転生ヒロインは自由を求めてあがく

吉良ありす

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ピンクの髪に男爵家の養女、これってまさか乙女ゲーム?
乙女ゲーム好きな友人から聞いていた、乙女ゲームのお約束事項。その一つが「ヒロインはピンクの髪に男爵家や子爵家の養女となって、学園に通い攻略対象者たちと恋愛模様を繰り広げる」といったものだった。
自分はヒロインの条件が揃っているし、15歳になった年の春には王立学園に通うように、と男爵から厳命されている。ヒロインである可能性に思い当たり、リリアは愕然とした。

乙女ゲームはヒロインが攻略対象者とくっつく王道モノと、悪役令嬢にざまあされるざまあモノの二パターンあると聞いていたが、正直そのどちらも御免だった。
前世勤労に生きがいを感じていたリリアは、そもそも貴族というものに全く魅力を感じていない。勉強は好きなので男爵家で施されるマナーを含めた多岐に渡る教育は楽しく取り組んだが、基本働いて稼いだお金で気兼ねなく買い物がしたいし、侍女の目を気にせず部屋でくつろぎたい。お茶も自分で淹れることができないような貴族令嬢の生活など、窮屈で仕方ないのだ。貴族社会の中では比較的緩い男爵家でさえ嫌だというのに、攻略対象者のような高位貴族との結婚などさらに面倒くさいことは容易に想像できる。

確かに攻略対象者は顔が良い。しかし顔が良いから何だというのだ。それと引き換えに監視されているような生活を送るハメになるくらいなら、自分は喜んでフツメンを取ろう。前世である七瀬はリアリストだったが、今世のリリアもしっかりその考えを受け継いでいた。

また、ざまあモノだった場合、攻略対象者と共に断罪返しからの修道院行き、国外追放はまあなんとかやっていけそうなのだが、悪くすると処刑となるパターンもあるため、これは絶対に避けたいところである。

どちらも避ける確実な方法として男爵家からなんとか逃げ出せないかと悶々とするもチャンスもなく、王立学園に入学する15歳になってしまったのであった。
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