34 / 38
メテオの章
⑪ もっと僕に囚われて
しおりを挟む
私の乗る速馬の車が学院の正門に到着した。下車時にふと空を見上げると、二日月のお皿にこぼれ落ちそうな金星が輝いている。
静けさ漂う校舎に足音を響かせ、私は天文部が惑星運行儀を実践しているホールに向かった。
『先生? こんな時間にどうしたんです?』
『ずいぶん息をお切らしになって』
シアルヴィとイリーナは星図版の調整をしているところだった。
『お願い! 流星群を空に降らせて!』
『いったいどうしたんですか、先生?』
シアルヴィの両肩を掴み、強く訴える私。普段は動じない彼ですらたじろぎを見せる。
『急にこんなことを言ってごめんなさい。用意が簡単ではないことも分かっているのだけど、どうにか……』
もうすぐロイエを乗せた馬車がやってくる。このままでは彼女の未来が閉ざされかねない。今は、この子たちだけが頼り。
『シアルヴィ。あなた、流星群の星図を昨日、描いていなかったかしら?』
『よくチェックしてるね、イリーナ』
『八方に目が付いているの、私』
あら、もしかして好機に恵まれた? 私は目を見開いて彼らの会話に耳を傾けた。
『ご期待に添えるかどうか分かりませんが、やるだけやってみましょう』
初めての観客にシアルヴィは気分が乗ってきたようだ。無邪気なアーモンドアイが輝いている。
『ありがとう! 私もワクワクしながらこの宇宙を見上げているわね!』
『『ユニ様、お連れしました!』』
ラスとアンジュに支えられ、ロイエが小さな歩幅でここホールの入り口に到着する。
さっきよりは顔色が良くなっている。ルーチェは言いつけ通りに、馬車の外を飛んできてくれたようだ。
『こちらも到着だ』
舎内を闊歩するダインスレイヴ様の周りをルーチェがぐるぐる飛んでいる。
よし。ふたりのデートの仕切り直しを、今。
『ルーチェ。きっとここに答えがあるから。男を見せなさいね』
彼は幽霊らしく透きとおる容貌だが、瞳には確固とした意思の光を灯し、真剣な表情で頷いた。
その瞳を信用しよう。ロイエの手を取らせたら、ホール入り口の向こうへと促す。
『ダイン様』
『ん?』
『この部屋、今、ロマンティックな空間のようですが……あっ』
私に最後まで言わせないで、彼は性急に私の肩を抱き寄せて。
『さっそく入ろう』
『暗いので足元にお気を付けくださいね』
もう。この方はいつもいつも、言葉より動作が早いの。
『まぁ……』
『…………』
突然の異空間。暗黒のキャンバスに降る光のスコール……流星群が、私たちに降り注ぐ。
光輝く大きなカーテンにふたり、ぎゅっと包まれて、現世の些事から解き放たれるよう。
ダイン様もなかなか驚いているみたい。言葉なく空を見上げている。
シアルヴィはこうして、人々を宇宙に連れて行きたいのね。生命のはじまりの場所、永遠に終わらない空間へ。
いま私たちは、それなりに遠慮して、出入り口付近で巡る天体を眺めている。
ダイン様が私の腰に腕をまわし、そっと寄り添いあったそのとき、私たちの手前で夜空を見つめるふたりの声が聞こえてきた。
『ルーチェ、まるであの時の流星群ね』
“そうだね。僕はあの時、この星空に誓ったんだ”
『何を?』
“やっと思い出したよ”
『ねぇ、何を?』
“君に対して誠実でいるって”
『あなたはいつだって誠実だったわよ?』
“この世界で、君を襲う様々な悪や不幸から、きっと守り抜くって”
『なんて大きな目標なの』
彼女は口元に手を寄せて呆れたように笑った。幸せそう。
『私はそのままのあなたで、十分……』
“違うんだ!”
…………?
ルーチェの張り上げた声は虚空を伝い、私の立つこの場まで、こもった熱と共に響いた。
“僕は君が思うほど誠実でも、お人好しでも大らかでもない。本当は利己的で卑怯な人間なんだ!”
『ルーチェ?』
思いがけず、彼の差し迫る告白に、私まで息が詰まる。
プロポーズの雰囲気にはそぐわない懺悔が始まりそう。でもこれで、ふたりのわだかまりが消えれば……。
“だって僕、死の床でずっと、永遠に君が僕に囚われたらいいな、って思っていた。だから、死ぬ前に君に会いたくて会いたくて仕方なかったけど、必死に抑え込んだんだ”
『…………?』
ロイエは彼の言葉の意図がつかめず不安げな様子だが、彼の身を切るような告白は続く。
“君のことが大好きだったから。どうやったら僕が死んだ後もずっと僕を想い続けてくれるだろうと、そればかりを考えてしまって……。僕の病気の事実を知らせずに、死んで唐突に君の世界から消えたら、君はこの事実を受け入れられず、ずっと僕の幻影を追ってくれるんじゃないかと、浅知恵を巡らせたんだ”
『だから、私のところに知らせが来なかったの……。せめて最後に、あなたに会いたかったのに!』
それって遺されたほうが苦しいのよね……。
“もう二度とふれあうことのない僕に囚われて、たとえ君が飲まず食わずでやつれてしまっても構わなかった。だってそれで天に召されることになれば、またあの世で僕と一緒だ! ……そんなふうに願っていた”
意外だ。素朴な性格で、時にやんちゃな表情をしていた彼だけど、今は真剣な声音で、いっぱしの大人の男性のよう。
“君を呪い殺そうとしていたんだ。こんな僕が君に愛をささやく権利なんてない!”
確かにそれは、呪いでしかないけれど……。
ホールの夜空を滴る流星群が、17の若さで生涯を閉じてしまった彼の無念の涙に見える。
こんな告白を聞かされるロイエの心は大丈夫かしら……。でも私、変ね、なぜか羨ましい。
もし、私だったら……愛しい人がさみしいというなら、一緒に逝ってあげたい。呪い殺されても、いいのよって許したいわ。そうすることで愛を証明できる。それは「愛してる」って囁くよりよほど確かなもののような気がする。
確実に伝えることができるなら、本望よ。愛情を伝える幸せを、私たちは本能に組み込まれている。
『なんだ、そんなこと』
やっと上がったロイエの声色は、それはそれは晴れやかな響きだった。
やっぱり、彼女もそのように思うわよね……?
『もう苦しまなくていいのよ、ルーチェ。あなたは私がつくった幻影』
ロイエは形のない彼の頬を両手で包んだ。
静けさ漂う校舎に足音を響かせ、私は天文部が惑星運行儀を実践しているホールに向かった。
『先生? こんな時間にどうしたんです?』
『ずいぶん息をお切らしになって』
シアルヴィとイリーナは星図版の調整をしているところだった。
『お願い! 流星群を空に降らせて!』
『いったいどうしたんですか、先生?』
シアルヴィの両肩を掴み、強く訴える私。普段は動じない彼ですらたじろぎを見せる。
『急にこんなことを言ってごめんなさい。用意が簡単ではないことも分かっているのだけど、どうにか……』
もうすぐロイエを乗せた馬車がやってくる。このままでは彼女の未来が閉ざされかねない。今は、この子たちだけが頼り。
『シアルヴィ。あなた、流星群の星図を昨日、描いていなかったかしら?』
『よくチェックしてるね、イリーナ』
『八方に目が付いているの、私』
あら、もしかして好機に恵まれた? 私は目を見開いて彼らの会話に耳を傾けた。
『ご期待に添えるかどうか分かりませんが、やるだけやってみましょう』
初めての観客にシアルヴィは気分が乗ってきたようだ。無邪気なアーモンドアイが輝いている。
『ありがとう! 私もワクワクしながらこの宇宙を見上げているわね!』
『『ユニ様、お連れしました!』』
ラスとアンジュに支えられ、ロイエが小さな歩幅でここホールの入り口に到着する。
さっきよりは顔色が良くなっている。ルーチェは言いつけ通りに、馬車の外を飛んできてくれたようだ。
『こちらも到着だ』
舎内を闊歩するダインスレイヴ様の周りをルーチェがぐるぐる飛んでいる。
よし。ふたりのデートの仕切り直しを、今。
『ルーチェ。きっとここに答えがあるから。男を見せなさいね』
彼は幽霊らしく透きとおる容貌だが、瞳には確固とした意思の光を灯し、真剣な表情で頷いた。
その瞳を信用しよう。ロイエの手を取らせたら、ホール入り口の向こうへと促す。
『ダイン様』
『ん?』
『この部屋、今、ロマンティックな空間のようですが……あっ』
私に最後まで言わせないで、彼は性急に私の肩を抱き寄せて。
『さっそく入ろう』
『暗いので足元にお気を付けくださいね』
もう。この方はいつもいつも、言葉より動作が早いの。
『まぁ……』
『…………』
突然の異空間。暗黒のキャンバスに降る光のスコール……流星群が、私たちに降り注ぐ。
光輝く大きなカーテンにふたり、ぎゅっと包まれて、現世の些事から解き放たれるよう。
ダイン様もなかなか驚いているみたい。言葉なく空を見上げている。
シアルヴィはこうして、人々を宇宙に連れて行きたいのね。生命のはじまりの場所、永遠に終わらない空間へ。
いま私たちは、それなりに遠慮して、出入り口付近で巡る天体を眺めている。
ダイン様が私の腰に腕をまわし、そっと寄り添いあったそのとき、私たちの手前で夜空を見つめるふたりの声が聞こえてきた。
『ルーチェ、まるであの時の流星群ね』
“そうだね。僕はあの時、この星空に誓ったんだ”
『何を?』
“やっと思い出したよ”
『ねぇ、何を?』
“君に対して誠実でいるって”
『あなたはいつだって誠実だったわよ?』
“この世界で、君を襲う様々な悪や不幸から、きっと守り抜くって”
『なんて大きな目標なの』
彼女は口元に手を寄せて呆れたように笑った。幸せそう。
『私はそのままのあなたで、十分……』
“違うんだ!”
…………?
ルーチェの張り上げた声は虚空を伝い、私の立つこの場まで、こもった熱と共に響いた。
“僕は君が思うほど誠実でも、お人好しでも大らかでもない。本当は利己的で卑怯な人間なんだ!”
『ルーチェ?』
思いがけず、彼の差し迫る告白に、私まで息が詰まる。
プロポーズの雰囲気にはそぐわない懺悔が始まりそう。でもこれで、ふたりのわだかまりが消えれば……。
“だって僕、死の床でずっと、永遠に君が僕に囚われたらいいな、って思っていた。だから、死ぬ前に君に会いたくて会いたくて仕方なかったけど、必死に抑え込んだんだ”
『…………?』
ロイエは彼の言葉の意図がつかめず不安げな様子だが、彼の身を切るような告白は続く。
“君のことが大好きだったから。どうやったら僕が死んだ後もずっと僕を想い続けてくれるだろうと、そればかりを考えてしまって……。僕の病気の事実を知らせずに、死んで唐突に君の世界から消えたら、君はこの事実を受け入れられず、ずっと僕の幻影を追ってくれるんじゃないかと、浅知恵を巡らせたんだ”
『だから、私のところに知らせが来なかったの……。せめて最後に、あなたに会いたかったのに!』
それって遺されたほうが苦しいのよね……。
“もう二度とふれあうことのない僕に囚われて、たとえ君が飲まず食わずでやつれてしまっても構わなかった。だってそれで天に召されることになれば、またあの世で僕と一緒だ! ……そんなふうに願っていた”
意外だ。素朴な性格で、時にやんちゃな表情をしていた彼だけど、今は真剣な声音で、いっぱしの大人の男性のよう。
“君を呪い殺そうとしていたんだ。こんな僕が君に愛をささやく権利なんてない!”
確かにそれは、呪いでしかないけれど……。
ホールの夜空を滴る流星群が、17の若さで生涯を閉じてしまった彼の無念の涙に見える。
こんな告白を聞かされるロイエの心は大丈夫かしら……。でも私、変ね、なぜか羨ましい。
もし、私だったら……愛しい人がさみしいというなら、一緒に逝ってあげたい。呪い殺されても、いいのよって許したいわ。そうすることで愛を証明できる。それは「愛してる」って囁くよりよほど確かなもののような気がする。
確実に伝えることができるなら、本望よ。愛情を伝える幸せを、私たちは本能に組み込まれている。
『なんだ、そんなこと』
やっと上がったロイエの声色は、それはそれは晴れやかな響きだった。
やっぱり、彼女もそのように思うわよね……?
『もう苦しまなくていいのよ、ルーチェ。あなたは私がつくった幻影』
ロイエは形のない彼の頬を両手で包んだ。
0
あなたにおすすめの小説
落ちぶれて捨てられた侯爵令嬢は辺境伯に求愛される~今からは俺の溺愛ターンだから覚悟して~
しましまにゃんこ
恋愛
年若い辺境伯であるアレクシスは、大嫌いな第三王子ダマスから、自分の代わりに婚約破棄したセシルと新たに婚約を結ぶように頼まれる。実はセシルはアレクシスが長年恋焦がれていた令嬢で。アレクシスは突然のことにとまどいつつも、この機会を逃してたまるかとセシルとの婚約を引き受けることに。
とんとん拍子に話はまとまり、二人はロイター辺境で甘く穏やかな日々を過ごす。少しずつ距離は縮まるものの、時折どこか悲し気な表情を見せるセシルの様子が気になるアレクシス。
「セシルは絶対に俺が幸せにしてみせる!」
だがそんなある日、ダマスからセシルに王都に戻るようにと伝令が来て。セシルは一人王都へ旅立ってしまうのだった。
追いかけるアレクシスと頑なな態度を崩さないセシル。二人の恋の行方は?
すれ違いからの溺愛ハッピーエンドストーリーです。
小説家になろう、他サイトでも掲載しています。
麗しすぎるイラストは汐の音様からいただきました!
【完結】そして、ふたりで築く場所へ
とっくり
恋愛
二十年の時を経て、ふたりは再び出会った。
伯爵家三男のバルタザールは十二歳の時に
二歳歳下の子爵家の次女、ミリアと出会う。
その三年後に、ミリアの希望で婚約が結ばれたがーー
突然、ある理由でミリアが隣国に移住することになり、
婚約が有耶無耶になってしまった。
一度は離れた時間。その間に彼女は、自分の未来と向き合い、
彼は建築家としての信念を試される。
崩れゆく土地を前に、人々の手で再び築かれる暮らし。
「待っていた」と言えるその日まで。
――これは、静かに支え合いながら生きるふたりの、再出発の物語。
※「君を迎えに行く」のバルタザールの話になります。
「君を迎えに行く」を読んでいなくても、大丈夫な内容になっています。
真夏のリベリオン〜極道娘は御曹司の猛愛を振り切り、愛しの双子を守り抜く〜
専業プウタ
恋愛
極道一家の一人娘として生まれた冬城真夏はガソリンスタンドで働くライ君に恋をしていた。しかし、二十五歳の誕生日に京極組の跡取り清一郎とお見合いさせられる。真夏はお見合いから逃げ出し、想い人のライ君に告白し二人は結ばれる。堅気の男とのささやかな幸せを目指した真夏をあざ笑うように明かされるライ君の正体。ラブと策略が交錯する中、お腹に宿った命を守る為に真夏は戦う。
旦那様に学園時代の隠し子!? 娘のためフローレンスは笑う-昔の女は引っ込んでなさい!
恋せよ恋
恋愛
結婚五年目。
誰もが羨む夫婦──フローレンスとジョシュアの平穏は、
三歳の娘がつぶやいた“たった一言”で崩れ落ちた。
「キャ...ス...といっしょ?」
キャス……?
その名を知るはずのない我が子が、どうして?
胸騒ぎはやがて確信へと変わる。
夫が隠し続けていた“女の影”が、
じわりと家族の中に染み出していた。
だがそれは、いま目の前の裏切りではない。
学園卒業の夜──婚約前の学園時代の“あの過ち”。
その一夜の結果は、静かに、確実に、
フローレンスの家族を壊しはじめていた。
愛しているのに疑ってしまう。
信じたいのに、信じられない。
夫は嘘をつき続け、女は影のように
フローレンスの生活に忍び寄る。
──私は、この結婚を守れるの?
──それとも、すべてを捨ててしまうべきなの?
秘密、裏切り、嫉妬、そして母としての戦い。
真実が暴かれたとき、愛は修復か、崩壊か──。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 いいね❤️励みになります!ありがとうございます!
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
ヤンキー、悪役令嬢になる
山口三
恋愛
岸田和華(きしだわか)は異世界に飛ばされた。自分が読んでいた小説の悪役令嬢ジュリエットに憑依してしまったのだ。だが和華は短気でガサツで、中学高校と番を張ってたヤンキーだ。高貴な身分の貴族令嬢なんてガラじゃない。「舞踏会でダンス? 踊りなんて盆踊りしか知らないからっ」
一方、リアル世界に残された和華の中にはジュリエットが入っていて・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる