたのは、身なりのきちんとした銀髪の青年だった。アリアンロッドは彼の紫の瞳をじっと見つめて、妙な感覚に陥った。
「あ、人違いでした、すみません。……あれ、でも……」
彼も同様の感覚を催したのだろう。
アリアンロッドのそれは──、まるで男性になった自分を鏡で見ているような奇妙な経験。
ふたりはその瞬間、見つめ合って、微動だにしなかった。
その時、アリアンロッドは冷たい風を感じた。ここで眼前の青年に、人間が急に立ち消えるのを見せるのは、と、元来たほうへ逃げ出した。
「あ、待って……!」
そのまま無我夢中で走って、一度腰を曲げて息を整え、顔を上げたら。
王宮のいつもの庭に戻っていたのだった。
◇◆◇
その頃、夢の中で昼寝をしていたルゥは、夢の中で目を覚ました。しかしアリアンロッドの姿はそこにない。
「あれ……あいつ、どこ行った? また走り込みか?」
まわりを見回してもまったく気配がない。
「もしかして、目が覚めちゃったのか? でもここ、まだ夢の中だしな……まさか俺、他人の夢を引き継ぐこともできるってか? 己の才能が怖いな」
彼女はやや寝ぼけている様子。そのとき背後の、夢からの慟哭が彼女を揺り起こした。驚いてそこをのぞくと、アリアンロッドが動かない赤子を抱きしめ泣き喚いている。
それはまともな声にならない、かくも悲痛な叫びだった。
「何が起きて……まさか……」
そのまさかで、赤子は流行り病に冒され、いま息を引き取ったところだ。隣でディオニソスがアリアンロッドの肩を抱き、精一杯慰めようとするが、今の彼女には彼の思いすら届かない。
アリアンロッドだって分かっていたはずだ。小さな子どもなどいつ天に帰ってしまってもふしぎではない、儚い存在なのだと。このような話は、彼女もしばしば見聞きし心痛めることであったが、実際に身の上に起きたならこれ以上の絶望はない。
涙が枯れた後も、泣き疲れ果て眠りについた後も、彼女は決して赤子を離さなかった。
そして、赤子の埋葬から幾日かたった後、今度はその流行り病でディオニソスが倒れた。
『あなた! いやだ……私をおいていかないで!!』
どんなに泣いて名を呼んでも、熱に浮かされる彼には聞こえない。彼も子の後を追うように天に召されたのだった。
「あ、ああぁ……」
立て続けに彼女を襲った不幸に、ルゥも顔面蒼白になる。
夢の中のアリアンロッドは、埋葬の場にて「彼と共に私も埋めて」と泣き叫び遺体から離れようとせず、参列した男性らの手で連れ帰らされた。
これをアリアンロッド本人がみていなくて良かったと、ルゥは心の底から思う。
「いくら夢であっても、こんな場面はただの一度ですら御免だよな……」
もしかして、人はちょうど良い時に目覚めるようになっているのか、と彼女は考えた。たまに夢から目覚めたら「もっとみていたかったのに」と思うこともあるが、そういうものに限って案外みなくて済んで良かったりするのだろうと。
しかし、どうやら夢はまだ続いている。
最愛のふたりを失ったアリアンロッドは虚ろな気分で生きていた。独りになっても、近隣の人々の協力で生活はしていける。心は寂しさで死んでしまっても、からだはまだ死ねなかった。
その頃、彼女は町人たちの噂話を聞いた。とうとうこの国も、東の地方から来た覇王・ユングの支配下に置かれるという話だ。
『……国は……?』
アリアンロッドは震える手で彼らに掴みかかって尋ねた。ヴィグリーズ王国はどうなったのかを。すると、とうに東の軍勢に占領され、中枢にいた為政者らはみな刑に処された、とのこと。
『そんな……。ヴァルは……お母様は……』
更なる絶望の淵に落ちていくような彼女を、人々は不思議そうに眺めていた。
起きる機を逃してまだ空からみていたルゥは、もはや言葉もなかった。
そのうちにルゥも目が覚めた。周りには誰もいない。もう日も暮れる、早く帰らなくては両親も心配するだろう。
森の道を抜け、屋敷の外郭を伝って走る。そんな時に、角の向こうの地面から影が長く伸びて出た。
「母さま!」
角からひょっこり出てきたのは、優しい微笑みをたたえた母だった。
「母さま、ひとりで歩いてて大丈夫か?」
「今日はとても気分がいいの。だから、あなたを迎えにぶらぶら行こうと思って」
頭を撫でられ、彼女は両親だけに見せる無邪気な顔で笑う。
「もう父さまはテーブルにいる? みんなも?」
「ええ。ああでも、さっき兄さまがあなたを探しに行くって……、会ってない?」
「ん、すれ違っちゃったかな」
ふたり手をつないで、そこの屋敷に帰っていった。
◇◆◇
────早くディオ様に会いたい……!!
元の世に戻ったアリアンロッドは、彼の時間が空いたと聞いたら向こうから来るのを待てばいいのに、すぐさま走って向かっていった。
執務室の扉を開け、彼の面前に立ち、そして勇気を振り絞って報告し始める。
「ディオ様、ふしぎな力を持つ聖女に会えたわ……」
そう一言告げられても、彼は表情を変えなかった。彼女の醸し出す雰囲気で大方理解したようだ。
アリアンロッドは、その聖女がこの国の次代大聖女であっただろうことも打ち明けた。
「でも連れてこられなかった。私の力不足で。……ごめんなさい」
彼には光景が浮かんでくる。それは彼女が他者を大事に思った結果なのだろうと。
「分かった」
それ以上言わなくてもいいと、その声や表情から、ちゃんと彼女に伝わるはずだ。自身の思惑が外れようとも、彼にとって彼女の思いほど大切なものはないのだから。
彼はいつもと変わらない優しい眼差しで、旅から帰った彼女を労わる。アリアンロッドはそそくさと隣に寄り添い、夢の続きを自身の中でのみ再現するような心地でいた。
彼には言えない。夢の世界であなたと結ばれ、あなたの子を生んだとは。話したら彼は、それを現実にできない心苦しさに苛まれるだろう。
「きっとこの世でいちばん幸せな、夢をみてたの……」
――――本当は共有したかった。その幸せを。
そんな未来へとまっすぐに、歩んでゆけたらよかったのに。
隣で現実のルゥがまだすやすやと眠っている。目覚めたアリアンロッドは、軽くつないでいるルゥの手をもう一度強く握って、そして離した。
現実を思えば不安は消えない。大聖女の役目も果たせず、あの人を落胆させてしまうだろう。
それでもこの子には、自由に生きて欲しいのだ。日の光の下で、これからも好きなように生きていって欲しい。もしかしたら、自分の代わりに生きて欲しいという願いなのかもしれない。
これ以上そばにいたら未練になってしまうから、アリアンロッドはそっとその場から離れた。おおよその達成感を抱いていれば、今まで通り神はふっと現実に戻してくれるだろう。
しばらくうろうろ歩いていると、そろそろその林際に出るというところ。導かれるように明るいそちらへ彼女は歩を進めた。
すると、横切る道に出たが、その先は崖、そしてさらには海が広がる。その海の先にも大島があり、森に囲まれる大きな屋敷の上階が見えるのだった。
「あんな大きな邸宅で暮らしている人たちもいるのね。あれは宮殿なのかしら……」
ここで、不意に横から声を掛けられた。
「あれ、母様? どうしてこちらに……」
アリアンロッドはとっさに振り向いた。
そこにいたのは、身なりのきちんとした銀髪の青年だった。アリアンロッドは彼の紫の瞳をじっと見つめて、妙な感覚に陥った。
「あ、人違いでした、すみません。……あれ、でも……」
彼も同様の感覚を催したのだろう。
アリアンロッドのそれは──、まるで男性になった自分を鏡で見ているような奇妙な経験。
ふたりはその瞬間、見つめ合って、微動だにしなかった。
その時、アリアンロッドは冷たい風を感じた。ここで眼前の青年に、人間が急に立ち消えるのを見せるのは、と、元来たほうへ逃げ出した。
「あ、待って……!」
そのまま無我夢中で走って、一度腰を曲げて息を整え、顔を上げたら。
王宮のいつもの庭に戻っていたのだった。
◇◆◇
その頃、夢の中で昼寝をしていたルゥは、夢の中で目を覚ました。しかしアリアンロッドの姿はそこにない。
「あれ……あいつ、どこ行った? また走り込みか?」
まわりを見回してもまったく気配がない。
「もしかして、目が覚めちゃったのか? でもここ、まだ夢の中だしな……まさか俺、他人の夢を引き継ぐこともできるってか? 己の才能が怖いな」
彼女はやや寝ぼけている様子。そのとき背後の、夢からの慟哭が彼女を揺り起こした。驚いてそこをのぞくと、アリアンロッドが動かない赤子を抱きしめ泣き喚いている。
それはまともな声にならない、かくも悲痛な叫びだった。
「何が起きて……まさか……」
そのまさかで、赤子は流行り病に冒され、いま息を引き取ったところだ。隣でディオニソスがアリアンロッドの肩を抱き、精一杯慰めようとするが、今の彼女には彼の思いすら届かない。
アリアンロッドだって分かっていたはずだ。小さな子どもなどいつ天に帰ってしまってもふしぎではない、儚い存在なのだと。このような話は、彼女もしばしば見聞きし心痛めることであったが、実際に身の上に起きたならこれ以上の絶望はない。
涙が枯れた後も、泣き疲れ果て眠りについた後も、彼女は決して赤子を離さなかった。
そして、赤子の埋葬から幾日かたった後、今度はその流行り病でディオニソスが倒れた。
『あなた! いやだ……私をおいていかないで!!』
どんなに泣いて名を呼んでも、熱に浮かされる彼には聞こえない。彼も子の後を追うように天に召されたのだった。
「あ、ああぁ……」
立て続けに彼女を襲った不幸に、ルゥも顔面蒼白になる。
夢の中のアリアンロッドは、埋葬の場にて「彼と共に私も埋めて」と泣き叫び遺体から離れようとせず、参列した男性らの手で連れ帰らされた。
これをアリアンロッド本人がみていなくて良かったと、ルゥは心の底から思う。
「いくら夢であっても、こんな場面はただの一度ですら御免だよな……」
もしかして、人はちょうど良い時に目覚めるようになっているのか、と彼女は考えた。たまに夢から目覚めたら「もっとみていたかったのに」と思うこともあるが、そういうものに限って案外みなくて済んで良かったりするのだろうと。
しかし、どうやら夢はまだ続いている。
最愛のふたりを失ったアリアンロッドは虚ろな気分で生きていた。独りになっても、近隣の人々の協力で生活はしていける。心は寂しさで死んでしまっても、からだはまだ死ねなかった。
その頃、彼女は町人たちの噂話を聞いた。とうとうこの国も、東の地方から来た覇王・ユングの支配下に置かれるという話だ。
『……国は……?』
アリアンロッドは震える手で彼らに掴みかかって尋ねた。ヴィグリーズ王国はどうなったのかを。すると、とうに東の軍勢に占領され、中枢にいた為政者らはみな刑に処された、とのこと。
『そんな……。ヴァルは……お母様は……』
更なる絶望の淵に落ちていくような彼女を、人々は不思議そうに眺めていた。
起きる機を逃してまだ空からみていたルゥは、もはや言葉もなかった。
そのうちにルゥも目が覚めた。周りには誰もいない。もう日も暮れる、早く帰らなくては両親も心配するだろう。
森の道を抜け、屋敷の外郭を伝って走る。そんな時に、角の向こうの地面から影が長く伸びて出た。
「母さま!」
角からひょっこり出てきたのは、優しい微笑みをたたえた母だった。
「母さま、ひとりで歩いてて大丈夫か?」
「今日はとても気分がいいの。だから、あなたを迎えにぶらぶら行こうと思って」
頭を撫でられ、彼女は両親だけに見せる無邪気な顔で笑う。
「もう父さまはテーブルにいる? みんなも?」
「ええ。ああでも、さっき兄さまがあなたを探しに行くって……、会ってない?」
「ん、すれ違っちゃったかな」
ふたり手をつないで、そこの屋敷に帰っていった。
◇◆◇
────早くディオ様に会いたい……!!
元の世に戻ったアリアンロッドは、彼の時間が空いたと聞いたら向こうから来るのを待てばいいのに、すぐさま走って向かっていった。
執務室の扉を開け、彼の面前に立ち、そして勇気を振り絞って報告し始める。
「ディオ様、ふしぎな力を持つ聖女に会えたわ……」
そう一言告げられても、彼は表情を変えなかった。彼女の醸し出す雰囲気で大方理解したようだ。
アリアンロッドは、その聖女がこの国の次代大聖女であっただろうことも打ち明けた。
「でも連れてこられなかった。私の力不足で。……ごめんなさい」
彼には光景が浮かんでくる。それは彼女が他者を大事に思った結果なのだろうと。
「分かった」
それ以上言わなくてもいいと、その声や表情から、ちゃんと彼女に伝わるはずだ。自身の思惑が外れようとも、彼にとって彼女の思いほど大切なものはないのだから。
彼はいつもと変わらない優しい眼差しで、旅から帰った彼女を労わる。アリアンロッドはそそくさと隣に寄り添い、夢の続きを自身の中でのみ再現するような心地でいた。
彼には言えない。夢の世界であなたと結ばれ、あなたの子を生んだとは。話したら彼は、それを現実にできない心苦しさに苛まれるだろう。
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